姉のPCからとあるゲーム(某怒りの日)を引っ張り出して遊んでいたら世界が永劫回帰してたので獣殿と一緒に水銀とイチャイチャしてました。
ここから時代が一気に飛んでアルトリアが選定の剣を抜く所まで行きます。そのせいで年代が一気に8年飛びますが、今回は伏線ばかりで中身がありません。
前回まであんなアンケートやっておいて文章短いの舐めてると思われるでしょうが、それに関してはごめんなさい。
『前回までの軽い説明』
・一話目……ルイズが型月世界にやってくる(ズェピア同伴)
・二話目……ルイズ吸血種になる。(ズェピア退場)アルトリアと出会って共に暮らすことになる。マーリンと出会う。
・三話目……マーリンに弟子入り。リーズ登場と同時に魔術を披露。アルトリアとの模擬戦。
・マテリアル……痛い設定モリモリ。今後も増える予定。一部をギミックで隠しておきましたので見えないとは思いますが、見る場合は自己責任で。
___確かに、それは祝福の風だった。
己が見つめている丘の向こうから吹いていた。
一度だって来たことがない筈なのに、その光景と肌に感じる風を知っている。靡く髪を抑えることすら忘れ、ただこの世界を感じる。
「あれが……」
ふと、背後に何かを感じる。
石に突き刺さった装飾的な模様が描かれた一本の剣がそこにあった。草原にただ一つポツンと置かれたそれは貪欲に陽の光を浴びていた。
美しく広がる草原の背景が、その剣を引き立てるようにさざめいていた。
「おや、抜かないのかい」
剣に気を取られていて背後からの声に反応できなかった。
先程まで誰もいなかった丘に、確かにいた。いつものように何食わぬ顔で微笑む男は囁くように問いただす。
「………マーリン」
___知っていた。
___けれど、こんな場所は知らない。
___知らないはずなのに。
「それを手に取る前に、きちんと考え抜いた方がいい」
直後、その質問が自分に対してされているものではないと気づいた。
マーリンの後ろから歩んでくる金髪の誰かに向けているのだ。
「それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ……」
「いいえ……多くの人が■っていました」
声がする。
風が遮り、はっきりと聞こえない。
「それはきっと___」
ああ、やはりそうなのか。
その決断をすると予感はあった。
その先は。
あなたの総てを奪うかも知れない。
それでも、
「___間違いでは」
すべての言葉が紡がれるより前に、意識は無理やり刈り取られた。
まるで、その先を聞かせないために……。
**********************
マーリンがアルトリアを連れて家を出たのが約四年前の出来事だ。
ケイはこうなることを知っていたらしい。アルをケイに預けるときにマーリンから話をされていたようだ。
それを知らされた当時の私は十二歳。未だ情緒も制御しきれなかった頃、八つ当たり気味にケイに怒鳴り散らす愚を犯していた。
___なんで黙っていた!
そんな独りよがりな独白で、彼を追い詰めた過去を私は恥と捉えれる程度には成長した。
本当は分かっていた。
誰が一番辛くて、止めてやりたい立場に居るのかなんて。それでも、ケイはマーリンの言い分に従った。
マーリンがアルを連れて行ってすぐ、彼は私に謝罪した。荒れる私の言葉を静かに受け入れ、喚き疲れた私に誠意を込めた言葉で諭してくれたのだ。
結局のところ、私が怒りを向けるべき相手はたかが知れていた。
自室に戻り自問自答を繰り返す。
真に怒りの矛を向けるべきは誰か。
事実を隠蔽していたケイか、それは違う。
何も言わずに出たアルか、それはあり得ない。
では事の元凶のマーリンなの、かも知れない。
けれど、マーリンを恨むことすらお門違いだと分かっている。
彼がアルを連れて行った理由も、何となくではあるが察しがついていたからというのもあるのだろう。
むかし、彼が語っててくれた私やアルに固執する理由。星の運命を担う者を育てる定めを受け入れ、それを楽しむためだと彼は語っていた。
今なら分かる。マーリンはアルをこの国の王に仕立て上げようとしているんだ。
そしてそれをアルも受け入れている。
そこまでくれば自身の浅はかさ、思慮の無さに怒りを覚えるのも致し方ないだろう。
四年もともに育ち、互いに切磋琢磨し合った幼馴染みのことを分かった気でいた愚か者に対する感情など、呆れと憤怒で十分だ。
ただ、それを受け入れるのにニ年の年月が必要だったのは、私が若いが故かアルを連れて行ったあとも定期的にニヤけた面で会いに来る
