月の姫君が異世界から来るそうですよ?   作:二色蝶

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たくさんの応募、ありがとうございました!
次回の第9話で、味方枠のキャラ名を発表いたします。
敵枠の人は少々まってくださいねww


全権支配者の秘密と試練

壮絶な星々の闘い(あそび)は終わり、再び白夜叉の私室に戻った6人。

景色がガラリとかわったせいか、先程までの壮絶な闘いが夢の様に感じてしまう中、白夜叉が気になった事を口にする。

 

「なぁ赫映よ、すこし聞きたい事があるのだが…よいか?」

「聞く分には好きにしなさい。答えるかは、内容と気分次第…だけど」

「…そうか、では聞く。おんしの〝力〟の秘密を教えてもらえんかのう?」

「おっ、その話しには興味があるな…是非とも俺も聞きたいね」

「あら、それは私も興味があるわ」

「……私も」

「黒ウサギもでございます!」

 

赫映が答えるか否か…それを口に出す前に、黒ウサギ達も是非とも知りたいと口を揃えて答え…それに不愉快な表情で返す。

便乗する行為自体はいい…では、何に対しての不愉快なのか、それは視線と表情だ。

白夜叉と黒ウサギと耀の3人は、好奇心に満ちた瞳を…飛鳥は悪戯が成功した子供のような表情で…そして最後に十六夜はニヤニヤと、これまた殴りたくなるほどの笑顔。

正直に言えば、全て十六夜のせいだと言ってもいいだろうが…なんにせよ、不機嫌になった赫映の答えは勿論…

 

「い・や・よ」

「あっ?おいおい…そんな秘密にするものじゃねーだろ?」

「言ったはずよ? 答えるかは、内容と気分次第…とな」

「ふむ、確かに言っておったな……では、この話しはどちらに分類されるのだ?」

「逆廻のニヤニヤ顔のせいだから、気分ね。あんなニヤニヤ顔で言われたら、誰も話せるモノも話せなくなるわね」

 

この言葉に、白夜叉・黒ウサギ・飛鳥・耀の4人からジト目で睨まれる十六夜。

流石にこの状況は辛いか、キングオブ問題児である十六夜も、お手上げ状態になる。

 

「悪かった、俺が悪かった。だから、この通りだ……許してくれ」

「………次に下らぬことをした場合は――――大事な息子と泣き別れさせてやるから、気をつけておきなさい?」

「………………おう」

 

十六夜にしか聞えないように、耳元で恐ろしい事を囁かれ辛うじて返事するも、顔面蒼白になる。

そんな十六夜を見て、楽しそうにクスクス笑い、少しの間楽しんだ後…話しに戻った。

 

「さて…私の〝力〟について話しだったわね。詳しく話してもいいのだけど……その内容を誰にも漏らさないと誓える?」

「それ程の内容であるのか?」

「えぇ。上位幹部ですら知らない『全権支配者を所有する者の秘密』を話すのだから」

「ツクヨミ様、チャンドラ様、ヘカテー様、帝釈天様、アルテミス様すら知らない秘密……」

「それを聞きたいなら誓いなさい。いくら月の民である黒ウサギでも、誓いなしでは聞かせるわけにはいかないわ」

 

眷属者には比較的に甘い赫映であっても、内容が内容の為に無条件で教えることは出来ない。

その場にいる白夜叉・黒ウサギ・十六夜・飛鳥・耀の5人は、互いに顔を見合わせ……そして、何かを確認し終わり頷いた。

 

「おう、誰にも漏らさないと誓うぜ」

「私も誓うわ」

「……私も」

「黒ウサギもでございます!」

「東のフロアマスターとして、サウザンドアイズの名と御旗に誓って、誰にも漏らさないとココに誓おう」

 

全員が利き手を上げ、赫映の目をしっかりと見ながら宣言した。

それを確認し終わると、赫映は静かに口を開く。

 

