side斬騎
死屍累々の12時間耐久マラソン(水、食事抜き)を再び乗り切った俺は現在、自室でグッタリしていた。
そもそも行き帰りだけで軽く24時間マラソンやらされるとか明らかに休暇じゃない。
何とか夕方には帰ってこれたが、正直今日はもう動きたくない。
ドンドンドン!!
いきなり凄い勢いで自室のドアをノックされた。
俺は渋々立ち上がってドアを開けた。
「斬騎様!ご無事ですか!?」
超涙目のアルカナが飛び込んできた。
「へ?アルカナ?どうした!?」
「斬騎様が行方不明になったって極東支部中大騒ぎになってるからですよ!!」
「え?行方不明?何故だ!?
俺は普通に休暇届出したはずだぞ!?」
「とにかく来てください!」
「え?あ、ちょっ!俺、もう体力的に限界寸前なんですがーー!!」
支部長室
俺が半死状態のままアルカナに引き摺られて連れてこられたのは支部長室だった。
では、外で待ってるので終わったらちゃんと事情を教えて下さいね、とアルカナは言うと俺を置いて外へ出ていった。
さて、それで俺の行方不明の理由だが………至極簡単なものだった。
休暇届の記載不備
………い、いやしょうがないじゃん!
師匠が急かしてきたせいで空欄埋めるの忘れたんだよ!
「記載不備の欄は休暇の理由なんだけど?
斬騎君、君今まで三日間何してたんだい?」
リベンジのために片道12時間走って修業に行ってました。
…………言えるか!
第一、怪我もまだ治りきっていないのに体動かしてること知られたらまたヤバイ感じのミッション押し付けられるに決まってる!
そんな俺の内心を見抜いたかのようにサカキ博士はニヤリと
「そういえば君の休暇中、
「うぐっ!」
師匠が神機を取ってきた時は適当に流してたけどよく考えたら
不味い、どんどん追い込まれてる………!
俺が嫌な汗をだくだくと流しているとサカキ博士は一枚の書類を取り出した。
「斬騎君、取引をしようじゃないか。
これから言う条件を了承してくれれば今回の一件は不問にしてあげよう」
「取引?」
何だろう、凄く厄介なことが起こる気が……?
「君にはこれからある部隊に行ってもらいたい。
勿論、今の第四小隊からは異動という形でね」
「はぁ……?」
また異動か……?
でも今の部隊(主にカノン)を考えると異動は俺にメリットがあるだけだ。
この腹黒博士がそんな提案をするはずがない。
何か裏があるはずだ!(断言)
「さて、ここからが本題なんだが。
君にはこれから異動する部隊で
「え?隊長?俺が?」
「うん、君が」
……………………………………。
「うぇ、えええぇぇぇ!!?」
疲れとか吹っ飛んだ。
あまりの衝撃に思わず叫んでしまった。
「いやいや、待って下さい!
これ取引になってませんよ!?
俺にはメリットしかないじゃないですか!」
「ははは、まぁ、それはこれからわかるよ。
それでどうだい?
この取引、受けてくれるかな?」
「……………少し考えさせてください」
話が話だけに少しクールダウンする時間が欲しい。
「わかったよ、いきなりだからね、少し考える時間が必要だろう。
ただ、前向きに検討してもらいたいねぇ」
サカキ博士は考える時間として一週間くれた。
………………さて、どうしよう?
どうするの?