ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士   作:ニントという人

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どうも、作者です。第6話を投稿します。

今回は…久しぶりにライダー要素マシマシ、バトルカタメでお送りします!

それでは、どうぞ〜


禁じられしI/襲撃の結ヶ丘

前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!

「前回、とうとう葉月さんと直接対決!」

「それで結局どうなったんだっけ?」

「確か、決着がついたかどうかわかんない感じじゃなかったっけ…って千砂都!やっとあらすじ紹介に出れたのか!」

「そうだよ〜、だからせっかくだし丸の良さをこれを読んでるみんなに「ハイストップー、それは他所でやってくださーい」えー…!」

「いいからあらすじ紹介戻るぞー。で、まあこの丸フェ…じゃなくて千砂都が手に入れた情報で葉月さん対策を取ろうとしたんだけど…」

「その対策が何もなかったんだよねー…」

「弱点なしは強すぎ!さて俺たちはどう立ち向かうのでしょうか!さあどうなる第6話! よっしゃやっと言えたぁ!」

 

◆◆◆◆

 

「ふぁ~…もう朝かよ…」

 

携帯アラームの、無遠慮な騒音によって、俺は目覚めた。

もう一度寝ようと目をつぶるが、とっくに眠気は消え去り、まったくもって寝れる気がしない。

俺はあきらめ、おとなしくベッドから這い出て、食事を用意し始めた。

 

食事を食いながらニュースを見ていると、俺の聴覚に一つの音声が入り込んできた。

 

『では本日の特集です。今回は、近日話題の、仮面ライダーについてです』

「ブッ」

 

その声で、飲んでいた麦茶を吹いたのは内緒だ。

 

◆◆◆◆

「はーい全国ニュースデビューでーす…」

 

なんでこうなったかなぁ……

登校しながら、俺はそう考えていた。

半ば愚痴に等しい思考で脳内が埋まっていても、俺の目は正確にあるものをとらえていた。

あまりに巨大な……デコトラっぽいリアカー。

それのそばにいる一人の少女と、その少女に話しかけられている一人の少女。

 

うん!にげよう!

 

そう思い、できる限り彼女らから迂回して学校に行こうと思ったのだが。

 

「あ、圭人さん!」

 

───終わった。

 

◆◆◆◆

 

「我々に自由を!自由な部活動を!」

「なあ、これ間違ってないか?」

「……私もそう思う……」

 

現在、結ヶ丘校内で、俺とかのんがあのデコリアカーを引き、その上に可可が立っている。

そして、活動理由はもちろん……

 

「部活とは常に平等であるべきです!皆さん!そう思いますよね!?今こそ一緒に戦おうではありませんか!」

 

絶対怒られるって……

 

「かのんちゃん!?木島くん!?」

 

叫んでいるのは、俺とかのん、可可のクラスメートである女子3人組。

 

「これ何してるの!?」

 

その質問にかのんが、

 

「一応署名活動…自由に部活動できた方がいいよね~…」

「まあそれは確かに……」

「じゃあ署名して~~…」

 

そんなかのんの懇願をサラッとスルーし、女子トリオは、

 

「大丈夫なの?葉月さんにばれたりしたら……」

「別に、いけないことをしてるわけじゃ……」

 

まあ、そうなんだけど……だけどなぁ……

そんな思考を巡らせていたその時……

 

「かのんちゃーーーーーーーん!!圭人くーーーーーーーーーん!!」

「ちぃちゃん……」「千砂都……」

 

なぜか千砂都が、必至というしかない表情で、俺たちに駆けてくる。

 

「お二人の知り合いですか?」

「うん、私たちの幼馴染。」

 

そんな会話が繰り広げられる中、千砂都が続きを、決定的な一言を放った。

 

「理事長が……理事長がぁーーーーーー!」

 

あ、俺の高校生活終わった。

 

◆◆◆◆

 

現在、俺、かのん、可可、そして葉月さんが理事長室にて、理事長先生に事情を説明中。

事情とはもちろん、先ほどの署名活動について。

その始めた動機から、そこに至る過程まで包み隠さず。

 

「なるほど、それで署名活動をしていた訳ね?」

 

理事長からの質問に可可が、

 

「はい!自由に部活ができないのはおかしいと思いまして!」

 

と答えると、

 

「本当なの、葉月さん?」

 

と新たな質問を、今度は葉月さんにした。

 

「部活の自由を阻害したつもりはありません」

 

と嘘だらけの発言にはもちろん

 

「しました!」

 

可可が反応し、それに対して

 

「スクールアイドルだけです」

「だからなんでダメなのですか!?」

「もう申し上げたはずですが」

 

うんまあ言ってたけども!

