ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
大変申し訳無い…
本当の29話です…
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「前回、葉月さんと会話を交わした私。」
「で、その内容は俺たちに見せられないということで、神津島組の話になるんだけど…」
「離すこと無いわよね、ただご飯食べただけだもの。」
「……まあ、俺がボロボロになったぐらいだしな。」
「……ハァ!?」
「よーし、この話は長引くと危険だ…というわけで、第29話、どうぞ。」
◆◆◆◆
謎のドーパントとの戦いから、命からがら逃げ出した俺は、なんとか元のコテージにまで戻ってきていた。
「ったく…何なんだよあのメモリ…」
俺は愚痴りながらも、なんとか部屋まで戻り……
「……あんた、何やってたの…?」
………すでに起床済みの、御三方とご対面した。
「(おっとぉ……非常にまずいぞ…?これ…)」
事情をあらかた察していそうなかのんと可可はまだいい。だが問題はすみれだ。この中で唯一、俺のライダーとしての活動を知らない者。
「えーっと……その……散歩…?」
「それにしては…ボロボロすぎじゃない…?………まさか例の怪物とかに…!」
「襲われてない!…襲われてない。」
そうは言うが、正直なところすごい襲われた。何ならドンパチやり合った。
俺は弁明しながら、かのんと可可に視線を向け、なんとか意思疎通を図る。
「(悪い、ボッコボコにされた。)」
「(何やってるの!だから言ったのに…)」
「(エ!?かのんは知ってたのデスか!?)」
「(あー……それはそうなんだけど…)」
「(なぜ止めなかったのデス!?そうすれば圭人さんはこんなことに…)」
「(いやコレに関しては俺も……いや今更だけどなんで俺たち話せてんだよ…ビルドにこんなシーンあったな…)」
まあ、ここに天っ才物理学者も居なければ筋肉バカも居ないけど。
「……ま…まあ、とりあえず、散歩ってことにしておくけど…」
「…ああ、そうしておいてくれ…」
俺はなんとか乗り越えたことに安堵しながら、布団へと向かおうとし…
「…圭人くん、ちょっといい?」
………前言撤回、今日は徹夜だ。
◆◆◆◆
「…それで、用事ってのは?」
かのんに連れられた俺は、物陰につくと、かのんに要件を聞いた。
「うん。……私、昨日ちぃちゃんと電話したんだ。…それで、やっぱりどこか、様子がおかしいな、って…」
「なるほど………で、それを言うためだけに呼んだわけじゃないんだろ?」
「………うん。圭人くん…
わがまま、言ってもいいかな?」
◆◆◆◆
side千砂都
私はあの後、葉月さんが居なくなってからは練習に全力を尽くしていた。
何しろ今日は本番、ここで頑張らないと…。
そんなことを思っていると、さっき開いたばかりのドアがまた開いた。
誰だろうと思って練習を止めると、そこに居たのは…
「あの〜……」
「…?どうしたの?」
……葉月さんだった。さっき出ていったばかりの。しかも顔だけを出した状態で。
「…い、いえ、何でもありません!」
なんで来たんだろう、と思う間もなく、葉月さんはドアを閉めた。
私は頭に疑問符を浮かべながらも、再び練習に集中した。
……そして、その3,4分後。
またまたドアが開き、そこから顔だけ出したのは…
「……あのー………」
…………またまた葉月さんだった。
「………どうしたの…?」
「………い…い、いえ、なんでもありません!」
…まるで、さっきの再現みたいな会話を繰り広げた後、葉月さんはまたまた去っていった。
…………よし。
次に起こることがなんとなく予想できた私は、ある行動に出た。
………その予想通り。
「……あの〜………ひゃっ!?」
再びドアから顔だけだした葉月さんが、素っ頓狂な声を出した理由はすごく簡単で…
「何?」
……私が、すぐそばに立っていたから。
◆◆◆◆
場所を移して、結ヶ丘の中庭。
制服に着替えた私は、葉月さんからなんであんなことをしていたのか、その理由を聞いた。
「そっかぁ……見ちゃったんだ。」
「み…見るつもりはなかったんです!」
どうやら、私が持っていた退学届……葉月さんは、バッチリ見ちゃってたらしい。
それで、それについて聞こうと思って来たは良いけど、いややっぱり聞くのは良くないよな…って感情とせめぎ合いになって、あんな行動に出たらしい。
