魔界に転じた後もウエノの不忍池にはハスの花が咲いている。オオクニヌシたちは花を見ながら酒を飲もうと不忍池を訪れた。池に暮らすサラスヴァティと共に開いた宴の中で、彼らは世界から失われた音を聞く。
※この小説はサブクエスト「明神の森へ連れてって」「オオヤマツミ捜索」「魅惑の甘露」の内容を含みます。

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蓮華舟

 あるところに大きな大きな湖があった。湖は琵琶に似た形で、大勢の人間の信仰を集めていた。その湖を模して造られたのがウエノの不忍池だ。池の中央には道が渡され、かつては弁天堂へ参拝する人々で賑わった。

 静まり返ったその場所で女神サラスヴァティは池を眺めていた。

 夏の早朝の姿で南の池の時は止まった。ハスが水面を覆うほどに広がり、立ち上がった茎の先に張りつめたような花が咲いている。都が魔界と化してから、一つのつぼみが開くことも、一つの花が散ることもない。

 サラスヴァティがひときわ大きな一輪を見ていると、快活な声が響いた。

「いつ見ても見事だな」

 オオクニヌシが池に渡された道を歩いてくる。池には弁才天だけでなく、大黒天も祀られていた。これゆえにオオクニヌシとサラスヴァティは共に不忍池に縁ある存在だった。オオクニヌシは日頃カンダの社に居を構えていたが、こうしてたまに顔を出す。

「遠路はるばるようこそお越しくださいました」

「なに、我は歩くことは苦ではない。オオヤマツミ様がとある騒動の礼にと酒をくださった。ここで花を見ながら飲もうと思い付いてな。サラスヴァティもどうだ」

「まあ」

 オオクニヌシの片手には紐を巻いた焼き物が提げられている。酒の神が礼にと出した酒。喉を通るところを想像して、サラスヴァティは器のなかで揺られる美酒の音を聴いた。

「初めは我ら二人で静かに飲むのも良いと思ったのだが、他の者も来たがったのだ。さて、酒目当てか、花目当てか」

 オオクニヌシの背後から宙を進む舟を滑らせて、小さな神、スクナヒコナが現れる。

「無沙汰を詫びねばな、サラスヴァティ。おまけに我は酒に釣られて来たのだから格好がつかない。しかしオオヤマツミ様の酒を飲む機会などそうあるものではないのだ」

 サラスヴァティとスクナヒコナは滅多に会うことがなかったから、少しかしこまって挨拶をした。サラスヴァティが顔を上げると、続いてオオクニヌシの後ろからサラスヴァティの両手の上に乗るほどの小さな悪魔がゆっくりと姿を現した。赤い肌をさらに赤らめて四枚の盃を運んでいる。盃が積み上がっているので、悪魔はその向こうからあの、あの、と小さな声を上げている。

 オオクニヌシは手を差し入れて盃を自分の手に取った。小さな悪魔は急に重たい盃がなくなったので、はずみで浮かび上がったあとサラスヴァティの前に出た。悪魔の背には蝶の羽があり、磨いた貝殻のように光を七色に反射した。

「初めましてサラスヴァティ。カンダの社でお世話になっているカハクです。盃を運ぶからってお願いして、連れてきてもらいました」

「よく来てくれました、カハク。腕が疲れたでしょう。どうぞこちらへ」

 サラスヴァティは白い指先でカハクの小さな手を引くと、道が低くなったところに屈み、さっき眺めていた一等きれいな花の中にカハクの体を休ませた。

「花びらがひんやりして気持ちいい……。お花なんてもう全然ないのに、こんなにたくさん。とっても大きなお花。初めて見ました。それに、ここにいるとお花の香りが体の上までずっと広がって、潜っているみたいです」

 カハクは火照った頬を花びらに寄せて目を閉じた。花の首が揺れる。

 サラスヴァティは非難を込めてオオクニヌシたちを見る。オオクニヌシは意にも介さず嬉しそうに腕を組んだ。

「大したものだ。我はカハクには運べぬと思うて頼んだのだ。途中で疲れて音を上げればオオヤマツミ様に預けるつもりだった。カハクにはこの道は危ないと思ってな」

「盃など持たせてはかえって危なかったのではございませんか」

「それはカハクが申し出たことよ。そして見事飛び通した。若い悪魔のようだが、なかなかできることではない」

 しばらく様子を見たのち、オオクニヌシはハスの花に声を掛けた。

「カハクよ、おヌシの働きを祝おうではないか」

 花の中からはい、と勢いの良い声がしてカハクが飛び起きた。花が大きく揺れてカハクは姿勢を崩し、慌てて花の中に座り込む。皆がほほえましく思っていると彼女は何かに気付いたように池に見入った。目も合わせずにスクナヒコナを呼ぶ。

