side斬騎
呪刀に纏わせた黒い靄を再びコートに変え、黒ハンニバルの放った火球を右へ逸らす。
風を切り裂いて迫る尻尾をジャンプで躱して呪刀を降り下ろすが、黒ハンニバルも下がることでこれを躱す。
一進一退の攻防が続いた。
互いに互いの攻撃を回避するためなかなか
スタミナを考えると俺の方が圧倒的に不利だ。
早急に
グアアァァァアアァァァ!!!
黒ハンニバルが空中に浮かび上がる。
あの動作は……!
黒ハンニバルの全身から紫の炎嵐が吹き荒れる。
無差別に放たれる炎嵐は周囲を焼き尽くして俺へと襲い掛かる。
複雑な軌道を読んで炎嵐の僅かな隙間を掻い潜る。
続く第二波も躱わし、第三波は検討違いの方向に飛んでいったので無視する。
そして黒ハンニバルが空中から地面に下り立つ瞬間、俺は黒い靄をブーツに変えて、彼我の距離を一気に殺す。
スパン!
グアァァァ!?
呪刀を右に一閃して片目に大きく傷をつけた。
黒ハンニバルは痛みに悶えながらも、口から火球を吐き出す。
ここだ!
新必殺技!
「模倣血技・《
黒い靄が膜のように広がり、火球を掻き消す。
綾佳さんの使うブラッドアーツ、《バリアスライド》さながらに。
その勢いのまま黒ハンニバルの左肩から袈裟斬りにした。
グアアァァァ………
ズシン!と言う地響きをたてながら黒ハンニバルは崩れ落ちる。
追い打ちをかけるように黒い靄の結合崩壊効果が発動して籠手を粉々に砕く。
「終わりだ!」
倒れる黒ハンニバルの首を一刀の元に跳ねた。
真っ赤な血が噴水の如く吹き上がり、俺の全身を染めていく。
何とかなったな。
模倣血技、戦闘中に繰り出したあれもカノンの誤射対策中に発見した。
しかし、この技には二つ欠点がある。
一つはあくまで『模倣』しているだけなのでスペックはオリジナルよりかなり劣ること。
そしてもう一つは……
「発動には技名発声が必須………か。
これも他人の前で見せるのには抵抗があるなぁ」
何で俺のブラッドアーツはいつもいつもこう、中二チックなのだろうか?
これではまともに戦いづらいではないか。
黒ハンニバルから素材を回収してからハルさんたちを呼ぶと俺はその場に座り込んだ。
数分後
「うわ、血塗れじゃねぇか!
大丈夫か斬騎!?」
「大丈夫です。
多分、全部返り血ですから」
「は?全部?」
「よく考えたら今回のミッションでは一度も攻撃を食らった覚えがないんです」
「「…………え?」」
ハルさんとカノンがフリーズした。
いや~、誤射回避技術と模倣血技があったとはいえまさか一撃ももらわなかったとは………。
「案外、黒ハンニバルって弱い?」
「(お前)(天霊さん)がおかしいだけ(だ)(です)!!」
「………そうかも」
俺はもしかしたら他の
まぁ、バッドステータスと残念系ブラッドアーツのせいか微塵も自分が強いとは思えないが。
模倣血技について
天霊 斬騎のブラッドアーツのもう一つの力。
他者のブラッドアーツを黒い靄を操作し、模倣する(但し、ロングのブラッドアーツのみ)。
技名発声は靄の操作をスムーズに行うためのものであって必ずしも必要というわけではない(尤も、斬騎自身はこのことを知らない)。
使用できるブラッドアーツは斬騎が見慣れたもののみ。
また、これにより発動するブラッドアーツはオリジナルより劣化したものとなる。
模倣血技・《
春月 綾佳のブラッドアーツである《バリアスライド》を斬騎が模倣したもの。
アラガミによる攻撃を一部防ぐことができる。
但し、バリアは一瞬しか展開できず、更にアラガミの攻撃威力が高くなれば高くなる程突破されやすくなる。
つまり、タイミングをミスったり、高威力の攻撃を受けたら普通に突破される。
とうとうコピー技まで開発しました。