ゴールドシップが部屋にいることに気づいて早30分が経過しましたわ。一向に帰るそぶりを見せませんの。
さて……どうしましょう……。今日はトレセン学園に帰る日なのですが、ゴールドシップが帰らないことには寄り道をして帰れませんわ。今日はまだ行ってなかった小丸に行き、地下食品売り場に行こうと思っておりますのに。
こうなったら奥の手を使うしかありませんわね。
「そういえばゴールドシップさん、今日は丸井和泉の催事場で北海道フェアをやっているそうですわ。帯広のスイートポテトや余市のリンゴジュース、富良野や夕張のメロンソフト、釧路の海産物も置いてあるそうですわよ。スイートポテトは私も食べたのですが非常に美味しかったですわ」
「ふーん、そっか」
悲しくなるくらい食いついてきませんのね。私なら目を光らせているというのに、悲しいですわ。ゴールドシップのことを食べ物で気を引くのは難しいですわ。ですが持ち合わせている知識ではあの方の気を引けるような話題がありませんわね……。何でしょう……ツワブキの茎が赤いものは美味しくない……足寄町の特産品であるラワンブキの高さは200センチを超える高さまで育つ…………私は蕗の話題しか持ち合わせておりませんの?
「貴女、そういえば今日は寒中水泳の日ではありませんでしたか?」
「……おー! そういえば忘れてたぜ。あれの時間が確か11時なんだよな。今が9時半だからまだここにいられそうなんだよな。…………やっばそういえばお土産買っていかないといけないじゃねえか。マックちゃん、なんかよさげな菓子折り知らねえか?」
「なんですのこの急展開……まあいいですわ。EASTの地下1階に食品売り場がありますわ。そこに龍月と五日亭、フルーツケーキカンパニーなどがありますから行ってみてはどうですか? 四方七《しほうなな》とかマルゼンビスケットが美味しいですわよ」
「マックちゃんついてきてくんねえの?」
「子供じゃあるまいし大丈夫でしょう?」
「いやまあ確かに子供じゃねえけどよ……」
「なんですの? その含みのある言い方は……」
「いやなんでもねえ……じゃあそこ行ってくるな、ありがとよマックちゃん」
なんとか目標をクリアしましたわ。……新千歳空港でまたエンカウントしませんわよ……ね……?
さて、今は札幌駅の赤いオブジェのところにいるのですが、東の方角に行けば1日目に行きましたEASTへの連絡通路がありますわ。ですが今回はそちらの方にはいきませんわ。
今回の向かうところはデパートですがEASTではなく、その反対側、西側にある小丸に行きますわよ。あそこの地下食品売り場は美味しいものが多いとトレーナーさんに教えてもらいましたわ。
私がしました事前の下調べとトレーナーさんの知識によると、生鮮食品の質がいいことが挙げられます。ブランドや肉スーパーマーケットでは販売されていない珍しい果物もありますわ。トレセン学園付近のデパートと大差ないとは思われますが、北海道ならではのものがきっとあるはずですわ。
さて、この連絡通路を通ったら小丸に行けます。1階は化粧品売り場になっていますの。パウダーの香りがふんわりとしていて心地良いですわね。ちなみに上の階には服やバッグが売っていますわ。
中央エスカレーターを下ると様々なお店がありますの。降りたら目の前に和洋菓子のお店がありますわ。ゴリヴァなどですわね。エスカレーターを挟んだ反対側には生鮮食品コーナーがありますわ。
まず向かうところはやはり生鮮食品ですわ。まずは野菜類のところから。
そういえば大体のスーパーは入り口の近くに野菜類が置いてありますわよね。そして次には海鮮、肉と続いてお惣菜、レジ付近に飲み物と大体決まっていますけど、なにか不思議ではありませんか? 最初にお肉を売っていてもいいと思いますの。不思議ですわよね。
陳列方法などはスーパーマーケットと大差ありませんのね。人参や玉ねぎと言ったオーソドックスな野菜は手前側に、奥にある冷却機能がついている陳列棚にはドラゴンフルーツやココナッツと言った珍しい食材がありますわ。ドラゴンフルーツはシャーベットにして食べると美味しいとトレーナーさんが仰ってましたわ。回転寿司に置かれていたとかなんとか……。柚子シャーベットも置いていたとか……ほんとに回転寿司ですの……?
