ラブライブ!スーパースター‼︎・響きの記憶の戦士   作:ニントという人

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投稿遅れた…申し訳ない…!
ちょっと出かける用事が重なって予約投稿できていなかった…

本編、どうぞ。


永遠のL/知識とひらめき

前回の、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!

「前回、とうとうラブライブ!東京大会の概要が発表。」

「ステージを自分たちで用意しなければいけない状況の中、現実は厳しくて……」

「どのステージも……だめデシタ………」

「……そうなんだよなあ……一体どうしたら……ってとこで、第63話、どうぞ。」

 

 

◆◆◆◆

side third

 

暗がりの中の図書館に、一つの、ひときわ暗い影が浮かび上がる。

その影は本を一冊手に取ると、己の体へと当てる。

辺りを見てみれば、彼のそばには一人の女性が、傷ついた体で横たわっている。

影が己に押し付けた本は表紙から文字が消え失せ、落ちてページが開いたものを見れば、その中身も完全な白紙になっている。

………影の真意を、知るものはいない。

 

◆◆◆◆

side圭人

 

あれから、一晩。

朝を迎えた俺は、いつものように身支度を整えていた。

なんとなしに付けっぱにしていたテレビから、最新のニュース情報が舞い込んできた。

 

『次のニュースです。昨夜未明、区の図書館が何者かによって襲撃される事件がありました。』

「……!?」

 

俺はシャツを着ようとしていた手を止め、テレビへと近づいた。

 

『現場では、40代の図書館司書が重症、そして蔵書している本の一部が白紙になっていたとのことです。警察は、多発している怪物騒動の可能性もあると見て捜査を進めています。次のニュースです。』

「…………ドーパントが………図書館を………?」

 

…俺の頭では、その行動の意図を図ることができなかった。

 

◆◆◆◆

 

思考を押し止めて学校に向かい、放課後。

いつものように部室に集まったスクールアイドル部全員の前で、かのんがホワイトボートに何やら書き込んでいた。

 

「今回のテーマは星!でどうかな!?」

「星?」

 

ホワイトボードにイラストを描いたかのんの提案に、千砂都は疑問符を返した。

 

「そのイルミネーションを見ながら思ったんだ。満天の星を、体育館いっぱいに作り出せたら素敵だなって!」

 

……あのイルミネーションっていうと………最近あの通りで作られてるやつか。確かにあれいいよね。

 

「絶対綺麗デス!」

「結ヶ丘スター、ってわけね。」

「良いと思う!」

「…でも、この規模だとすぐに準備に取り掛からないといけませんね……」

と、恋が現実的な発言をしたところで。

「そこまで!」

「…え?」

 

唐突に入ってきた第三者……✕3の声に、かのんが思わず気の抜けた声を出した。

その第三者は、昨日も会った──というかクラスメイトなのでほぼ毎日会うわけだが───なやこトリオの三人。トリオなんだから三人しか無いだろというツッコミはなしだ。

彼女らはドアをバン!と開けた後、続けてヤエが言った。

 

「ステージのことは私達に任せて、かのんちゃんたちは練習に集中!」

「でも……」

 

いくら好意からなるものとは言え、無償で手伝ってもらうことをためらうかのんに、こんどはココノが言う。

 

「準備に忙しくて、ちゃんと歌えなかったりしたら、私達が後悔するの。」

「私達、一年生だけだからさ。他の部活が大会に出たとしても、すぐ負けちゃうんだよね。」

「そのなかで かのんちゃんたちはここまで頑張ってる。」

「かのんちゃんたちは、この学校の希望なんだよ。だから応援させてほしいの!」

「みんな………」

「いい話デス!いい人たちデスゥ〜〜〜!」

 

かのんの前に飛び出た可可が涙声で叫ぶ中、すみれが言う。

 

「何泣いてんのよ……ううぅ……」

「お前が言うなデス〜〜〜ッ!」

 

………珍しく棘が弱い………てか俺も泣きそう……

 

