ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「前回は、いよいよ練習の大詰め!」
「とうとう本番が近づいてきマシタ…」
「うぅ〜…大丈夫かな〜…」
「大丈夫だよ、かのんちゃんなら出来るって!」
「そうそう。ってわけで、本番の舞台である第15話、どうぞ!」
◆◆◆◆
「ふーっ…」
今日俺は、珍しく朝の5時に起きた。
今日は学校はないが、それよりも大きなイベントが俺───いや、俺を含めた4人にある。
俺はとりあえず朝食を作ることにし、台所へと向かった。
作った朝食を食べながら俺は、スマホでニュースを眺めていた。
やはりトップニュースに、俺達の目指す…いや、始まりの舞台である代々木スクールアイドルフェスについての記事が出ていた。
「……いよいよ今日か…」
俺はそう呟きながら、食事を進める。
記事には、今回参加予定のグループの一覧、開催時刻などが記され、中でもあのサニーパッションについては大きく取り上げてあった。
「期待されてるのはサニパ、か。」
俺の推測はあながち的外れというわけでもないだろう。昨年のラブライブ!東京代表となれば、注目が集まるのも頷ける。
俺はそう思いながらも手と口は止めず、食事を口に運び咀嚼していく。
「…ごちそうさま、と」
俺は食べ終えると、食器をシンクに持っていき、そのまま着替えにいった。
◆◆◆◆
俺は着替え終えると、かのん達との集合場所へと向かっていった。
その途中、俺は先日の事件現場を通っていた。
「……」
俺は足を止めると、思わずその地をじっと眺めた。
「……絶対に倒す…」
あの男のせいで、大勢の人々が被害にあった。大勢の建築物が破壊された。
その行為を、これ以上続けさせるわけにはいかない。
俺は我に返ると、かのんたちへの集合場所へと向かった。
着くと、そこにはもうすでに3人が着いていた。
「あ。圭人くん!」
「おはようございます!」
「うぃっすー!」
三者三様の挨拶をする中、俺も挨拶を返す。
「おはよう三人共。……さて、いよいよ本番なわけだけど…」
「…うん。」「…ハイ。」
出場する二人が真剣な顔持ちになる中、俺は言葉を続ける。
「今回の障壁はやっぱり…」
「サニパ…だよね。」
「うん。あの後何本か動画見てみたけど、やっぱりあの二人はすごい。歌唱力も、ダンスも、二人の息の合わせようも、素人目ではあるけど本当にすごかった。」
「当然デス!可可が日本に来ることを決意するほどなのデスカラ!」
「誇ってる場合かって。……まあ、そう思うほどにすごいグループなわけだ。」
そこで俺は言葉を切り、二人を見渡すと、
「…でも、二人もサニパに負けないほどの実力はあると、俺は思う。だから……」
俺は再度言葉を切り、二人の目をじっと見ると、
「……二人ならできる。」
そう断言した。
「圭人くん…」
「圭人さん…」
二人が俺を見つめてくる。……すまん、あんなこと言った後だけどめっちゃ照れる。
「……まあ、一番は二人がしたいライブができることだけどな。」
「そうそう!ライブは楽しくてこそだもん!」
俺が続けた声に千砂都も同意し、二人も頷く。
「よし、じゃあ……何しよっか?千砂都?」
「う〜ん……本番前に練習しよっかな〜っとも思ったんだけど…」
千砂都は、少し焦らすように語尾を伸ばすと、
「…でも、本番前に詰めすぎるのも良くないし、午前は4人でゆっくりしない?午後に最
終調整をするって感じで。」
「なるほど…たしかにそうかも…」
「そうだね…」
「賛成デス!」
千砂都の意見に皆賛成し、俺達は一度市街地へ出ることにした。
◆◆◆◆
時は流れて数時間。
街であらかたゆっくりし終え、昼食と夕食も済ませた俺達は、本番の舞台である代々木公園のステージ袖から、客席の方を覗いていた。
「わぁぁぁ〜〜っ!すごい人…!」
