ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
前回のスパスタ二期、まさかの続き物。
でもまあ、一期の5,6話も続いてたので、おかしくはないかもしれないのか…?
ってことで、また見れてません。
ウワァォアァッァァァァ!?
…で、こちらの小説の方は原作4話のラストでございます。
では、どうぞ。
スカウトの時の高揚感から一転、一気に緊迫した状況へと叩きつけられた俺たち5人は、その状況を作り出した張本人………つまり平安名さんのストーカーをじっと見つめた。
「………かのん、警察に通報する用意だけしといてくれ、でも通報はするな」
「な、なんで?もう通報しちゃったほうが…」
「この状況だと、まだストーカーっていう証拠がない。俺も録音しとくから、先方が核心的なこと言ったら通報してくれ。」
「…わ、わかった。」
俺とかのんは短い会話を終えると、互いに携帯を操作しながら、奴と向き合った。
「……聞かせてもらうけど、お前がストーカーってことでいいんだよな?」
「……………」
俺が試しに聞いてみるものの、奴は一言たりとも喋らない。
「……覚えてねえかもしんねえけど、昨日の夜10時ぐらい、俺とこいつの神社で出会ってるはずだぜ。その一眼レフを構えてるところに、な。」
俺の指摘で完全に思い出したのか、少しだけ肩を震わせる。
「……うるさい…」
「…あ…?」
奴が何か呟いたように聞こえ、俺は眉をひそめた。
「…うるさいうるさいうるさいうるさい!」
やつは突如叫ぶと、俺に指を突きつけると言った。
「お前が来なければよかったんだ!あのタイミング、あの状況こそが完璧だったのに!お前さえ来なければ逃すことはなかった!お前のせいで!」
「何言ってるか分かんねえけど、お前が褒められない行為をしようとしてたってのは分かった!だから言っておく!もうやめろ!こいつも許すって言ってる、これ以上罪を重ねるな!」
俺が許すって言ってる、って言った瞬間、平安名さんが『何言ってんのよあんた許す気なんてないったらないんだけど!?』って感じの視線を向けてきたが、もちろんこの言葉はブラフだ。許されるわけがない。
「罪じゃねえ!これはファンとして当然の行為だ!」
「ふざけるなデス!貴方のような人をファンとして認めるわけには行きまセン!」
やつの反論に可可が怒り心頭の中、奴はさらなる行動に出た。
「黙ってろ!こうなったらもう無理矢理にでも…!」
そう言った奴はズボンのポケットを探ると、そこから一本のUSBメモリを………
「……あーはいはいまたそのパターンですかこの野郎!」
そう俺が言った理由は至極単純だ、奴が取りだしたメモリが俺のよく知るもの……早い話がガイアメモリだったからだ。
「gate!」
「フン!」
起動したメモリを腹に打ち込ん奴はそのメモリに込められた地球の記憶を体の全体まで行き渡らせ、その身を異形のモノへと変えた。
「オラァァァァッ!」
ゲート・ドーパントへと変貌した男は、目の前に木製と思しき光る門を生み出すと、その中へと手を入れた。
────そして、それと同じゲートが俺たちの目の前に生成されると、その中から奴の手が姿を見せた。
「…………え?」
俺たちは唖然とし、対処が遅れた。
「キャッ!?」
その手は平安名さんへと伸びると、そのまま彼女を掴み、そのゲートへと引きずり込んだ。
「すみれちゃん!」
「平安名さん!」
俺たちは思わず彼女の名前を叫び手をのばすが、その手が届くことはなく。
彼女はそのままゲートへと消え、すぐにそのゲートも消えた。
そして、視界を遮る障壁が消えた俺たちが見た光景は………
「……すみれ…ちゃん…」
「……助…けて…」
奴に囚われ、身動きが取れなくなった平安名さんの姿だった。
◆◆◆◆
「っ…てめえ!その手を離せ!」
「うるせえ!…もうお前らに用はねえよ!」
俺の叫びに奴も叫び返し、そのまま右手をかざしてゲートを生成すると、その中に飛び込んだ。
「待て!……みんな、警察呼んでくれ!俺は追ってくる!」
「お願い!すみれちゃんを助けてあげて!」
「おう!」
俺はドライバーとメモリを取り出すと、変身シークエンスを取った。
「beat!」
「変身!」
「beat」
俺は変身しながら駆け出し、まだギリギリ消えていなかったゲートへと飛び込んだ。
