ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
今週、虹ヶ咲でせつ菜を演じる楠木ともりさんが降板を発表されましたね…
……はい。
まあ、それを理由に更新を止めるとかはないんですけど。
せつ菜はニジガクで好きなキャラ上位に入ってたので、ちょっとショックといえばショックですね…
……ただ、新しいせつ菜になる方のためにも、ファンが受け皿を作っておくべきかとも思いつつ。
そんなこんなで、本編どうぞ。
Sの本心/始まりの選考
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「前回!なんとかライブ開催!」
「ドーパントが出たときはどうなるかと思ったよ…」
「でもでも、成功できてよかったデス!」
「千砂都も加入したしね…というか、なんであんた達、あの怪物の名前知ってるの?」
「………第32話、どうぞ。」
「ちょっと!逃げるんじゃ無いわよ!」
◆◆◆◆
side葉月
揺れる白いカーテンの奥から、眩しい陽の光が入り込む。
私の視界の先には、逆光で姿の見えない一人の女性が写っている。
今はもう会えない、私の大切な人が。
彼女は私に話しかけてくるのに、その声は私には聞こえない。
……もし今、もう一度会えるなら、教えてほしい。
…………貴女は私に、なんと言おうとしたのですか?
◆◆◆◆
side圭人
二学期。それは全学生が夏休みという楽園から追放され、地獄へと舞い戻る日。
二学期。それは宿題を終えていない学生が阿鼻叫喚の地獄絵図を演出する日。
そんな悪夢の始まりを、甘んじて受け入れようとしている少年少女が、ここに三人。
「うぅ〜〜〜……」
俺の横を歩く可可が、夏の疲労を回復しきれていない様子で唸った。
「お疲れだねぇ…」
「島から戻ってすぐ新学期は堪えるデス…」
「まあ可可、島にいたときもステージとか作ってたしなー。」
「そうそう。可可ちゃんが頑張ってたからだよ!」
「かのん……圭人さん…」
と、可可が感極まったような声を出した時。
「シャキッとしなさい!」
と、ほんとにシャキッとしそうな声が聞こえた。
「「「ん?」」」
どこか間抜けな声を出しながら、その声がした方向を向くと……
「ちぃちゃん?」
千砂都がいた。でも……なにか違う。何が違うとは言えないけど…とりあえず、何か…どこかが違う。
そんな疑念を抱く俺たち三人の視線を集めながら、千砂都は言った。
「これからは前よりも、みっちりダンスの練習するんだから!疲れてる場合じゃないよ!ういーっす!」
そこで俺たちは、感じていた違和感の正体に気づいた。
そんな俺達に気づいたのか気づいていないのか、千砂都は両足でステップを踏みながら、
「どう?普通科の制服!」
…そう。俺たちが知る限り、音楽科に在籍していたはずの千砂都が……普通科の制服を着ている。
そのことを完璧に認識した瞬間、俺たちが取った行動は一つ。
「「「…えっ??………ええええええええええっ!?」」」
…全力全開で、叫ぶだけだった。
…かのんと可可は、ワルツにありそうなポーズを取りながら。
◆◆◆◆
「最初は退学して、普通科の試験を受け直そうとしたんだけど…」
「理事長が、転入を許可してくれた……と。」
俺たちは、千砂都から普通科の生徒になった経緯について聞いていた。
「でも、どうして?」
あらかた聞き終えたところで、かのんが今まで聞いていなかった動機の方について聞いた。
実際、普通科に転科することで得られるメリットはあまりあるように思えない。音楽科にいたままでも、問題はなかったはずだ。
そう考えた俺たちに、千砂都は少し照れるような様子で
「これからは、かのんちゃんたちと同じ目標に向かって頑張りたいなって思って。」
「それでか……」
「内緒にしててごめんね?」
