ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士   作:ニントという人

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スクフェス2楽しいいいいいいいいいいいいいいい!

ってわけで、人生初スクフェス謳歌中の作者が書いた本編、どうぞ。


Wなライブ/チェケラッ!

前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!

「前回…の前回起きた、すみれとのあの出来事。それによって、すみれは俺たちの前から姿を消すように。」

「そんな中迎えた昼休み、街でビルが根本から倒壊して……」

「それを目撃した圭人くんが向かったんだけど……」

「めっちゃくちゃ想定外の事が起きて敗走したんだよな……とりあえず、第55話行っちゃって!」

 

◆◆◆◆

 

「…………っ!圭人くん!」

 

俺がバイクで結ヶ丘の裏門まで戻り、教室に入った途端、授業中であるにもかかわらず教室の中に一つの声が響いた。

 

「……遅れましたー………」

「遅れたって……その体じゃ絶対何かやらかしたでしょ!」

「だーいじょうぶ大丈夫…………じゃねえかも……」

 

かのんと会話を交わす中、今まで黙っていた先生が言った。

 

「……とりあえず…木島くん、保健室に行ってください。」

「……はい。」

 

俺は大人しく、とぼとぼ歩きながら保健室を目指した。

 

◆◆◆◆

 

「……はい、とりあえず軽く傷口とかは塞いだり消毒しておいたから。」

「はい……すいません………」

「謝ることじゃあないけれど……ともかく、クラスとかLiella!の子たちに心配かけないようにね?解ったら授業行く行く!」

「…し、失礼しました……」

 

保健室の先生に説教………もとい指導を受けてから、応急処置済みの体を引っ張って俺は教室へと戻った。

色々と気がかりなことはあるが、ともかく今は授業に集中することにして、二度目の説教が待っているであろう場所へと戻った。

…………廊下の窓を覗くと、先程まで轟音が響いていたあのビル街だったところは、衝撃も音も、何も発しなくなっていた。

 

◆◆◆◆

 

「もう!やっぱり無茶したんでしょ!」

 

…………予想通り、俺への二度目の説教が開始された。

 

「まあ無茶というかなんというか……ってかなんでクラス全員で詰め寄ってきてんのさ。おかしいじゃん。1対20とか30じゃん。さすがにやりすぎじゃ「圭人くんが無茶しなきゃいい話でしょ!」おっしゃるとおりです……」

 

うーん、俺に力はなかった。てかなんでクラス皆がいるんですかね…味方はいないんですかね………

 

「でもさ、その…今回ちょっと想定外が想定外で想定外だったっていうか…」

「語彙死んでるデスよ!」

「それはいいんだよ!……まあともかく、簡単に言えば向こうがツヨツヨ武器持ってて強化形態なったけど無事に初動が遅れて先制取られてぶった切られた……」

「……つまり要約すると?」

「向こうのすっげえ武器で斬られた、以上。」

「……なるほど……」

「まあその武器は知りたい人は後で聞いてもらうとして……というかこの話はまたあとにするとして、とりあえず六限目です。」

「「「…あ、はい。」」」

 

…なんとかクラス全員を押し留めて席に帰すと、俺もそのまま持ってきていたはずの教科書類を出した。

 

「……家だなコレ……」

 

…説教パート3だ、これ。

 

◆◆◆◆

 

無事ではないが無事に6限目の授業を終えた俺…もとい結ヶ丘の生徒たちは、無事に放課後を迎えた。無事ではないが。

んで、スクールアイドル部はいつもどおり屋上で練習を始めて…いるが、その中にあの少女の姿はない。

 

「……来ないね、すみれちゃん……」

 

朝の一件以降、すみれは相変わらず授業以外で俺たちの前に姿を表すことはなくなっていた。このままでは、センター云々の前に本番どうするかすら決められない。

彼女を除くLiella!の4人はストレッチを終えると、一度短い休憩に入った。各々はベンチの上やそばに座り、水分補給やスマホ操作へと行動を変える。

 

「……やはり、センターのことをはっきりさせるべきなのでしょうね……。」

 

恋が呟くと、かのんが恋へと尋ねた。

 

