ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
そろそろ終りが見えてきたオリジナル章。
あとこれ入れて二話ぐらいかな…
それが終われば原作9話に合流するので。
前書きはこのあたりにして、本編どうぞ。
「圭人くん……圭人くん!」
「しっかりしてクダサイ!」
ボロボロになった圭人くんは、変身が解けると同時に地面に倒れて、そのまま目を閉じた…。
「圭人!何やってんのよ!?」
「圭人くん!」
私達が圭人くんを必死に揺さぶり続けると、圭人くんの目が薄っすらと開いた。
「っ!圭人くん!?」
「……お前らか………とっとと逃げりゃよかったのに…」
「だって……だって……」
幼子のようにつぶやくしかできない私達を見て、圭人くんはどこか懐かしむような表情を浮かべて…
「ああ…それと、俺を病院に連れてっても無駄だから…」
「え…?な、なんで……」
「このダメージ……ガイアメモリの副作用で起きたものだからな……俺自身の回復力に頼る……しか…」
「圭人くん?圭人くん!?」
「ちょっと!?まだ昼よ!?起きなさいよ!」
「圭人くん!ねえ圭人くん!」
……私達がいくら呼びかけようと、彼がもう一度目を開くことはなかった。
◆◆◆◆
圭人くんは病院に行っても無駄だと言ってたけど、流石にそのまま置いておくわけにも行かなくて、私達はすぐに救急車を呼んだ。
病院では重いやけどって言われたけれど、圭人くんの言葉通りならあの傷は、実際の火傷じゃなくてメモリのせいで起きた副作用……だから、通常の医学じゃ無理…だと言いたかったんだろう。
「…………そういえば、あの時コレ拾ったんだ。」
ちぃちゃんが病室で呟くと、そのままそばの机に一本のUSBメモリを置く。
「それって………」
「うん。前に圭人くんが作ったって言ってた、ブーストメモリ。」
「でもなんでそれが…?」
「多分、戦闘中に落としたんじゃないかな。強化を使うのにもってこいの状況だったの
に、使わなかったのはそのせいだったんだよ。」
「それで、あんな無茶を…」
………この日は、私達はもう何も話す気になれなかった。
◆◆◆◆
side???
「なるほど……それで逃走してきた、と…」
「「申し訳ございません……」」
僕の目前で地に頭をつく彼らを見て、僕は思わず溜息をついた。
二人の話によれば、奴はロッドとドライバーで同時にメモリをマキシマムドライブさせたらしい。
「なるほど、ツインマキシマムドライブか………」
「ツイン……マキシマムドライブ……とは…?」
疑問を浮かべる彼らに、僕は端的に説明する。
「簡単な話、ベルトと武器のマキシマムスロット、双方でマキシマムドライブを発動することさ。威力も倍増するが、あのライダーシステムで本来想定していない挙動だからね………音声も、どこかおかしかったろう?」
「は、たしかにそのようだった気が……」
「ああ。恐らく、君たちが去った後に彼は倒れただろうね……学生の体に、あの負荷はとても耐えられるものじゃない。」
ついでに、あそこで残っていれば倒しきれただろう、と。
「申し訳有りません、我々の判断が…」
「いや、責めているわけではないさ。あの状況で万が一、ということもあり得る。その判断は間違いではないさ。………むしろ、今仮面ライダーが動けないのならば好都合だ。」
「…と、言いますと…?」
「我々が仮面ライダーを排除するのは、我らの真の目的………それを妨害しつづけてきたからだ。」
疑問符を浮かべる彼らに、僕は淡々と語り続ける。
「…だが、その彼は今や活動不可だ。この隙きに目的を完遂すれば、もう彼と戦う必要もなくなる。」
………そう。僕らにとって仮面ライダーの排除は目的達成のための過程でしかない。
彼がいないのならば、もうバカ正直に彼と戯れる必要などない。
「………二人の任務を変更だ。…………へ向かえ。崩壊させてくるんだ。」
「「………はっ。」」
◆◆◆◆
sideかのん
……あれから、一日。
圭人くんの容態が今だ回復しないことを知った私達は、不安を抱えながらもひとまず、今日は学校へといくことにした。
「…圭人くん………大丈夫かな……」
「心配だけど……私達がしっかりしないと。圭人くんが帰ってきたときのためにも。」
「…うん。そうだね。」
「そうと決まれば!授業が終わったらすぐに練習デス!もうすぐラブライブ!のエントリーも始まりマスシ!」
「そうよ!たとえアマチュアの大会としても、私達が目指すのはそこなんだから!」
「アマチュアとは何デスカ!」
「私にとってはアマチュアなの!」
「グソクムシがうるさいデス!」
「グソクムシ言うな!」
私の前で繰り広げられる、いつもと同じ光景。
「…ふふっ……」
それがあまりにも平穏で、微笑ましくて。思わず、口から笑い声がこぼれる。
「…よし!そうと決まればまずは授業デス!」
「いつも寝てるあんたがよく言う…」
「うるさいデス!」
「もう、いいから席つくよー?」
………この中に、また圭人くんが帰ってきたらな……
……私は、心の中の希望を捨てずにそう思っていた。
………だけれど。
希望は、案外簡単に崩れ去るみたいだった。
ドゴォン!
