ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「前回、緊急で寝床について話し合う事になった俺達。」
「その途中で、最近神津島で出没している魔獣について知るんだけど…」
「どう考えてもドーパントなんだよなぁ…とまあ、それは置いといて。なんとか寝ることができた俺達は、本番へ向けての第一歩を踏み出すのでした!さてどうなr」
「どうなる第27話!」
「おいすみれコノヤロー!」
「言ったこと無いんだから別に良いじゃない!」
◆◆◆◆
side千砂都
今の私だけを知ってる人が聞いたら驚くかもしれないけれど、昔の私は泣き虫で臆病な、今とは再反対の性格だった。
だからかな……同年代の女の子たちからは、いつもいじめられていた。気が小さいから、いじめやすいって思ったのかも。
例えば…そうだ、あの時は丁度、夕焼けが出てるときだっけ。
『うぅ……えぐっ………ううっ……!』
あのときの私は、目の前で起きている理不尽に耐えきれずに泣いていた。
私の目の前には、木の強そうな同年代の女の子が三人。
『ねえ、ここは私達の場所なの。』
『勝手に使わないでくれる!?』
成長してから考えれば、公園に誰のものとかはないし、使うのだって自由のはず。
でも、幼い頃の私に、そんなことは考えつかなくて……いや、それも違うかな。あのときの私は、ただ怖かっただけ。
『ごめんなさい……知らなくて………!』
私はただ泣くことしかできなくて、それを見ていた子たちが
『近くに住んでるんでしょ!?』
『なんで知らないの?』
『初めて来て……それで…っ!』
泣きながら絞り出した私の声に、いじめっ子の女の子は
『ふーん、まあ良いわ』
心底どうでも良さそうな声を出した。
コレで終わり。もう全部終わる。返ってくる。幼い私は、安直にもそう思った。
……でも。
『でも、アンタが持ってたコレ。』
そう言った彼女が持ち出したのは、赤と黄色の一本の髪紐。
それは、その時の…いや、今の私にとっても大事なものだった。
『罰としてもらっておくから。』
『それはダメ!ダメッ!』
私は、それだけはなんとかしても取り返したくて必死に手を伸ばした。
でも、女の子たちはそれを嘲るかのように腕を上に伸ばし、私の手が届かないようにする。
「アンタが私達の邪魔したんでしょ?」
『そうよ!』
『あー!泣いたー!』
『うぅ…泣いてない…!」
私は、泣くことを認めることがどうしてもいやだった。でも現実では、あのときの私の目からは、涙がとめどなく溢れていた。
目の前で起きている理不尽と、それに何もできない自分自身に押しつぶされて、限界を迎えそうになったとき。
『こらぁぁぁぁぁぁぁっ!』
私の視界の右側に、一人の女の子が走ってくる姿が見えた。
彼女だけじゃない。横にももうひとり、同じぐらいの年齢の男の子がいる。
『かのんちゃん…………圭人くん……』
私は思わず、二人の幼馴染の名前を呼んでいた。
二人は私をかばうように、私といじめっ子たちの間に立った。
『ちぃちゃんをいじめちゃだめ!』
『これ以上いじめるなら、ようしゃしないぞ!』
『何なの!?』
二人とバッチリ目があったいじめっ子たちは、しばらく膠着状態でいたけれど、分が悪いと判断したのか、
『いらない!』
と言って、私の髪紐をかのんちゃんに乱暴に渡して、そのまま走り去っていった。
振り向いた二人は、私に髪紐をつけてくれると、優しい笑顔で慰めてくれた。
思い返せば、あの時からかもしれない。
───二人の力になりたいと、強く思うようになったのは。
私はそう思いながら、あのときのように髪紐を結んだ。
◆◆◆◆
side圭人
朝を迎えた俺達は、コテージ前に集められていた。
そこでサニパの二人に渡された練習メニューに目を通すと、かのんは引きつり、すみれは驚き、可可は……何故か気合をみなぎらせていた。
「ジョギング…十キロ…」
「嘘……」
「お二方と共にできるなら余裕デス!」
「一番体力がないやつがよく言う!」
……すみれが来てから、ここが漫才コンビになってる気がするのは気のせいだろうか。……気のせいか。
俺達が練習メニューを見続ける中、すみれはコテージの中に脚を進めようとしていた。
「すみれちゃん?」
「私、遅れていくわ。」
「なんで?」
「この髪、セットするのに三十分かかるの。」
いや長ぁ…もう半分にはできないのか…
「そんなの後で直しなよ…」
うんうん。同意同意。
「バカね!たとえ練習であっても、身だしなみは命!それがショウビジネスの世界で生きる者の定め!」
「とにかく!お二人が用意してくれたメニューデス、サボるなど言語道断デス!」
「サボると入ってないでしょ!?」
「関係ありまセン!練習に参加して、体力とスタミナを……」
…あれ?嫌な予感が…
「……尽きましたぁ…」
当たっちゃったかぁ…
大方の予想通り可可が真っ先に力尽き、近くにあった木造の小屋みたいなところで水筒片手に倒れている。
「大丈夫…?」
かのんさんよ、大丈夫じゃないかも。
「なんか、ずっとアンタの看病している気がするんだけど…」
「……確かにそうかも…」
船といい、ね…
俺達が呆れるやら心配するやらしていると、サニパの二人が申し訳無さそうに、
「ごめんなさいね…。」
「昨日遊んだから、まだ体力が戻ってなかったのかも。」
と言った。
「この子、もとから体力ゼロなんで、想定内です。」
まあ確かに。俺も予想はしてたし。
「しっかしどうしようか…」
「うーん……一回戻る?」
「……でも結構遠くまで来てるからなあ…逆に体調悪化するんじゃ…」
「「「うーん………」」」
正直に言おう。何も思いつかん。
まあ体力が付いてるのは間違いないと思うし、休憩したら多少は大丈夫かと思うけど……いや、待てよ?
