ここは日本の何処か
すぐ近くにコンビニ、ショッピングセンターは
有るが、幹線道路を越えれば田んぼがある
主観的に見ればここは田舎だ
そんな中、自転車を飛ばす青年が一人
「うー! 遅刻遅刻!」
今、遅刻しかけて学校に向かっている僕は
日本に住む漫画好きな普通の高校生
強いて違う所を上げるとすれば
独り言が多いってとこかな
名前は
何と今日は僕の18歳の誕生日!
面倒くさい学校なんて早く終わらせて
誕生日を謳歌したいよ
「セーーーーフ」「早くしろぉ」
遅刻ギリギリであるが取り敢えず
学校に着くことができ
何の障害もなく昼休みまで進んだ
(授業中、先生に2、3度
怒られたなんてないさ)
「お前、また先生に怒られたよな」
隣に居るのは友達の翔、
「違うよ、アレは怒ってたんじゃなくて
呪文だったんだよ何言ってるか解んないもん」
あの先生の怒りは理不尽だ
「なぁ、今日こそ行けるんじゃね」
「またやるつもり?」
翔の最近のブームは学校の探検らしく
昼飯前に僕を誘ってまで何処にでも征く
僕はもう探検したぞ!
……進入禁止以外
「そう! 何回も行って先生が通らないことは
確認済みだから今日こそ!」
そのせいで何回昼飯が飛んだことか……
「じゃあ入るだけ……」
入ること自体が禁止なのに
多分この時、頭のネジが飛んでいた
これのせいで僕の運命は変わった
────────────
ハラヘッタ
「飯、食ってからにしよ〜ぜ」
「まぁまぁ、いいから。着いたよ」
トビラには生徒進入禁止の文字が
上のプレートには機械室と書かれている
廊下に先生はいない
今がチャンスだろう
「お前、先に入れよ」
ここに連れてきたのは翔、お前だろう
「まぁ、今日は気分が良いからな」
なんてったって今日は誕生日だからな
やってはいけない事だろうが
そんな事などお構い無しと機械室に入った
「アレ、真っ暗だぞ」
思った以上に室内は暗かった
機械の光くらい有っても良いと思うけど
そんなことを思う内に
扉から手を離してしまった
「HAPPY BIRTHDAY 希」
こんな時に何だ?
「今、なんてッ」ガシャン
扉が閉まった、真っ暗……
閉じ込められた!
「アイツ! 嵌めやがった!」
怒られるか……
ずっとこのままか……
昼食は? これからの授業は?
「しっかし、何も見えねぇな」
電灯スイッチ探すために手を伸ばすが
壁を触ることが出来ない
「どうすりゃ良いんだ?」
助けを待つかとため息をつくと
「君、名前は?」
男の声が聞こえた
「誰か居るのか?」
こんな暗い中、用務員さんが
働いているのかと考えると
部屋の中が後ろから段々と明るくなった
こんなに広かったか?
前を見ると
長机があり、男が椅子に座っている
男は眼鏡にスーツ
対面するようにパイプ椅子がある
まるで面接時のセットだ
「名前は?」
「あっ、総橋希です」カリカリ
書類か何かに書いている……
「座り給え」
じゃあ、お言葉に甘えて
「失礼します」ギシッ
そうだ! これは、授業中の夢だ!
何時も見てるぞ!
空腹も感じない!
「漢字はどう書く?」
えっ、そこ?
「書いて」
履歴書っぽい物を渡された
「はい」カリカリ
顔写真、フリガナは既に……
あれ、保護者の欄も書かれている
なんで……親父の名が?
とっくに居ないはず……
それに、これなら漢字は分かるはず
「書いた?」
「はっ、はい書きました」
男の目をじっくり見ると
日本人としては珍しい紅い目をしていた
「へぇ……やっぱり……」
何が……やっぱり?
「ありがとうございました」
取り敢えず挨拶はしよう
挨拶は大事!
古事記にもそう書かれている!
「ありがとうご…ざ…いまッ!」
取り敢えず返事すると
床が消えた
椅子が先に落ち
自分の身体が浮く
身体は重力に従い落ちてゆく
「たすけてぇッ」
「すまない、詳細は言えない取り敢えず」
「本当にこれで良いんだよな」
「龍騎……」
「あぁ、これでいい」