「……うん。私、大会で優勝できなかったら、ここを辞めるつもり。もう決めたんだ。」
「そんな…」
「海外で修行するのも、悪くないなー、って。」
それを聞いた葉月さんは、未だわからないと言った様子で聞いてきた。
「どうして、その結論に…?」
「圭人くんとかのんちゃんの力になれないから。」
それに対して、私はきっぱりといい切った。
「…えっ?」
それを聞いた葉月さんは、どうしてその二人の名前が出てくるのかわからない、と言わんばかりの「えっ?」を繰り出した。
「私ね、昔いじめられてたんだ。」
……そんな導入から、私は葉月さんに過去のことを語り始めた。
昔はかのんちゃんとも圭人くんとも知り合っておらず、いつも一人で遊んでいたこと。
それを見た周りの子達は、異質なものを見るような目で、私を蔑んでいたこと。
………そして、私を救ってくれたのが、あの二人ということを。
「そんなことが……まさか、ダンスを始めたのも…!」
「うん。二人の力になりたいと思って。かのんちゃんの歌みたいに。」
私は昔、かのんちゃんと圭人くんの前で宣言した。かのんちゃんの歌みたいに、夢中になって必死に頑張れるものをさがす、と。
「…それで、スクールアイドルに入らなかったのですか?」
「うん。自分で決めたことだしね。かのんちゃんと圭人くんと並ぶのに相応しいって、自分で思えるようになるまでは。」
私はそう言って、葉月さんから視線を外し、そのまま立ち去ろうとした。
「ダンスで…」
不意に、葉月さんが言った。
「…ダンスで、結果が出たら、どうするのですか?」
私は何も悩むこと無く、葉月さんに向き直ると言った。
「…そんなの決まってるよ!」
◆◆◆◆
side圭人
俺とかのんは、色々とあって神津島から少し離れたある場所に来ていた。
「……ねえ圭人くん、昨日…ううん、今日戦ったドーパントって、どんなメモリを使ってたの?」
「あー……それが分かんねえんだよな…最初から変身して襲ってきたから…」
俺がかのんにそう答えると、かのんは一瞬だけ目を見開き、すぐに憂鬱な顔を浮かべ
「そっかぁ………能力は、やっぱり強かったの…?」
「ああ……もう無茶苦茶だったよ……一面に砂は広がるわ、スロープみたいな固定砲台からエネルギー弾撃ちまくるわ、振り子みたいな軌道で跳んでくるわ……挙句の果てには砂の城で集中砲火してくるし…」
「うーん………どれも関連性なさそうだなぁ…」
「まあ、なにか広い記憶……たとえば動物園とか、天気とか…そのへんだったら、ある程度能力は豊富なんだけど、あれは統一性も無いからな…」
「うーん、なにか関係性はありそうなんだけどなぁ…そのスロープって、なにか特徴とかなかったの?」
「うーん……何の変哲もない金属製で……なんかこう……ぐわんと曲がってて…あと、撃ってくる弾はボールっぽかったな…」
「なるほど………どこかで見たことありそうなんだけどな、そういうスロープ」
「まあ、たしかに……まあ、ロックメモリで砂の操作だけでも無くせば、ギリギリ渡り合えそうではあるけど…」
「まあ、圭人くんの実力なら、きっと勝てると思う。……死なないでね。絶対。」
「……当然。」
俺たちはその会話を最後に、口をしばしの間閉じていた。
俺たちが目指す、あの場所につくまで。
◆◆◆◆
side千砂都
葉月さんと話してから数時間、私はダンス都大会の会場にまで来ていた。
かのんちゃんと圭人くんには、メッセージで『がんばってくるね』と一言だけ送ってそれっきり。返信どころか、既読もつかない状態に、どこか恐怖を覚える。
もうこれ以上、二人にすがり続けるのはやめよう。そう思って、私はスマホをなおした………
…………その寸前。
その寸前、スマホから音がして画面を見れば、そこには2つの文が。
『ごめんね』『気づかなくて』
その文を私が確認すると同時に、私の横…………遠くから、音が聞こえた。
その音は、どんどん大きく……こちらに、近づいてくる。
……そんな訳ない。きっと気の所為。
そう、心のどこかで思いながらも、音の方を向いた私の視界に。
…………私の大切な、二人の幼馴染が映った。
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「来ちゃった…」
幼馴染の力と
「圭人さん!」
迫る危機と
「何してくれてんだこの野郎!」
滾る力。
第30話 アイランドP/響け、常夏。