 

「……ふさわしくないとかなんとか」

 

俺がつぶやいたとたん、葉月さんが、あなたなに言っちゃってるんですか、みたいな視線で俺を見つめてきた。結構怖い。

ここまでの会話で、何があったのかおおよそ察した様子の理事長は、

 

「なるほど、大体わかりました。……葉月さん」

「はい」

「気持ちはわかりますが、普通科の生徒がレベルがどうあれ、音楽に関心を持つことを止める権限はあなたにありません。」

「ですが母はスクールアイドルで……」

「お母さんは関係ありません」

「……はい」

「……ん……?」

 

葉月さんのお母さんがスクールアイドルで……なんなんだ?

 

「本校の方針に沿って、スクールアイドル活動を禁止にはしません。ですが、この学校が音楽を大切にしているのも事実です。」

 

そこまで言った理事長は一呼吸入れ、こういった。

 

「課題を出します。」

 

◆◆◆◆

 

「一位ィィィィィ!?」

 

つい先ほどまで、廊下からあのやり取りを除いていた千砂都は、俺たちの話を聞くなり、そう叫んだ。

 

「はい。このあたりのスクールアイドルが集まって行うフェスで」

「それが、代々木スクールアイドルフェス?」

「その大会に出て、一位を取れば活動を許可するって。」

 

可可、千砂都、かのんの順で言っていき、最後に千砂都が、

 

「いきなりのフェスで一位かぁ……ドンマイ!」

「「「まだ終わってない!」」」

 

三人そろって否定し、すぐに千砂都が、

 

「ごめんごめん!」

 

と謝罪したものの、

 

「で、どうするの?」

 

と聞いてきた。

まあ、確かにそうだ。これからどうするか、つまるところフェスに向けて何をするか、というところになる。

ところがどっこい、俺は全くの専門外。

ということで、女子二人に頼む……というか二人がステージに立つわけだが。

 

「それでね、私たちで、曲を作って、ダンスとか練習しようと思ったんだけど……」

「俺は専門外、作詞と作曲はかのんと可可ができるとしても……」

「だれも、振り付けができないのデス……」

 

続きを察したのだろう、千砂都の口角が上がり始め。

 

「「「もしよかったら、千砂都さん/ちぃちゃん/千砂都に、ダンスを教われたらと!」」」

 

その、三人でご唱和した言葉を聞いて、千砂都は座っていたベンチから飛び降りると腰に手を当て胸をそらせ、

 

「しょうがないな~、ちぃちゃんの授業料は高いよ?」

「いいの!?」

 

かのんが訊くと、

 

「うん!だって、親友たちの頼みだもん!」

 

その言葉を聞いたかのんと可可は、

 

「「やったーーーーーー!」」

「サンキュー、千砂都。」

 

なお、最後のは俺。

 

「このまま、千砂都さんもスクールアイドルに……!」

 

おお、そういっちゃうか。

 

「私っ!?」

「はい!」

 

まあ、悪くはないと思うが。

 

「それはダメ。」

 

止めたのはかのんだ。

 

「なぜです?」

「ちぃちゃんは音楽科。これ以上無理は言えないよ。」

「あぁ、そう、だな。」

 

そう、忘れがちになるが、千砂都は音楽科。これ以上普通科の俺たちに構えば、千砂都がやってきたダンスをする時間も無くなってしまう。

でも。

 

「……っ」

 

千砂都が、千砂都の表情が、何処か優れない。

一瞬聞こうと思ってから、すぐに思い直す。今聞いても、たぶんだめだ。きっとこの問題は、千砂都にある。俺が口出ししていいものではない。

 

「じゃ、今日から練習、始めるか?」

「もちろん!」「勿論です!」

「よし!じゃ、行きますか!」

 

◆◆◆◆

 

「来たけど……何が起きてるの?」

「さぁ……?」

 

俺たちが練習場所につくと、その奥、校門では一人の女子生徒と、一人の男性が会話……

否、言い争っていた。

 

「ねえ、あの子……葉月さんじゃない?」

「え……ほんとだ……何が起きてんだろ……?」

「言い争ってるしなぁ……いいことが起きてるわけじゃなさそうだけど……」

「何でしょう……どことなく……あの男性、いやなかんじが……」

「うん……」

 

全員が頭に?マークを浮かべる中、未だ言い争いは収まる気配がない。

 

「何度も言っているではないですか!何をしにここに来たのですか!?」

「いいだろ、別に何もしてないし」

 

うーん、まさか不法侵入?

