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side綾佳
どうにか間に合ったみたい………。
私は倒れ伏すヴィーナスとスタミナ切れで動けない斬騎君を発見した。
……斬騎君はともかく、どうしてヴィーナスまでダウンしているの?
しかもヴィーナスあちこち結合崩壊を起こしてるし。
斬騎君はこちらに気付くと妙に慌てて自分の格好を確認していた。
?
何もおかしいところはないと思うけど…?
斬騎君はホッと一息つく。
そしてスタミナが全回復させた斬騎君は未だダウンしたままのヴィーナスを補食した。
そしてそのままアラガミバレットを私、リンドウさん、コウタさんに受け渡す。
「後は頼みます。
さすがに限界です……」
「だろうな。
むしろよくここまで追い詰めてくれたと誉めたいくらいだ。
あとは俺に任せろ」
リンドウさんは神機を構えると、立ち上がろうとするヴィーナスに近付き、その首に一閃ーー
ゴトリ
一刀の元に首を落とした。
凄い……!
まさかあのヴィーナスをたった一撃で倒すとは。
いや、でもリンドウさんの技量も凄いがそれより……
私は斬騎君の方を見る。
斬騎君は今の光景を見て唖然としていた。
今回本当に一番凄かったのは他ならぬ彼自身だと彼本人は気付いていない。
side斬騎
俺は目の前で起きたことに理解が追い付いていなかった。
あそこまで苦戦したヴィーナスを意図も容易く倒したリンドウさんはこちらを向くと、
「さて、じゃあ帰るか!
もうここらにアラガミはいないみたいだしな」
と言って帰り支度を始めた。
綾佳さんはヴィーナスのコアを補食すると、へたりこむ俺に手を貸して、
「無茶し過ぎ。
今回限りにしてよね、ホントに心配したんだよ?」
と少し怒った。
俺はごめんなさい、と返し、立ち上がる。
コウタ隊長はニヤニヤして、
「斬騎、さっきまで綾佳スッゲー取り乱してたんだぜ!
斬騎君に何かあったらどうしよう!!ってさ~」
「ちょ、ちょっとコウタさん!?
止めてくださいそう言うことゆーの!
ざ、斬騎君!?違うんだよ!
いや、心配したのは違わないけど……!
実際はそこまで動揺してなかったと言うか……!
とにかく違うの~!!」
綾佳さんは真っ赤になって必死に言い訳している。
俺は言葉を返そうとして、
後ろからの衝撃でスッ転んだ。
「ありがとう、ありがとうございました!
《呪怨の刀使い》様!」
!?やめて!
俺を二つ名(その名)で呼ばないで!
声がした方向を見ると、先程助けた『生け贄』の少女が涙目で俺にしがみついていた。
どうやらさっきの衝撃は彼女が俺に飛びついたかららしい。
「《呪怨の刀使い》?
なんだそりゃ?」
訊かないで!?
今すぐにでも忘れたい記憶を少女はキラキラした瞳で嬉々として語りだした(美化120%で)。
いやあぁあぁぁ!!言わないでえぇぇ!!!
数分後
そこには未だ興奮覚めやらぬ少女ーーアルカナさんと、戦いの疲労ではなく恥ずかしさでぶっ倒れる俺、そして何やらニヤニヤしながら俺を見るリンドウさんとコウタ隊長の姿があった。
「《呪怨の刀使い》かぁ……。
いいなぁ、二つ名。
私も欲しい……」
え?綾佳さん何言ってんの!?
「ブフッ!いやはや、凄いご活躍だな《呪怨の刀使い》さん?」
やめて!俺のライフはもうゼロよ!!
精神的死に体の俺にリンドウさんは追い討ちをかけてきた。
これ以上話を拡散されても困る(と言うか死ぬ)のでアルカナさんに釘を指す。
「アルカナさん、その話他じゃしないで……。
俺のメンタルが死ぬから………」
「アルカナ、で良いですよ、《呪怨の刀使い》様!」
「じゃあ、俺のことも斬騎と呼んでくれ。
《呪怨の刀使い》と呼ぶのはもうやめて……」
「え~?何故です?
カッコいいじゃないですか《呪怨の刀使い》様」
「俺が悶死するから!
確実に!」
その後、リンドウとコウタによって《呪怨の刀使い》の名前は極東支部全体に伝わったとか……。
ドンマイ、斬騎君。