「それじゃぁ『全権支配者の秘密』を話すわね……まずは簡単に言うけどれ、私の〝生まれ〟が秘密になっているわ」

「〝生まれ〟がじゃと? 星霊ならば、主精霊ではないのか?」

「私は通常の星霊ではない。そもそも…普通の星霊が全権支配者なんてギフトを持っていたら、大体の星霊が持っている事になるでしょ?」

「確かに……では、おんしは何から生まれたと言うのだ?」

「星だ。全権支配者とは、意思疎通を明確にする為に、星が自らの意思で、自身を人の形に変えた存在に与えられるギフト。故に……私は月と言うなの惑星である」

「「「「「―――――」」」」」

 

赫映の爆弾発言に〝それぞれ違った意味〟で言葉を失う。

飛鳥・耀・十六夜の3人は、一体それは何の冗談だ……とファンタジー世界にまだ馴染めていない事から発生する驚愕。

黒ウサギと白夜叉は、かぐや姫がどれだけ最高位の存在なのか……その大きさに驚愕。

誰もが赫映の秘密に失っている最中、そんな事など気にも止めずに話を進める。

 

「因みに、この特殊な現象は私…月以外にも起きるのよ? とっ言っても『太陽』と『金星』の2つのみなんだけどね」

「………なぁおい。『太陽』はまだわかるが、何で残りが『金星』なんだ? 『金星』に関する修羅神仏なんて、簡単に数えられる程度しかいなくねーか?」

「そうね、確かに指で足りてしまうほどしかいないわ。だけど……その『金星』生まれの星霊が持っているギフトの名前が〝星の全権支配者〟ならば……どう?」

「〝星の全権支配者〟じゃと? それはまさか頭上に浮かぶ、星座等の事を示しているのではなかろうな?」

「正確には水星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・太陽・月以外の全星々の力を行使可能ってところね」

 

流石に予想済みなのか、全員が『やっぱりか~……』と呆れたような表情をする。

そんな表情を私に向けられても困るのよね…私が『星の全権支配者』を持っているわけじゃないんだから。

 

「さて……それじゃぁ最後にデメリットを話すわね。全権支配者のデメリットは、ずばり責任ね」

「責任がデメリット? それはどう言う意味なのかしら?」

「基本的に使用するだけならデメリットは無いの。だけどね……全権支配者を所有する者が〝死んだ場合〟、その象徴する惑星が消滅し、今まで使われた力の所有者も死ぬ」

 

この言葉に、この場の空気が凍りついた。

全員が理解してしまったのだ……全権支配者の『全権』とは『命を含む』生物としての全ての権利であり『支配者』とは、『生死』をも支配していると言う意味。

それを分かっていて、それを理解していて、それを気が遠くなる程の時間―――1人で背負っている。

1人で背負うには余りにも大きすぎるデメリットなのに、赫映は微塵にも辛いと感じていない。その姿はまるで『月の最高責任者として、全ての修羅神仏の命ぐらい、背負って当たり前だろ?』と言わんばかりだ。

 

―――背負う責任の重さを知った

 

―――器の大きさを知った

 

―――想いの強さを知った

 

―――覚悟の大きさを知った

 

誰も彼もが赫映に大きさに、何も言えなくなった。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

あまりの内容に、しばらくの間黙ってしまった5人であったが…暫くすると皆が我に帰っていった。

今日だけで何度も驚愕し、最後の最後で考えさせられるような内容だったせいか…流石に、これ以上の質問をする気を失せ、赫映への質問はこれで終了となった。

その後は問題児達が白夜叉に試される側として試練を受ける事なった。赫映と白夜叉の決闘(戯れ)を見ていた問題児達は決闘を選択する気は無く、試練を選んだのだ。

試練を行うステージは、赫映と白夜叉が決闘を起こった、水平に太陽が廻っていた世界。

そして、問題児達に与えられた試練はこのようなものであった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ギフトゲーム名 【鷲獅子の手綱】

 

 ・プレイヤー一覧

  逆廻 十六夜

  

  久遠 飛鳥

  

  春日部 耀

 

 

 ・クリア条件

 グリフォンの背に跨り、湖畔を舞う。

 

 

 ・クリア方法

 『力』『知恵』『勇気』の何れかでグリフォンに認められる。

 

 