「…じゃ、練習しよっか。」

「……うん!」

 

千砂都の声で、俺たちは寒空の元に向かった。

 

◆◆◆◆

 

「「「いってらっしゃ~い!」」」

 

なやこトリオの声に見送られながら、Liellaの5人は駆け出した。吐く息が白く染まる中、走りながらすみれは手を縮め、体を擦る。

 

「さっむぅ〜〜………」

「上海に比べれば、このぐらいどうってことないデス!」

 

隣に並んだ可可が平然と言い、二人並んで走る。

───校舎に残った俺に声が聞こえるギリギリのタイミングで、かのんの声が聞こえた。

 

「……ちぃちゃん。」

「ん?」

「私…この学校で良かった。」

「…ふふっ……」

「こんなに心がワクワクする毎日だなんて、思ってもなかった!」

「──私も!」

「私もですよ!」

 

その声を最後に、彼女らは学校を飛び出し。

………ふと校舎に目を向ければ、かつてLoveLive!と書かれた横断幕があった場所には、新たな横断幕が掲げられていた。

──『Liella! 東京大会進出』───そう書かれた横断幕が。

 

◆◆◆◆

 

その日の、夜。

俺が眠りに就こうとしていたその時、消していなかったテレビ、それに映る0時までやっているニュース番組が、新たなニュースを……しかも速報を流した。

 

『…………速報です。現在渋谷区立図書館に怪物が出現したという情報が入ってきました。現場から中継です。』

「………怪物………怪物ぅ!?」

 

俺は思わず、手に持っていた枕をとり落とした。

 

「おいおいおい中継って………何やっちゃってんの早く逃げなさいよ……!」

 

俺は思わず呟きながらも、寝間着の上から厚めのジャケットを羽織った。鍵とかを色々持ってテレビを切り、玄関のドアを開けて戸締まりをしっかりと。

アパートの二階から一階に降りる階段を下りながらスマホを操作し、俺の愛車であるハードハレーショナーを呼び出す。

生体認証で鍵を開けてバイクにまたがると、目的地へのルートを脳内ナビで浮かび上がらせ、俺はそのままハンドルのスロットルを回した。

控えめな内燃機関の音を響かせながらヘルメットを被り、俺はバイクを走らせた。

 

◆◆◆◆

 

走ること数分、俺はニュースで報道していた渋谷区立図書館へとたどり着いた。

そこには警官やマスコミが集まり、緊迫した空気が流れていた。

 

「………あそこどうやって入ろうかねえ………まずドーパント残ってんのか…?」

 

そもそも怪物がドーパントかもわかんないし…………どうすっかな………

…………そう、俺がヘルメット越しに頭を抱えていると。

─────ふと、図書館の窓がチカッと光った気がした。

最初はフラッシュライトか何かかと思ったが、それがただの光では無いことを、俺は数秒後に認識した。

光は窓を突き破って、警官たちのいる地点まで到達した。

───その光は点滅し、サイズは手のひら………そしてそれは地面にぶつかった途端───

 

「「うわああああああっ!?」」

「「「キャァァァァッ!」」」

 

───爆発。その場にいた大勢の人々が巻き込まれ、辺り一帯に爆風を撒き散らす。

 

「────っ!」

 

俺はとっさにハンドルを握り直してアクセルを入れると、そのまま図書館へと走り出した。

エンジン音を上げながら走る俺を見て、周りの人々は驚愕………いや、呆然とした表情を見せる。

それもそうだ、なにせ俺が向かっているのはついさっきどころか今爆発したところなのだ。はたから見れば、俺はただの死にたがりだろう。

────だが、生憎まだ死ぬつもりはない。

俺は片手を離してロストドライバーを取り出して腰に装着し、左手でビートメモリを持った。

 

「beat」

 

メモリのボタンを押して起動し、俺は叫んだ。

 

「──変身!」

「beat!」

 

起動したメモリをベルトのスロットに装填して展開し、俺の姿を仮面ライダーのものへと変える。

 