それでもその後の二年でマーリンを一発ぶん殴って折り合いをつけ、自分を改めて見つめ直す。
**********************
『で、その結果がこれかい?』
全力疾走するこの身を吹き抜ける風にのってリーズの嘲笑が木霊する。
手に汗握り、恥も外聞もない逃走劇を繰り広げながら、袖の中でプラプラ揺れている匣を肘で殴りつける。
「うるっさいわね。ちょっと黙ってなさい!」
『師に稽古を厳しくしてくれと頼み、それを受け入れた彼が送った修行先はまさかの理想郷。如何に再現された贋作だとはいえ厳しいことに変わりはない』
「丁寧にご説明ありがとうございますぅ! いいからちょっとマジで黙ってなさい!!」
折り合いをつけて約二年。
一時は顔を合わせるのすらはばかられる関係だったマーリンにも頭を下げるまではいかずとも改めて稽古をつけてくれるように頼み込み、こうして新しく修行の日々が始まる……そう思っていた矢先のことである。
___
とか言って、半ば無理やり彼の再現した理想郷への擬似的な入り口へ、妙な革袋を預けられて押し込まれたのが一年半前。
そして背後から迫るどこかで見たことのある魔猪に追いかけ回されるのが五分前。
『ルイズ跳べ!』
「ッ?!」
突如大声を上げて警告するリーズの声に反応してその場から跳躍する。
死徒の脚力に物を言わせた、メイジの風上にも置けない避け方。きっとおチビのルイズの頃の自分が見たら憤慨ものだろう。
しかし考えてほしい。
「危ないわね! てかアンタ、その額の傷あの森にいた魔猪でしょ! きっとそうよ!!」
『落ち着けルイズ!』
空中での一瞬の停空を利用して、不埒な輩の面を拝むと、そこにはいつかの森で三日三晩の命がけの鬼ごっこを繰り広げた見覚えのある魔猪がいた。
カァっと頭に血が上るのがわかる。正確には死徒の体を構成する大部分は血ではなくエーテルなのだが、比喩表現としては間違いなくルイズの頭は怒髪天を衝く勢いだった。
力を有し、技を磨き、知識を蓄えた自分がたかが牙の発達した猪ごときに逃げの手段に出ていた事実に、ルイズはキレていたのだ。その怒りが貴族としての権力と魔術という、力を持つものとしてのノブレス・オブリージュから来るものではないのは確かだった。
しかしその怒りが必ずしも良い方向に向くとは誰も唱えていない。
それを分かっていたリーズは、キレて前が見えていないルイズに危機感を抱いていた。
せっかく一年と半年もの期間この理想郷(というなの戦場)で生き残ってきたのに『魔猪に対する個人的事情で死去』なんて笑い話にならないし、ロゴスリアクターとしての誇りが主人がそんな馬鹿みたいな理由で殺されてしまう事実に断じて首を振れないからだ。
『これでも聞いて落ち着け!』
「嗚呼ああゝアアアアア!!!」
鳴り響く荘厳なコントラバスの音色は、死徒であるルイズの脳を破壊する勢いで直撃した。
おおよそ年頃の女の子から出てはいけない悲鳴を上げながら、音色に伴って放たれた物理的な衝撃波で離脱する。
プラマイゼロ、むしろ平衡感覚を乱された分ルイズの損失が上回るか。
吹き飛ばされたルイズは、そのまま魔猪の頭上を飛び越えて近場を流れていたせせらぎへ頭から落下した。
標的を見失い、匂いも水の力でかき消されたルイズを魔猪はついぞ見つけることなくその場を後にした。
「はっくしゅ!……死ぬかと思ったわ」
『それはすまない。ただ他にやり方がなかったんだよ。それは理解してくれると助かる』
沸々と湧き上がる怒りを、流れに身を任せて頭を冷やすこときっかり一分。全身をびしょびしょに濡らしたルイズは、大きなくしゃみを漏らした。
リーズもあのやり方は野蛮だったと自覚があったのか、申し訳無さそうに声を落とした。
「別に怒ってはないわよ」
陸に上がり、服の水を出来るだけ絞り出す。
湿った髪をそのままに、魔猪が去っていった獣道を見つめる。
「流石は星の内海ね。擬似的な再現とはいえ環境的には変わりがないもの」
『マーリンに曰く、あの魔猪も君の記憶の再現と見て間違いないだろう。
それより急ごう。彼との約束の場所ももうすぐだろう』
言われるがままに歩を進める。
簡易的な処置で水気を切り、肌寒さを感じながら再び森へと入る。
ざわめく草木を掻き分け、ときおり飛び出してくる羽虫を避けながら進む。二年近く生活すれば慣れたもので、理想郷とは名ばかりの地獄のような場所での生活も『アリ』と思えてきた。
ともあれ出られるなら出るに越したことはないので、目的地へ向けて歩く。