 ・敗北条件

  降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 

 宣誓

 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

                              【サウザンドアイズ】印

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

ギアスロールが出現したと同時に、山脈から現れたのは鳥の王にして獣の王…グリフォンが現れた。

このギフトゲームのクリア条件はグリフォンに認められる事である。その方法は二つ。

そのどれもが正直言って、〝飛鳥以外〟ならクリア可能と言うほどに簡単なもの。

随分と、試練と呼べるのか分からない程の簡単な試練を出すのね……と、内容を見て呆れ返る赫映であったが、自身が参加するわけでもないので、黙って見ることにした。

 

「さて……この試練じゃが、誰が挑戦をする?」

「私がやる」

 

グリフォンを見るや否や、ビシッ!と指先まできれいに挙手をしたのは耀だった。

彼女の瞳は、さっきの白夜叉に向ける視線とは違い、グリフォンを羨望の眼差しで見つめている。

 

「OK、先手は譲ってやる。失敗するなよ」

「気を付けてね? 春日部さん」

「うん、頑張る」

 

笑みを浮かべ十六夜と飛鳥は耀を応援。

それに嬉しそうな笑みを浮かべながら答え、グリフォンの下へと歩み寄っていった。

 

「えっと…初めまして、春日部耀です」

『!!………これは驚いた。我らの言葉を解するか、娘よ』

「あの…私と誇りを賭けて勝負しませんか?」

『………なに?』

「この地平を大きく一周する間に背に乗った私を振るい落せば貴方の勝ち、落とせなければ私の勝ち…どうかな?」

『確かに娘一人振るい落せないならば私の名誉は失墜するだろう。 では娘よ、誇りの対価として…お前は一体なにを賭す?』

 

グリフォンは如何わしげに大きく鼻を鳴らして尊大に問い返す。

 

「私の命を賭けます」

 

即答だった。

耀の突拍子もない返答に黒ウサギと飛鳥から驚きの声が上がる。

 

「か、春日部さん…本気なの!?」

「だ、駄目です!!」

「貴方は誇りを賭け、私は命を賭ける。もし、転落して生きていても私は貴方の晩御飯になります。それじゃ駄目かな?」

『……ふむ』

 

グリフォンは少し考える。

耀の提案に黒ウサギと飛鳥はますます驚く。

 

「双方、下がらんか。これはあの娘から切り出した試練だぞ」

「喚くのはいいけど、下らん茶々は入れないでよね?」

「耀が覚悟をもってやってるんだ、邪魔してやるな」

 

白夜叉・赫映・十六夜の3人が、黒ウサギと飛鳥を制する。

だが、それでも黒ウサギは止まらなかった。

 

「そういう問題ではありません!! 同士にこんな分の悪いゲームを…させるわけには―――」

「素っ首切り落とされたくなければ、それ以上喚くな」

「!!!!……ひ、ひめ……さま……」

「同士だとお前は気安く口にしているが、本当にあの者を同士だと思っているのなら、激励の1つや2つ出来んのか? 誰かを信じる事もできない者が、気安く同士など口にするでない! 今の貴様の行動は…明日、耀達が闘うフォレス=ガロの雑草(ゴミ屑)となんだ差は無いと知れ!」

 

赫映の言葉にショックを受けた黒ウサギは、体育座りで、地面「の」の字を書きだした。

少々哀れにも思えるが、今回のは黒ウサギが悪いため、無視をする白夜叉と十六夜と赫映の3名。

そして、そんな事をしている間に、耀はグリフォンに跨り手綱を握っていた。

 

「始める前に一言だげ………私、貴方の背中に跨るのが夢の一つだったんだ」

『――――――そうか』

 

グリフォンは駆け出す。その強靭な四肢を十二分に使い、空を踏みしめるように走る。

その速度は既に60キロを超え、寒さに耐えながらも、まだ余裕がある。だが、それも山頂付近に行くまでの事……

山頂近くになると突然スピードを上げた。そのスピードは始めのスピードの優に数倍はくだるまい。

更にグリフォンは旋回までも加え、耀を本格的に振り落としに掛かった。

しかし、耀は負けなかった。下半身が空中に投げ出されたのにも関わらず、手綱は決して離すまいと食らいつく。

グリフォンはそんな耀を見て、最後の激しい旋回をし始めた。

それが最後のグリフォンの動きだった。

残る距離はただ純粋なスピードでグリフォンは駆け抜け、耀の勝利が決まった瞬間、手から手綱が離れた。

 