「仮面ライダー!?」

「本物かよ!?」

 

周囲から今度こそ驚愕の声が響く中、俺はバイクで思い切りジャンプし、ガラス張りになっている図書館の壁を突き破った。

そのままライトを付けて中に入ると、そこには一つの影があった。

ライトに照らされたその影は、体は茶色ベースで角ばっていて、所々に色とりどりの長方形が収められたような姿をしている。

───まるで、ここに立ち並ぶ本棚の様に。

 

「(本棚……ブックシェルフドーパント……とかか?でもそれだと角の攻撃が痛いぐらいの……まあ今はそれより!)………お前、何が目的だ。」

 

俺の問いに、奴が言葉で答えることはなかった。

────代わりに、奴は腕から飛ばした白い何かで、返答を返した。

 

「───っ!」

 

俺はそれを視認するや否や、足裏で音波を炸裂させ、バイクから飛び降りると同時にそれを回避する。

着弾地点となったバイクを見てみれば、そこには放射状に白い糸のようなものが張り付いていた。………つまり、蜘蛛の巣。

 

「……スパイダー・ドーパント……?でもあれってこんな見た目じゃ………」

 

俺が己の知識との齟齬に違和感を感じるも、俺は背中からビートロッドを抜いて構えた。

奴が次の行動に出る前に、俺は足、そして腕を動かした。

奴の元へと俺は駆け出し、右手を振るってビートロッドを叩きつける。

奴はそれを、腕に展開した六角形が集まった形の盾で防いだ。

 

「(………この盾、何か見覚えが………!まさか……)…ブラカワニ……カメか…?」

 

俺の記憶に残るライダーの歴史の中に、特徴が一致するライダーがいた。

コブラ、カメ、ワニ。3つの動物の力を備えた仮面ライダー、仮面ライダーオーズ・ブラカワニコンボ。奴が展開した盾が、ブラカワニコンボの腕に備えられたコウラガードナーと似たようなものであったことに気づき、それの正体に一歩近づけた気がしたのだが………

 

「(………蜘蛛と亀………共通点………動物……ぐらい?一体全体何が能力なんだよ……)」

 

冷静に考えて意味不明だ。爬虫類と節足動物で種別も全く違うし、そもそも体の特徴と全く一致していない。

………まあとにかく!

 

「ここで倒せば分かる話!」

 

俺はバックジャンプで奴から距離を取ると、右腰のマキシマムスロットにヒートメモリを装填した。

 

「heat! maximum drive!」

 

スロットのボタンを右手で叩き、俺はロッドを背中に収め、両手に炎を宿らせ走り出した。

俺は足裏に音波を炸裂させ、奴が放つ蜘蛛の巣を回避しながら、奴へとだんだん近づいていく。

奴の目前まで肉薄すると、俺は拳を握り、奴へと右フックを打ち込む。

それを甲羅で奴が防いだのを見て、俺は左腕でのアッパーを叩き込んだ。

またしてもそれは甲羅によって防がれるも、俺はそこで右足を引き、それに炎を灯す。

そして思い切り右足を蹴り上げ、奴の無防備な胴体に炎の一撃を与える。

奴はその衝撃で思い切り飛んでいき、中が空になった本棚の一つにぶつかった。

その隙きを逃すまいと、俺は再度奴へと接近。

無防備な奴の体へと、俺は炎を纏ったドロップキックを──────

 

「───シャッ!」

「なっ!?」

 

────喰ららわせようとしたところで、奴は俺に何かしら黒いものを撃ってきた。

キックの体勢に入っていた俺はそれを避けることが叶わず、正面からその衝撃とダメージを喰らった。

 

「ぐっ………一体何が……」

 

地に伏した俺が奴を見ると、奴の手には黒いボディに長い砲身(バレル)、反対側には銃床(ストック)を備えたモノ…………

………世にいうところのアサルトライフルが、奴に握られていた。

 

「アサルトライフル…!?一体どこから……」

 

俺がそう呟いたのもつかの間、奴はそれを右手で構え左手を添えると、俺へと向けて連射。

 

「どわあああっ!?」

咄嗟に俺は足裏に音波を炸裂させて右へと飛び、その銃弾の嵐を回避する。

なんとか本棚の裏に隠れるものの、そこはすでに空。しかも本がなければ向こうが見えるタイプの本棚だったため、奴が狙いをこちらにすれば、すぐさま銃弾が俺を襲う。

 

「ぐああああっ!?」

 

いくら実銃とは言えライダーにダメージ入るもんかね!?普通!?

