受け継がれし絶脚   作:戦国のえいりあん

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クラシック級突入てす!
育成ストーリーにもある新年の抱負ですよ!


クラシック級
第十一話 新年の抱負


 

◯一月一日 元日 クラシック級

 

・ストームのトレーナー室

 

 新年を迎え、ドゥンケルストームはクラシック級に突入し新たな歩みを進めようとしていた。そんな時ストームのトレーナーは自室でノートパソコンを叩いていおり早朝からパソコンの画面と睨み合っていた。

 

(…ついにストームも今年からクラシック級だ。彼女を三冠ウマ娘に導くためにも俺がもっと頑張らないと!)

 

 パソコンの画面には現在のストームのデータとこれまで走ったレースから分析した様々な情報がぎっしりと詰まっている。これまで彼女と契約を結んで半年の間一緒に走ってきたがデータで見る限りストームは確実に成長し速くなっている。

 

(やっぱり、彼女の才能と能力には驚くばかりだ…デビュー前でも十分すぎるほど強かったけど、まだ成長している)

 

 そんな時、これまで目の前のレースに集中していて深く考えなかったのだが、トレーナーはずっと前から疑問に思っていたことがあったのだ。

 

(…前から疑問には思っていたけど、なんでストームはあんなにレースに慣れてるんだ?)

 

 そう、それはストームのレースにおける実戦経験についてだ。あの走り方は一言で才能があるだけで片づけていい話ではない。彼女が不自然なほどに実戦に慣れていることがトレーナーには気になっていたのだ。

 

(…あの走り方は何度もレースを走ってなければ身につかない技術だ。やっぱり地元の牧場で母親に走り方を教わったのか?)

 

 今、出せる答えは歴戦のウマ娘である彼女の母親、ドゥンケルダイナの指導があったからではないかと考えていた。そんなことを思案していたトレーナー室のドアからノック音が聞こえてくる。

 

「…トレーナー、おはよう。入ってもいいか?」

 

「ストームか?いいよ」

 

「…あけましておめでとう。今年もよろしくな」

 

「うん、あけましておめでとう。クラシック級も二人で頑張ろう」

 

 トレーナーの元にやって来たのは冬用のコートを着たドゥンケルストームだった。トレーナー室に入ったストームはトレーナーに向けてお辞儀をしながら挨拶すると部屋の中央にあるソファーに腰を下ろす。

 

「…トレーナー、餅を作ってきたんだ。よかったら食べないか?」

 

「お餅か…いいね、実は朝食をまだ食べてなかったんだ。頂こうかな、君が作ったのか?」

 

「…おう、実家から持ってきた電動餅つき機で作ったんだ。砂糖醤油餅とぜんざい…どっちがいい?」

 

「へぇ、準備がいいんだね」

 

「…まあな、正月の餅を食べるのは好きなんだ」

 

 相談した結果、ぜんざいを食べることに決まりストームは持ってきたビニール袋から安物の容器に入った白餅とぜんざい用の小豆を取り出すと室内のミニキッチンでテキパキとぜんざいを作っていく。

 

「…できたぞ、熱いから気をつけろ」

 

「ありがとう、美味しそうだ」

 

 二人は出来たてぜんざいを食べながら向かい合い、今後のトレーニングや目標レースについて話し合っていた。するとトレーナーがある雑誌をストームに見せながら話し始めた。

 

「そういえば、ストーム。これを見たか?」

 

「…なんだそれは?『月刊トゥインクル』?」

 

「ああ、今年の有力なウマ娘とレース情報が記載されてるんだ。クラシック級の三冠ウマ娘の最有力候補は誰なのか…とかね」

 

「…そうか、まあブライアンのことで記事は独占だろう」

 

「…ふふ、実はそうじゃないんだよな」

 

「……ん?」

 

 トレーナーは嬉しそうに雑誌の1ページ目をストームに見せつける。そこにはストームの姿が堂々と載せられており、"今年のクラシック級の三冠ウマ娘最有力候補である"と同時に"怪物ナリタブライアンと一騎討ち!どちらの怪物が勝利するのか…!"といった記事で一面を飾っていたのだ。

 

「…わ、私のことが載っているな。雑誌に出たのなんて初めてだぞ…この間のレースの後に撮った写真はこういうことだったのか」

 

「ああ!みんな君に期待してるんだ。二人で必ず三冠を手にしような!」

 

「…おう、頼りにしてるぞトレーナー」

 

 その後、休み明けのトレーニング予定を互いに相談し終わった時、珍しくストームからトレーナーに提案してきたのだ。

 

「…なあ、トレーナー。このあと暇か?」

 

「うん?特に予定はないけど、どうかしたのか?」

 

「…あんたがよければ、どこかに出かけないか?部屋の状況をみるにトレーナー室に籠もりっきりだったろう。気分転換に外に出るのもいいと思うんだが」

 

