彼はこの後一体どのような選択をするのか?
side斬騎
「また手酷くやられたじゃねーか。
情けねーな、バカ弟子」
「師匠……」
スサノオ戦から早三日、未だベッドの上の俺を見て師匠はやれやれといった感じだった。
「今回の事態はてめーの油断と慢心が原因でもある。
そこんとこ理解してるか?」
確かに最近力をつけてきて調子に乗っていたかもしれない。
そもそもあのミッションがソロで受ける様なものではないことに気付いた時に引き返して仲間を募れば良かったのだ。
それが出来たのにやらなかった。
これが俺の今回の最大の失敗だったのだろう。
そう言えば俺がゴッドイーターとしてやっていく覚悟を決めた時に綾佳さんも最初に言っていた。
『この仕事は助け合いが重要だからね。』
その通りだった。
一人で出来ることなんてたかが知れてる。
「つまり、てめーは仲間を信じきれていなかった。
自分の力を過信していたんだ。
それが今回の敗因だ」
「………はい」
「ん、じゃあ敗因がわかったところで特訓といくか!」
「は?」
「は?じゃねーよ。
リベンジするんだろ?
で?何にやられたんだ?」
「………スサノオです。
しかも超デカい」
「…………スサノオか」
師匠は少し考えた後で
「スサノオ相手なら丁度いいか。
おい、バカ弟子明日から三日ぐらい休暇とれ」
「明日から!?」
「明日から」
翌日
「用意できたか、バカ弟子?」
「医者にめっちゃ怒られましたが何とか……」
「よーし持ち物確認するぞ!
着替え、水筒、神機だ。
しっかり持ったか?」
「……前二つはともかく、神機はないですよ」
「じゃあちょっと行って取ってこい」
「無茶言うな!!」
数分後
「神機持ったな、じゃ、行くぞ~」
「ホントに持ってきちゃった!?」
「つべこべ言わずに歩け!
じゃないと今日は野宿になるぞ」
「こっちは怪我人なんですが……?」
「知らん」
「酷い!
ってかどこへ向かうんですか?」
「隠れ家の一つ。
こっからはかなり遠い」
「因みに歩いてどれくらい?」
「十二時間ぐらい飲まず食わずで走り続ければ着くぐらいだな」
「遠っ!」
「勿論、ゴッドイーターの身体能力基準で」
「常人基準ですらない!?」
「ま、何とかなるだろ。
俺はもとより、お前ももうゴッドイーターだしな」
「だから俺は怪我人です!」
更に十二時間後
「着いたな」
汗一つかかずに平然と立っている師匠と
「ゼェーゼェーハァー」
修行開始前から《息切れ》でぶっ倒れている俺がいた。
「何だもう満身創痍か?」
「ホントに十二時間飲まず食わずで走らされるとは思いませんでしたよ!!」
「だけどほら、早く着いたろ?」
師匠が指差した先には一軒の家があった。
「確かに着きましたけど……!
帰りはもう少しペースを考えて下さい」
「だが断る」
「をい」
師匠は俺を無視して家の前まで歩くと一・三・ニのリズムでドアをノックした。
「はーい」
ガチャリ
中から出てきたのは金髪碧眼の少女だった。
師匠は
「よう、久しぶりだな。
本部の役人とかは来なかったか?」
「カルメラさん!お久しぶりです!
そもそもこんな辺境に人は来ませんよ。
快適に暮らさせてもらってます!」
「そうか、そりゃ良かった。
ところで話しは変わるんだが、コイツを鍛えてやってほしい」
師匠は未だ虫の息の俺を足蹴にしながら言った。
少女は俺の持つ神機と腕輪を見ながら不安そうに言った。
「その人、ゴッドイーターですよね?」
「あぁ、だが大丈夫だ。
お前らが心配してることは起きない。
コイツは《アーサソール》のこととか何一つ知らねーからな」
「そう……ですか」
「それにコイツは俺の子供みたいなもんだ。
信用出来る」
「カルメラさんがそこまで言うなら問題なさそうですね」
「そう言うこった。
おい、バカ弟子いつまで寝てやがるさっさと起きて自己紹介しろ」
「極東支部所属、天霊 斬騎です。
よろしくお願いします」
「わたしはマルグリット・クリムゾン、整備士よ。
よろしくね」
え?マルグリットの名字が文庫に出ていたのと違う?
流石に三年も経てばギースと結婚してるでしょ。
と、いうわけで次回『禁忌を破る者』から二人が本格的に登場です!