GODEATER2after呪怨の刀使い   作:紅 星鎖

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隠されし斬騎君の過去!
……本人は忘れたいようですが。



十七話 具現化せし我が心の闇

 

side斬騎

 

 

この変化に気付いたのは、ついさっき小型アラガミを殲滅していた時だった。

いつもの様に刀身に黒い靄を纏わせた俺はふと、黒い靄の形がいつもよりはっきりとしている様な気がしていた。

試しにいつもは自分の意思で操作できない黒い靄を動かしてみた。

すると、驚くべきことに形を変え、更にコートの様なものまで現れていた。

……あれ?よく見るとこのコート、俺が14歳の時に描いていたあの忌まわしきノートのアレと似て………?

!いいい、いやそんなはずはない!

きっと何かの間違いだ!

こんなところに月無夜ノ暗黒衣(ザ・コートオブムーンレスナイト)があるはずがない!

しかし、見てみると細部のデザインがオリジナリティ溢れている。

うわああぁあぁ!絶対今の姿を他人には見せられない!

見られたら恥死量オーバーで悶死する!!

というわけでとにかく別の事を考えて現実逃避をしていたところであの《女神崇拝者》を発見し、今に至る。

もし、このコートが俺の妄想……ゴホンッゴホンッ!想像通りのものならこの戦いを有利に進められるはずだ。

俺はヴィーナスの右足にあるゼリー体を紙同然に切り裂き、結合を崩壊させると、勢いに乗ってそのまま背中のゼリー体にも呪刀による斬撃を当てる。

こちらは深く切りつけたものの結合崩壊には至らなかったようだ。

しかし、黒い靄がまとわりついて、ゆっくりと背中のゼリー体の結合を破壊していく。

ヴィーナスは立て続けに痛烈な攻撃を受け、怒り始めた。

上半身の女性が両手で何かをこね始める。

そして球状になったそれを地面へ?

って、え?ええ!?

突如ヴィーナスの周囲に雷を伴った竜巻が発生した!?

なす術なく吹き飛ばされた俺は雷撃によって身体中をズタズタに………

 

されていなかった。

 

「やっぱりな。

認めたくないけどこれは本物か……」

 

 

 

 

 

side綾佳

 

 

私は斬騎君の無事を祈りながら、アナグラで手が空いていたコウタさん、リンドウさんと共に《嘆きの平原》へと向かった。

 

「それにしてもホントに斬騎は運が悪いよな~。

よりにもよってヴィーナスとタイマンだもんな」

 

コウタさんは驚くを通り越して呆れた様に言う。

 

「妹さんに神憑っているレベルだ、とか言われたらしいですけど、この現状を見ると的確な表現ですよね………」

 

私も斬騎君の受難が笑い事にならなくなってきていることに気付いて溜め息をつく。

このまま続くと絶対早死にしそうだよね。

 

「お、そろそろじゃないか?

救援要請があった場所」

 

《嘆きの平原》にあるビルの一つをリンドウさんが指差した。

よく見ると、中に人がいる。

私たちがビルの中に入ると通信に出たと思われる茶髪の少女ーーアルカナさんと縄で縛られて転がされている男がいた。

 

「ゴッドイーターの春月 綾佳です。

あなたが通信に出た……?」

 

「はい、わたしがアルカナ・フォーテューンハートです!

こっちの男性が《女神崇拝者》です」

 

「事情は後で聞くから今は斬騎の場所を教えてくれねぇか?

アイツ一人でヴィーナスを引き付けてるみたいだしな」

 

アルカナさんはあっちです!と指差した。

確かにあちらからは煙が上がったり、竜巻が現れたりしている。

でも、

 

「結構遠いな………」

 

そう、遠いのだ。

しかもかなり。

 

「あほなんだね!斬騎君!

君はどこまで自分を追い詰めたいの!?」

 

私はそう叫ぶと、リンドウさんとコウタさんを連れて煙の上がっている方へ全力で走りだした。

 

 

 

 

 

side斬騎

 

 

「うおっ!あぶねっ!」

 

ヴィーナスの毒攻撃をギリギリのところでステップを使い避ける。

 

キャアアアァァ!

 

ヴィーナスの攻撃は苛烈さを増す一方だった。

しかしコートを纏った俺は高威力の攻撃と毒攻撃を躱し、威力のない攻撃はコートで防ぐ。

 

「今……だ!」

 

攻撃が止んだ瞬間を狙って残ったもう片方の足につくゼリー体に攻撃を与える。

 

キャアア!!

 

ヴィーナスは反撃に出ようとするが、更に背中のゼリー体が自壊する。

立て続けにゼリー体を破壊されたヴィーナスはダウンした。

 

キャアァァ…

 

チャンスだ!

 

チャンスだが……

 

「ゼェーハァー……ゲホッ…」

 

スタミナ切れたー!!

 




コートについて

呪怨の太刀・黒レベルⅡ

天霊 斬騎のブラッドアーツ呪怨の太刀・黒レベルⅠが進化した技。
従来の能力に加えて、靄の形をコートに変える力が追加された。

コート

斬騎が14歳の時に描いた黒歴史ノート~宵闇ノ書・月~に載っているコート、月無夜ノ暗黒衣(ザ・コートオブムーンレスナイト)に酷似している。
着用中、全属性攻撃に対する斬騎への被ダメージ減少、但しオラクル大↓。
実は斬騎の活性したオラクルを無意識の内に『自分が考える最強の形』へと変化し、形作られている。


《呪怨の太刀・黒》の「黒」は黒歴史の黒だったようです。
彼の不幸ここに極まれりッ!
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