 

「まあいいや、一先ずストレス発散に……」

 

ん?ストレス発散……って、はっ!?あいつも!?

 

『ignit!』

「ふん!」

 

その男性は手に持っていたUSB……ガイアメモリを起動すると、右腕に差し込んだ。

 

「おぉぉぉぉ!」

「「「「キャァァァァァ!」」」」

 

周囲から悲鳴が上がるなか、男は体に地球の記憶を流し込み、その体をドーパントへと変えた。

 

「ナンデスカアレハ!?」

 

可可が叫ぶ中、ドーパントは赤く染まった腕を振り上げ……って、まさか!

 

「やべぇ!」

 

ドーパントはその腕を、すぐ傍にいた葉月さんに振り下ろさんとしていた。

 

「……えっ?」

 

何が起きているかわからない様子の葉月さんに対して、凶悪な腕が振り下ろされんとした

とき。

 

「はぁっ!」

 

俺がぎりぎり間に合い、葉月さんを抱きしめてからそのまま奥に転がった。

 

「あぁ?」

 

怪訝そうな視線を向けてくるドーパントを無視し、俺は葉月さんの安全を確認する。

 

「大丈夫か!?」

「……!なんで…」

「関係ねぇよ、あんたが死にそうだったからだ」

 

そこで会話を断ち切り、

 

「一先ず逃げろ、死ぬぞ」

「ですがあなたは……」

「早く!」

「……っ」

 

葉月さんを逃がしてから、俺はドーパントに向き直る。

 

「何でここを襲った?」

「知らねぇよ、言われただけだよ」

 

言われた?……でも今はそれより……

 

「ひとまず……おまえを倒す……」

「ハッ、黙れよガキが。」

「まあそうだよ。でもな、ただのガキじゃないぜ。」

 

そういって、ロストドライバーとメモリを取り出そうとしたが。

 

「圭人くん!何してるの!逃げて!」

 

そうだよかのんたちいるじゃん!

 

「さすがに無理か……!」

 

そうつぶやき、バックダッシュでかのんたちの元へと向かう。

 

「ちょっと、何やってたの!?」

「いやしょうがないだろあいつ死にそうだったし!…って、そんなこと言ってる場合じゃないいぞどうすんだよ!?」

「どうするって…」

「この状況ダト…」

「一つしかないんじゃ…」

 

まあ、確かに。

 

「お前ら……逃げろぉぉ!」

「「「ウワァァァァ!」」」

 

俺たちは、あのドーパントに対して回れ右をこれ以上なくほどにビシッと決め、全力で逃げ出した。

 

「逃げるって言っても…どこに!?」

 

千砂都がごもっともな意見を出し、

 

「それは…校舎裏とカ…体育館裏とカ…」

 

と可可が反応し、

 

「それじゃ意味なく無い!?」

 

とかのんが突っ込み、

 

「とりあえず…遠いとこ!」

 

と俺が結論をだした。

 

「遠いとこって…どこぉぉ!?」

 

かのんの叫び声が、俺たちが最後に発した言葉だった。

 

◆◆◆◆

 

「「「「はぁ…はぁ…はぁ…」」」」

 

走ること数分、俺たちは遠いとこ───もはやどこかもわからない敷地内のどこか───まで来ていた。

 

「逃げたのは良いけど…どうすんだこれ…」

「どうするって…警察呼ぶしか無いんじゃ…」

 

俺の疑問に答えたかのんの声に、他二人も頷く。

 

だが…

 

「いや、警察じゃ無理だ。」

 

俺はそう断言した。

 

「…え…?いや…圭人くんなに言ってるの?確かに変な見た目してたけど、流石に警察が相手なら…」

 

かのんの言っていることは、ドーパントを知らない身としてはもっともだ。

 

だが、俺はドーパントを知っている。地球の記憶の力がどれ程のものか。

 

「いや…あいつは、この前仮面ライダーと戦った化け物だ。」

「ど…どうして分かるの?」

 

千砂都の質問に、一瞬だけどう答えるか考えてから、

 