「春日部さん!?」

 

グリフォンから滑り落ちた耀はそのまま真っ逆さまに落下していく。

それを見て助けに行こうとした黒ウサギの手を十六夜が掴んだ。

 

「十六夜さん!?は、離し―――」

「待て!まだ終わってない!」

「「えっ」」

 

ふわりと耀の体が翻り、グリフォンがしていたのと同じように四肢で風を絡めとり、踏みしめるように宙に留まった。

その姿を見て飛鳥と黒ウサギは驚きの声を上げ、赫映・十六夜は笑みを浮かべていた。

 

「いやはや大したものだ。このゲームはおんしの勝利だの」

 

パチパチと白夜叉が拍手をすると、みんなが勝者である耀を称えるため、惜しみない拍手を送った。

それを聞いて、本当に嬉しいのだろう……普段感情があまり顔にでない耀が、心から笑顔を見せていた。

 

「さて……黒ウサギ。今更なんじゃが、私の店になんの用で来たのだ? 試練やら決闘を全部終わらせて聞くのもアレなんだが」

「本当に今更ですね…今日は鑑定をお願いしいに来ました」

「よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」

 

白夜叉はゲッと気まずそうな顔をする。

どうやらゲームの報酬として依頼を無償で引き受けるつもりだったようだ。

困ったように白髪を掻きあげ、着物の裾を引きずりながら十六夜たち3人の顔を両手で包んで見つめる。

 

「赫映は私に余裕で勝てる程だからよいとして………うむ、3人ともに素養が高いのは分かる。しかしこれではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトをどの程度に把握している?」

「企業秘密」

「右に同じ」

「以下同文」

「全てまるっと把握済みよ」

「うおおおおおい!? ま、まあ私と戦った赫映は兎も角、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それでは話が進まんだろうに」

「別に値段なんていらねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃないしな」

 

ハッキリと拒絶するような声音の十六夜と、同意するように頷く飛鳥と耀。

赫映は自身の力を完全に把握しているからと、大して鑑定の必要性を感じていない。

困ったようにする白夜叉は、突然妙案が浮かんだとばかりにニヤリと笑った。

 

「ふむ。何にせよ〝主催者(ホスト)〟として、何より星霊のはしくれとして試練をクリアしたおんしらには〝恩恵(ギフト)〟を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」

 

白夜叉がパンパンと柏手を打つ。すると、4人の前に光り輝く4枚のカードが現れる。

それぞれのカードには

 

コバルトブルーのカードに、逆廻十六夜

ギフトネーム:〝正体不明(コード・アンノウン)

 

ワインレッドのカードに、久遠飛鳥

ギフトネーム:〝威光〟

 

パールエメラルドのカードに、春日部耀

ギフトネーム:〝生命の目録(ゲノムツリー)

       〝ノーフォーマー〟

 

薄蘇枋のカードに、葉月赫映

ギフトネーム:〝変化の拒絶〟

       〝未来眼〟

       〝水面の瞳〟

       〝天ノ羽衣〟

       〝月の全権支配者〟

       〝等価交換〟

       〝星霊〟

       〝仏の御石の鉢〟

       〝火鼠の皮衣〟

       〝蓬莱の玉の枝〟

       〝龍の首の珠〟

       〝燕の産んだ子安貝〟

 

と書かれている。

すると黒ウサギが声を上げて驚く。

 

「そ、それはギフトカード!?」

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

 

こんな時だけ、素晴らしいチームプレーを見せる問題児3人に、黒ウサギは頭を抱えこんだ。

因みに、1人何も言わなかった赫映は、黙ってお茶を飲んでいた。

 

「ち、違います!このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超効果なカードですよ!耀さんの〝生命の目録(ゲノム・ツリー)〟だって収容可能で、それも好きなときに顕現できるのですよ!」

「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」

「だからなんで適当に――…あーもうそうです、超素敵アイテムなんです!」

 

もう投げやり気味に文句を言う黒ウサギ。

これからもずっと、こんな扱いが続いていく…

 

「そのギフトカードは、正式名称〝ラプラスの紙片〟と言ってな、全知の一端だ。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体がわかるというもの」

「へえ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」

「………なに?」

 

