ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士 作:ニントという人
テストなうっす。
…本編どうぞっす。
前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「千砂都の発案で、本番前に小学校を下見することにしたLiella!の5人と俺。」
「圭人くんの黒歴史が蒸し返される中「千砂都やめてくれ」……返される中、そのまま当日のステージへ。」
「………かのんはそこで歌おうとするものの、息を吸っただけで声は出なくて………」
「でも、皆で並べば歌うことができたのデス!」
「ま、そんな中迎える第59話、どうぞ。」
◆◆◆◆
小学校探訪から一日が明け、俺達はいつものように屋上で練習に取り組んでいた。
今はすでにラブライブ東京大会のダンスの練習中であり、千砂都が全員を見渡せる位置に立ち、それぞれにアドバイスを出していた。
「すみれちゃん早すぎ!」
「解ってる!」
「恋ちゃんは溜め過ぎ!」
「解りました!」
俺がスポドリをいつものように作る中、皆はそのアドバイスに従って動きを徐々に、だが確実に変えていく。
「はい!一旦ここまで!」
「「「ふぅ………」」」
皆が千砂都の声で一斉に力を抜き、俺が持つスポドリを皆受け取る。
「今回も難しいダンスだねぇ……」
「東京大会でのライブだよ?引けを取らないようにって、気合い入れて作ったんだ。」
「勝てるかなぁ………」
「私は、十分可能性あると思う!このメンバーなら!」
……それは同感。そして俺もスポドリ飲みたい。何もしてないけど。
「大変デス〜〜〜っ!」
と、そんな中今まで居なかった……まあ端的に言えば遅刻していた可可がドアを突き破る勢いで走ってきた。
「練習始まってるわよ!」
すみれが言っておくものの、当の本人はそんな事どうでもいいようで。
「東京大会の課題が………発表されまシタ!」
まじでとんでもねえことやんけ!?遅刻なんかどうでも良いわ!
「課題!?」
かのんが座っていた体勢から思いっきり立ち上がると、それに牽引されるかのように他の三人と俺も可可の元へと集まり、可可が持つスマホの画面を覗いた。
その中には、いつか見た覚えのあるあのMCが写っていた。
『あ東京大会の課題はこちらっ!独唱!歌を聞かせるソロパートを、曲に取り入れて下さーいっ!』
……とのことだった。相変わらず元気だなこの人。
……………と、それはいいや。そんなことより……
「……また難しいお題ね……」
「純粋な歌唱力が、試されますね……」
「うん………」
すみれと恋、かのんがつぶやき、残りの面々も同じことを考えた。
独唱するなら、はやり一番歌唱力のある人が適任。んで、この中で歌唱力がある人というと……
「「「「「……じーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ………」」」」」
「……えっ?……えっ!?ええっ!?」
俺やすみれ、千砂都に恋、可可が一斉に特定の人物の方を向き、その人物…………かのんは思いっきり、歴代史上最大レベルで狼狽えた。
俺たちに無言で撤回を求めてくるが、そんなことが叶うわけもなく。すみれのサムズアップに千砂都と恋の微笑み、そして俺の無言の頷きと可可のレンズ向けで、そのことは確実となった。
「異論を唱える人は居ませんよ〜〜!」
「えええええええええっ!?」
うーん、きれいな濁音。俺じゃなきゃ聞き逃しちゃうね。
「かのんさんで決まりですね。」
「違う課題なら、やってあげても良かったんだけど。」
「でも!」
恋とすみれの声に反論しかけるものの、その声を千砂都がかのんの手を握って止めた。
「Liella!が始まったのは、かのんちゃんが歌ったから。かのんちゃんが、可可ちゃんの思いに答えたから。」
「ちぃちゃん………」
「かのんちゃん以外、居ないよ。」
その声で、かのんの心に何かが起きたのか。
次に彼女が見せた表情は、コレまでとは全く違う表情だった。
◆◆◆◆
で、練習が終わって皆帰宅した後。
かのんを除くスクールアイドル部のメンバーは、千砂都に急遽作られたグループチャット通話へと招待された。
どうやらいつものたこ焼き屋で可可と話していたようで、その内容は端的に言えば、かのんが歌えるのは周りに他のメンバーが居るからじゃないのか、ということらしい。
───そして、それで本当に良いのか、これで、本当にトラウマは消えるのかということも。
『厳しいのですね……』
『まあ、言ってることはわからなくはないけどね。それで?』
恋がつぶやき、すみれが続きを促せば、千砂都は続けた。
『うん。反対されるかもしれないけど………』
そして、翌日。俺たちは、理事長のもとへ何度目かわからない直談判に訪れた。
「理事長!」
「ん?」
「あの……わがままなお願いなんですが……」
◆◆◆◆
「えぇ!?ちぃちゃんが!?」
その日の放課後、いつものようにLiella!が練習している屋上で、驚きの声が上がった。
「うん。その日は、どうしても行かなきゃ駄目だって、家で言われちゃって……」
「そうなんだ……」
かのんが納得すれば、そこに滑るように可可が近づき、
「実は、可可もやんごとなき事情がありまして……」
「実は私も」
続けざまに恋がストレッチの体勢を維持したまま近づいて言ったかと思えば、
「私も、家族がどうしても神社を手伝えって……」
「えぇ!?」