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『それにしても長かったな。ひたすら南下するだけとはいえ本当に長い旅路だった』
と、リーズが述懐する。
彼女の言うとおり、この一年半は本当に長く険しいものだった。それこそ、あの演劇作家様に放置された最初の森と変わりないほどに、ここは地獄のそれだった。
全く酷い話である。
何が理想郷、何が楽園か。それを騙るのであればせめて安全は保証してほしいものである。あれか、地球は死徒に優しくても星は私を嫌っているのか。それなら話はつくが、それを納得いくかと問われれば否としか答えられない。
確かに私はこの世界の人間(?)ではない。むしろ立場でいえば勝手に住居に押し入ってるようなものだ。
だからといって死徒という星の触覚を担う存在に生まれ変わったのだから、惑星くらいは優しくしてくれたら良かったのに。
「ホントよ。娯楽もない、食事も
そう言いながら、失敗魔法で道を塞ぐ大岩を砕いて進む。
現世にいた頃だったら、魔力と魔素の性質の差でここまでの威力は出せなかった。
だがこのときばかりは理想郷に充満する大源と自分の中の小源が噛み合わさり、その威力、正確性共にハルキゲニアにいた頃と遜色ないほどだった。
『しかし、つくづく驚くよ』
『君の内側に眠る___正確には封印されているこの時代に適さない魔力と驚くほど今の君は調和が取れている。その意味が分かるかい?』
言われて気がついた。
疑念と呼ぶほどのことでもなかったからだ。正確にはおおよその原因も把握していた。私の体を巡る魔力の性質が、この神代末期のブリテンとはすごぶる相性が悪いことを。
ただそこに至るまでの致命的なまでの
世界の大部分は、今や第五架空要素に満ちている。それ自体は世界そのものが『そうあるべき』と定義したから許容出来る。私も
私の体に着目してもそれは変わらない。
人理肯定を良しとする世界に、人理否定を良しとする入れ物が紛れていても、それは『人理』という枠組みの話でしかない。死徒なる存在の一端の機能でしかないのだから、世界が構築したシナリオ通りに動く存在に対し文句を言う筋合いはないのだ。
___では、私の魂はどうだろう。
「あんたにしては随分遠回しな言いぐさね。素直に言ってみれば? マーリンのやつは私に
『気を悪くしたなら謝ろう。だがその思惑と、私の質問は直結しえない』
「それに関しては生まれとしか言えないわよ。眼を通じてしか見えないのだからアレだけど、言葉にすればその程度のことなのよ」
お互いに言葉を濁しつつ問答を繰り返す。無益なそれを繰り返す理由はどこにあるのか、それを見出すことすらあまりにも無益だろう。
実際意味なんでない。リーズが唐突に気になった質問に対して私もただ答えただけ。今この場でその問の答えを求めたところで、何かが変わるわけでもない。
『…………やめよう。また何時もの二の舞いだ』
「それもそうね」
通算
逆に考えてほしい。一年半にも及ぶ旅の中で才能ある若い魔術師が今頃になって魔術の性質に疑問を抱くものだろうか。
___それは否である。
答えのない問答に時間を浪費する。その一見至極無意味な行為こそが、私とリーズの関係を深める要因の一つであった。
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空気が、違う。
理想郷のそれとは根本から違う、時代の空気。
景色が何か変わるわけでもないそこは、ある意味最果てと同じくらいに重要な場所だ。なにせ、ここがなければ何者も理想郷へ至ることが出来ないのだから。
一箇所だけ、ほんの少し盛り上がった地面があった。先も述べたように傍目からは違和感のないそこは、『眼』を持つ者からすればようやくたどり着いた目的地であった。
「おや、予想よりお早い到着だ」
と、声がかかった。
ハッ、と後ろを振り向けば、フードを被ったその男は自分の背後に立っていた。
目元は隠れていたが、軽薄そうな薄ら笑いを浮かべる口元ははっきりと見えている。
「あんた……本物? それとも影?」
「いやぁ、ちょっとした魔術の実験でね。東洋の神秘の真似事何だけど上手くいったかな」
姿はまるきり分かれる前と同じ。感じる魔力に関しても幽世とは思えないほどに明確としていた。ただし、この目に映る真実だけは嘘を通さなかった。
情報が流れ込み、脳の処理を加速させる。キャパオーバー寸前の回路を無理やり回復させ、その込められた魔力と神秘の暴力を解析する。
