挽回できるのか!?
side斬騎
輝きを増すタキリを手に、超巨大スサノオに立ち向かうギースさん。
マルグリットさんは先程の戦いで残っていたアラガミバレットをギースさんに受け渡してバースト化させると、増殖バレットを連射した。
次々と迫る弾丸が運悪く目に当たったらしい超巨大スサノオはその動きを堪らず止めてしまった。
すかさずギースさんの連続斬りが超巨大スサノオを追撃、右前足をへし折った。
ギシャアアアァァ!?
苦悶の声を上げる超巨大スサノオ。
それはまともにダメージが入ったことを顕著に知らせた。
ギースさんは攻撃の手を休めず、へし折った右前足を更に破壊する。
そして、とうとう完全に破壊した。
足の一本を破壊され、バランスを崩す。
そこにマルグリットさんの仕掛けた爆発系バレットが起動する。
仕掛けられた爆発系バレットは次々と連鎖し、スサノオの全身にまんべんなくダメージを与えた。
今なら全身脆くなっている。
二人だけに任せっきりなのは駄目だろ。
立て、天霊 斬騎!
俺はボロボロの体に力を入れ、立ち上がった。
呪刀に再度、靄を纏わせる。
いつもより靄の量が少ないが、十分だ。
超巨大スサノオは白紫の髪を輝かせながら威嚇してくる。
構わず俺は呪刀を降り下ろす。
先程は全くダメージを与えられなかったが、脆くなっている今なら!
ザシュッ!
超巨大スサノオの腕を切り落とした。
更に返す刃で素早く一閃。
残っていたもう片方の腕も落とす。
これで光弾雨はもう撃てない。
ビュッッ!
しかし、超巨大スサノオは最後の武器である尻尾の剣を振るって抵抗を試みた。
「無駄だ!模倣血技・《
剣の軌道を読んで刀身を拡張した呪刀を打ち合わせた。
圧倒的な質量に体が吹き飛ばされそうになったが、膝に力を入れ、堪える。
バキィン!
数秒の鍔迫り合いの後、超巨大スサノオの剣が粉々に砕け散った。
同時に、剣の近くにあるコアも甲高い音を立てて割れた。
超巨大スサノオは断末魔の悲鳴を上げると、その身を灰に変えた。
コアの直接破壊。
この結果は一つの誤算があった。
つまり、
「ぎゃああああぁぁ!?
灰の海に飲まれるーーー!!」
超巨大スサノオの全身が急に灰になったらそりゃそうなるわ。
逃げる間もなく灰の海に飲み込まれた俺たちは意識を失った。
『………馬鹿なの?貴方?』
「返す言葉もございません」
気がついたらいつかの白い部屋にいた。
で、貞○に説教されている(前回と違って普通に話しかけてきた)。
どうやら一度死にかけていたみたいだ。
今回はあの紅い幼女ーー紅緋の姿はない。
よって今ここに居るのは俺と呪刀の二人だけだ。
女の子と二人きり。
だが現実的に見るとそんな甘酸っぱいシチュエーションじゃない。
だって貞○じゃん。
ホラー系女子じゃん。
心踊るというより心胆から凍り付かせるって感じだよ。
『……ねぇ、話聞いてないでしょ?』
「っ!い、いや聞いてる……よ?」
俺が首をかしげながら言うと呪刀はハァ、と溜め息をついた。
『まぁ、いいわ。どうせこれから困るのは貴方だろうし。
じゃあね』
「え?あ、ちょっ、待っ!?」
呪刀は両手を打ち合わせた。
パンっという音と共に意識が急速に別の場所に飛ばされていく。
そして、気がつくとギースさんたちの家のベッドの上にいた。
どうやらさっきまでのは夢だったらしい。
ある意味悪夢だった。
「お、目が覚めたか、バカ弟子」
「えぇ、まぁ………。
というか師匠がここまで運んできてくれたんですか?」
「あぁ、灰の中に埋まってるお前らを見て大笑いした後で引っ張り出して連れ帰ってやった。
感謝しろ」
明らかに助ける途中にいらない工程が混ざっている。
「さて、と、じゃあ帰る準備をしろ」
「え?何で?」
「今日が休暇最終日だからだ。
ほら、今から走らねーと明日までにアナグラに帰れねーぞ」
え?三日目?マジで!?
今起きたばっかなのにまた飲まず食わずで12時間耐久マラソンやらなくちゃいけないの!?
俺は先に目覚めていたギースさんとマルグリットさんに慌ただしく別れを告げると、師匠と共に極東支部を目指して再び走らされることになった。
…………よく考えると修業しかしてないから休暇でも何でもなかったな。
斬騎君の休暇スケジュール結果
一日目⇒12時間耐久マラソン(水、食料なし)⇒強制ボルグ狩りツアー(暴走神機兵の乱入あり)⇒休憩(盾に関する衝撃の事実判明)⇒二日目⇒スサノオ狩りツアー⇒超巨大スサノオリベンジ⇒灰の海へドボン⇒軽く生死の境をさまよう⇒起きたら三日目⇒十二時間耐久マラソン(勿論、水、食料なし)⇒四十五話に続く