「…恋ちゃんは、どう思う?」

「…難しい問題ですね。すみれさんのレベルは、歌もダンスも高いところにあります。ただ、グループの中で一番かというと……」

「歌はかのんちゃん…」

「ダンスはちぃちゃん、優雅さは恋ちゃんが一番だし、華やかなところは可可ちゃん。」

「すみれには、どれも備わってはいるけど…」

「…だからなのでしょうね。今まで、希望が叶わなかったのは…。」

 

…この推測は、あながち間違いではないだろう。前述のように、すみれは別になにか劣っているだとか、弱点があるというわけではない。……だが、特になにか秀でた部分がある…というわけでもない。いわば器用貧乏ともいえるその特徴が、今まですみれが表舞台に立つことを許さなかった。

だが、裏を返せばそれは全てに対応できる万能型ということだ。弱点がないということはこの上ない特徴であり、それこそ彼女が実力をもつ証なのだ。

 

「……でも、すみれが劣っているわけじゃあ決して無い。むしろ、なんでも出来る辺り優秀なんだよ。」

「うん。……だからこそ、センターはすみれちゃんがするべきだと思う。実力じゃあ、まったく引けを取ってないんだから。」

 

かのんが同意するなか、スマホから目線を離した可可が言った。

 

「ア、すいません、ちょっと電話ニ……」

「ああオッケー、いってらっしゃい。」

 

可可は立ち上がると、屋上から校舎内へとつながるドアを開け、その奥へと駆けていった。

その後も残った4人で意見を出し合うものの、問題の解決へとつながるものは一向にして出なかった。

 

◆◆◆◆

sideすみれ

 

あの朝から数時間、放課後の結ヶ丘の屋上付近で、私は登るか降りるかの決断を下さないまま、しばしの時を過ごした。

何度も階段を数段登っては降りてを繰り返していると、ちょうど階段を登りきった際に目の前のドアノブが下へと降りた。

 

「うぎっ!?」

 

自分でもよくわからない奇声を上げながら、バビュンと階段の踊り場まで飛び退る。

ドアから出てきたのは可可で、手にはスマホを握り、それを耳へと当てている。

数秒の間の後、彼女は口を開いた。

 

「(中国語)(中国語)」

 

彼女の口から発せられたのはおそらく中国語で、一度も勉強してみようと思わなかった私には何一つとしてわからなかった。

私はとっさに、スマホに入っている音声翻訳機能を起動して、設定を中国語→日本語にし、そのままマイクをオンにした。

 

『うん、分かってるよ』

 

画面にはすぐに日本語訳が浮かび、可可の言葉を追いかけるように追加されていく。

 

『結果が出なかったら帰るって約束でしょ。ちゃんと覚えているよ。』

「…帰る………?」

 

その文章の意味を推し量るのに、数秒が掛かった。

 

『うん、じゃあ、練習で忙しいから切るね。』

 

その後も会話は続いたようだけど、私の目がそれを捉えただけで、脳は受け取りを拒否していた。

可可は電話を切ると、そのままドアの向こうへと歩いていった。

……私はしばしの逡巡の後、彼女の影を追いかけた。

 

◆◆◆◆

side圭人

 

「おまたせしまシタ!」

「お、おかえり〜」

 

電話中だった可可がドアの向こうから戻ってくると、俺たちは各々が持っていた水筒やスマホを置いた。

 

「じゃあ、とりあえず4人で練習始めよっか。」

 

かのんの声に皆が頷き、そのまま練習に入ろうとした時。

………再び、校舎につながるドアが開いた。

 

「あ、すみれちゃん……」

 

かのんが、屋上に現れた人物を見て呟く中、可可が言った。

 

「全ク、センターがそれでどうするのデスカ!だから甘く見るなと言ったのデス!」

 

どこか挑発するような口調のそれを聞いたすみれは、まるで何を言っているのかわからないというような口調で答えた。

 

「センター?」

 

その言葉に、かのんと千砂都が答えた。

 

「うん。私達、さっきまでそれについて話していたんだけど…」

「やっぱり、すみれちゃんがセンターをやったほうが良いんじゃないかって。」

「どうして?」

 

すみれは、いつになく冷静…………いや、冷徹な口調で問い返した。

 

「どうしてって……」

 

かのんが、その様子に困惑するような口調で返すと、すみれは口調を強めていった。

 

「私が可哀想だから?頑張っているのに、いつもセンターになれないから?」

 

普段のすみれからは考えられない自嘲的発言に、恋が思わず口をだす。

 