突如外から爆音がしたかと思うと、私達の体が揺れ、皆が地面に倒れ込む。
私は何とか踏みとどまると、窓を開けて外を覗いた。
「………うそ…………」
……眼の前には、昨日見たばかりの怪物が、変わらぬ姿で二人、そこにいた。
◆◆◆◆
「あれって……」
「昨日圭人くんが戦ってたドーパント…だよね……」
「そんな……圭人さんがあんなになってまで戦ったノニ……」
「そもそも…結ヶ丘を襲ったのも、圭人を狙ったからじゃなかったの…?」
「そう………だよね……?もし違うなら……圭人くんのあの行動も……無駄…だった…の…?」
…そんな。もしそれが本当なら、圭人くんのあの行動がすべて無駄ではないか。あの圭人くんの行動は、思いは、ただの茶番だったのか。
「…と…とりあえず逃げないと……それから警察…圭人くんが来れないんじゃあ…」
「で、でも……圭人くんでもだめだったのに、いくらなんでも警察じゃあ……」
私達は、今までにない絶望感に囚われた。今までもこういうことは起きていたが、そんな中でも心のどこかに、圭人くんが……仮面ライダーという、希望が灯っていた。
…でも、今はその光はない。私達が無力なせいで、彼の光が消えてしまった。
「……ッ!」
「ちょっとかのん!?」
「かのんちゃんどこいくの!?」
私は、後ろから聞こえる声を無視して走り出した。
私は靴を履き替えることもせず、校舎から上履きのまま飛び出した。
後ろから3つぐらいの音が重なって聞こえるけど、それをも無視して走り続ける。
走り続けると、いつしか目の前に二匹の昆虫が現れた。
………いや、二『匹』と表現するには、その虫たちはあまりにも大きかった。
サイズだけなら私達と大して変わらない虫たち……カブトムシとクワガタムシは、手に持つ長槍と二本の剣を、校舎に突き出し、振り下ろしているところだった。
「あなたたち…なにしてるの……」
「ん?…………あら、コレは意外な……ですが妥当な来客ですねえ。」
「まさか向こうからノコノコやってくるとはなぁ。ま、こっちからすれば来るも来ないも関係ないが……まあいい。さっさと終わらせようぜ。」
「いえいえ、せっかく邪魔する者も居ないのです。ここは……じっくりと行かせていきましょう……!」
そういった後に、各々の武器を構えた彼らは私を見据え、そのまま背中の羽を広げ突撃してきた。
「キャッ!?」
私は、転倒にも近い形でそれを何とか回避したけれど、私のそばを通り過ぎた二人のドーパントは、羽を動かして急停止、そして旧旋回。
「素人にしてはいい動きですねぇ。さすがスクールアイドルといったところでしょうか…………あら……また客人ですか。」
そういう彼の先には、私がさっきまで顔を合わせていた3人の少女と、昨日合わせたきりの一人の少女が居た。
「かのんちゃん!」
「あんた何無茶してんのよ!普段から圭人にあーだこーだ言ってたくせに!」
「そんなコト言ってる場合じゃないデス!あいつらが残っているのですよ!」
「大丈夫ですかかのんさん!」
4人は私のところまで駆け寄ると、倒れた私の肩を支えて何とか立ち上がらせる。
「あんたたち……なんで結ヶ丘を襲うの!?」
「ハッ、ターゲットに目的を言うバカがどこにいるってんだ!」
「まあ一言だけは言っておきましょうか………我らが主からの使命……それだけのことです。」
「……ふざけないで……この学校は……母が遺した学校は、あなた達のために存在するものじゃない!」
この地に学校が誕生するまでを知っている恋ちゃんが怒りの声を上げるが、それをあざ笑うかのようにクワガタのドーパントが言った。
「……哀れですねえ………存在する存在しないなんて…あなた達に関係ないというのに………」
「まったくだ………もういい、とっとと終わらせるぞ。ドーパントでも仮面ライダーでもない奴らにこれ以上手間を取らせるのは面倒だ。」
「まあそれもそうですねぇ………仮面ライダー………ああいやいや、あなたたちには木島圭人と言ったほうが良かったですかね?彼も今頃ボロボロでしょうからねぇ?我々は健康体だというのに……」
「あなた達…………っ!」
私にもし力があれば、今すぐあの二人に殴りかかろうとしているところだった。
それだけ許せなかった。圭人くんのあの傷を、あんなになった過程をあざ笑ったあの二人が。
「誰のせいで………誰のせいで圭人くんがああなったと思ってるの!」
「そうデス……あなた達のせいで………圭人さんは心も体もボロボロに…!」
「そんな圭人を馬鹿にする権利なんて………あなた達にない!」
「人のために自らを投げ出せるあの人は………あなた達とは違う!」
私達の言葉でなにか変化が起きることもなく、彼らは再び武器を構えた。
「…哀れですねぇ…………彼も残念ですねえ、友人たちの最期に立ち会えないなんて……」
「目覚めたら5人も消えてるのか、そりゃあ残念だな…」
…………この言葉で、私達は察した。
………彼らは、私達を倒そうと……いや、殺そうとしている。
私達は逃げ出そうとした。………でも逃げ出せなかった。
………いや、逃げ出す必要がなくなった。
なぜなら………
「………あいにく、最期に立ち会うことは確かになさそうだ。」
「ま、最期が来ないから…って言ったほうが正しいかもな。」
「あと1つ……………意外と俺、ボロボロじゃないぜ?」
「昨日ぶりだな。カブトとクワガタコンビ。」
「圭人………くん………」
そこには、私の幼馴染が立っていた。
「久しぶり、5人とも。」
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「な…ありえん!」
響きは更に、
「圭人くん!」
高く、低く、音域を広げる。
「これが新しい俺……ビートブーストだ!」
第47話 Bの消失/