次は鮮魚コーナー……と言いたいところなのですが、私魚に関する知識を殆ど持ち合わせておりませんの……。東日本と西日本で鰻の捌き方が違うことくらいしか知識がありませんの……。ですから今回はスルーさせていただきますわ……申し訳ありません。
気を取りなおしてお肉コーナーですわ。食肉というのは、屠体、枝肉、部分肉、精肉と4つに分けられていますの。普段買うパックされているお肉は精肉に分類されますわ。だから精肉コーナーと呼ばれていますのよ。
屠体は屠畜された後のお肉のことを言いますわ。それから内臓や皮を取り右半身と左半身に分けると枝肉となりますわ。さらにそこから部位ごとに分けると部分肉となり、それをスライスなどすると精肉となりますわ。お店が仕入れるのは基本的に部分肉ですが、稀に枝肉を持ってくることもあるそうですわ。
奥に行くとショーケースがありますわね。主に牛肉が置かれていますが、豚も鶏も置かれていますわ。
旅行で鶏と言ったらやはり地鶏は欠かせませんわ。地鶏というのは簡単に説明すると、エサや血統、飼育環境、飼育期間が細かく設定された環境で育てた特産の鶏のことを指しますわ。名古屋コーリンが地鶏の代表と言えるかもしれませんわね。
地鶏の特徴としましては普通の鶏肉に比べると肉質は筋肉質で若干固いのですが、旨味が全然違うのが特徴ですわね。栄養素なんかも他の鶏肉の三倍あることをセールスポイントにした地鶏もあるそうですわ。
地鶏のことをまとめたホームページもありますので気になる方はチェックすることをお勧めいたしますわ。
ここで売られている地鶏は「中札内田楽鶏」と呼ばれる品種だそうですわ。中札内というのは道東にある地名のことですわ。そこで飼育されている地鶏ですから、名前に地名が入っていますのね。特徴としては、抗生物質の残留が少ないことと、餌にこだわって健康に育てられていることでしょうか。
ここで置かれている鶏肉は基本的にこの品種ですのね。隅っこの方にブロイラーもありましたが、あまり仕入れていないらしく、数が殆どありませんでしたわ。
ブロイラーというのは若鳥のことですわ。一般的に鶏肉と言われているもののことですわね。地鶏よりも早く出荷でき、少ない土地で多くの数を育てることができるため、コストパフォーマンスが良いのが特徴ですわ。ですから一般的に売っている焼き鳥ですとか、半身揚げはこのブロイラーを使用していますわ。ただ地鶏に比べ味が良いとは言えず、抗生物質の残留などもあるそうですわ。害はないとのことでしたが少し不安ですわよね。ですがその分お肉はやわらかいですわ。味を取るか、柔らかさを取るかで使用する鶏肉を選択したいですわね。
さて、次は豚肉ですわね。勿論豚肉も北海道ならではのものが置かれていますわ。ここではホエー放牧豚が置かれていますわね。三元豚もありますわ。
ホエー豚という名前を一度は耳にしたことがあるけど、なんなのかわからない人も多いかもしれませんわね。ホエー豚とはその名の通りホエーを飲ませて育てた豚肉のことですわ。ホエーとは日本語で乳清と言い、チーズを作った時にできる副産物がホエーと呼ばれるものですわ。身近なところには……ヨーグルトの上にある液体もホエーでしたわね。あれを飲んで育った豚がホエー豚ですわ。