ゲートからあふれる光に包まれながらも俺はそのゲートをくぐり抜け、俺は新たな地へと降り立った。
俺はサッサッと周りを見渡すと、平安名さんを抱えたまま歩きだしていたドーパントへ走り出した。
「逃げんじゃねえぞストーカー野郎!」
俺は叫びながら跳躍して奴の前に回り込むと、すでに抜いておいたビートロッドを奴に突きつけた。
「なっ…なんで仮面ライダーがこんなすぐに…というか、なんでストーカーって知ってんだよ…!」
「あー…ここに来る前に教えてもらったんだよ!まあそんなことはどうでもいいから、早くその子を離せ!」
危うく正体がバレそうになりながらも乗り切り、俺は再び奴にロッドを突きつける。
「…っ、そんなこと言って良いのか?俺の手にかかればこの子をどうとだって出来るんだぜ?」
……痛いところを突かれた。
いまこの状況を端的に表すなら、彼女があのドーパントに誘拐されている、という状態。
しかし、そこに戦闘中という要素が含まれると、その表現は少し変わってくる。
つまり─────彼女が、人質に取られているということ。
「……さすがドーパント、手段は選ばないってわけか…」
「褒められても門しか出ないぜ?」
「褒めてねえよ…」
思わず毒づきながら返すものの、状況は最悪だ。最低でも、平安名さんと奴を引き離さないと…
「…あ…」
「…ああ?なんだよ?」
「……いや……今ちょうど、いいことを思いついただけだ。」
「はぁ?」
そうだ、俺の手札なら引きはがせるじゃないか。
結論に達した俺は、懐からサイクロンメモリを取りだし、右腰のマキシマムスロットへと差し込んだ。
「cyclone!」
「cyclone! maximum drive!」
「おら…よっ!」
俺は腕を振るい、両腕に宿した竜巻をドーパントへと飛ばし、捕まっていた平安名さんごと吹き飛ばした。
「お…おわっ…!」
「ちょ…何なのったら何なの!?」
二人が動揺する中、俺は精神を集中させ、二人の間に滞留していた竜巻を再度操作、二人を逆方向へと飛ばした。
「グアッ!?」
「キャッ!」
二人がさらなる衝撃で悲鳴を上げる中、俺は跳躍して平安名さんの位置まで飛び、そのまま抱えて救助する。
「っと!…大丈夫か?」
「……だ、大丈夫、です…」
「なら良かった、じゃあ逃げろ、ここ、今から戦場になるから。」
「え…?それってどういう「おいゴラァ!」っ…!」
俺と平安名さんがそこまで会話したとき、再びやつが現れた。
「てめぇ、両方まとめて吹き飛ばすとか、それでもヒーローかよ!」
「少なくとも、お前よりかはヒーローっぽいとは思うけどな?」
「黙れこの野郎!」
そう叫んだドーパントは、目の前に小さめのゲートを浮かべると、そこに手を突き入れた。
すると、先程のように俺のそばにゲートが生成され、そこから奴の拳が飛んでくる。
「おっと…!」
だが、ついさっき奴の能力を見たばかりの俺が、そう簡単にやられるわけには行かない。俺は平安名さんを抱えて跳躍し、その拳を回避。
「なっ…なんで俺の技が…」
「勘だよ勘!」
俺は答えながら、平安名さんを安全な所に降ろす。
「君は隠れてて!ハアァァァァァッ!」
俺は平安名さんに話しかけ…いや、一方的にまくし立てておいてから、再び奴へと向かっていく。
「クッソ!返せ!」
「アイツはお前のもんじゃねえっての!」
俺は奴に斬りかかり、その一撃はしっかりと奴に命中─────しなかった。
「なっ!?」
俺の身体は、奴が俺の目の前に生成したゲートに入り、そのまま空中へと飛び出た。
「あー………オワァァァァッ!?」
数瞬理解できなかったものの、俺の身体が落ちだした瞬間状況を理解した。
「高すぎんだ…ろっ!」
俺は落ちながらも、ビートロッドに音波を纏わせ、その音波を地面へと叩きつけ、その衝撃で落下の速度を相殺する。
「っと、随分ヤバい手段使ってくれんじゃねえか?」
「うっせえ、とっとと消えろ!」
そう言った奴は、ゲートを生成すると拳を突っ込み、俺の前に生成したゲートから拳を出した。
「おっと!…ホイ!」
「痛ってえ…ならこれだ!」
出した拳を俺のロッドに強打された奴は手を引っ込めると、今度は四方八方にゲートを生成、そこに四肢を突っ込むと、今度は俺の前後左右にゲートを生成、そこから四肢を突き出した。
全方位からの、ほぼ回避不可能な攻撃。だが俺は、それを高く跳躍することで回避した。
「嘘だろ…?」