「…ツイートのどれかに、化け物は何かを腕に刺した人間が変身したって書いてあった。あいつが持ってたメモリみたいなやつ…多分アレで怪物になったんだ。」

「そんな…いくらなんでも現実的じゃ…」

「いや、実際に起きてる。」

「…っ…圭人さん、なんとかならないのですか?」

 

なんとか…なりはする。ただ、問題が一つ。

 

 

 

その手段たる俺が、その方法を行使できない。

 

「なんとか…なんとかって言われても…」

 

お前らの前じゃ変身できない。

そう言いたかった。

だが…

 

ボッ…

 

「…ん…?」

「?圭人くん?どうしたの?」

「いや…なんか向こうから音が…」

「音?聞こえなかったけど…」

 

そう言っている間に、俺が聞こえた音がどんどん大きくなっていく。

しかも…

 

「ん…なんか…向こう光ってないか…?」

「え…?光ってるって……」

 

そこまで言った時、かのんの表情が変わった。

 

「…どうした…?」

「……あ…あれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃えてない…?」

 

「…え?」

 

その言葉に、俺たちは光が見える方を凝視する。

 

「ほんとだ…」

「燃えています…」

「嘘だろ…」

 

三者三様の反応を上げる中、俺は一つの結論に達していた。

 

「(確かあいつが起動したメモリ…イグナイト、とか言ってたな…確か意味は着火…つまりあいつの能力は…!)」

「あいつが…火をつけたのか…?」

 

◆◆◆◆

 

58:イッチ

〔ライブモードを起動します〕

 

59:名無し

およ?ライブ?

 

60:名無し

また急だなぁ…って、はぁ!?

 

61:名無し

ここ結ヶ丘だよな?…なんで燃えてんだ?

 

62:名無し

まさか…おいイッチ!まさかまた…

 

63:イッチ

>>62 ええそのまさかですよ!

ドーパントです!多分メモリは「イグナイト」!

 

64:名無し

イグナイト…着火する、だったか…

 

65:名無し

ってことは…結ヶ丘が燃えてるのって…!

 

66:イッチ

ええ!そのドーパントのせいですよ!

 

67:名無し

おいイッチ!行かなくて良いのか!?

 

68:イッチ

いや俺だってそうしたいんですけど!

 

これ!

 

69:名無し

ウッソだろ3人ともいるの!?

 

70:名無し

そうかその3人知らないのかイッチがライダーだって!

 

71:名無し

どうすんだ!?このままじゃマジで結ヶ丘がやばいぞ!?

 

72:イッチ

くそ…こうなったら…

 

73:名無し

イッチ?まさかお前…!

 

◆◆◆◆

 

「…みんな、これから見ることは内密に頼む!」

 

俺はスレから意識を現実世界に切り替えると、かのん達3人に言った。

 

「え…?内密って何を…」

 

困惑する3人を尻目に、俺は懐からあるものを取り出す。

 

「え…圭人くん…それって…」

 

かのんたち三人が俺の取り出したもの───ロストドライバーとビートメモリ───を見て驚いているが、俺はそれに反応することなくドライバーを腰につけ、メモリを構えた。

 

「beat!」

 

俺はメモリを起動し…

 

「変身!」

 

一声叫び、メモリをドライバーに装填、そのままスロットを展開した。

 

「beat!」

 

変身音が鳴り響き、俺の体が変わっていく。

その変化も一瞬で終わり、エフェクトが消えたときには俺は赤い姿───仮面ライダービートへと、その姿を変えていた。

 

「…け…圭人くんが…」

「仮面…ライダー…?」

 

千砂都と可可が唖然とした声を上げる中、俺は三人に向き直り、

 

「皆!ここに残っててくれ!」

 

そう言い残してから、俺はあの場所…燃えている校舎へと向かった。

 

◆◆◆◆

 

76:名無し

おい嘘だろイッチ!?

 

77:名無し

三人の前で変身しちゃったぞ!?

 

78:名無し

おいイッチ!良かったのか正体明かして!?

 

79:イッチ

いやこの状況ならしょうがないじゃないですか!

それにあのまま見過ごして結ヶ丘が燃え尽きちゃったら元も子もないですし!

 

80:名無し

まあそれもそうか!

 

ならイッチ!絶対勝ってこい!あの三人を不安にさせんなよ!

 

81:イッチ

了解です!