普通の豚とホエー豚を比較するとお肉の保水力が違うそうですわ。ですから調理してもパサパサしづらく、肉汁が口に広がるジューシーな豚肉に仕上がりますわ。
三元豚の三元というのは豚の血筋のことを指しますの。この場合でしたら、3つの血が混ざっているということになりますわ。四元豚も考え方は同じですわ。
鶏、豚と続いたら牛も見ていきませんとダメですわよね。牛肉は有名なものが非常に多いですわよね。神戸ですとか、松坂でしょうか。どちらも脂が美味しかったのが印象に残っていますわ。また食べたいですわね……。
ここにその二つは置かれていないようですが代わりに白老牛がありますわ。先ほどの二つよりさっぱりした味わいが特徴なのだそうです。そしてブランド牛であることを考えるとなかなかリーズナブルな価格ですわね。
牛肉は今でこそ日本中どこでも食べられていますが、関西の方が消費量は多いそうですわ。しゃぶしゃぶやすき焼きは牛肉で作るものですが、ラムしゃぶや豚しゃぶ、豚すき焼きなるものもあるので、食の多様化が進んでいますわね。そしてこれらは主に東日本で発祥したものなのだそうですわ。
牛肉と言ったら外せない食べ方は焼肉ですわよね。私はカルビが好きなのでよく食べますの。脂がのって光るあの感じが堪らなく好きですわ。カルビはバラ肉、つまりお腹のお肉ですわね。背中はロースですわ。カルビは脂が多く、ロースはカルビと比較すると脂が少ないですわ。よくステーキにされるサーロインも背中側のお肉に分類されますわ。余談ですが、サガリは横隔膜のことを指しますわ。
折角ですから、白老牛を買ってトレーナーさんの部屋に郵送しておきますわ。半ば無理やりの旅行でしたが楽しめていますもの。ありがとうございますわ、トレーナーさん。
エスカレーターから降りたらすぐ見つけましたゴリヴァを見ていきましょう。ゴリヴァは高級チョコレートが売りのお店ですわね。トレセン学園付近のデパートにも店舗がありましたわよね。北海道限定のものは特になさそうですが、チョコレートというのはいつ食べても良いものですの。特にゴリヴァのチョコは濃厚なカカオの深みと砂糖の甘さが非常に丁度良く、お互いがお互いを引き立てているようでしたわ。スーパーで買った大正のチョコレートも砂糖の甘さが十分に伝わってきて美味しいのですけれど、砂糖だけでは出せない力というものがゴリヴァのチョコレートにはある気がしますわ。
折角ですから一つ買っていきましょう。飛行機内で食べながら帰宅するのもいいと思いますわ。季節のトリュフチョコはよく口にしますので、今回もそれを食べますわ。6種類が2つずつの計12粒が入っているものを買いますわね。
トリュフチョコの作り方というのは案外簡単なものですわ。溶かしたチョコに生クリームを混ぜると纏まってきますので、それを丸めてココアパウダーでコーティングしたら冷やすだけですので、砂糖の量が少ないトリュフチョコというのも案外作りやすかったりしますの。トレーナーさんの冷蔵庫にはほぼ必ず自家製トリュフチョコが入っていますわ。
さて、次に行きましょう。少し時間も押してきていますわ、次で最後にいたしましょう。北海道に来てケーキを食べないのは嘘ですわよね。フルーツケーキカンパニーに行きますわ。
焼きたてチーズケーキや台湾カステラ、イチゴタルトにショートケーキ、もうたまりませんわ! 全て食べ尽くしてしまいたいですわ! 最高ですわ!
