ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士   作:ニントという人

37 / 69
Sの本心/消えない溝

前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!

「前回、葉月さんの事情をあらかた知った俺たち。帰路に着こうとした時、なんとサヤさんの悲鳴が響き渡った。サヤさんの言葉を元にドーパントとの戦いを始めた俺だったが、一瞬の隙きを突かれ、毒に…侵されるのだった…」

「その体でまともにあらすじ紹介できるわけ無いじゃん!安否心配だから早く37話行っちゃって!」

 

◆◆◆◆

 

深い。闇だ。

何も見えず、動くことすら出来ない。完全に感覚が遮断され、意識のみが残り、そのまま魂をすり減らして行くかのような……

 

…くん………圭人くん……圭人くん!…」圭人くん!」

「おわっ!?」

 

俺は突然感覚を取り戻した聴覚に音が侵入するやいなや、意識をすべて取り戻した。

 

「痛った………ここ…どこだ…?」

「病院だよ!」

 

腕をさすりながら呟く俺の耳に、再び声が一つ。

その方向を向けば、俺にとって見慣れた顔が居た。

 

「かのん、千砂都……みんな……」

 

俺のいる真横にはかのんと千砂都が座り、その少し奥には、可可とすみれが俺を覗き込む。

その4人に視線を向けてから、俺の真下へとその勢いで視線を流す。

白い。真っ白な、純白のキャンバスのような白。

…それを認識した瞬間、俺は状況を理解した。

 

「…コレもしかして………救急搬送……ってコト?」

「そういうことだよ!」

「全然帰ってこないから探したら、道の真ん中で倒れてるし……何があったのよアンタ!?」

「お医者さんは毒が検出されたって言ってるし……」

「………まず最初に言っとくと、葉月さんは多分無事だ。俺がこうなる前に逃した。」

「逃したって……じゃあやっぱり…!」

「…ああ。葉月さんは怪物に襲われてた。で、そこに俺が乱入したって訳。」

「……それでまさか…」

「…えー……と……思いっきり、刺されました。」

「バカ!そんな無茶して…」

「そうだよ!逃したらすぐ逃げたら良かったのに…!」

 

急に俺に覆いかぶさってきた幼馴染二人に動揺しながらも、俺は言葉を続けた。

 

「にげ……ようとはしたよ、一応。ただ、俺が次は襲われたってだけで…」

「それが駄目なんデス!どうせ自分を犠牲に逃したんでショウ!」

 

……違う……と言いたいところだが、あながち間違いでもないから困ったところだ。

 

「…そう……とも言う……かも……」

「そうとしか言わないよ!」

 

…うん、そのとおりです…

 

「……とりあえず私、先生に話聞いてくるから、しっかり問い詰めてて良いわよ。」

「…………うん?問い詰めるって一体どゆこと…」

 

俺の問いに答えること無く、すみれはこの部屋…病室を去った。

 

「………で、圭人くん?すみれちゃんの手前ああいうこと言ったんだろうけど…」

「…………戦ったんでしょ?ドーパント。」

 

……あ…これだめですわ。目が笑ってないですわ。

 

「…あー…ハイ…。あと一歩のとこで…カウンター食らって倒れました……」

「やはりそうでしたか……」

「もう!だから無茶しないでって言ったのに…」

「そうだよ……ってことで、コレ。」

 

そういったかのんが取り出すのは、俺のロストドライバーとビートメモリ

 

「おお、回収しててくれたのか、サンキュ……あり?」

 

俺がそれに手を伸ばすと、かのんは両手を上に持ち上げた。

 

「……圭人くん、いっつもこうやって自分を犠牲にするから………しばらく変身禁止!」

「………はぁ!?」

 

……MOVIE大戦COREの福井警視じゃねえか!あちげえ照井警視だわ……ってどうでもいいわ!

 

「いやいやいや、そうなったら誰がドーパントと戦うんだよ!」

「そうなったら警察を呼べばいいでしょ!?圭人くんは街の心配より自分の心配して!ベルトは預かっとくから!」

「えぇ……」

 

どうすんのよ……警察がドーパントに勝てる気しないぞ?勝ててもマスカレイドぐらいだろ…

俺は言い返そうとしたものの、そのタイミングですみれが部屋に帰ってきたため、やむなく俺は口を閉じた。

 

「先生、今日はもう入院していきなさいって。毒は毒虫とかの種類だったから解毒はできてるけど、一応何があるかわからないから、って。」

「なるほど……毒虫で済んだのかあの毒…

「ん?なんか言った?」

ヴェッ、マリモ(いえ、何も)…。」

 