頭痛と吐き気。その両方を喰らいながら必死に見つめ続けた末に、ようやっとその魔術が如何なるものかの概要を把握した。
「呆れた。アンタまさか仙人のマネ事なんて馬鹿じゃないの? 性質的にも真逆じゃない。
それとも何。採陰補陽でも試したわけ? だからそんな事できるようになったの?」
「一応補足すると別にまるきり同じじゃないよ。結果が同じなだけで過程は掠りもしないしね」
「陽神___確かそんな名前の
それは端的に言えば『実体のある分身』である。歴世眞仙體道通鑑という御伽話のような中国の古典文学の一つに、これとよく似たものが記載されている。
マーリンはその千里眼を利用し、山嶺法廷の
「君も原理さえ分かればすぐに出来るようになるよ。なにせ君は、まったくのゼロからここまで至れたのだから」
「ゼロって言うな」
私には三つの禁句が存在する。『無駄』と『無理』はズェピアの時もそうだったが、自分の存在価値を無下にされているようで非常に腹立たしい。
そして何よりも___『ゼロ』という蔑称。
「実家にいた頃から決めてるの。私のことをゼロって読んだ輩は、どこの誰だろうと例外なくぶち殺すって」
如何なる理由があろうと、私にとってその言葉は侮辱にほかならない。例えそれが愛しき家族だろうと、アルトリアであろうとその言葉を口にした瞬間。自分自身を御する隙もなく杖を抜いてしまうだろう。
「だからね。次またゼロって言ってみなさい。その場でぶち殺してあげるから」
杖先を遊ばせながら、ゆっくりと魔術回路を展開させる。赤色と桃色の入り混じった魔力の奔流が絡まるように杖へ集まる。
怒りの感情が相乗することによって今ならこいつの頭程度なら吹き飛ばせる自信がある。
「止めておくよ。今の君は本当にやりかねない」
男は両の掌を上げながら降参の意を示す。
しばらく睨み合いが続いたが、色々馬鹿らしくなった末にことの始末はつける。
「さて、それじゃあ本題に入ろう」
「___……」
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そも、この旅は本来必要はなかった。
実力をつけるといった意味ならば、確かに理に適った方法だ。何事も実戦を経なければ上達しないのも頷ける理論である。
しかし。
あくまでもこの理想郷は稀代の魔術師マーリンが創り上げた幻想。ありもしない幻想を、その実力に物を言わせ魅せた幻に過ぎない。
___御使い。
___湖。
___投棄。
あの家を出る際、マーリンが語った言葉を思い出す。一つ一つのピースを繋ぎ合わせたそこに、この旅の本当の目的が隠されていた。
「君に課した宿題はちゃんと解けたようだね」
「あんたから頼まれた理想郷の御使い……そして革袋の中身の湖への投棄…それもこれも全部アルの為だったんでしょ」
「お見事。全部正解だよ。聡明な君のことだから検討はついているだろうけれど、アレは世界の『無垢』を結晶化したものが入っていたんだ」
魔術的に見て、水とは通路のような物とされている。如何なる神話においても水を司る神は存在し、その存在意義は神話における生命を司る重要なファクターとされてきた。
無論それは現実に置き換えても同じとされる。
鏡花水月という言葉がある。これは、本来鏡に映る花や水面に反射する月は手に取ることができないという教訓を含めた言葉だが、魔術的解釈を通すと意味が違ってくる。
水とは流動するもの。それは生命の循環そのものであり、原初の母の元へ帰る帰路を意味する。
そして、その道を辿れば全ては『神秘』という幻想へと至る導なのだ。
幻想と現実が入り交じる唯一の場所。それこそが水であり、水面とはその入り口に他ない。
「よーし、これで未来における布石は整った。選定の剣の保険も作れて、星の大海に人の意志が流すのも済ませられたよ」
「星の大海? 何でこっち側で大海になるのよ。どう考えても
「『ルイズ・フランソワーズが星に捧げた』という事実が大切なんだ。無垢自体は内海に流れ出たけど、君という過程を経て……おっと」
さも口が滑ったとばかりに大げさな仕草で口を閉じる。
幸いというか何というか、それが普段とは違い本当に言ってはならない事で口を滑らせようとしていたが、ギリギリのラインで止められたという焦りが見受けられたので、深くは追求しない。もっとも問いただしたところでこの状態のマーリンが何かを話すとは思えない。
あきれた様にため息を吐きながら、何食わぬ顔で切り返した。
「それで私がこの中で過ごす間、外はどうなっていたのかしら」