 

「まじでメモリ教えてくんねえかね!」

 

思わず叫んでしまうも、それで奴が答えてくれるわけもない。俺はヒートメモリを引き抜くと、代わりに新たなメモリを差し込んだ。

 

「ocean! maximum drive!」

「ハァァァァァッ!」

 

俺は両手に水流を宿らせ、それを怒涛の勢いで奴へと………奴が握るアサルトライフルへとぶつけた。

あのライフルが実銃とはかけ離れたものである可能性があるとは言え、一応はライフル。ならば、発射の動力は火薬由来のものだろう。

オーシャンの力で火薬をいい感じに塗らせれば、実質的に無力化できる…………と踏んだのだが。

 

「………ハァ………」

 

奴はため息を1つつくと、目の前に巨大な…………傘のようなものを作り出した。

俺の放った水流はそれにぶつかると、持っていた膨大なエネルギーをすべてその傘にのみ伝え、その姿を消した。

 

「おいおいマジかよ……!」

 

俺は想定外の状況に唖然としながらも、その一方で必死に頭を回転させた。

今までの行動からして、能力に一貫性が無いことは明らかだ。蜘蛛、亀、重火器、傘。かけらも関連性がなく、その場その場で最適と踏んだ行動を取っているように見える。それが本当ならば、まるで生きた辞書…………

……………待てよ…?

もし俺の推測がある意味で正しく、今までの行動がすべて奴のある意味での能力…………………知識なのだとしたら。

奴の能力は、己の知識そのものの再現……ということになるのではないだろうか。体の造形は、知識の象徴としての本だと考えれば辻褄がある程度合う。

だとしたらとんでもない、奴の知識量にもよるが、わざわざ図書館を襲う辺り知識欲はだいぶ有るのだろう。そう考えれば、奴の知識はとんでも無いことに違いは無い。

 

「…………まじか……ここに来てとんでもねえやつが……」

 

俺は今までに無いほどに戦慄し、それに比例して力を再度入れ直し…………

………………と、その瞬間。

 

「……!…………ッ!」

「!?うおおっ!?」

 

奴は何を思ったのか、不意にアサルトライフルを連射した。狙いも何もない銃撃に、俺は数発銃弾を喰らうものの、それをなんとか耐え反撃へ…………

 

「……………いない……?」

 

…………俺が正面を向けば、奴の姿は消えていた。

どこかに姿を隠したのではないかと思ったものの、数十秒待っても奴は現れることもなく、こちらに何かアクションをしていることもない。

…………俺はある程度安全を確保したと確信できた時、バイクへ戻ると突き破った窓を再びくぐり、警官やマスコミの残る場所へと戻った。

 

「………!君!怪物は───」

「逃げられた!周囲に厳戒態勢を敷いててくれ!」

「わ、解った!お前連絡頼む!俺はこの辺りを探す!」

 

…………冷静に、俺って警察から捕まったりしないのかな。まあいいや。警察がいろいろ手続きしてる間にグッバーイ。

………………どこまで走っても、マスコミが執念深くついてきたのは内緒だ。




次回、ラブライブ!スーパースター!!・響きの記憶の戦士!

「雪……」
一面にきらめく白い光と
「見せて!Liella!5人の、最高のライブを!」
仲間たちが灯す橙色の光とともに
「私達の歌を………聴いてください!」
歌え、5人の光たち。

第64話 永遠のL/Song for All
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