「そうではありません、かのんさんは……」

「それ以外何があるっていうのよ!」

 

すみれの叫び声が、屋上に響き渡った。残る5人が口を閉じ、しばし訪れた無音の後、すみれは再び口を開いた。

 

「別に同情なんかでセンターになったって嬉しくない!学校のみんなは、他の人がセンターのほうがいいって言ってるんでしょ!?だったら───」

「同情なんかではありまセン!」

 

……意外と取るか妥当と取るか、真っ向からその言葉を否定したのは可可だった。

 

「可可は、同情なんかで衣装を作ったりはしまセン!」

 

すみれが唖然とたじろく中、可可が毅然と続けるも、すみれはそれで逆に威勢を取り戻したかのように口を開く。

 

「……あの衣装は返すわ。それでも私にスクールアイドルやれって言うなら、スクールアイドルやめる。」

「えっ…………?」

「そんな……」

 

………まさか、あのときの言葉を、また聞くことになるとは。しかも、こんな形で。

かのんと恋が唖然とする中、可可はすみれへと詰め寄った。

 

「アナタのスクールアイドルへの思いはそんなものデスカ!?ラブライブ!で光を手に入れるのではなかったのデスカ!?」

「勝たなきゃいけないんでしょ!?」

「……っ…!?」

 

……すみれの一声で、空気が………可可が纏う空気が変わった。

 

「あんた……絶対勝たなきゃ……いけないんでしょ…………?」

 

……何だ…どういうことだ?

すみれの様子からして、勝たなきゃいけない、という言葉が可可が目標としているから、というだけの理由からきているわけではないだろう。おそらくは、勝つことが目的ではなく、勝って何かを成し遂げなければならない。逆に言えば、それを何がなんでも成し遂げなければならない。それをおそらく、すみれは知っている。

 

「…まさか………」

 

可可が呆然と立ち尽くす中、すみれはそのまま、屋上から走り去っていった。

 

「すみれちゃん!」

「待ってっ!」

 

………屋上に、涙の跡を残して。

 

◆◆◆◆

side third

 

「待ってっ!」

 

最初に駆け出した可可が、歩いていたすみれへと追いついた。

 

「…うるさいわね、もう話は終わったでしょ?」

 

すみれがいつになく棘のある口調で言うと、それに対して可可も棘を帯びた口調で返した。

 

「さっきの可可の電話、聞いていましたネ?盗み聞きとは、やはり根性が曲がっていマス!」

「………かのん達は知ってるの?」

 

何を、の部分を省略た問いに、少し間をおいて可可は言った。

 

「……いえ…」

「なんで言わないのよ!?」

「可可のことを気にして、スクールアイドルをやってほしくありまセン!」

「でも!勝たなきゃいけないんでしょ!?結果を出さなきゃ……だったら!」

「そのために、アナタがいいと言っているのデス!」

「………何意地になってるのよ……」

「意地になどなっていまセン!」

 

可可から目をそらしたすみれが言い、それに可可が堂々とした口調で返す。

 

「なってるでしょ!本当は嫌なのに、かのんが勧めるからとか、なんだかんだで練習しているからしかたなく…とか、可哀想…とか………練習してるところもこっそり見てたでしょ!?全部わかってるのよ!あんたのことなんて……!」

「何も分かってませんよ。そんなことで可可が神聖なラブライブ!のセンターを任せると思ったのデスカ?」

「…任せたでしょ?実際…」

「可可が、アナタに任せたのハ、あなたがふさわしいと思ったからデス!」

「………っ…」

 

すみれが可可へと視線を戻すと、それに気づいたかどうか、可可は言葉を続けた。

 

「練習を見て、その歌声を聞いて……Liella!のセンターにふさわしいと思ったからデス。それだけの力が、アナタにはあると思ったからデス!」

「………っ………」

 

すると可可は、一つの装飾品を取り出した。

 

「だから受け取りナサイ!私が思いのすべてを込めて、アナタのために作ったのですカラ!」

「………っ……それは………」

 

可可が手の上に載せているのは、銀色を基調としたティアラだ。差し色として紫が使われ、中央には一輪の花が咲いている。

 

「すみれちゃん…!」

校舎から、遅れて4人のスクールアイドル部部員が駆け寄ってきた。かのんがすみれの名を呼ぶ中、可可は続けた。

 