白夜叉は、十六夜からギフトカードを取り上げ見るや否や、一瞬で表情を劇的に変化させた。

 

「…………いや、そんな馬鹿な。〝正体不明(コード・アンノウン)〟だと……?いいやありえん、全知である〝ラプラスの紙片〟がエラーを起こすなど」

「何にせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ」

 

パシッとギフトカードを白夜叉からとりあげる。

だが、白夜叉は納得できないように怪訝な瞳で十六夜を睨んでいると、

 

「ひ…姫様。何で、このギフトをお持ちなのですか!?」

 

黒ウサギの大きな声に、思考を中断された。

のんびりとお茶を飲む赫映の背後に回り込み、カードを覗き見て驚いたのだ。

 

「おいおい……五つの難題を全部持っているのか!?」

「しかも、さっきの決闘で使用していないギフトが2つもあるわよ…」

「……チート乙」

「…なぁ赫映。この〝変化の拒絶〟と言うギフトなんじゃが……もしや、これが異形の不老不死の……」

「質問タイムは終わったから詳細は教えてあげないけど、それが異形の不老不死の正体よ」

 

あっさりと肯定した。白夜叉は、かぐや姫の事を思い出しながら、悲しそうな瞳でそれを見る。

しばらくすると背景がゲーム盤ではなく、最初にいた和室に変化していた。

そろそろ帰宅しなければいけない時間なので、十六夜達は一礼をする。

 

「今更だが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」

「あぁ、名前とか旗の話か? それなら聞いたぜ」

「なら〝魔王〟と戦わねばならんことも?」

「聞いてるわよ」

「………では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」

「そうよ。〝打倒魔王〟なんてカッコイイじゃない」

 

飛鳥の言葉になんともいえない表情を浮べる白夜叉。

元魔王としては当然だろう。

 

「〝カッコイイ〟で済む話ではないのだがの……全く、若さゆえのものなのか。無謀というか、勇敢というか。まあ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろう。それでも魔王と戦うことを望むというなら止めんが……そこの娘2人、おんしらは確実に死ぬぞ」

 

予言のように、確信を持った声色で断言する。

主催者権限(ホストマスター)〟を持つ白夜叉相手では、飛鳥も耀も言い返せない。

それだけ、物言わせぬ威圧感があった。

 

「魔王の前に様々なギフトゲームに挑んで力をつけろ。おんしら2人の力では魔王のゲームに生き残れん。嵐に巻き込まれた虫が無様に弄ばれて死ぬ様は、いつ見ても悲しいものだ」

「……ご忠告ありがと、肝に銘じておくわ。次は貴方の本気のゲームに挑みに行くから覚悟しておきなさい」

「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる、いつでも遊びに来い……ただし、黒ウサギをチップにかけてもらうがの」

「嫌です!」

 

即答全力で返した黒ウサギに、白夜叉は拗ねたように唇を尖らせる。

こうしてみれば、見た目通りの可愛い和装少女なのだが……本当に残念な女である。

 

「つれない事を言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば生涯を遊んで暮らせると保証するぞ?三食首輪付きの個室も用意するし」

「白夜叉。月の眷属者は一切の例外もなく、全て私のモノよ? そんな私のモノに首輪をつけるだなんて……肥溜めのお風呂に入りたいの?」

「じ、冗談…冗談だ。私がそんな事を、赫映姫の前で言うわけないであろう?」

「…………まぁいいわ。今回は見逃してあげけど、次はないわよ?」

「ハイ……」

「さて、黒ウサギ。私は白夜叉とちょっとギフトゲームでの景品相談とかするから、先に帰っててくれない?」

「え、あ、はい。では、明日、ギフトゲームが終わった時に向かいに行けば宜しいでしょうか?」

「そうね…そうしてちょうだい」

「わかりました。では、姫様…私たちはお先に失礼いたします」

 

行儀よくペコリと頭を下げ、黒ウサギは問題児を引き連れて、自身のコミュニティへと帰っていった。




夜中でいつも小説を書いているのですが、最近なんか妙に孤独を感じてきた。
唐突にどうしたとか思うかもだけど、なんだろうな……
外が少しずつ、寒さに向かっていっているからなのかな?

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