……失礼いたしましたわ。少し興奮してしまいましたわ。本当は帯広でケーキは食べたかったのですけれど、時間があまりとれずに食べ損ねてしまいましたの……移動にあんなに時間がかかるとは思っていませんでしたわ……
やはりスフレチーズケーキは欠かせませんわ。大きく店舗に書いてありますもの、自信があるのでしょう。私が食べて調べますわ。お値段もリーズナブルですし。
後はやはりショートケーキでしょうか、ショートケーキにはその店舗のすべてが詰まっていると思っていますわ。クリームの質、スポンジのふわふわ感、間に挟まっている苺、そして一番重要な上に乗せられている苺、美味しいケーキかを判断するために必要な4つですわ。最後の苺はビジュアルですが、最初の3つは味に直結しますわ。
最初はクリームについてですわね。クリームが甘すぎる、若しくは硬すぎる柔らかすぎるなどすれば、食べた時の口当たりに大きく影響しますわ。口当たりが悪いと味を評価することが精神的に難しくなりますの。さらに甘すぎると味に飽きが来るのが早くなるのと同時に、飲み物が欲しくなりますわ。飲みすぎるとゆったりとした気持ちで味を楽しめなくなりますし、味そのものを飲み物の味でかき消してしまいますわ。
次はスポンジですわ。スポンジが湿っていると口当たりが重くなりますし、スポンジの味というものを感じられなくなりますわ。ふわふわしていないとスポンジとは言えませんわよ。スポンジをただの土台だと思ったら大間違いですわ。しっかり味がありますので、意識して食べてみると新しい発見があるかもしれませんわね。
挟まっている苺は触感のアクセントになりますわ。スポンジと生クリームだけでは食感が単調になってしまいますわ。ですからスライスした苺で食感にアクセントを出して飽きさせないような工夫をしていますのね。断面から覗く赤い色というのもまた美味しそうに感じますわよね。購買意欲が掻き立てられますわ。
長々とショートケーキについて語りましたが纏めると、ショートケーキには美味しさの要となる要素が他のケーキに比べてわかりやすくかつ判断がしやすいということですわ。
他には、タルトでしょうか。イチゴとブルーベリーのタルトやキウイフルーツやサクランボで彩られたカラフルなタルト、チョコレートタルトなんかもありますわね。私イチゴが大好きなので今回はイチゴとブルーベリーのタルトを買いますが、機会がありましたら全制覇したいですわね。
というわけで、ショートケーキとスフレチーズケーキとベリーのタルトを買いますわ。どれも帰りの電車や飛行機で食べるので保冷材は多めにしていただきますわ。北海道の冬ですから特に問題ないとは思いますが……。デパートの中は暖房が効いていますし、万が一ということがあるかもしれませんから保冷材は念のため入れていただきましょう。
ずいぶん時間がかかってしまいましたわ。今は11時ほどですのでお昼にいたしましょう。朝食も摂れていませんし、早く食べたいですわ。たしか小丸の最上階は外食チェーン店が多かった気がしますわ。そこで朝食兼昼食を頂きましょう。
エスカレーターで登るのも面倒なのでエレベーターを使い最上階まで行きますわよ。少し待ちますが、ガラス張りのエレベーターなので動いているところを見ているだけで楽しいですわよね。……私だけでしょうか……。
さて、無事に最上階に着きましたことですし、どうしましょう。……あら? このショップはトレーナーさんが好きなゲームのショップですわね。モンスタージム……でしたような……。ごはんが終わったら少し覗いていきますわ。確か各地のジムを回ってボールを手に入れてモンスターマスターになるRPGだったはずですわ。
それよりもまずはご飯ですわ。モンスタージムの近くにある洋食屋さんにいたしましょう。なにも下調べをしていませんからどのようなものがあるか、どんなお味なのかも全く予想ができませんの。こういうものも旅行の醍醐味ですわよね。
見知らぬ土地でたまたま近くにあったお店に入る、そこが美味しければいい思い出になりますし、たとえ私の舌に合わなかったとしてもそこで得た感想というのは無駄にはなりませんのよ。……って、何にでも言えますわね。
中に入りましたわ。中々落ち着く雰囲気の内装ですわね。紅茶が飲みたくなりますわ。お茶請けにスコーンでも頂きながら。ケーキ……とはまた少し違う気がいたしますわ。イギリス……のような……? そんな感じですわ。