「アナタのために作ってきまシタ。センターの、アナタのために……!」

「……うぅ……」

 

すみれの足が動き、可可の方へと傾いたその時。

……不意に、強い風が吹いた。

 

「ああっ…!?」

「……あっ…!」

 

その風は、木々の葉と共に、可可が持っていたティアラまでを掻っ攫った。そのまま風に乗り、ティアラは結ヶ丘の校舎沿いに宙を舞っていく。

 

「このっ………!」

 

いち早く動いたのはすみれだった。彼女は足の向きを即座に変えると、風の流れを……その上に乗るティアラを追いかけた。

 

「待てーっ!」

 

遅れて可可たちも走り出す中、ティアラを少し追い越したすみれは、起動を左へと変えようとしていたティアラへと、思い切り飛んだ。

 

「届いて…………届いて……っ!」

 

彼女が伸ばした手は、仲間の思いの結晶へと触れ………そのまま、その下の坂を彼女は転がり落ちた。その終着点には、尖った葉っぱの茂みが。

彼女は、その中へと頭か落ちていった。

 

「すみれちゃんっ!」

 

かのんが茂みの中へと叫ぶ中、真っ先にすみれの姿を確認したのは可可だった。

 

「あ……!」

「痛たたた……ったく……」

「……すみれ……!」

「…初めて名前呼んだわね…」

 

すみれが可可に少々不満げな様子で言うと、可可は空気に残る己の発言をかき消すように言った。

 

「そんなことはどうでもいいデス!Liella!のセンターとして、恥ずかしくないステージにしてくだサイ!」

「当然でしょ……誰だと思ってるの…?」

 

すみれが目尻をこすりながら返すと、恋が感慨深そうに言った。

 

「いよいよ結ヶ丘のスクールアイドルが、ラブライブ!のステージに立つのですね。」

「楽しみだね…。」

「…うん。……私達Liella!が、たくさんのスクールアイドルと繋がって……………歌を響かせるんだ!」

 

◆◆◆◆

side圭人

 

「ギャラクシーーーーーーッ!!」

 

紫色に照らされたステージの上に、一人の少女の声が響き渡った。その声はまさしく、銀河級の自信に満ちあふれていた。

ジャズ調のイントロから始まった舞台は、妖艶な雰囲気を纏う5人の少女が主役だ。

前に立つ4人の少女に出迎えられるようにして姿を見せた一人の少女は、どこまでも自信に満ち溢れた表情で、ステージの正面────センターへと立った。

 

ヘイ もっと笑いたいのに もっと素直になりたいのに

ヘイ 今輝きたいのに そんな気持ちはここで最後に

ヘイ うだうだ愚痴らないで すぐ照らしてあげるから

君の手を握りしめては 決して離しはしないから

 

この舞台に立つために条件であるラップ、その力と少女の魅力を完璧に生かす事によって生まれたハーモニーが、観客全ての心を圧倒する。

ここまで4人の少女を従者のように背後に従えてきた彼女だったが、後は頼むわと言わんばかりに一歩下がり、4人の少女へとライトを当てた。

 

証明してあげるわ

不可能なんて無いってことを

崩して見せるポーカーフェイス

虜にしちゃうよ?

 

彼女らも、あの少女に負けず劣らずの魅力を発揮し、観客の心を完璧にステージへと向ける。

………そして、あの少女が表舞台へ舞い上がると同時に、彼女たち5人のショウがクライマックスへと突入する。

 

Let's sing!

見たことない世界連れてってあげる

今から始まる素敵なワンダーランド!

Fantastic!

Amazing!

But this is

ノンフィクション!!

新しいドア開こう────

 

彼女らの…………彼女の決意、挑戦、その全てを詰めた、Liella!として最初のライブ。

その成功までには、二人の少女の力があった。

 

Do do do follow me! Do do do real live yeah!

Do do do follow me! Do do do love me do!

Do do do follow me! Do do do real live yeah!

Do do do follow me! Do do do

Love me do.

 

「……………うふっ…!」

 

……少女にもう、足枷はない。




次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「ありがとう、可可。」
心を通わせた彼女らに
「よりによってここかこの野郎!」
立ちはだかる壁は
「行って圭人くん!」「ミュージックスタートだ!」
響く音色とぶつかり合う!

第56話 Wなライブ/壁は超えられる
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