side斬騎
その後、一時間かけてノルマの残りである四体のスサノオを見つけ出し、討伐した俺たち三人は師匠との合流を始めた。
とてつもなく嫌な予感がするのだ。
昨日あれだけ出てきたボルグ・カムランが今日は一匹もいない。
心当たりはある。
と言うかあり過ぎる。
師匠はさっき
『お、あれはボルグの群れか……。
肩慣らしにはちょうど良さそうだな』
と言っていた。
だが、群れの規模までは言っていなかった。
俺もギースさんたちもボルグの群れなど見えなかったので何とも言えないが。
そもそも師匠の群れの基準ってなんだ?
俺たちはかなり不安になりながら師匠捜しを継続した。
更に三十分後
「何だ………この、惨状は……」
辺り一面が血の海になっていた。
先程、師匠と別れた場所からおよそ2km、そこはまるで地獄がこの世に具現化したかのような有り様だった。
「よぉ、遅かったな」
「……っ。師匠」
「絶景だろ?」
「悪趣味です」
俺は突如現れた返り血で赤く染まってる師匠に平然と返した。
師匠は辺りをキョロキョロと見回した。
「そうか?」
「そうです、大体何やったらこんな死に方になるんですか?
全身ねじれて死んでる奴とか風穴だらけになってる奴までいますよ?」
「気合いと根性?」
「それで何とかなるのは師匠だけです」
俺は溜め息をついた。
「何で斬騎は平然としていられるんだ?
これ下手したら軽く精神崩壊起こすレベルだぞ」
ギースさんはマルグリットさんとガタガタ震えていた。
まぁ、確かにその反応が普通だな。
「見慣れてるからですよ。
師匠が本気を出せばそりゃ、こうなりますって」
「?俺はまだ本気をだしてないぞ」
「げ。マジっすか?
これでも前見た時より酷い有り様なんですが………」
「あぁ、四文字以上の《破常術》は使ってねーからな」
「四文字はダメです。
今の師匠がやったら辺り一体消し飛びます」
「だな」
「これでもまだ本気じゃないの!?」
「もうこの二人に俺たちの常識は通用しないな」
マルグリットさんとギースさんが口々に言う。
ひどいな、師匠はともかく俺はまだ人間カテゴリのはずだぞ。
「ってかここまで殺る必要はなかったんじゃ?」
「あー、それは俺の神機がな、ちと特殊でさ」
師匠は後ろ頭を掻きながら困った感じで続けた。
「この神機ーー
「「「こわっ!」」」
何その神機、呪刀と同レベルかそれ以上にタチ悪っ!
血を浴びることに固執する神機って何だよ!?
「ま、とにかく続きと行くか。
まだ一番の大物が残ってるみてーだし」
「一番の大物?」
「おう、喜べバカ弟子。
多分ここらのボスはお前の言ってた『超巨大スサノオ』だ」
「え?」
「あとギースとマルグリットもだ。
そのスサノオ殺せばここらで起きてるボルグ・カムラン神属の大量発生は収まるはずだしな」
「「え?」」
「んじゃ、行くぞ~」
「「「ちょっと待て!!」」」
今までにない大鎌型神機。
能力は非常に高いが、使用者の精神を蝕むという重大な欠点と適合者が出なかったことからアラガミ装甲の素材に回される寸前のところを師匠が適合した。
血を浴びることによりチャージが始まり、最大三段階まで攻撃力を上昇させることが可能。
またチャージ中の際、紅いラインが神機全体に現れる。
因みに師匠には精神干渉は効かなかった。(←つまり作中の師匠の言い訳は嘘)