「スクナヒコナ、一緒に見てほしいです」

 礼を失する振る舞いではあったが、スクナヒコナはカハクが何を見ているのか気になり、花の横に舟を着けた。カハクはずっと同じ辺りを見ている。かがみこんだスクナヒコナにカハクは前方を指した。

「カミサマの渡る海はこんなふうですか」

 カハクはハスの花弁に船の帆を見たのだ。うねりのある円い葉が波を見せ、カハクは波間に揺られる一艘に紛れ込んだ気持ちになっていた。頭の高いところで二つに束ねた髪が風になびくのを感じる。

 スクナヒコナがそっと窺うと、カハクの石を嵌め込んだような眼は輝いていた。

「穏やかな波だ。きっとこんな日に海に出た神もいただろう」

「もしかして、全然違いますか?」

「そんなことはない。海は刻々と変わるのだ。カハクは良い海を見つけたな」

 カハクは嬉しそうにして、花をなるべく揺らさないように座ったまま羽を広げた。浮き上がると足の先がおしべをかすめ、爪が一枚黄色に染まる。

「わたし、お待たせしちゃいました。お酒も飲んでみたいです」

 

 弁天堂があった場所で彼らは腰を下ろした。持ってきたのは丹塗りの薄い盃だった。カンダの社がすっかり崩れたにも関わらず盃が出てきたのは、カンダに酒好きが集まったからだとスクナヒコナは笑う。

 酒が入った壺よりも自分の背丈の方が小さいのに、カハクははりきって「お注ぎします」と言った。誰もがカハクは盃を運んだのだから今日の仕事はおしまいだと言い、酒をもらったオオクニヌシ自らが注ぐということになってカハクもようやく諦めた。

 こうして酒が行き渡った。オオヤマツミが若い者が気に入るよう考えた、濁りのない澄んだ酒だ。盃の上で月光が跳ねる。彼らは満開のハスを前に盃を傾けた。

 オオクニヌシは深く感じ入った。

「我は長く生きた。しかしこのようにうまい酒は初めてだ」

 スクナヒコナは酒の味には顔をほころばせながら複雑そうな顔をした。

「我も酒の造り方を人の子に教えたが、果たしてあの造り方を突き詰めてこの味に辿り着くだろうか」

「神の手で仕込まれた酒を同列に語るべきではあるまい。それよりどうだ。もう一杯」

 彼らの脇でカハクは盃を震わせながらようやく一舐めした。サラスヴァティは感じたままを話すカハクが興味深く、傍に付いていることにした。

「透明なのにお水と違う味がします。飲み込んだら、喉が温かくなりました。今はこの辺りが温かいです」

「カハクは初めてお酒を飲むのでしょうか」

 サラスヴァティの問いにカハクは頷いてにこりと笑った。

「おじいちゃんがお酒を造れる神様だなんて知りませんでした。わたし、おじいちゃんが好きで、このお酒がどうしても飲んでみたくて」

「オオヤマツミ様はカハクに優しくしてくださるのですね」

「はい。お社の近くにオセって悪魔がいて、おじいちゃんはわたしを体の隙間に隠してそこまで連れて行ってくれます。悪魔の剣がおじいちゃんにぶつかると火花が出て、わたしはそれを火の玉にしたり、大きくしたりして遊ぶんです」

「危ないのではないかしら、そんなことしたら」

「おじいちゃんは苔が取れて気持ちがいいって笑います。それで向こうはもっと怒って、たくさん火花が散るんです」

 カハクは火花を瞼の裏に浮かべ、さきほどよりたくさんの酒を喉に流し込んだ。

 三度盃を空けた頃、カハクは姿勢を崩してサラスヴァティを見上げていた。

「サラスヴァティは何を見ているのが好きですか」

「そうですね」

 サラスヴァティは空いた盃をもてあそびながら考えた。

「弁天堂から見える景色もすっかり変わってしまいましたが、池がハスの盛りのままであることは私の心を慰めてくれます。かつてこの都にまだ季節があった頃、私は冬の池も好きでした。枯れた茎に魚取りが上手な青い小鳥がとまるのです。小鳥は夏も来ているのですよ、ただ、枯れたハス池の方がよく見えるものですから。だけど近頃になって、あの頃の私は、枯れた茎の向こうにみずみずしい花の影を見たからこそ冬の池をもまた愛していたのかもしれないと思うのです。もしここが冬の池なら、私はきっと土地に潤いをもたらそうというほどの執着を持たなかったでしょう。……あら、ごめんなさい。話が長くなってしまっていけませんね」

 カハクがぽうっとした顔をしていたので、サラスヴァティは己の饒舌をたしなめた。

 彼女たちの盃の様子を見たオオクニヌシが立ち上がろうとするのを制してサラスヴァティは腰を浮かせる。元居た場所に腰掛けると、カハクの盃に自分の盃から酒を垂らした。カハクはお礼を言ってから、考えがまとまらないまま短く返した。