「生憎、経験だけならお前よりあるんでね。…まあ、ニキたちには遥かに負けるんだけど…」
唖然とした様子のドーパントに俺は話しかけておいて、俺はこの状況でやつに攻撃を当てる方法を考えた。
あいつが手を出した瞬間に叩いていけば簡単だ、だがそれでは決定打は与えられない。ゲームのように削りダメで倒すということは不可能に等しい。なぜならある程度ダメージが溜まった相手は逃げ出してしまうから。
こういう、空間操作系の相手と戦った仮面ライダーっていなかったっけ………
「…あ、そういえば…」
俺は、このような敵と戦闘したスーパーヒーローを思い出した。そのヒーローは仮面ライダーではなかったものの、それと双璧の存在たるチームヒーロー。
「…くっそ!何が経験だ!コンの野郎!」
いよいよブチギレだした奴は、更にゲートを生成し、そこに無我夢中で足と手を突っ込んだ。
──────その瞬間こそを、俺は待っていた。
「よっと!」
俺は奴がゲートから出した腕を、両手で鷲掴みにした。
「はぁ!?ちょおま…抜けねえ…!」
「抜かせる気ねえんだよ!」
俺は奴の手を脇と左手で抱え込み、メモリを一本起動した。
「ocean!」
「ocean!maximum drive!」
「オラッ!」
「グォォォォォッ!」
俺が放った高圧水流によって奴は吹き飛ばされ、体制を崩す。
俺はそれと合わせて手を離し。
空間を歪めた先で固定されていた奴は、そのまま吹き飛んだ。
前世で、仮面ライダーの後に放送していたスーパー戦隊シリーズ、そのうちの一つである『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場した怪人が操る空間操作能力に対して、パトレンジャーが行ったのが、無理やり掴む、という方法。わからなかったら本編を見てくれ。そのまま沼にハマってくれ。
…と、いうわけで、その方法が綺麗にハマった俺は、そのままロッドを構えて駆け出した。
「今度はこっちの番だ!」
フラつきから立ち直ったドーパントに対して、俺はビートロッドを幾度も振るった。
「ハッ!フッ!ハァッ!」
「グアッ…!」
こうして接近戦に持ち込むと、案外やつはそこまでの強さだった。俺は奴に空間操作をさせないほどのダメージを与え続けた。
「ハァッ!」
「グアァァァッ!」
俺は一度奴を吹き飛ばしておいてから距離を取ると、ベルトのバックルからビートメモリを抜き、ビートロッドに装填した。
「beat! maximum drive!」
「ハァァァァ…」
俺は呼吸を整えると地を蹴り、奴をすれ違いざまに打ち抜いた。
「ビート・ミュージックブレイク!」
高周波の音波を纏ったビートロッドの一撃を喰らったドーパントは大きく吹き飛び、そして───
「グ…ァァァァァァァッ!」
────爆発。
爆炎が晴れると、そこにはさっきのストーカーと、砕け散ったガイアメモリが。
「…後は警察だな…」
俺はそう呟き、さっき隠れていた平安名さんがもういないのを確認した後、変身を解き、ハードハレーショナーで一度その場を去った。
◆◆◆◆
それから一日。事情聴取などもすぐに終わった(なんでだろ?)俺たちは、放課後いつもの屋上へ。
そして、屋上にいるということは…
「とーうっ!晴れマシタ〜!」
「夏だー!」
「ひゃっほーい!」
「ジメジメしてないぜー!」
そう、夏が来た。
この前までのジメジメ感や雨の匂いも何もなく、綺麗な快晴が広がる空。
そして、もう一つ変わったことがある。
ひとしきり走り回った俺達がドアの方を見ると、緑のウェアと赤いキャップに身を包んだ一人の少女が。
「さあ、始めるわよ!」
彼女が高らかに宣言すると、可可は感嘆の声を上げ、かのんが少女の名を呼ぶ。
「───すみれちゃん!」
呼ばれた少女は叫ぶ。自信にありふれた、力ある声で。
「今日からワタシが教えてあげる!」
その声には、迷いはなかった。
「本物の、ショウビジネスの世界を!」
もう、かつての彼女とは違う。
「──ギャラクシー!」
これからが、彼女の新たなショウ。
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「何?この熱気は…」
押し寄せる猛暑と
「死ぬかと思いましたぁ…」
耐えきれない少女と
「パー!」
まさかの人物!?
第22話 アイランドP/二人はライバル