 

◆◆◆◆

 

俺がさっきの現場に来たときには、辺りは悲惨なことになって居た。道は焼け焦げ、校舎は今も燃えている。

俺が辺りを見渡すと、すぐにその影は見つかった。

 

赤く染まった、先程と変わらない怪人(ドーパント)

W原作に従うなら、「イグナイト・ドーパント」とでもなるのか。

俺はその思考の合間にも行動は止めず、背中からビートロッドを取り外すと、ドーパントに向かって走っていく。

 

「ハァッ!」

 

間合いに入ると同時に、ビートロッドを奴に向けて振るう。

奴は後ろからの攻撃で避けることが出来ずに、ビートメモリによるノックバック上昇効果でかなりの距離飛ばされる。

 

「ってえな…誰だ!」

 

叫ぶドーパントだが、俺の姿を今ようやくはっきりと捉えたのだろう。怯えたように一歩後ずさる。

 

「お前…まさかこの前出たっていう…!」

「ああ、知ってたか。はじめましてだな。俺が仮面ライダービート。この前の奴で合ってるぜ。」

 

その言葉で更に一歩後ずさったドーパントだったが、自身を鼓舞するかのように

 

「…かっ…仮面ライダーが何だ!結局俺にはだれも勝てねえんだよ!」

 

そう叫ぶと、同時に右手を突き出してくる。

 

すると─────奴の右手から、赤く光る熱源…つまり火球が俺に向かって飛んでくる。

 

俺はそれをビートロッドで防ぐ。

 

「ぐっ…はぁぁっ!」

 

防いだ火球を弾き、俺は奴との距離を詰める。

 

「はぁっ!」

「オラッ!」

 

こちらのロッドと向こうの拳がぶつかり合い、火花を散らす。

毎回思うのだが、ロッドと剣とか、剣と剣がぶつかって火花が出るのはわかる。

でもなんで拳がぶつかっても火花が散るのか、これがわからない。今度スレのニキたちに聞いてみよう。

そんなことを思いながら力を込め、奴の拳を押し返す。

そこから右足で前蹴りを喰らわせ、左拳でのパンチに繋げる。

 

「フッ!ダァッ!」

「グァァッッ!」

 

吹き飛ばされたドーパントに対して俺は跳躍、上方からロッドで突きを喰らわせ、更にダメージを喰らわせる。

 

「ハァッ!」

「ウッ……クソっ!だったらこれだ!」

 

そう言うとドーパントは、気が触れたかのように火球を連射する。俺はロッドと腕の装甲で防ぐが、火は生物が苦手とするものの一つ。いくら変身せていても、そのダメージをゼロにすることは出来ず、少しずつ押されていく。

 

「なんだよ、案外しょぼいじゃねぇか!このまま行かせてもらうぜ!」

 

あいつはそう言うと、更に火球の連射速度を上げる。

 

「やべぇ、このままじゃジリ貧だ…だったら…!」

 

俺はあることを思いつき、懐からあるものを取り出す。

それは、青く透き通るUSBメモリ。

俺はそのメモリのボタンを起動すると、ドライバーのマキシマムスロットに差し込んだ。

 

ocean(オーシャン)!」

「ocean! maximum drive!」

 

俺はその音声を聞き終えると、スロットのボタンを押し込んだ。

 

「ハァッ!」

 

俺が掛け声と共に腕を開くと、俺の全身から液体が───水が溢れ出す。

その水を浴びた火球は急速に勢いを衰えさせ、その姿を消した。

 

「ハァッ!?どういうことだよ!?」

 

やつが唖然とする中、俺は身体から溢れ出した水を手振りとともにドーパントにぶつける。

 

「なっ…グァァッ!」

 

火属性には水属性。相手の弱点をつくのは戦闘の基本だ。

 

「つっても、変身に使ってないメモリだからメモリブレイクは出来ないんだけどな…」

 

まあでも…

 

「…でも、隙を作るには十分だ!」

 

俺はそう叫ぶと、ビートロッドのメモリスロットに、ドライバーから取り出したビートメモリを差し込んだ。

 

「beat! maximum drive!」

「最終楽章…決めさせてもらうぜ!」

 

俺は叫び、ビートロッドのトリガーを引いた。

 

「ハァァァァァァッ!」

 

ロッドに供給された地球の記憶から繰り出す必殺の一撃、その名を…!