「…はは、ごめんね。最近、君のトレーニングのことばかり考えていたからな。ちょっと気分転換にいいかもね」

 

「…決まりだな。どこに行く?」

 

「そうだな…」

 

ーーーーーーーーー

 

○選択肢

 

・1  ストームに任せる

 

・2  図書室に行く

 

・3 近くを散歩

 

 

ーーーーーーーーー

○選択肢 1 の場合

 

 

「…私の行きたいところでいいのか?」

 

「うん、君はどこか行きたいところはあるか?」

 

「…そうだな、それじゃ…」

 

 

・河川敷のある住宅街

 

 その後、二人が訪れたのはストームのお気に入りの焼き鳥屋があるあの河川敷にやって来ていた。当初はそのボロボロの外見に案内されたトレーナーもブライアンとまったく同じ反応をしていたのだが店の中に入ってようやく焼き鳥屋であること認識したのだ。

 

「まさか、こんなところに焼き鳥屋があったなんて…」

 

「…ああ、私のお気に入りの店だ。最近はブライアンの奴もよく買いに来てるらしい」

 

「あのブライアンもか!?」

 

「…おう、昨日もウチに買いに来てくれたぜ。確か…串焼きを十本だったか?」

 

「…あいつ、よっぽど気に入ったんだな」

 

「…お前さんがストームのお嬢ちゃんのトレーナーさんか。まあ、こうして会ったのも何かの縁だ。美味いのを作るからよかったら食べてみてくれ」

 

「あ、ありがとうございます。それじゃ俺も串焼きを注文するかな」

 

 それから串焼きを数十本ほど購入したストームとトレーナーは焼きたての串焼きを頬張りながら街中を散歩していた。

 

「…!!これは美味しいね!絶妙な焼き加減と甘辛い深みのあるタレ…いくらでも食べたくなる味だ」

 

「…だろ?私のお気に入りなんだ。あんたも気に入ってくれたなら嬉しい」

 

「教えてくれてありがとな、俺も常連なるかもしれない」

 

「…ふ、腹が減ったらまた二人で買いに行くか」

 

「そうだね、酒井さんも喜ぶよ」

 

 こうしてとトレーナーはドゥンケルストームとの元日のお出かけを楽しんだのであった。ちなみにトレーナーも酒井の焼き鳥屋を大いに気に入りそれからすっかり常連客になったのだった。

 

・体力+20

 

 

ーーーーーーーーーー

 

◯選択肢2の場合

 

 

「街の図書室にでも行かいないか?」

 

「…図書室か、いいな。それじゃ早速行くとしようか」

 

 その後、二人はトレセン学園内にある図書館へと向かった。トレセン学園の図書館なだけあってかなりの広さであり本の種類も本屋と同等であり専門書や歴史書までも置いてあるのだ。室内に入ると二人はそれぞれ読みたい本を手に取り、向かい合って長机に腰を下ろす。

 

「…レースの戦術本に歴代有名ウマ娘が実践したトレーニング一覧に、アスリートに最適な食生活と身体作り…なんというか仕事の本ばかりだな」

 

「はは、前に来た時に目を通して置きたかった本だったんだ。そういう君は…"正史三國志"に"西洋英雄戦記"と"日本歴史逸話集"…歴史ものが多いね」

 

「…ああ、歴史というのは面白いぞ。先人の経験や出来事…そして現代にも語り継がれるさまざまなことわざと逸話…読んでいて興味深い」

 

「前から君はいろんなことわざを知ってるけど歴史が得意なんだな。成績も同学年の生徒の中では上位だって聞いてるよ」

 

「…授業で聞いた内容を覚えているだけだ、歴史の授業だけは興味を持って聞いてるがな」

 

「はは、君のことをまた一つ知れた気がするよ」

 

 それから二人はそれぞれの本を夕方までのんびりと読書を楽しみ元日を満喫することができたのであった。

 

・賢さ+10

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

◯選択肢3の場合

 

 

「気分転換に近くを散歩でもしようか」

 

「…散歩?まあ、あんたがそれでいいなら」

 

 その後、トレセン学園を出た二人は街中をのんびり歩きながら雑談していた。

 

「今日、君と契約した時からこれまでのトレーニング結果のデータをまとめてみたんだけど以前より少しずつだけど成長してるよ」

 

「…そうか、それはよかった」

 

「特に最高速度とスタミナの持久力は以前より上達してるよ。後は基礎能力を固めながら長所である君のスピードに磨きをかけていくつもりだよ」

 

「…ああ、特にスタミナの管理と持久力に関してはトレーナーの指導のおかげだ。前の私はそこまで深く考えずに走ってたからな」

 

「少し荒削りではあったけど基礎はすでに固まってたし、現時点でこれだけ走れれば十分すぎると思うけど…」

 

(そうだ…ちょっと聞いてみようかな)

 

 ちょうど二人きりでもあり聞くにはいいかもしれないと考えたトレーナーは疑問に思っていたことをストームに尋ねた。

 