メニューは……オムライスやグラタン、ドリア、パスタなど洋風のものですわね。イギリス料理はございませんわ。イギリスで美味しいものを食べたいなら朝食を3回摂ることだ……という言葉も残っておりますわ。イングリッシュブレックファーストですわ。
ではなににいたしましょう。素直にグラタンを食べるのも悪くありませんが、ここはオムライスにしましょう。オムライスというものは案外馬鹿にできませんのよ。ごはんの味付け、かけられるソースの味がどれ程合うかも大事ですわ。ですがやはりオムライスで重要なのは見た目だと思いますわ。あの半熟オムレツがどれほど上手に作れるか、作ってごはんに乗せて、包丁で切ったときに広がる卵の半熟加減、これが一番大事ですわ。火を通しすぎると広がらず、逆に通さなさすぎると皿に卵液が零れてしまいますわ。見た目的にもよろしくないですわよね。
注文しましたオムライスがやってきましたわね。ちょうどいい半熟加減なので非常に美味しそうですわね、表面が光っていますわ。あのくるくるしたオムライス……ドレスドオムライスではなく、オムレツを開いて作ったオムライスですわ。上からはデミグラスソースがかけられていますわ。オムライスにはケチャップかデミグラスソースですわよね。
カレーをかけることもありますが、それはまた別の料理になるというのが持論ですわ。そして彩にブロッコリーと人参も添えられていますわ。緑黄色野菜は栄養面でもビジュアル面でもいい仕事をしますわ。
そういえばこの間トレーナーさんが何かに感化されたのかオムライスを作っていましたけど、卵に火を入れすぎてオムレツを割っても横に広がっていませんでしたわ。やはり難しいのですわね、卵料理は……。
では食べていきますわよ。やはり提供されてすぐが一番美味しいですから、写真映えを意識しすぎて食べ時を逃さないようにしませんとダメですわよ。
まずはデミグラスソースだけでいただきますわ。
……食べやすいですわ。食べやすいのはいいことなのですけれども、何か物足りなさがありますわ。どう表現しましょう……そうですわね、後引かない味ですわ。口の中に残らず味を求めてまた食べる。余韻に浸るのではなく、また動き出す。そんな感想を持ちましたわ。
ですが決して悪いわけではございませんの。これらは私の感想としてとらえていただきたいですわ。
ですがこれは単体で頂いた時の感想にすぎません。卵と組み合わせることによってまた新たなおいしさを見つけることができるかもしれませんもの。一緒に頂きますわね。
……卵のコクがプラスされて単体よりもポテンシャルが上がってはいますわ。ですが、どう表現すればいいのでしょう。さっぱりしすぎているのでしょうか、非常に食べやすくてご飯は進みますの。ですが物足りなさがありますわ。何でしょう、塩でしょうか……脂でしょうか……何かが欠けている気がいたしますわ。もちろん酷評しているわけではございませんの。私としてはもっとコクが欲しかったというだけで十分美味しいと思いますわよ。後味が強すぎるとそれだけでお腹も胸もいっぱいになりますもの。
何を足せば私好みの味になるのでしょう。塩と脂は入れたほうが良さげですわ。完成したデミグラスソースの中に牛脂を入れて煮込むだけでだいぶコクが出るはずですわ。それに軽く塩を入れると味が引き締まると思いますわ。ゴロゴロとした牛肉を入れてみてもまた美味しいかもしれませんわね。
10点満点中6点でしょうか。もう少し味に締まりと濃厚さがあってもいい気がいたしますわ。
ビジュアル面では9点ですわ。ブロッコリーと人参が添えられていて彩が綺麗でしたし、パセリも振りかけられていましたわ。丁寧な盛り付けですわ。
さて、そろそろ1時に差し掛かるところですわ。店を出た後にモンスタージムの方で少し買い物をいたしましたの。この間トレーナーさんがパソコンケースを欲しがっていましたのでそれと、グラスとぬいぐるみを買いましたわ。えーと……確かジルガンド……だったような……。トレーナーさんが喜んでくれるといいのですが。
JRで新千歳空港まで戻ってきましたわ。荷物も預けましたし、あとは乗るだけなのですがフライトまで2時間程ありますわ。……でもやはりスイーツの気配が凄くしますの。いえいえ、私にはケーキもありますし、チョコレートもあります。これ以上手荷物は増やせませんのよ。ものがまだ少ないので一つに纏めれば飛行機にはかろうじて乗れますが、これ以上荷物を増やすわけにはいきませんわ!