 

「ビート・ミュージックブレイク!」

 

俺が叩きつけたロッド、それに宿る膨大なエネルギーにドーパントの身体は耐えきれず…

 

「グアァァァァァァッ!」

 

俺が奥に着地すると同時に爆散した。

爆煙が晴れると、そこには先程の男が居た。

男の腕に合った生体コネクタから一本のメモリが排出され…コネクタから抜けきり、地面に落ちると同時に砕け散った。

 

◆◆◆◆

 

「さーて…これからどうするかなぁ…」

 

ドーパントを倒した俺は、ここからどうするかを考えようとした。

 

しかし…

 

 

ボウッ!

 

突如鳴り響いた轟音に聴覚を支配され、俺は思わずその音の方を向いた。

そこには、先程よりも勢いをまし、今にも校舎を焼き付くさんとする豪炎があった。

 

「嘘だろ…これどうすれば…」

 

突如襲った絶望感に打ちのめされそうになったが、俺はここでもう一つの音を…あまりに弱く、しかし聴き逃がせない音を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

「結ヶ丘が…私の… … の夢が…」

 

 

葉月さんだった。

 

この瞬間、俺は悟った。

彼女の、学校を思う気持ちは本物だと。

 

その瞬間、俺はなにかこの状況を打破する方法がないか考えた。

だが思いつかない。どんなに知恵を凝らしても、何も思いつかない。何も、一つも、何も…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事はない。

俺はあくまで仮面ライダーだ。

だったら考えろ。目の前で救いを求める人のために、自身の持てる全ての力を生かして考えろ。思いつけ。思い出せ。

 

 

…思い出せ…

 

「……!」

 

俺は声にならない叫びを上げた。

 

ある。この状況から、この場所を守る方法が。

 

◆◆◆◆

葉月side

 

夢だと思った。

 

夢であってほしかった。

 

私の…そしてお母様の夢であるこの学校が、こんな形で終わってしまうことが。

 

言葉にならない絶望感に押しつぶされ、地に膝をつく私の前で…

 

 

「ocean! maximum drive!」

 

目の前の人物だけは、諦めようとしていなかった。

 

彼が腰に身に着けているベルト、その右腰に何か…USBのようなものを装填すると、彼は…

 

 

青く光る両手を、結ヶ丘の校舎に向けた。

 

「…止めて…」

 

口から、そんな弱々しい声が溢れるのを聞いた。

彼が何をするのかはわからない。

 

 

ただ、あの青く光る手は、まるで先刻の怪物のように感じられた。

 

 

彼は、私の懇願を聞かず…

 

 

 

 

両手から、青く輝く液体を発射した。

 

 

「止めてぇぇぇぇぇぇ!」

 

私が叫ぶ間にも、液体はどんどん校舎に近づいていき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎を覆っていた、燃え盛る炎を消した。

 

「…え…?」

 

私が唖然とする間に、彼は手から射出される水を操り、瞬く間に火を消し終えた。

 

「…すごい…」

 

彼がしたことは、到底信じられないことだった。

あんなに燃え盛っていた炎を一瞬にして消し、しかも何事もなかったかのように振る舞っている。

 

 

 

 

 

 

だが、驚きはこれでは終わらなかった。

 

彼は右腰のスロットからUSBメモリを抜き出すと、新たに黄色いUSBメモリを取り出した。

 

builder(ビルダー)!」

「builder! maximum drive!」

 

彼は先程と同じように、USBメモリを右腰のスロットに差し込み、スロットの側面を叩いた。

 

すると、今度は黄色い光りが彼の両手に満ち、その光が校舎に達し───

 

 

 

 

 

 

 

 

燃えて焼け焦げていた校舎を、修復していった。

彼は伸びる光を操り、またしてもあっという間に校舎を直した。

 

ところどころ直りきっていない箇所もあるが、先程までの壊れように比べれば、その姿はまるで別物だった。

 

彼は修復を終えると、空高く跳躍し、すぐにどこかへ消えた。

 

 

 

 

「ありがとう…」

 

私の口から、そんな声が漏れた。

 

その声は先程とは異なり、深い安堵に満ちた声だった。




はい、いかがでしたでしょうか。

なぜ圭人が他のメモリを持っていたのかは、次週明かされます。

では、そんな次回の予告を、どうぞ。

次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士は!
「なんで圭人くんが仮面ライダーなの?」
少女の疑問と
「わかった、話すよ。」
襲折れた少年と
「とうとう脅威に、か…」
ゆらめく影…

第7話 禁じられしI/疑念は少年に
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