宵咲 奏の幼なじみ 作:もち
奏たちの音楽サークル「25時、ナイトコードで」が結成されてから約1年が経った。サークル名の理由はナイトコード*1に集合するから。遅すぎない?
「ねえ奏、午前1時からは流石に遅くないかな」
「出来れば25時って言って欲しいな」
「黙らっしゃい。夜中まで起きてるとお肌荒れちゃうよ? ってかなんでこんなにすべすべなのさ。スキンケアとかしてる?」
「す、少しは……?」
「もーずるぃぃー! うちだってちゃんとスキンケアしてこの肌なのに、奏はいっつもすべすべ。髪だってサラサラしてるし……」
「あはは……」
ドライヤーだってうちがしてあげてるせいか一人の時に「え、やる意味ある?」とか言っちゃうし……。本当に奏はずるいと思う。コンディショナーは使ってるって言うけど適当に使ってる気しかしないしトリートメントのこと聞いたら「……なにそれ」って言われたし……本当にずるいや。
才能にかまけてると痛い目見るんだぞ! うちのママなんて昔の写真とは想像できないんだからな!
……うちももしかしてああなる?
「それで、サークル活動の方はどんな感じ?」
「最近は再生数とかも伸びてきたし、『救われた』って声も増えてきたかな。あとはどうにかして広告を表示しないようにしたいけど……」
「あ、収益化してないんだ」
「うん。お金より、一人でも多く救いたいんだ」
「あはは、奏らしいや」
なんでも広告のせいで曲の余韻が消し飛ぶことがあるんだとか。うちもその経験あるな。再生リストで聞いてたら余韻に浸る間もなく「楽大M○bile!!!」って聞こえてきたこと。
その日からうちは曲聞く時は広告が流れないブラウザで聞くようにしてる。だれがプレミアム会員になんてなるもんか。広告の非表示だけで月1200円も取りやがって。バックグラウンドも動画の保存もやろうと思えばブラウザ版で出来るってのに。
ちなみに奏は入ってるらしい。「広告スキップするのも面倒だし、Music Premiumも使えるし……」とか言ってたかな。
確かに奏は他の人が作った音楽よく聞いてるからね。こないだなんてノックしても返事無かったから入ってみたら「ここで3/4に……へぇ」って独り言言ってたし、さすがに怖いよ。
「ねえ、この前オススメしてきたボカロPさんが新曲出てたよ」
「ホントに……? あ、ホントだ。ごめん永遠、今からちょっと聞くから待っててもらえる?」
「おっけー。なんかして欲しいこととかある?」
「部屋の片付け……は、無理だよね、永遠だし」
「おいこら」
クスリと笑ったあと、ヘッドホンを付けて曲を聞き始める。そして「ここのコード進行……」とか「ここの調声すご……刺さる……」とか言い出した。目もガンギマってるし夜中に出たら叫んじゃうかも。
……さて、何しよう。あの曲、少々長めで7分くらいあるからかなり暇だ。奏の様子をぼんやり眺めててもいいけど、どうせ奏のことだしお昼食べてないんだろう*2。炒飯でも作っておこう。
米ないし! 冷凍分ももうないの!? 食品が無い!! くそっ、またパスタにするか……。腹立ってきたからパクチーでも入れてやろうかな。いや入れないけど。
さすがに塩はあったしソースも作り置きしてた分があったからセーフ。けど炒飯作ろうとしてたぁらちょっと時間かかりすぎたかな。
「永遠……どこ……!!」
奏が何か言ってる気がしたけど盛り付けがまだだからもうちょっと待ってて。
「永遠!!」
奏きた。
「どうしたの奏、急に抱き着いたりして。いまお昼作ってるから待ってて」
「……永遠が、いなくなっちゃったかと思って……」
……なんだこのかわいらしい生物は。え、なにこの子、なんでこんなに可愛いの?
思わずギューッと抱きしめ返す。珍しく奏のほうから甘えてきてくれたからしばらくそうして抱きしめ合った。年に一回あるかないかわかんないレベルの甘えん坊な奏、堪能しておこう。
パスタは伸びた。
伸びたパスタを啜りながら奏と話す。
「奏さぁ、冷凍してたお米無くなったら言ってって伝えたのになんで無くなってたのさ」
「カップラーメンが無くなったから、ご飯にふりかけかけて食べてたんだけど、気づいたら……」
「奏」
「な、なに……?」
「もしかして、3食全部カップラーメンだったりする?」
「うん、カップラーメンがきれた時以外はそうだけど……」
「せめて1食はちゃんとした食事とって! そんなんじゃ体壊すよ?」
「サプリとか摂ってるから大丈夫だと思ってるんだけど……」
大丈夫なわけあるか! ただでさえ不健康な生活してるのに食事まで疎かにすると本当に体壊すんだからな!
そういったことを長々と語る。奏は「でも自炊とか無理だし……サプリで栄養だいたい取れてるし……」とか
まあうちも端から奏に自炊を求めていない。案は考えている。
「作り置きのおかず置いておくからレンジでチンして食べてね。まったく、世話が焼けるなこの音楽バカ」
「ご、ごめん……」
「いいのいいの。うちも料理してて楽しいし。……それにしたって部屋ちらかってるねー……」
「……永遠には言われたくないけど。あと日曜日に望月さん来るらしいから大丈夫。次から娘さんの方が来るらしいね」
「そうなの!? あ、そういえば穂波ちゃん宮女で見たかも。入学したばっかりなのにバイト始めても大丈夫なのかな」
ふと思い出したのは一月前くらいに見知った顔──穂波ちゃんが学校で何人かと一緒に話している様子。でも、釣り目の子に出会ったときになんだか気まずそうにしてたきがする。まあこんな話をしても仕方ないか。困ったことがあったようなら話を聞こうじゃないか。
「お母さんの方と一緒に何度か来てるから大丈夫なんじゃないかな。……困ってることあれば永遠がサポートするでしょ?」
「まーね。うちの
「むっ……でも永遠は片付けできないじゃん」
「な、それは奏もでしょ?」
「わ、私はやらないだけでやればできるから……!」
「それはできない人の常套句だよ! それに奏なんてさっきうちのこと探して甘えてきたくせに!」
「それは、だって……急にいなくなるから……神隠しとかあったかと思って……!」
「あーもう、かわいいかよこのこの~!」
「ちょ、急に抱き着かないで……!」
ゲームの方で奏は「風邪引きたくないからドライヤーしてる」みたいなこと言ってたけどこの作品だと永遠がお世話してるせいで自分でドライヤーする習慣が消えてます。なんでドライヤーするかもよく分かってないかも。
そして奏の食事事情よく分かってないので食べるのは全部カップラです。原作で言及あったりしたら独自設定ってことで許してください。大胆な改変は二次創作の特権だから……。
というか主人公の名前のせいで永遠って単語を使いにくい。ルビ振るか名前変えるかほかの単語で使うか文脈から読み取ってもらうか……名前変えようかな。
遅いくせに短くてすみません……。