「この池が大事なんですね」

 思い入れのある土地。カハクにとってそんな場所があっただろうか。カンダの社はどうだろう。カハクは魔界になる前の社を知らなかったので、うまく比べられなかった。

「場所を通して思い出されることがありましょう」

 サラスヴァティは羽衣を敷いて手近な岩に寄せておいたヴィーナを膝に乗せ、指を滑らせた。弾かれた弦が震える。カハクが初めて見る楽器だ。それぞれの音がサラスヴァティの手元を離れていってからもう一度戻ってくるように感じた。音が組み合わさって調べが生まれていく。

 すると不思議なことに、湿った空気がカハクの足元に上ってきた。池の端が煙って見える。目を凝らす間もなく、三つに分かれた池の外側から雨が音を立ててこちらへ寄せてきた。雨は弁天堂があった島のすぐ手前まで迫り、夏の夕立のように大きな雨粒がハスの葉を叩く。

 オオクニヌシとスクナヒコナは懐かしい夏を肴に酒を酌み交わした。雨が水面を乱すなか、カハクは魔界と化したこの街はとても静かになったのだと悟った。

 ヴィーナの音の調子が変わると、雨が降る領域は池の前後に割れて遠ざかっていく。空が晴れたわけではないのに雨上がりの陽が差したように錯覚した。大きなハスの葉の中央に雨滴が集まると微細な毛の上で丸くなり、まるでガラス玉のように月の光をはじく。玉はすっかり固まったように見え、カハクは近くへ飛んでいって直接指先で触れてみた。水は期待に反して指先を濡らしたが、手をひっこめるとまたなにごともなかったかのように丸くなった。オオクニヌシはいつか人の子が建造物の下に埋めていたガラス玉のことを思い出していた。丁度こんな大きさだった。あれは誰に捧げ、何を願うものだったか。

 雨がやみ、サラスヴァティが最後に弦を弾いたとき、誰もがかつての世界を思った。

 サラスヴァティはヴィーナを置く。

 オオクニヌシがサラスヴァティに賛辞を贈ろうとして、動きを止めた。その様子を見たスクナヒコナは少し遅れて、オオクニヌシが池の奥に浮かぶこぶを見ていることに気付く。四つのこぶは盛り上がり、それぞれから頭の上に牙を生やしたような紫の首が突き出した。乾いた大地にすら洪水を起こす鬼、スイキだった。水から出ている肩口までを見るだけで、その体躯はサラスヴァティやオオクニヌシより遥かに大きいとわかる。

 池はそれほど深くないのだから、彼らがそこに立つならば、膝の下まで水から出ていなければおかしい。それなのにまるで底無しの深みから浮かび上がっているようだった。塞がれた大きな口から漏れる言葉は不明瞭でここからは聞き取れない。スイキたちは上空を見上げ何事か話し合っていた。

 カハクが怯えて目を逸らせずにいると、スイキたちは突然堰を切ったようにげらげらと笑い出した。

 一体は手のひらで水面を叩き、別の一体は天を指差す。別のスイキがそれを見て、残るスイキは水の中の膝を打っている。

 サラスヴァティが作った雨は水中にいたスイキたちの頭上を打った。突然の雨に驚いて警戒しながら出てみれば空にはいつも通り月が浮かぶばかり。一つの雨雲もない。化かされたと彼らは笑った。

 スイキたちはサラスヴァティを一瞥すると、水に頭を沈めて戻っていった。水の中からはまだげたげたと笑う声がする。

「鬼も喜ぶか。大したものよ」

 スクナヒコナは座り直して盃を引き寄せた。

 カハクは握りしめていた手を緩めてゆっくりと息をした。

「サラスヴァティ、そう言えば地面には雨が落ちるんでした。木の葉に雨が当たってはずんで、ずっとやまないと雨の筋が幹に模様を付けました」

「そうね」

 サラスヴァティの耳には柳の若葉を湿らせる優しい雨も、池に張った氷に落ちる重たげな雪も全て残っていた。

「私のヴィーナは幸せです。あなたがその景色を思い出す因となることができたのですから。どうか覚えていてください、カハク。あの美しい音を」

 

 あれほどあった酒も、いよいよなくなってしまった。カハクは多くは飲めなかったので、三柱の神でほとんど飲んだことになる。サラスヴァティは話しすぎたと恥ずかしがっていたが、カハクには自分ばかりが酔っているように感じられた。