「さすがスクールアイドル!夢見たステージデス!」
そこに広がる、大勢の人で埋まった光景に、かのんは怯え、可可は歓喜の声を上げる。
「どうしよう…緊張しちゃう…」
かのんがプレッシャーに押しつぶされそうになる中、可可が言った。
「もし歌えそうだったら、始まりの時合図をくだサイ!歌えなかったとしても、堂々としていてくだサイ!可可が歌います!」
「……うん。」
可可の、どこまでもかのんを思った言葉に、こちらも胸にこみ上げるものがある。
「…二人とも。」
俺の声に、すでに衣装を纏っている二人が振り向く。
「…朝言ったとおり…楽しんできて。優勝はそれから。」
「……!うん!」「はいデス!」
その言葉に、二人は満面の笑みで返す。
その笑顔は、二人が大丈夫という確信を得るのに、十分すぎるほどのものだった。
◆◆◆◆
「クーカーーーーーーーーっ!」
かのんと可可のグループ、『クーカー』の出番になった途端、ブレードを振り上げ叫ぶ千砂都。
もちろん、俺もブレードを構え準備完了だ。
暗転していたステージが明るく染まると、沸き起こっていた歓声がさらに勢いを増す。
「お姉ちゃん頑張れー!」
かのんの妹のありあ、かのんのお母さんも駆けつけ、各々声援を送る。
……だが。
曲が始まらない。
俺は何度も使っているスマホの望遠機能を使って彼女らの様子を見ると、かのんも、可可も………震えていた。
「…プレッシャー…?」
思わず、俺はそう呟いた。本番前こそ大丈夫そうだったが、ここは現実、100%の確証というものはない。
「なにかあったのか?」
「圭人くん、かのんちゃんと可可ちゃん…」
「…ちょっとやばいかもな…」
俺がそう呟くものの……
ブツッ!
突如、何かが切れる音と共に、ステージの明かりが消滅した。つまり……停電。
「嘘だろ…?」
俺は、その絶望的状況にそう呟いた。
だが。
「…っ!圭人くん!あれ!」
どうやら、まだ諦めていない人間はいたようだ。
「千砂都?あれって……あ…あ、ああ、あれか!」
千砂都の言った『あれ』が何なのか気づいた俺は、再びそれを握りしめると、カバンに入っているそれを取りだし、まるでバケツリレーのように他の観客にも渡していく。
「すいません!ちょっとお願いしたいことが!」
俺はそう言うと、それを手にした観客の皆さんにやろうとしていることを説明する。
幸いにも、皆さんいい人ですぐに納得してくれた。
…そして。準備をすぐに終えた俺達は、それを握りしめると、天に掲げた。
「……!かのん!見て!」
『それ』に気づいた可可が、恐れに押しつぶされそうになり目をつぶっていたかのんに語りかけた。
「……!」
彼女らの目前に広がる光景に気づき、かのんは目を見開く。
彼女らには見えているだろう。俺達が持つあれ……ペンライトによって作られた、光の海を。
「…歌える。一人じゃないから!」
かのんが可可の手を握ると、まるでそれに同期するかのように照明が戻る。
…始まる。俺はそんな予感に打たれ、ステージを…ステージに立つ二人を見つめた。
二人の曲が始まる。
それはまるで、小さな星のように、それでも確かに輝く姿を綴った、希望と勇気を歌った歌。
そして────絆も。
それを歌う彼女らは、まさに星のようで。
その場の誰もが、彼女らのステージに見とれていた。
ここまで走り抜けた彼女たちだからこそ、言える言葉がある。
……心に、響くものがある。
……これが、彼女たちのステージ。二人の少女の夢をかけた、もう二度と無いステージ。
彼女らは、正しく煌めいていた。
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士は!
「全部…僕の…」
再び訪れた
「来ると思ったぜ!」
悪魔に対抗する
「ミュージックスタートだ!」
仮面のヒーロー!
第16話 始まりのF/終わる幻想