上下にしようと思ったのに結局上中下になっちゃいました。
斬騎君の出番が…………!
「はぁ?極東支部の連中に預けたぁ!?」
あれから二日、赤い雨が降ったせいで足止めを食らった俺とギースはネモス・ディアナの評議会の総統ーー葦原 那智のところにいた。
最初はギースの腕輪を見て嫌そうな顔をしていたが、俺がいることに気付いて表情を変えた。
具体的には凄く嫌そうな顔をした。
イラッとしたが、話が進まなくなるのは困るのでぐっとこらえてにこやかに会話を始めた。
那智はここ数ヵ月で心境の変化があったらしく、あれほど毛嫌いしていたゴッドイーターを見てもすぐに追い出せとは言わなくなった。
だが対応は依然として冷ややかなもののままである。
ギースの恋人ーーマルグリットはここに残ってギースを待つことを望んでいたのだが、病状の悪化が酷く、極東支部の近くの医療施設に移動しちまったらしい。
黒蛛病発症者を手元に置くメリットもないので嬉々として渡したんだと。
「チッ、居ねーなら長居は無用だ。
じゃあな、那智。
八雲のジイさんにもよろしく」
「あの人は死んだよ………。
私を庇ってアラガミに殺された」
「ッ!…………そうか」
あのジイさんもくたばっちまったか。
まったく、嫌な世の中だ。
そんなことを考えていると那智が目を丸くしながら言ってきた。
「驚いたな、アンタでもそんな表情をするのか」
「フン!相変わらず失礼な奴だな。
俺だって故人を悼む時くらいある」
「そうか」
ククッと人を小馬鹿にするように笑う那智。
こういうとこホントに八雲のジイさんそっくりだ。
はっきり言ってムカつく。
「行くぞ、ギース。
ここに居たらストレスが溜まる」
「え?あ、はい」
話に追い付けていなかったギースはあたふたしながら付いてきた。
「また、少ししたら墓参りにでも来てやるよ」
「もう来るな!」
俺とギースは極東支部へ向かった。
ギースは正体がバレると非常に厄介なことになりそうなので外套を着せた。
そして徒歩とヒッチハイクの車移動を繰り返すこと三日。
極東支部にたどり着いた。
いやはや、遠かった。
ギースは力尽きかけている。
「ったく、情けねーな。
たかが飯と水を半日抜いて走り続けただけじゃねーか」
「俺はカルメラさんみたいな人外じゃないんですよ………」
「んだと、コラ。誰が人外だ」
俺が睨むとギースは慌てて顔を逸らした。
ま、こんな掛け合いが出来る程度には精神的に回復したか。
マルグリットは那智の話では既に黒蛛病に発症していたと言う。
だからマルグリットが生きている保証はどこにもない。
発症時の致死率はほぼ100%、そんな不治の病にマルグリットがかかっていると知ったギースは取り乱していた。
ま、そんなことお構い無しに半日ほど走らせて生命の危機を感じさせれば平静に戻るだろ、と走らせた。
これでメンタル
「じゃ、行くぞギース。
ここの支部長ーーペイラー・榊のところに」
支部長室
一時間後、俺たちはペイラー・榊のいる支部長室にいた。
マルグリットの容態は刻一刻と悪化しているみたいだ。
意識もないままの日が続いている。
「やっぱまだ治療法は確立されてねーのか?」
「あぁ、君たちも知っての通り黒蛛病の治療法は未だ見つかってはいないよ」
持って二ヶ月、それが彼女に残された
ペイラー・榊は断言した。
「何だよ、ソレ………!
じゃあマリーはこのまま死を待つしかないって言うのか!!」
ギースはペイラー・榊に詰め寄った。
「ギース、落ち着け。
わかってんだろ、
「じゃあどうしろと!?
マリーが死ぬのを黙って待ってるなんて冗談じゃねぇぞ!」
ギースの激しい怒りと焦燥が混じった瞳を俺は真っ向から見返す。
「那智の娘ーーユノの歌を聴かせればマルグリットの容態もいくらか緩和出来るかもしれねーぞ」
確か《
歌姫 葦原 ユノ。
彼女の歌には黒蛛病の鎮静効果がある。
デマの可能性も高いが、これに賭けてみる価値は十分あるはずだ。
「取り敢えずマルグリットのところに案内してくれ」
これ次でまとめられるかな(汗)