「カハクは地霊の身、オオヤマツミ様の酒は強かったか。無理はするでない」

 カハクは皆に囲まれて座っていることが申し訳なく、舞い上がろうとしたが押し留められた。

「池に落ちては真下にスイキの頭があるかもしれぬぞ」

 そう言われてはカハクも大人しくしているしかなかった。サラスヴァティはこの宴でカハクのことがすっかり気に入っていたので、池を示して言った。

「カハクに一輪贈りましょう。どれでも好きなものをお選びなさいな」

「そんな、池のお花が減っちゃいます。もったいないです」

「私があなたに贈りたいのです」

 カハクは焦って首を振った。

「ではあなたがこの池で一番美しいと思う花はどれですか」

 優しく問われてカハクは困ってしまった。カハクが選んだ花をきっとサラスヴァティは手折るのだろう。かと言って、サラスヴァティの質問にいつまでも答えないのも、嘘を吐くのもいけないことのように思えた。

 カハクは池の遠く、さっきスイキがいた辺りに伸びるハスのつぼみを指した。美しいと思う花はいくつもあって一番は選べない。その中の一つであることは本当だ。あの場所ならスイキがいるから近付けない。だから見ているだけで良いと言うつもりだった。

「サラスヴァティ、わたしはあの奥のつぼみが、一番きれいな模様をしていると思います。それで……」

「良い一輪を選びましたね」

 サラスバティはカハクの言葉をわざとさえぎった。

「オオクニヌシ」

 オオクニヌシは微笑むと水際に立つ。

「さてスクナヒコナ、我は兎の仔よりうまく跳ぼうと思うがどうか」

「仔兎などと張り合うてどうする。はよう跳べ、跳べ」

 スクナヒコナに茶化されながら、オオクニヌシは地を蹴った。

 ハスの葉の、水面に触れて円く広がった一枚に沓が触れる。カハクがあ、と思う間に、オオクニヌシは足も濡らさず、とんと跳ねた。同じような葉を選び、また跳ぶ。次々と葉を渡って行っても葉はほとんど揺れもしなかった。最後の一枚で彼は軽やかに膝を落とすと、水面の少し下から件のハスの茎に剣を添え、跳ね上がりながら切り取った。

 オオクニヌシは池から突き出す半人半魚の形をした大岩に下り立った。最後に踏み切った葉はほかよりも反動を受けて浅く池の水をすくっているが、スイキたちは出てこない。

 オオクニヌシが同じように葉の上を跳んでこちらに戻って来る。身に着けた鎧や剣の重さもまるで感じさせない。誰も一言も発しなかった。

「これであろう、カハク」

 酒が入っていた焼き物に水を汲み、オオクニヌシはハスを差しながら軽く持ち上げて見せた。

「は……い」

 カハクの中でかえってオオクニヌシに危ないことをさせてしまったという後悔と、飛ぶ力がないのにあんなことができるなんてという驚きが入り混じっていた。

 スクナヒコナがカハクの様子を見て笑う。

「良い余興であった。カハクが驚いているぞ。鰐に皮を剥かれんでよかったのう」

「鰐なら斬れるが、スイキに勘づかれてあの凍てた竜をけしかけられてはかなわぬ。次からはおヌシを懐に入れておこう」

「おヌシの守り札になるくらいなら我が取ってこよう。楽の音に、舞いに、気分が良い。かような宴は久しく無かった」

 一行は帰路につく。カハクは何度も何度もサラスヴァティを振り返った。女神が見えなくなってもヴィーナの音がしばらく一行の供をした。

 

 カンダの社に戻るとオオヤマツミが出迎え、ハスを大層喜んだ。

「おお、見事な蓮華じゃ」

「カハクがサラスヴァティより受け取ったものです」

「はい。サラスヴァティは優しい女神さまでした。池で一番きれいな一輪をくださいました。あれ? オオクニヌシはお花に何かしましたか。わたしがもらったのはつぼみだったんです」

 見ればハスは花びらを尖らせて咲き誇っていた。スクナヒコナは舟を寄せて覗き込む。

「面妖な。あの池の蓮は時を止めたように咲きも枯れもしないと聞いていたが。ふむ、カハク、この水を嗅いでみよ」

 カハクが壺の上に顔を寄せると、微かに酒気が漂った。

「あっ、お酒」

 スクナヒコナは手にしていた棹で壺の底をつついた。

「オオヤマツミ様の酒が僅かに残っていたのだろう。それを吸ったのだな」

 彼らは社があったところにハスを飾ることにした。タケミナカタは反対したが多勢に無勢だった。

 酒を吸い上げたハスはいつまで経っても萎れなかった。

 カハクとオオヤマツミは暇になるとハスを眺めながら話をする。オオヤマツミはサラスヴァティが再現した雨の話を繰り返し聞きたがった。それから最後には散歩に行くには遠いと考え込んで返事をしなくなってしまう。

 カハクはそんなことには慣れっこだった。

 オオヤマツミがサラスヴァティに会いに行く気になったら、そのときはきっと自分もついていこう。そしてあの雨の下に出て両の羽を打たせたい。カハクは花に息を吹きかけて、オオヤマツミの結論を待っていた。


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