俺はオンドゥル星の言語で返事をすると、続けて聞いた。

 

「……そういやあ、毒虫って言ってたけど、どういう虫だったんだ?ハチとか?ムカデ?アリ?」

「なんでその3つなのよ……先生は、ぺ…ペプチド…だったかしら……サソリとかの毒の主成分が多かった、って言ってたけど…」

「サソリか……」

 

……ということはだ……あのドーパントの正体はおそらく…

 

「圭人くん?」

「……ナニモカンガエテナイヨ、ホントウダヨ。」

 

エスパーか何かですか?俺の幼馴染は。

 

「まあとりあえず、今日は大人しく休むよ。退院は何日ぐらいになるって?」

「一応、明日の午後には退院できるって。しばらくは、通院してもらうことになるらしいけど。」

「なるほどねぇ……とりあえず、今日は大人しく休むよ。」

「ちゃんとそうしてよ…?……とりあえず、私達は帰るね。」

「おう。悪かったな、心配かけて。」

「ほんとにね…」

 

最後にそう言葉を交わしてから、スクールアイドル四人衆は病室を後にした。

 

◆◆◆◆

 

526:スレ主

ってことがあったんですけども。

 

527:名無し

何をやっとるんだおどれは!

 

528:英雄学園の黒の剣士

ドーパントに刺されたのはまあしょうが無いとして容認するとしても…

没収されちゃったの!?『ベルト』!?

 

529:スレ主

…ええ…まあ……はい…。

まさか変身禁止お兄さんになるとは…

 

530:名無し

味方に変身禁止させられる仮面ライダーとかどうなっとんねん…

 

531:名無し

どうすんだ?ドーパントの出現状況からしても、今後も間違いなく葉月さんを襲ってくるぞ。

 

532:スレ主

そうですよねぇ………メモリ特性はなんとなく解ったので、後は対策を組み立てるだけなんですけど…

 

533:名無し

どうしても、向こうが来るのを待つしか無いからな。

 

334:スレ主

それがどうしてもネックなんですよね……襲った理由も不明ですし……ついでにベルトも無いですし…

地球の本棚があればなぁ…

 

335:平成の化身

まあ、ないものねだりをしても仕方ないだろう。

大切なのは、今ある力でどうにかすることだ。

 

336:平行世界移動系ゼロワン

と、最高最善の魔王が言っております。

 

337:平成の化身

私にだって無いものはあるぞ?たとえば……

………

イッチ、ともかくお前は休め。それが今できることだ。

 

338:名無し

ごまかしたよ…

 

◆◆◆◆

 

あれから一晩、プラス6時間ぐらい。

俺は多少の検査の後、一応退院することが出来た。

一晩とは言え、なかなかの額の出費に保険様々だと考えながら、俺の脚を結ヶ丘に向けた。

ついた頃には昼休みで、俺は一度職員室に寄ってから、教室へと向かった。

 

「……ッ!?圭人くん!?」

「あんた来たの!?」

 

教室に足を踏み入れた途端、周囲……特に4人からの驚きの声が上がる。

 

「木島くん、入院してたって聞いたんだけど……」

「それも、最近出るっていう怪物に襲われて…って聞いたんだけど…」

「……大丈夫なの?登校して…」

 

ナナミ、ヤエ、ココノの三人(通称なやこトリオ)が俺に話しかけてくるのを見て、俺は部活仲間の四人に近づくと、

 

「なあ、どこまで話したんだよ…」

「えーっと……怪物に襲われて、入院したってこと…だけ…」

「特に嘘はいってないわよ…?」

「なるほど…それで全部知ってるのか…」

 

俺は情報共有がどこまで出来ているかを確認した後、クラスの面々に弁明を始めた。

……質問攻めでまともな会話ができなかったので、後は察してくれ。

 

 

…そして放課後。いつもの様に屋上で練習するスクールアイドル同好会の面々で、今まで解った情報の共有を行った。

 

「じゃあ、音楽科だけで文化祭を行う、っていうのも?」

「多分、入学希望者が少なかったんじゃないかなぁ。」

 

なるほどねぇ。あ、俺が何してるかって?……ひたすらスポドリ生産してる。

俺の視線の奥で、前屈中の可可と、その背中をぐっと押しているすみれたちも続けた。

 

「優秀な音楽科のほうが、注目を集められる。」

「苦肉の策ってわけ?」

 

あっすみれそれ押しすぎ…

 

「痛いデス!」

「そんなんだから普通科が舐められるのよ!」

 

いやそれはどういう因果関係?