……あちらですわ!!!
来てしまいましたわ……私誘惑に弱すぎませんこと……?
ここまで来てしまいましたからには何か食べたくなりますわよね。というか、食べないと私が満足しませんの!
というわけでやってまいりましたわ。RUTOAですわ! ここはレアチーズケーキが非常に美味しいお店ですわ。
トレーナーさんが買ってきたものを少し頂戴したのですが、チーズが非常に濃厚でしたの! くどくないギリギリの甘さで作られていて、口にチーズの味が残りつつもまた口に運びたくなる美味しさがたまりませんでしたわ! あの時ほどお土産で感動したことはありませんでしたわ!
また味わえると思うと胸が高鳴りますわね! 折角ですからたくさん買っていきますわ! チョコレートは学園に戻ってからでもトレーナーさんと頂きましょう。RUTOAのほうが優先度は高いですわ!
……流石に5個は買いすぎたと反省していますわ……ですが後悔はしていませんわ! あの味のために手荷物チェックは何とかしますわ! ……と言っても大きい袋に買ったものを入れるだけなのですが。
買い物をするとすぐに時間が経ってしまいますわね。そろそろ飛行機に乗り込みましょう。お茶も乗り込む直前に買っておきましょう。甘味にお茶は必須ですわ。
さて、飛行機も離陸しましたし色々食べましょう。RUTOAは最後に取っておきましょう。あの感動する味わいは旅の締めに致しましょう。
まずは「フルーツケーキカンパニー」で購入したスフレチーズケーキから頂きますわ。大きさは普通のホールケーキほどですがお味のほうはどうでしょう。いただきますわ。
……なるほど。甘すぎないチーズケーキですわね。甘すぎないので食べやすいですし、何より食感が面白いですわ。ふわふわ……よりもしゅわしゅわ……? 私の語彙ではうまく説明できませんわ。恐らくすごく細かい泡を中に沢山含んでいるのでしょう。製造工程も気になるところですわね。これが3桁のお値段で頂けるのは非常に高評価ですわ。
味のレビューもしなくては、忘れていましたわ。最初にも思いましたが甘ったるいわけではございませんの。チーズケーキですからもちろん味の主軸はチーズですわ。ですがチーズの味だけではチーズケーキは成り立ちませんの。チーズの味を邪魔しないような砂糖やもととなった生地が重要だと思っていますわ。ちょうどいいラインというのを完璧に踏んでいるのがこのスフレチーズケーキであると思いますわ。
チーズケーキが苦手な方でもまず一口食べていただきたいと思いますわ。トレーナーさんも昔はチーズケーキが食べられなかったそうですが、このケーキと出会ってから少しずつ食べられるようになってきているそうですわ。
…………流石に1ホールは多かったかもしれませんわ……。少しスカートが……。……寮に帰ってからテイオーさんやライスさん、イクノさんと頂きましょう。ティータイムのための紅茶は……ダージリンとセイロンがありましたわよね。
さて、空港を出ましたし、タクシーでも拾いま……
「マックイーン、長旅お疲れ様」
「トレーナーさん!? いらしたのですか?」
「ああ、こっちの方に行く用事が急遽できてな、用事を済ませたしそろそろ飛行機が到着する時間だったから迎えに行ったほうがいいかと思ったんだが」
「ありがとうございますわトレーナーさん! ではお邪魔しますわね」
「キャリーはトランクに積んでおくから先に乗っていてくれ」
「今回の旅行は楽しめたか?」
「ええ、もちろんですわ。機会があればまた行きたいですわね。今度は素泊まり以外で、ですけれどもね」
「うっ……次からは気を付けます……」
「次行くときはトレーナーさんも一緒だと思いますから、その時は二人で滞在するホテルを選びましょう。今度は南区のほうにいってみませんか? 温泉も足湯もありますし、楽しそうですわ!」