千砂都がそう謝ると、なぜか険し目の表情になっている可可がボソリと呟いた。
「愛デス。」
「ん?」
「(中国語)!可可感動シマシター!」
前半はおそらく中国語で聞き取れなかったものの、可可が感激していることは分かる。
……そりゃあ、後半に日本語で言っているからだが。
「そんな大したことじゃないけど…」
千砂都はそう謙遜するが、実際はかなり重大な決断だったはずだ。それを大したこと無いと言っちゃうあたり、千砂都の凄さを感じる。
「じゃあ、授業始まる前に、みんなに紹介しないとね。」
確かに。急に音楽科(とみんなは思ってる)の千砂都が普通科の教室に現れたら、動揺して授業どころじゃないだろう。
と、そんなときだ。
そう言ったばかりのかのんが校舎の方を見ると、「ん?」と声を漏らした。
「どした?」
「あれ…」
俺の質問にかのんは指差しで答え、その指の先を俺たちが見ると、そこには大勢の生徒が。
校舎に入っても何が起きているかは分からず、可可も思わず
「何デスカ?」
とこぼした。それに気づいたななみ(ん?なんで女子を名前で呼び捨てにしてるかって?だって名字が
「かのんちゃん、圭人くん。」
「みて、これ」
続けて、やえ(ん?なんで女子を(ry)が差し出した手の方向を見ると、そこには掲示板(もちろん俺が脳内で使う転生者のあれとは違う)があった。
そこには…
「生徒会?」
「延期になっていた本校の初年度生徒会を発足ぅ〜!?」
…そういえば、葉月さんが生徒会長みたいになってたけど、あれって一応暫定的なものだったもんね。そろそろ本格的に動く時期か。
「そうなの。とりあえず生徒会長の希望者を募って、複数いる場合は選挙を…して…」
ここの(ん?なん(ry)の声が急激にすぼまったのは、俺たちの中に一人、今までと明らかに違う人がいるから。
「あはは…、おはよー…」
急激に視線を集めた千砂都が、ほぼその場のノリで挨拶をすると、ここのは、
「えっ??ええっ!?」
と叫んだ。…いやー、さっきも見た気がするなー(すっとぼけ)
ってわけでかのんさん、説明よろしく。
「そうなんだ!今日からちぃちゃんが───」
「かのん!生徒会デス!」
「そ…そうだねぇ…」
…おっとぉ…?
「千砂都ちゃん普通科に!?」
「そうだよ。えっと…」
「生徒会選挙デス!」
「なんでなんで!?」
「色々渋滞してる!」
…うーん、正しくケイオス。
……とりあえず、可可さん……離れよっか。
◆◆◆◆
ってわけで、色々説明してからの教室なう。
「じゃあ、千砂都ちゃんもスクールアイドルに?」
「うん、やってみようかなって。」
転科したばかりというのに、クラスの面々と仲良く談笑している千砂都を見て、どこか安心している俺たち。
かのんに関しては、千砂都の後ろで腕を頬をつきながら幼馴染面で微笑んでいる。…幼馴染面も何も、本当の幼馴染なんだが。
「出来まシタ!」
と、ここで唐突に叫んだのは可可。
そんな可可が持っていたのは、ひらがなで「しぶやかのん」と書かれた…
「タスキ?」
「なんでひらがな?」
……うん。めっちゃタスキ。纏うは襷、仮名の布。
「調べてみたら、名前をひらがなで書くのは日本の選挙の基本とありましたので!」
……確かに、選挙カーとかで平仮名オンリーの人とかよく見るよね。漢字よりも覚えやすいから投票してもらいやすいんだろう。
…で、そんな理由が出てくるということは…
「選挙って?」
「まさかかのん、忘れたのデスカ!?さっき見たばかりデスよ!?」
そう言いながら可可が突きつけるのは、上の方に『生徒会選挙立候補書』的な文面が書かれた、一枚の書類。
……何故か、かのんの名前のおまけ付き。
「…それは覚えてる。………なんで私の名前が書いてあるの?」
「もちろん、かのんが立候補するからデス!」
……しばし、沈黙。数秒の後、現実を把握したかのんが、
「あ〜〜………」
と呟き、