 

「うるさいデスー!」

 

…また漫才を始めた二人は置いといて、と。

 

「でもどうすんだ?結ヶ丘の今後を考えたら、その手段も無いわけじゃないけど…」

「他の皆は、その事情しらないもんね…」

「デスガ、今のままでは葉月さんは…」

「ずっと誤解されたままになるんじゃない?」

「うん……」

 

全く、まさかこんな状況になっているとは。あのドーパントの攻略法を見つけるより難しいぞ、これ…

 

「葉月さん」

「……んあ?」

 

そう考えていた俺は、下の方から聞こえる一つの声を聞き取った。

そちらを見ると、校門と玄関の間の道で、女子生徒4人に囲まれている葉月さんが。

 

「これ、学園祭の決定に反対する署名です!」

「創設者の娘だからって、学校は貴方のものじゃない。」

「よく考えてください!」

 

そのような状況に置かれても、尚葉月さんは、

 

「話は生徒会を通してください。失礼します」

 

と、冷静……いや、冷徹に言葉を返すのみ。

 

「何あの態度!?」

「信じられない!」

 

……コレはまずいねぇ…

 

「…此処まで来たら、俺たちが動くしか無いかもな…」

「そうだね……私、どうにか出来ないか、皆に話してみる!」

「そうこないと!」

 

さて、まずはどう動こうか…

 

◆◆◆◆

 

「音楽科メインでやるのは今回だけ!」

「一切関わるなって言ってるわけじゃないんだよ!?」

 

……想像以上に……あたり強いね…

 

「思っていたよりあたりが強い…」

 

…かのん、それ俺もう(読者には)言った…。

……俺の退院から一晩たった俺達は今、音楽科の生徒に話を聞きに…行ったはずだった。

 

「我儘言ってるのは普通科の子たちなんじゃない!?」

 

うー……やばいねぇ…人数差もそうだし、何より壁際に追い込まれてるせいで物理的なポジションも辛い。

…でもまあ、やられっぱなしも癪なんでね。

 

「……我儘って言うのは、流石に無理があるんじゃないか?」

「……はぁ?」

「……そっちからしたら我儘かもしれねえけど、第三者の観点から見ればコレは普通に公約違反だ。俺たちが起こってるのも、本来与えられるはずの権利を与えられること無く、傍観者としての役目しか出来ないからなんでね。」

「それは……」

「それに、この学校の規模と生徒数から考えても、音楽科だけしか出番がないとなると、他の教室や生徒が何もしてないことになる。そうなると、一部の外部参加者から違和感を抱かれるんじゃないか?学校のイメージダウンは、そっちも避けたいだろ?」

「…………っ…」

「言いたいことは以上だ。……とりあえず、考えが変わってくれれば。」

 

…俺は言いたいことだけ言うと、そのまま4人を引き連れて普通科の教室まで戻った。

 

◆◆◆◆

 

で、俺たちは続いて普通科に来たわけだが…

 

「参加したくない…」

「えぇ!?」

 

今度はこっちもか!!

 

「音楽科の催しに参加って、手伝わせてあげる、みたいなことでしょ?」

 

…まあ……そうとも……言うかも……

 

「そうとは、限らないと思うけど……」

「私は、音楽を全面に押し出した、この学校らしい文化祭も良いと思うけど…」

「なら!普通科も一緒にってのが筋でしょ!?会長もそう言ってきたんだし!」

 

あっと千砂都さん…いまのは火に油をなんとやら……

 

「大体、なんで生徒会長の肩持つの!?」

「そうだよ!文化祭でライブやりたいとか言っても、絶対に反対されるよ!?」

 

あっとぉ……それはまあ確かに…

 

「おバカ、同じこと繰り返してどうする!」

「だったらすみれちゃん言ってよ…」

「…………」

「無言ですました顔すんなって!深海版ダンゴムシのあの動画再生すんぞ!」

「やめなさいよ!」

 

って、此処で争ってる場合じゃねえ!

 

「澁谷さんたちは、スクールアイドル続けたくないの!?」

「私達、応援してるんだよ!?」

「…!そうでした、葉月さん、スクールアイドルに反対なのですよね…!」

 

……ちょっとまて、まて、まて落ち着こう?可可さんとりあえz

 

「可可、やっぱり普通科の皆さんに賛成しマス!一緒に戦いましょう!」

『おー!』

「って、コレ以上話をややこしくしないで!」

 

………これ……大丈夫…?ほんとに…




次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「もうお構いなし、って感じだね…」
止まることのない乖離は
「…でもそれは……!」
この学校の平和を
「…ちょっと待てよ…?」
……破壊するきっかけへと変わる。

第39話 Sの本心/二重の真相
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。