「…………あ」
「どうしたの?圭人くん?」
「思いついた。精神面から回復させよう。」
「精神面って、どうするのよ?」
俺はその問いには答えず、ある二人の少女の方に向き直った。
「……お願いします。」
……と、いうわけで。
◆◆◆◆
「ふわぁぁぁぁぁ〜!」
よくわからん歓声を上げる可可の前では、生パフォーマンスをし終えたサニパのお二人が。
「最高デス〜〜〜〜!!」
推しのパフォーマンスをリアルで見た可可は、さっきまでの疲労はどこへやら、完全復活。
「すっかり元気になったわね…」
「良かったぁ…」
「推しの力は偉大…らしい。」
スレニキたちがこの前自分を例に言ってたからな…
「あなた達のステージも、楽しみにしてるわ。」
「さっ!次はステージだよ!」
そうやって連れてこられたのは、海が見渡せる海岸沿いに作られた、特設と思えるステージ。装飾も、どこか南国感がある。
「学校のみんなと作ってるんだ!」
「………学校の、みんなと……」
悠菜さんの言葉に、かのんはどこか考えるような様子で、口中でその言葉をつぶやく。
「本番までには、もっときれいなステージになっているはずよ。」
「島って、住んでる人の数が限られてるから、スクールアイドルの私達が中心になって、学校のみんなと一緒に島を盛り上げていこうって。」
「…島の、ため…」
再び、かのんのかすかな声が聞こえた。
「誰かのためって思うと、不思議と力が湧くんだよね〜。」
「大変なことも、全部楽しく思えてくるの。」
その言葉を聞いて、どこか様子のおかしいかのんに、すみれが
「何?」
と思わず尋ねるも、かのんは
「あっ…ううん、なんでも無い!私達も頑張らないとね!」
そう言って、どこかごまかすように振る舞うだけだった。
◆◆◆◆
俺達がコテージに戻りしばらくすると、
何故か嫌な予感を感じ見に行くと、そこには……
「……あ、圭人。」
「圭人さん!」
なぜか料理しているすみれと、何故かキッチンのそばでふてくされている可可がいた。
………それからテーブルには、真っ黒な…饅頭?肉の煮物?と……カニ?があった。
「えーと……コレどういう状況?」
「……今日可可は、サニーパッションのお二人にお世話になったお礼に、料理を作ることにしたのデス。それでできたのが…」
「この3つ…ってこと?」
「そのとおりデス…左から、上海の小籠包に、
「……なるほど。それがどうしてこんな無惨な姿に…」
「時間配分を間違えたんだって。」
「…なるほどねぇ……」
可可、料理できないタイプ……なのか?でも時間配分はたまにミスることはあるし…
「……それで、すみれが手伝ってる、ってこと?」
「そういうことよ。」「手伝ってくれとは言ってないデス。」
まーたツンツンしてるよこの子。
「そういえば、圭人って料理どのぐらいできるの?」
「うーん、まあ、人並み程度には…」
「ちなみに、この前最後に作った料理は?」
「えーっと、鯖の塩焼きと、肉じゃがと、豆腐の味噌汁にお米に冷奴…」
「冷奴って作ったに入るの?」
「知らね。」
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「どうすればいいのでしょう…」
一人の少女の悩みと
「…見た?」
その訳。そして
「無茶苦茶すぎんだろ!」
あの怪物。
第28話 アイランドP/悩める者