……察しのいい視聴者……じゃなくてスレニキなら解っただろう。
……そう。この中で小学校に言って歌うメンバーはただ一人、かのんだ!…………ってことになっちまった、ってわけ。
……勿論、理由は全部ウソだ。コレこそが、千砂都の考えたことなのだ。……ただ冷静に考えて、こんな急に全員が行けなくなるとか流石に無いだろ……もうちょっと良い騙し方なかったんですかね……てか騙されないでしょ……
「ちょっとまってちょっとまって!それじゃあもうLiella!じゃないよ!一人しかいないなんて……」
騙されちゃったよ。もうちょっと人を疑う心を持とうよかのんさん。
「デスよね………」
可可がそりゃそうだよなあ…と言わんばかりに俯き、恋やすみれも嘘をついた罪悪感からか同じようにうつむく。
「……だからね、小学校に連絡したんだけど……」
そんな中、千砂都が話しだした。彼女は自身の内心を恐ろしいほどに隠した表情で、あくまでも冷静に事情を説明した。
「…そしたら、かのんちゃん一人でもお願いできないかって。」
「ええっ!?」
「むしろ、学校の子たちはかのんちゃん一人の歌聴きたいって…。」
「そんなぁっ!!??」
……むしろ、それはそれで有り得そうなんだよな。かのん……というか俺たちの世代を知ってる学年、いま高学年とかだし。
「だめ………かな………?」
「……っ………」
上目遣いで問いかけた千砂都の声に、かのんが勝つことはできなかったようだ。
◆◆◆◆
「じゃあ………」
「なにか困ったことあったら連絡して。相談に乗るから。」
「可可も24時間体勢で待っておりますので!」
あれから数時間後、帰路についた俺達は自宅へと向かうかのんを見送っていた。
「ありがとう……とりあえず、家に帰って練習してみる。」
「「ういっすー!」」
かのんが走り去っていくのを見届ける中、可可が表情を一段落として言った。
「………やっぱりひどいデス。可哀想ですこんなの……」
「うん………」
「幼馴染なのでしょう?」
「千砂都の言うことは、確かに理想だけど……」
……今まで何度も思い知らされて入るが、理想と現実は違う。どれだけ理想が高かろうと、そこに届くかどうかは別問題。実際、今回の方法はだいぶ無茶苦茶ではあるのだ。というかよく小学校側受け入れてくれたな。
「…………私ね。」
不意に、千砂都が口を開いた。
「「「「「「ん……?」」」」」
「…私、小さい頃は何をしてもうまくできないと思ってた。自分は何をやっても駄目で、すぐ諦めてた。………でもね、かのんちゃんが言ってくれたんだ。『最初からできないなん、そんな事あるはず無い。私も一緒にやるから頑張ろう!』…って。」
……そういえばあったな、そんなことも。確か、二人が向かい合って一本の縄跳びを飛ぶあれをするときのことだっけな。
「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て、見ている人が心から嬉しくなる笑顔。私の知ってるかのんちゃんは、そんな笑顔を持っていたんだ。だから今、あの時のかのんちゃんを取り戻すことができたら………辛いことや、うまく行かないことをいっぱい経験したかのんちゃんが、あの時の気持ちを取り戻すことができたら……誰にも負けないって。」
「千砂都……」
可可が真意を理解したと言わんばかりに名を呼ぶと、彼女は目をいつになく輝かせて言った。
「ラブライブどころじゃない。飛び越えて世界一、いや、すみれちゃんが言うみたいに、銀河一にだってなれる。私は─────嵐千砂都は信じてる。澁谷かのんを…………」
…………信じる心。心の強さが、不可能を可能にする。………あの光の戦士が言ったように、その心がかのんにも宿れば。
…………………きっと、なんだってできる。本当に、銀河も宇宙も次元も超えて、最高の輝きを手に入れられる。
そのためには、俺たちが信じることから始めないと。
◆◆◆◆
sideかのん
「ありあー。」
……家に帰って少し練習した私は、妹で絶賛勉強中のありあに声を掛けた。
「んー?」
「…私さ、小さい頃…どんなだった?」
「……おぉ、何なの?急に………」
「なんか、急に知りたくなって……」
ありあはちょっとの間持っていたペンを顎にあてて考え込んだ後に言った。
「うーん…………熱かったうるさかったウザかった、何かと言えばやればできるとか頑張れとか、熱血スポーツキャスターかっての。」
「はははは…………って、そこまで言う?」
ひどくない?私の妹。
「でも……嫌じゃなかったよ!」
「…………ぁ……」
昔の………私…………
◆◆◆◆
side???
「………まさか、ウォールドーパントすらも破られるとは………」
僕は、暗い部屋でひとりごちた。
「あのドーパントにはエンジンブレードも渡していた………僕の知る限り最大級の武器と壁の記憶での盾……攻守どちらも優れていたものの………」
実際は、仮面ライダーがそれを上回ったというわけだ。
「しょうがないか………あまり非情非道な手は使いたくないが………」
僕は一本のメモリを握りながら、一言呟いた。
「…………小さな命を利用させてもらおう。」
「tempest!」
次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!
「結局、来てしまいましたね…。」
少女たちが見守る中
「それに一人じゃない。」
心に傷を抱えた少女は
「…大好きなんでしょ?歌。」
あのときの心を取り戻す。
第60話 Tは根深く/もう一度、あの場所で。