後、今回超展開キターになりそうです。
side斬騎
暗い、昏い、冥い、くらい、闇の底に俺は堕ちていく。
堕ちていくにつれて、俺の意識は段々と薄れて今にも消えてなくなりそうだった。
き……起き……この………飲まれ……よ!
?何だろう、声が聞こえた気がする。
このまま……堕ちた………戻れな……ちゃ……おねが…………目覚め……!
ノイズ混じりの声が徐々にラジオのチューニングを合わせるように明瞭になっていく。
聞き間違えじゃない。
俺は混濁する意識を無理矢理起こして声に耳を澄ませた。
早く起きて!きみ、これ以上堕ちたら戻って来れなくなっちゃうよーー!!
!俺は重い瞼を持ち上げて周囲を見渡した。
ここは………?
一面の白い部屋、そして……
「よかった。
目が覚めたんだね!
意識はハッキリしてる?
自分が誰だかわかる?」
目の前にいる紅い着物をきた幼女が矢継ぎ早に訊いてくる。
…………何この状況?
ええと、と、取り敢えずまずは状況を整理しよう!
予想外の大型種
↓
ガルムを満身創痍で撃破
↓
ヒャッハー初捕食!
↓
だがマルドゥーク襲来。不意打ちくらって俺、死んだ?
↓
謎の真っ暗な闇の中
↓
目覚めると白い部屋に紅い着物の幼女が!?←今ココ
………あれ?おかしいな?状況を整理した筈なのに更に混乱してきたぞ?
俺が混乱して黙り込んでいると幼女は慌てだして、
「あ、あれ?もしかして手遅れだった?
うわあーーーー!!
どーしよう?!」
「っ!いや、大丈夫だ。
ちょっと状況を整理していただけだから。
ってかここどこだ?
俺死んだのか……?」
俺が大丈夫だと解ると幼女はあからさまにホッとした。
そして、
「ここはきみの意識を《くらやみ》から掬い上げた後、一時的に留めるための場所だよ。
そんで、ぼくは紅陽。
あるゴッドイーターの神機に宿った意識で、きみの神機に頼まれてここに来たただの《イレギュラー》さ。
あぁ、きみの体は大丈夫だよ。
あやかちゃんがセットしてたリンクサポートの《黄泉がえり》でちゃんと無事だから」
俺は自分が生きていたことに一先ず安心した。
そして、目の前の幼女ーー紅陽の言葉が一部理解できず、
「《くらやみ》から掬い上げる………?
それに゛俺の神機に頼まれた″ってどういうことだ?」
と問うた。
すると紅陽はう~ん、と上手い説明が見つからない様子だった。
しばらくして
「さっきの《くらやみ》はきみの神機にかかってる呪いの本質だよ。
神機の使用者が死んだときその魂を飲み込むんだけど、《黄泉がえり》でバグを起こしたみたいで、きみが死んだと《誤認》したんだ」
そして紅陽は部屋の一角を指差すと、
「あと、きみの神機っていうのは彼女のこと」
彼女?
釣られて紅陽が指差した方向を見るとそこには
貞○がいた。
「ッ!ギャーーーーーーーーーー!!!」
貞○じゃん!
リアルで3Dな貞○じゃん!
怖っ!うわっめっちゃ怖っ!
髪長っ!肌青白っ!
斬騎恐慌中。しばらくお待ちください
「落ち着いた?」
「な、何とか………」
俺は深呼吸を繰り返し行うことでどうにかこうにか我に帰った。
「で?
呪刀……で良いのか?
あんたはどうしてここに俺を呼んだんだ?」
「あ~……その子に話しかけても多分無駄だよ?
すっごい無口だから」
「は?
じゃあどうやって君を助けに呼んだんだ?
喋らないんじゃ解んないじゃん」
「…………筆談?」
顔をそらし、目を背ける紅陽。
あ~、聞いちゃいけない部分だったらしい。
「っと、ところで俺はいつまでここに居ればいいんだ?
正直そろそろ自分の体が心配なんだが…」
帰った途端にマルドゥークに喰われていましたとかシャレにならない。
「大丈夫、大丈夫。
あと30秒もすれば意識が体に戻るよ。
ここでは時間が進んでないし。
きみの意識をこっちに掬い上げたらすぐに出られるように設定したから、戻るのはもうすぐのはず」
「色々飲み込めないが、取り敢えず、あの《くらやみ》がヤバイものだったっていうことだけはわかってきた。
ありがとう、紅陽、それに呪刀も」
「もう来ちゃ駄目だよ~。
あぁ、あと゛変異狩り″に会ったら宜しくね~」
゛変異狩り″?
誰かのアダ名だろうか?
紅陽は満足したように笑顔で手を振ってくる。
そして、
『目覚めたら、新しい力が発現しているわ。
でも気を付けて。
その力は貴方をあの《くらやみ》に引き込む力でもあるから………』
え!?
今あの貞○喋った?
それに《新しい力》って何だよーーーーーーーーーーー!!!!!
こうして謎の邂逅は俺に多くの謎と混乱だけを残して唐突に終わった。
side紅陽
「良かったの?
まだ色々と伝えてないこと、あるんでしょ?
次はもう無いかも知れないのに」
ざんきくんの体に意識が帰還していったのを確認してたぼくがそう訊くと、呪刀は
『良いわ、忠告は出来たし。
それに…………』
「それに?」
『今伝えたいことは十分伝えられたもの。
心残りは無いわ』
彼女はそう消えそうなくらい小さな声で言うと、溶けるようにその場から姿を消した。
へぇ~。
心残りはない、ね。
でも、
「じゃあ、どうしてきみがざんきくんのお父さんの元神機だって教えてあげなかったのかな?」
貞○こわい。