「アカウントも作りましたので、立候補にあたっての動画を撮影しマス!」
と可可が言えば、
「い〜〜……」
と、かのんが呟き。
「さあ、このタスキを…」
と可可が言いかければ、最終的にかのんは、
「うえおぉぉぉぉっ!」
と口走りながら、颯爽と逃げていった。
「かのーーーんっ!」
ってわけで……レッツ逃走中。
◆◆◆◆
「かのん!開けてくだサーーーイ!」
「嫌だっ絶対に出ないぃィィ……ッ!」
そんなこんなで、部室まで逃走し籠城作戦に出たかのんに対し、物理的に扉を開け、言語的に説得する熾烈な戦いが始まった。
「かのんちゃん、とりあえずはなそう?はなせばわかるから。」
「そのはなすはトークの『はなす』なのか?千砂都さんよ…」
俺が思わずツッコむも、それに反応すること無く、二人は説得を続ける。
「ちぃちゃんも賛成なの!?」
「賛成というか…」
いやいや誤魔化せないでしょうよ。その態度はかのんを立候補させる気満々じゃないの。
「スクールアイドルのためデス!今立候補を宣言しているのは、恋というヒトだけデス!あの人が生徒会長になったらスクールアイドルはいよいよまずいデスぅぅぅ!」
「それに、生徒会長は普通科の生徒がなったほうが良いって声もあるんだよ?」
「だったら三人が立候補しても良いでしょ!?」
「言っとくが俺はしないぞ?この学校男子俺だけだし…というか、一週間に一回ぐらいのペースでボロボロになる生徒会長ってさ、どうよ…」
「……それは…」
「ですので、かのんがやるしかないのデス…!」
「なんでそうなるの!?」
と、また標的がかのんになった時。
「ふっふっふっふっ……しょうがないったらしょうがないわねぇ…」
俺たちの背後から、そんな声が聞こえた。
声の主は、スクールアイドル同好会で唯一、この場に今まで居なかった者。
「ショウビジネスの世界で生きてきた私が、その力を発揮して……「かのんお願いしマス!」「かのんちゃん!」「ぎぃだァァァァ!(訳:嫌だァァァ!)」ギャラクシィィ!?」
……いきなり出鼻を挫かれた平安名候補(自称)は、完全スルーされた状況に対して適度にのけぞりながらも、めげること無く可可に迫り、
「スクールアイドルを続ける身として、この平安名すみれが…「かのぉぉぉぉんっ!」見なさい…っ!「どちらさまでしゅか?」知ってるでしょ!?」
…迫ったはいいが、結局漫才を始める始末。さすがすみれさん。さすすみ。
「あれ?えーっと…す…す……何とかさん?」
「すみれったらすみれよ!す!み!れ!」
本当か嘘か、すみれの名前をすっかり忘れた千砂都に対し、制作済みのタスキに書かれた名前を一文字ずつ提示するすみれ。
「全く!メンバーの名前忘れてどうするの!?」
「すみませーん、新入りなもので〜。」
にしても程があるでしょうよ。千砂都さん。
「まぁいいわ、生徒会長選挙として、正直それほど気は進まないけれど…」
「なら結構デス。間に合ってます。一昨日来やがれ、身の程わきまえろデス。」
どこで覚えたその言葉!?後半に関してはもはや悪口ッ!
「何さらっとひどい事言って…」
と、そこまで言ったすみれの言葉は、部室から飛び出してきたかのんによって遮られた。かのんはひざまずくとすみれの手を握り、何か……救いを求めるような眼で、
「すみれちゃん!……ありがとう!全力で応援するから!」
「えぇぇ〜……っ…!?」
照れたような表情で、声を漏らすすみれ。
それに対し、残りの女子二人は…
「「えぇ〜〜〜っ?」」
不満丸出しであった。
「えーって言うな!」
……とりあえず……選挙活動、始めましょか。
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「OKデース」
半ば諦めムードな奴らと
「先手打たれちゃったねえ…」
ツヨツヨな人と
「アウトです。」
…アウトなあれ。
第33話 Sの本心/挑め、弱点なしへ。