「そうだね……岐点としては二つだけ」
冷や汗を隠しながら、二本の指を立てる。
「一つは先代の王が床に臥した」
先代、といえばアルトリアの父親でありこのブリテンの現国王である【ウーサー王】のことだろう。
理想郷を訪れる前から病魔に冒されているという噂は耳にしていたが、ついに本格化してしまったのだろう。一国民としては不安を覚えるが、後釜が存在すると知っている身としては意外な着地だと思った。
「アンタ、まさかアルを王にしたいからって盛ったんじゃないでしょうね」
「私が王に毒を? それこそまさかさ。むしろ王は彼女を王にすると息巻いていたよ」
なるほど。つまりはウーサー王も共犯者というものなのだろう。やはりろくでなしの輩とつるむような人間はろくでなしになるのだろう。
俗に言う類友というやつだ。
「そして二つ目が、ある意味で一つ目の延長線になるけれど。王の病気を知ったサクソン人が奮起になってることくらいだよ」
「何でサクソン人? 攻め入るメリットがほぼ無いじゃない。言ったらアレだけど、正直攻めてくるならローマとかそこら辺だと思ってた」
「さてね。私も常に
やれやれと首を振れば、マーリンは困ったように眉をひそめる。私の吟味ならいざ知らず、現在進行系のものしか覗けないマーリンではサクソン人の目的意識が何かを探れないらしい。正直疑わしいところだが、立場上内乱を抑える役も担っているので忙しいのだろう。
ただ、いつかは攻められるだろうなと思っていたので時期が早まった程度に考えればそう騒ぐほどのことじゃない。むしろアルトリアに関して特別何かあったわけじゃないと知れたので良しとしよう。
『お取り込み中失礼するが、そろそろ長話も外でしたほうがいいんじゃないか』
普段ならこのタイミングで口を挟んまないリーズを不思議に思い、袖から出してみると不自然に発光していた。
『積もる話もあるだろうが、ルイズはそろそろ限界なんだ』
「ちょっと勝手に…」
『事実だろ。君は認めたがらないがはっきり言っていつ倒れても可笑しくない』
隠しているつもりはなかった。事実今の自身の体調を鑑みて見れば立ち姿に芯が通っていない。どことなくふらふらと揺れていて、魔眼で自分を吟味せずとも明らかな疲労が見て取れた。
「いや、タイミング的にも丁度良かった」
便乗してマーリンが声上げると同時に、手に持った杖を振りかざす。
制止する間もなく放たれた魔力の奔流はここら一帯を充たし、光が充満する。あまりにも激しいそれに耐えかねて目をつむること数瞬、焼け付くような眩さが鳴りを潜めるのを待って目を開ければ、いつかの夢で見た丘が広がっていた。
「___ここは本来、
そう言って手招きを勧めた彼が指したのは、在りし日に別れて以来四年ぶりとなる再会を果たす結果となった彼女がいた。
「…………アル?」
「お久し振りですね___ルイズ」
金色の髪を靡かせ、幾許か成長した背丈と相まった凛とした瞳を備えたアルトリアがそこにいた。それでもなお、口元に浮かべた優しい笑顔はどれほど離れていようと、変わることなく私へと向けられている。
___酷く、胸騒ぎを招くものだとしても。
___その笑顔は本物なのだ。
マテリアルは随時更新します。
やっとこさ型月稿本が届いたので設定を見てみたんですが、ゼルレッチの説明を見て絶望しました。
具体的には『ゼルレッチほどの傑物でも死徒寄りの思考になるなら、流石のルイズでも吸血行為には抗えないだろう』という点です。
そもそも月姫の天才ことさっちんでさえ、衝動的に殺人してたりするからルイズが今まで我慢出来てたのが異常なんですよ。
血は……マーリンが定期的に持ってきてくれるんじゃないですかね? まぁこの設定の根底には元々ゼルレッチが人嫌いなのもあるんですけど。
それと、ルイズはスペックだけなら上位死徒に近いだけの通常種なので、マーリンの夢の中以外では日光に弱いです。でも日の下は歩けます。理由はマテリアルを読んでね♥
本来予定してた流れとしましては、ルイズは理想郷からこんなに早く出すはずではなかったのです……。
でも、これ以降だとルイズが出る機会がほとんど無くなってしまうので、今後の伏線という意味も込めてこうなりました。
Fate編のラストは構成出来てるのですが、円卓結成からヴォーティガーン討伐までの流れが思いつきません。
一応ラストに関するものとして、
とはいえFate編のラスボスはモーさんじゃないんですけどね。
勘の良い人(というか型月齧ってる人)なら一話の時点で察してるかも知れませんね。
ついにオルト出ましたねぇ!