「なあ、君のその走りは誰に習ったんだ?やっぱり、母親のドゥンケルダイナから手ほどきを受けたのか?」

 

「……あ、ああ、そうだ。走りの基礎はおふくろから教わったんだ。他にも同い年の生徒と一緒にスクールで学んだ」

 

「そうか…きっと君のお母さんはとても指導が上手い人なんだね。デビュー前の君をあそこまで強くできたんだ、トレーナーとしてもかなりの腕前だよ」

 

「…そうだな、私の自慢のおふくろだ」

 

 しかし、そんなストームを見ていたトレーナーは少し気になっていた。なんとなくだが彼女が何かを隠しているような感じがしたのだ。

 

(…?何だろう、気のせいかな)

 

「…さて、そろそろ昼だな。どこかに昼飯でも食いに行かないか?」

 

「あ、ああ、じゃあラーメンでも食べに行こうか」

 

(…何か隠していることがあるのだろうか?答えを聞くにはもっと彼女と仲良くならないと)

 

 散歩の後、二人は近くにあったラーメン屋で昼食を済ませると再びトレーナー室でクラシック級からのトレーニング内容を互いに語り合ったのだった。

 

・スキルpt+30

 

ーーーーーーーーーーーー

 

・???

 

 元日のその夜。ドゥンケルストームは夢の中でいつものあの草原の上で絶影と向かい合って立っていた。しかし、今夜のストームの目は真剣そのものでレースに出走する時と同じ雰囲気だった。

 

「…ゼツさん、今年も勝負だ」

 

『…ふふ、望むところさ。どれだけ速くなったか見せてもらうよ』

 

 そういうと絶影は首を軽く捻る。すると草原だった周囲の景色が一瞬にして変化し舞台はレース場になっていた。その場所はストームが走ったレース場である阪神レース場だが観客席は無人でフィールドにいるのはドゥンケルストームと絶影だけだ。

 

『…レース場は君が走った阪神レース場の芝1600mにしようか、準備はいいかい?』

 

「…おう、いつでも」

 

 すると両者の足元にスタートラインが刻まれると同時に絶影とストームは構えを取る。次の瞬間、どこからか戦争で使用する銅鑼の音がレース場に響き渡る。

 

 それと同時にストームと絶影が抜群のスタートダッシュを決める。

 

(…今日こそゼツさんに勝つ!)

 

 夢の中ではスタミナが減少することもなく身体への負担もないためストームは開幕から全力疾走だった。普段であれば身体の負担を考慮して力を抑えているが夢の中ならそれを気にする必要はない。

 

 今、自身が出せる最高速度でレース場を疾走するストームだったが…

 

(……くッ!追い付けない…!)

 

 スタートこそ互角だったが第一コーナーを過ぎてから絶影とストームに1バ身の差ができていた。両者とも凄まじい速さの上スタミナによる疲労がないためレースの展開は普通よりも非常に速く、あっという間に第三コーナーまで差しかった。

 

『…見事だ、以前より速くなっている。…だが、まだ無駄な動きが多い』

 

(…速い…!!やはりゼツさんは強い…!)

 

 これまでトレーナーと学んだ知識やトレーニングでの経験を活かしながら全力で走り続けるが絶影との距離はじわじわと離されていく。そして、最終的に4バ身の差をつけられ絶影の圧勝という形で今夜のレースは幕を閉じたのだ。

 

「……完敗だな、私もまだ未熟だ」

 

『…まだ改善すべきこと、学ぶことは多いよ。この4バ身という距離をどう縮めるのかが今後の課題だ』

 

「…分かった。また来年の元日に勝負だ!ゼツさん」

 

 絶影と共に夢で走る訓練を始めてから毎年の元日の夜に真剣勝負をすることが恒例になっておりストームにとっては絶影との勝負は一年間のおさらいでもあるのだ。

 

「…ゼツさん、無駄な動きが多いと言っていたな」

 

『…確かに最高速度は以前よりも速くなったけど、その分無駄な動きが増えている。速度を上げれば上げるほど動きは激しくなりスタミナの消費を早める。夢の中だから今は気にしなくていいが現実ではそうはいかない』

 

「…ああ、実戦でこの速度を出せるのは最後の直線100mだけだ」

 

『…御名答、つまり当面の課題は無駄な動きを削ぎ落とすことだ。そうすればスタミナの温存にも繋がるし最高速度で走る距離を僅かにだが延ばすことも可能だよ』

 

「…分かった、意識してやってみる。ありがとなゼツさん」

 

『…ふふ、また来年が楽しみだ。君が少しずつ速くなっていくのは見ていて楽しいよ』

 

「…来年は追いついてみせるぞ」

 

 絶影から助言を受け取ったストームはクラシック級での個人の課題を決定しトレーニングに励もうと意気込むのであった。

 

・全ステータス+10

 

 




育成で選択するのは大抵の場合、体力回復ですね…
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