ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「前回、ガッツリぶっ倒れていた俺。一度きれいなお花畑が見えたものの、何とか現世に踏みとどまり、尋問を受けるこt……」
「なーに?圭人くん?」
「……質問を受けることになった俺は…まあここは飛ばすか。とりあえず、俺が退院すると同時ぐらいに普通科と音楽科の対立が明確化、とうとう説得が意味をなさない事態に…」
「それにしても、何故葉月さんはスクールアイドルを嫌うのカ……まったく理解できまセン。」
「そうだよなぁ…ま、それも今からある38話で分かるでしょ。」
◆◆◆◆
………盛大に失敗した、両学科説得作戦を終えた俺達。
試しに体育館を覗いて見れば、音楽科の制服を着た生徒たちが、黙々と作業を進めている姿が映った。
「どんどん進んでるね…」
「もうお構いなし、って感じね。」
「ですが、このままだと葉月さんは……」
………そうなんだよなぁ……
「あの人嫌い。」「私達だって結ヶ丘の生徒なのにね。」
通りすがりの生徒の声が、嫌に大きく聞こえた。
◆◆◆◆
「どーしよー………」
部室に戻った俺たちの中に、かのんの声が響く。それに続けて俺たち4人も、どこか諦め気味の声を出す。
「思ったより複雑になってるね…」
「そりゃそうよ。もともと皆感じてたからね。普通科と音楽科の溝。」
「とはいえ、どちらのクラスも譲歩しそうにありまセン。」
「どーすっかなー………最悪、今の学校の現状を伝えるぐらいしか…」
「でもそれは……!」
かのんが、俺の意見に反対しようとした時。
「……私のせいです…」
「…っ!葉月さん!」
かのんが俺の意見に反対する理由のきっかけとなった……いや、ある意味ではこの現状のきっかけを生み出した人が立っていた。
「音楽科の子に聞きました。あなた達が来たと……」
「うん。何か、できること無いか、って……あ、安心して。葉月さんの家のことは、何も話してないから。」
かのんの言葉に、葉月さんは安堵の表情を見せることはなかった。
「申し訳ありません、私の発言のせいで、皆さんを困らせてしまいました……」
「ってことは、後悔してるってこと?」
千砂都が聞けば、うつむいたままの葉月さんは返事を返す。
「はい。…先程、理事長にも呼び出されました。明日の全校集会でまとまらなければ、文化祭そのものを中止にすると…」
「そんな……」
「母と同級生だった理事長ですが、私に思うところはあるみたいで…」
「今からでも間に合うよ!音楽科と普通科、一緒にやるって話そう?」
「ああ。そうでもしないと、この状況は収まんないぞ。それに、しっかり話せば解ってくれるだろ。ここの生徒は。」
俺たちが、現状最も有効であろう策を提案しても、葉月さんは首を縦には振らなかった。
「…まだ、何かあるの?」
「そうだよ。葉月さんが全校集会で話せば、それで纏まると思う。」
俺たちが話しかけるものの、葉月さんの表情は一向に晴れない。
「勿論そうしたいのですが、ただ、スクールアイドルは………」
スクールアイドルは……?確か、前にもこんなことを……
俺がそう考えるも、その思考をかき消すほどに強い口調で、葉月さんは言った。
「───スクールアイドルだけは、やめてほしいのです!」
その声は、今まで聞いた子のない声だった。
強い意志を秘めながらも、どこか幼い、ある種純粋な感情の見え隠れするその声は、俺たちから反論するという選択肢を奪った。
「……えっ…?」
かのんが唖然とする中、葉月さんはうつむきながら続けた。
「この学校では、活動しないでほしい………」
「…………っ……」
俺たちは何も言えず、しばらくたった。
…………もう、聞くしか無いか。面と向かって。
「……葉月さん。俺たちに話してくれないか?どうして君が、そこまでスクールアイドルを嫌悪するのかを。」
俺の言葉を聞いた葉月さんは顔を上げ、口を開いた。
「……かつて此処には、廃校から学校を救うため、アイドル活動を行った生徒たちがいました。……それが、私の母です。」
…………ゑ?
…あえてもう一度言おう。………ゑ?
マジ…?葉月さんのお母さんって……スクールアイドル…だったの…?
……ごめん、ちょっと脳の処理が追いつかない…
脳が止まった俺を置いて、千砂都がいち早く理解した。
「それで此処には、学校アイドル部のプレートが……」
…なるほど、確かこの学校、旧校舎の方は前にあった神宮音楽学校の校舎なんだっけ。まだこの校舎だけだった頃、葉月さんのお母さんはこの部屋を使っていた…ってことか……
「まだ、スクールアイドルという言葉が生まれる、ずっと前のこと。母たちの活動は評判となり、注目を集めました。でも、目標叶わず、学校は廃校に…」
なるほど、神宮音楽学校が廃校になるまでに、そんなことがあったとは……今まで聞いたこともなかったのに。
「だから私は、母が新たに作ったこの学校で、スクールアイドルを始めようと思っていました。」
「「「「「えっ!?」」」」」
うそーん……あれで!?あの態度で!?スクールアイドルは学校を滅ぼす、結ヶ丘の敵だ!とか言いそうな感じで!?
