その砂が落ちきるまで   作:斉藤努

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どうも、小説版もっと色んな人に読んでもらいたい斉藤です。

小説版バンドリ布教会04ということで書かせていただきました。ポピパが結成した後に夏休みを超え、秋になったらこんなふうに過ごしたりするのかなぁと筆を進ませました。
滅多に外を出ないであろう小心者達のマーチです。


本編とはあまり関係のないほっこりする話
紅葉落つるその時までに


 暑い夏も過ぎて日が短くなってきている。

 

 七月に結成したポピパことPoppin’Partyの相談役として有咲の家の蔵に入り浸っていた。勉強をしたりポピパの演奏に聞き惚れたり、みんなに憧れて曲を書いてみたり。俺がゲームを持ち込んでからはみんなでワイワイ楽しんだりもした。りみは負けん気が強いのでもう1VS1のバトルはしたくないものだ。その蔵で近くの書店て何となく買った観光の本を読んでいる時隣から声がかかった。

 

「わぁ、紅葉綺麗だね」

「どれどれ……京都の方が綺麗だな」

「りみって出身丹波って言ってたっけ。京都行ったりしたの?」

「うむ。一度だけ。渡月橋は特に美しかったぞ」

「なぁんだ、たったの一回ぽっきりじゃない。そんなんで語っても説得力ないわね」

 

 ちょっと辛口の有咲。いつもの事なので適当にいなした。

 

「あっ、自分紅葉狩り行ってみたいっす。こないだテレビで綺麗な紅葉見て……あっ、なんでもないっす」

「いいじゃない。沙綾、今週末辺り空いてるかしら?」

 

 沙綾にだけ予定を聞く有咲。他のメンバーは基本的暇人なため普段から予定を聞くのは沙綾だけだ。

 

「えぇと、大丈夫だよ! みんなで行こう。香澄ちゃんもどう?」

「わ、私!? いいと思うよ」

 

 じゃあ行こう! と日時や場所が凄いスピードで決まっていく。旅先にこういう子がいてくれると頼もしいね。

 そういえば俺が行けるかの是非は取ってないっ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当日。いつもはしないオシャレをして集合場所へ向かう。そこまで近くないので各々電車移動して現地で落ち合おうということなのだ。集合場所に着いた。誰かいないかと探してみると目立たないところに戸山さんがいた。

 

「戸山さん、そこじゃ誰も見つけらんないよ」

「そっか、ごめんね。でも富久くんは見つけてくれたじゃん

「どうした? 気分悪いならどこか座る? あっちにベンチあるよ」

「ううん、大丈夫。みんな気づいてくれる場所に移動しよ」

 

 ちょっと不安だ。でも本人が大丈夫と言うなら大丈夫なのだろう。待っているとたえ、沙綾、有咲、りみの順番で来た。因みにりみは遅刻だ。

 駅から十分ほど経つと段々と紅葉の木々が増えてきている。ワイワイ話しながら進んでいく。戸山さんに歩みを寄せていたので自然と二人と三人に別れてしまった。三人の姿はだいぶ小さくなってしまい、目を凝らしてもはっきり見えない。

 戸山さんと話したいという欲で、声が出てしまった。

 

「綺麗だね、来てよかった。こんなに友達ができると思ってなかったしなぁ」

「富久くんカッコイイし色んな人とお話してるから私たちがいなくても人気だと思うよ」

「そうかな? でも、今は戸山さん達と出会えたからそれだけで嬉しい」

「そっか……。あっ」

 

 戸山さんが何かを言おうとした時に俺と戸山さんの手が当たった。戸山さんのその手は少し赤みがかっている。勇気をだしてその手を握ってみた。

 

「ダメだったかな?」

 

 きっと戸山さんは断らない。断れないだろう。それが戸山さんの良いところだし、悪いところでもある。

 

「だ、だ、だ、大丈夫だよ」

 

 大丈夫ではなさそうな声を発する戸山さん。かわいいなと思ってしまった。でもこれは寒さを凌ぐための手段。それ以外の意味は無い。それ以外の意味なんてないんだ。隠しているこのキモチも関係ない。ただ、ただ触れているだけ。

 りみが前から走ってきた。りみが近付くと戸山さんは手を離してしまった。悲しいけどしょうがない。あんまり好かれるような行動とっちゃダメだ。ショックが大きくなってしまうから。

 でも俺は未練がましく戸山さんの隣にいる。あの時手を差し伸べることができなかったのに、図々しくもここにいる。

 求めてしまっている。そして忘れられないんだ。あの日気付いた恋の気持ちを。でも、隠さないと。自分だけの秘密にしないといけない。

 

 

 きっと、いつか壊れてしまうのだから。




いかがだったでしょうか。なんだ最後の。不穏な雰囲気が漂っていますね。
本編が4話しかなく、ポピパも結成されていないのに時空を飛ばしすぎてしまったかなと思ったのですが、本編が秋頃になったらまたもう一度閑話として読んでいただきければ良いのかと思い直すことにしました。
なんか知ってるキャラ像と違う!と思ったそこの貴方!ぜひとも小説版バンドリを一度手にとっていただきたいです。

それではまたどこかの作品でお会いしましょう
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