納豆こねこねウマ娘 作:TAKE
「あ!トレーナーさん!この間お手伝いした青毛の先輩から、バイト代って頂いたんですよ!」こねこね
「ええっと、お知らせ?何々…。ああ、ウマ娘たちの健康診断のお知らせか。確かこれ、下手に体重とかが増えすぎたりしてると、トレーナーの管理がなってないとかって言われちまうんだよなぁ。…ま、その点ウチはどちらかというと小柄な娘たちばっかりだし、アズキも結構食べるほうだけど、低カロリーな納豆ばっかりだから心配いら…。」
「おーっす。」
「おう、アズ」
そこにいた彼女は、袋菓子を片手に、腹が制服に収まっていなかった。
「見せモンじゃねぇぞ。」
「…なんでそんないいタイミングで太るんだお前は?」
「文句ならポテチに言え。期間限定水戸納豆味がウマい。」
「…。そういえばなんで
「知るか。公式に訊け。」
「公式…?なんだ公式って?あ、おいアズキ!公式ってなんだ!?」
――――――――――――――――――――
いよいよ年も明け、新たな年度を迎えようとするトレセン学園。
チームカペラのトレーナー明智は、ニコニコ笑顔で書類にサインを落としていく。
「ええっとこれが、勝手にチーム名を変えたことによる始末書で、こっちがダートに無許可で飲食物を持ち込んだことに関する始末書で、こっちが勝手にウイニングライブの曲目を変更したことへの始末書で…。」
決して書いてて嬉しくはないであろう始末書。内容は全てアズキが起因するものだ
しかし彼は口の両端を吊り上げながらそれを記入していく。
「…ねぇ、アズキ。トレーナーさんちょっとキモイんだけど。」
「キモイね。」
「あんたの始末書の書きすぎでアタマおかしくなったんじゃないの?」
「おかしいのは元からでしょ。」
それでも彼は時折鼻歌を歌いながら、カリカリとサインを書き、ペタペタとハンコを押していく。
「トレーナー。あんたキモイってよ。」
そうアズキは彼に面と向かって言う。
普段ならここで、『うるせぇ!』とか『誰の始末書書いてると思ってんだ』とか彼女に食い掛るはずなのだろうが。
「えへへ…そうかぁ?」
にへらにへらと笑う。
「こりゃダメだ。保健室って人間にも効果あるんだっけ?」
「まぁ待て待てアズキ。俺はまっとうだ。こんな始末書、屁でもないくらいの気分なのさ俺は。」
「財布でも拾ったか。」
「ちげーよ。お前だよお前。お前のおかげで…俺も晴れてG1トレーナーになれたワケなんだ!これでカペラもようやく軌道に乗る…そうなりゃスピカ・リギル越えだって夢じゃねぇ…!」
「これアレだな。自分に溺れて破滅していくパターンの小物だ。」
「なんとでも言ってくれよォ…。」
とまた始末書の記入を始める。
「よォし、そういやお前たち。今度の新入生歓迎会。しっかり番宣頼むぞ!今年はアズキの活躍があるから新入部員もがっぽがっぽ…。」
―――――――――――――――――――
「えー。今年の新入部員は誰一人…いませんでしたぁ。…なんでやろなぁ。」
と、その瞬間トレーナーはかけていたオーバーグラスを床にたたきつける。
「なんで誰もいねぇんだよ!」
「知らん。」
「しっかり宣伝してくれてたんじゃねぇのか!?」
「したさ。」
・・・・・・・・・・・・・・
え、なにあの人?
めっちゃ納豆混ぜながらこっち見てくるんだけど…。
上級生…?
チーム1000バリキだって…。
なんか怖いんだけど。
うわ!こっちきた!
なんかすごい納豆の臭いする!
と、とりあえず皆逃げよ!
・・・・・・・・・・・・・・・
「…最近の若い連中ときたら。」
「100%お前のせいじゃねぇか!納豆こねならがチーム勧誘なんてあるか!大体なんだチーム1000バリキって!またドリ天ネタか!」
「こっちはD1だ。格上だぞ。」
「だからそもそもうちはチームカペラだっつってんだろ!!」
そういってまたトレーナーはクタっと項垂れる。
「マジかよ…。新入部員0はマジでやべぇぞ…。」
「なんだ有頂天になったり沈んだり。躁鬱なの?」
「誰かさんのおかげでな!」
「……///」
「褒めてねぇ!!」
アズキは深く腰掛ける。
「まぁ代わりといってはなんだけど、一人連れてはきた。」
「え?」
「ほらそこ」
そういってアズキはトレーナー室の出入り口を指す。
そこには、そっと薄く扉を開けてこちらを伺う髪の長い青毛の姿が。
「え!?マジで!?」
トレーナーはそこへ飛んでいく。
「あ!よ、よかった!!ど、どうぞ入って入って!」
と彼はまるで彼女を初めて部屋へ上げるかのように、その娘をトレーナー室へエスコート。
「し…失礼…します。」
その娘は、やたらに顔色が悪い。瞳はどこかうつろで、呼吸を肩で吸ってはいて。すこしカタカタと震えている。
「え…っと、具合でも悪い?」
「い…いえっ。た、体質なんです。」
「何か持病とか?」
弱った、虚弱体質持ちかと、一瞬彼の脳内を不安が支配する。
「そいつ、バリバリ健康だよ。この間の健康診断もオールAだったし。」
「へ?」
アズキにそういわれ、トレーナーは再び彼女へ。
唇は少し青く、顔も蒼白という言葉がよく似合う。
「いやいやいや。どう見たって体調不良だろ。」
「い…いえ、今は体調万全です…。」
「そ、そうは見えないけど…。ま、まあいいや。君名前は?」
「ブランク…ブランクコードです。」
「ブランク…ねぇ。」
その瞬間、彼女は何か錠剤のようなものを取り出して口へ放り込む。
「え?」
「ご…ごめんなさい…。これがないと…ちょっと力が出なくて。」
「ま、まさか頓服してる薬でも…?」
彼女はだまってゆっくり頷く。
やはり…彼女は…何か体に抱えているのか!?
「それ、にんにく卵黄だよ。」
とアズキがどこからか取り出した納豆をこねる。
「え?」
そっとブランクへと視線を。彼女は黙ってまた頷く。
「おばあちゃんから…ちゃんと飲まないと病気になっちゃうって…。」
「アンタ風邪ひいたことすらないのにね。」
「あと、私…ちょっとだけ貧血気味で…。」
「アンタ献血解禁日と同時に献血行ってるでしょ。400ccフルで抜いて。」
「この間も…オール基準値でした…。」
「まぁ毎朝10km欠かさず走ってるヤツだし、問題ないと思うけど。」
…。
下手すると自分より健康だぞこの娘。(この間γ-gtp基準超えてた。)
でもなんでこんなに顔色悪いんだ…なんか不安しかねぇけど…。
そしてトレーナーはそっとアズキに耳打ちする。
(なぁ…アズキ。この娘って本当に大丈夫なのか?)
(あんたより健康だよ。あんた中性コレステロール高いって医者に言われてたでしょ。)
(なんで知ってんだよ!…まぁそれはそうとだな…)
(因みにだけどそいつ。トレーナーなしの状態で紫苑Sとセントライト抜けてきてるよ。)
(は…?)
もう一度その娘へ…。
口を押えてケホケホと咳をする。
「…やべーやつ来たやん。」
「ウマ娘 太る 公式 …ヒットしないな。」カタカタカタ