「母がしていたスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと。」
「あんなに、嫌ってましたデスのに?」
うんうん。あそこまで嫌ってたのに、最初はしようとしてたなんて…
「ですが……」
「じゃあ一緒にやろうよ!それこそ、私達で力を合わせれば!」
……入学希望者を集められて、学校を残せる。かのんの希望も最もだ。個人的感情としても、このまま葉月さんと手を取り合えるならば取り合いたい。
……だが、その手は届かなかったようだ。
「何も残っていないのです!」
何が残っていないのか、それを聞くことすらできない気迫を持って叫んだ葉月さんの表情は、今まで一度も……いや、一度、俺が今の俺でなかったときに、一度だけ見た表情と似ていた。
「いくら探しても……スクールアイドル活動の記録だけ残っていないのです…他の部活動は、皆残っているのに………学校でアイドル活動をした、その記録だけがどこにもない。それで思ったのです。もしかしたら、母は後悔していたのではないか。スクールアイドルでは学校を救えないと、後悔していたのではないかと……」
「そんな……」
真実を知って、かのんが呆然とする中、可可は言った。
「そうと決まったわけではないデス!」
俺だってそう思っている。だが、俺達よりも深く事情を知り、だからこそ解ってしまっている葉月さんは、
「なら無いのです!?大切な写真の一枚残っていないなんて……あると思いますか…?」
……その顔は、今度こそ間違いなく、俺たちが知らない顔だった。
◆◆◆◆
532:名無し
………とうとう、イッチも知ったか…
《iid:r533》533:イッチ
……はい…。まさか、此処までの話だったとは……
534:名無し
それで、他の4人はどうしてるんだ?姿が見えないが…
535:イッチ
ああ、4人は、葉月さんについて話してます。…やっぱり、葉月さんのお母さんが、スクールアイドル活動を後悔してたとは思えないみたいで………
………まあ、それは同感なんですけど。
536:英雄学園の黒の剣士
…そうか…そうだな。アルバムであんなに笑顔を見せてたんだ。そんな人が、自分の青春の1ページを後悔するとは…とても思えない。
537:名無し
なら、なんでイッチは話し合いに参加してないんだ?バイトでもあるの?
538:イッチ
ああ、4人…というかすみれに向けてはそう話しましたけど……
………実際は、仮面ライダーとしてのことなんです。
539:名無し
…なるほど。……あれ、でもそういえばベルトって…
540:イッチ
回収されたままなんだなぁ、これが…
541:名無し
えぇ……(困惑)
じゃあ、何をしようとしてんだ?
542:イッチ
あー…といっても、実際はシンプルです。
………俺がベルト没収されたときの、葉月さんとサヤさんが襲われた事、覚えてます?
543:名無し
…ああ。忘れるわけ無いさ。
……忘れたくても忘れられないしな。
544:名無し
ああ。それで、その事件がどうしたんだ?
545:イッチ
……あの時の事を、葉月さんに詳しく聞いたんです。
そしたら、あのドーパントは最初から、葉月さんを狙って居たらしいんです。
546:名無し
……まさか、サヤさんは葉月さんを庇って?
547:イッチ
…はい。だから多分なんですけど、ドーパントは葉月さんに何かしら悪意を抱いていると思うんです。
548:名無し
…そうだな…。わざわざ狙っていたんだ。彼女に何らかの恨みつらみがあったとしても不思議じゃ……むしろそれが自然だ。
549:平行世界移動系ゼロワン
金目当てって線はないのか?葉月さんの家、外から見たら金があると思っても不思議じゃないぞ?
550:イッチ
俺も一瞬思ったんですけど、ドーパントは葉月さんが逃げても追っていったんです。サヤさんはもうボロボロで、わざわざ葉月さんを襲うことなんて、意味がないはずなんです。
551:名無し
なるほどねぇ……となると、やっぱり恨み関係か……葉月さんを恨んでそうな人って言うと……
………あれ?…ちょっと待てよ…?
552:名無し
…あんまり考えたくはないが………あの人を恨むようになるって言うと…
553:名無し
………一番ありえるのは…
554:名無し
まさか…………
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「なんとしても葉月さんを止めないと…」
5人の少年少女が
「それでもなかったんです…」
一人の少女の
「後悔なんてしてなかったんだよ!」
心を救う。
第39話 Sの本心/本当の心