「そうだな、春天終わったらまた北海道行こうか。多分後でとるのは難しいから戻ってから取っちゃうか。今の調子なら勝てそうだし」
「そういうことでしたら、より一層練習に励まなくてはなりませんわね。数日の遅れを取り戻してみせますわ」
「……話は少し変わるんだが、マックイーン……向こうにいるとき食事制限したか……?」
「……トレーナーさん……まさか……」
「ああ、出発した時よりも少しふっくらしている気がするんだ……」
「…………」
「多分手に持っているのはフルーツケーキカンパニーとゴリヴァ、機内でスフレチーズケーキを食べたと思うんだが、間違っているか?」
「お見事ですわ、完璧です」
「マックイーン……」
「……はい」
「……明日から春天まで甘いものは禁止」
よよよ……
はぁ……寮の部屋に戻ってきましたが何だか悲しいですわ……甘味を禁止されてしまうだなんて……タルトとショートケーキはイクノさんにあげましょう……。ショートケーキについてあんなに熱くなってましたのに、食べられないなんて……。
「おやマックイーンさん、帰ってらっしゃったんですね」
「イクノさん、ええ、ただいま戻りましたわ。イクノさんはこれから予定などございませんか?」
「はい、今日のトレーニングは休みですし、これと言って用事はありませんが、どうかしましたか?」
「よろしければなんですが、一緒にケーキなどどうでしょうか。ぜひ北海道の甘味を味わってほしいのですが……」
「そういうことでしたら、お供致します。お気遣いいただきありがとうございます」
「イクノさん、紅茶の種類でお好きなものはありますか?」
「そうですね、ダージリンはありますか?」
「ええ、もちろん。ミルクティーにします? それともストレートにします?」
「ストレートでお願いします。砂糖は大丈夫です」
「わかりましたわ。では準備しますわね。椅子に座って待っててください。準備してきますわ」
イクノさんを誘うことができましたわ! やはり甘味は世界を救いますわ! 少し多めに紅茶を用意しておきましょう、紅茶が進みますわ。イクノさんは言語化が非常に上手なので私の語彙力を高めるためにも。
「マックイーンさん、何故私の前にケーキが2つあるんですか?」
「実はトレーナーさんに甘味の制限をされてしまいまして、お恥ずかしい話ですが」
「ああ、なるほど。そういうことでしたか。……恐らくですがトレーナーさんは『明日から』甘味を禁止にしたのではないでしょうか。マックイーンさんがケーキ好きだということはトレーナーさんもご存じのはず。今日から制限するメリットデメリットと明日から制限するメリットデメリット、天秤にかけた時明日から制限したほうが精神的に楽です。私がトレーナーなら旅行帰りは特に制限を課しません」
「……そういえば明日からと仰っていましたわ。甘味の禁止に驚きすぎて気づくのが遅れましたわ」
「ではマックイーンさん、どちらを食べますか? ショートケーキとイチゴとブルーベリーのタルト」
「私が選んでいいんですの?」
「これはマックイーンさんのものですから、マックイーンさんが決めなくて誰が選ぶんですか」
「そ……そうですわね。ではショートケーキを頂きますわ」
「わかりました。ではイチゴとブルーベリーのタルトを頂きますね。マックイーンさん、頂きます」
イクノさんはダージリンが好みのようですので私も今回はダージリンを飲みますわ。
ダージリンはペットボトルに入っていることが多いですわ。午前の紅茶の赤いラベルのものが代表的ではないかと思います。最近はコンビニエンスストアでアールグレイの販売もされているようですが、まだダージリンのほうが主流なのではないでしょうか。
「お味の方はどうですか? イクノさん」
「そうですね……生クリームの甘さとベリーの酸味、二つの味の均衡がとれているのでくどい甘さが口に残らなく丁度良い甘さが口に広がります。このパイ生地も食感に変化を加えて飽きが来ない良いタルトだと思います。初めてパイ生地のタルトを頂きましたが、美味しいですね。北海道に行く機会があったら是非買いたいと思います」
流石イクノさんですわ。言語化が非常にお上手ですわね。
「お気に召したようで何よりですわ。では私もショートケーキ、頂きますわね」
断面から覗くイチゴも薄すぎず厚すぎないちょうどいい厚さですわ。フォークで刺した感じとてもふわふわしてそうですわ。少し押し返す力が強い気もしますから期待できそうですわね。では頂きますわ。
「マックイーンさん、ショートケーキのお味はどうですか?」
「……そうですわね。ショートケーキのクリームの甘さが他の店で売られているものより控えめではないかと思いますわ。砂糖の甘さは少し舌に残るような甘さですがあまり砂糖を使ってないのでしょうか、紅茶と合わせやすい生クリームだと思いましたわ。買った日に食べているのでスポンジも重くなく、ふわっとしていますわね。リピートもありだと思いますわ」
「マックイーンさんが美味しそうに食べているところを見られてよかったです。マックイーンさんのそういうところ、好きですよ」
「…………」
「マックイーンさん、ごちそうさまでした。今度は私の方からご馳走させてください」
「お気になさらず。またご一緒しましょう、イクノさん」
少し……いえ大分危なかったですわ……。
ひとまずこれにて完結となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。誤字脱字、表現がふさわしくないなどありましたらコメントお待ちしております。
連載小説を完走した感想は「疲れた」ですね。マックちゃんにパクパクさせたいなぁとおもってこの小説を書き始めましたが、なんか最終的にはパクパクではなく食品のうんちくのほうが多くなってしまいました。予定とは違いますがなんやかんやで完成したのでよかったなと思います。
兎にも角にも、これでマックイーン初めての北海道の旅は終わりです。めでたしめでたし。
ここからは制作裏話です。興味がない方はブラウザバック推奨です。
1日目は私が知っている、かつ食べたことがある店をチョイスしてマックイーンに食べさせてます。ホテルは無雑作に選びました。北海道住まいですと札幌くらいなら日帰りで行けるので宿泊する機会がないんですよ。素泊まりにしたのもこれが原因です。なにが出てくるかが見当もつかないんですね。だから仕方なかったんです。
二日目は帯広ですね。序盤にゴルシが出てきましたが、当時の予定ではあそこからゴルシもついて行かせようと思っていました。ですが一人旅を題材にしているのに誰かと行動するのはいかがなものかと思ったので却下しました。ゴルシはばん馬に絡ませるつもりでした。これにはメジロゴーリキーも驚きの表情。
最終日は正直やることがありませんでした。ごはんを食べさせようにも初日でほぼ使い切ってしまったんですよ。外食も中々お金がかかりますからね…。
だとすると何をさせるかと考えたらうんちくを語らせるしかなかったんですね…。これは自分の力量不足でもあるかもしれません。
大丸なら初日に行ってないし、札幌駅から近いって理由で採用しました。語らせている内容は私が知っていることですね。ホエイがなんだ、地鶏が何だは自分が知っていることを話させています。多少は調べていますが…間違っていたら嫌なので…間違っていたらごめんなさい。
あとがきもこれくらいにして締めます。
最後までありがとうございました。まだ小説は書いていきます。よろしくお願いします。