受け継がれし絶脚   作:戦国のえいりあん

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短めですがアプリ版のイベントのようなミニストーリーを少し書いてみました!たまに本編の途中で入れようと思っているのでよかったら読んでみてください!


日常パート ①

 

○不良?と風紀&学級委員長   

 

・早朝 トレセン学園 正門

 

「皆さん、おはようございますッ!!」

 

「あッ!こらァー!そこのアンタ、制服が乱れてるッスよ!」

 

トレセン学園の正門にて登校する生徒たちに向けて大声を出すウマ娘が二人いた。一人は学級委員長であるサクラバクシンオーともう一人は風紀委員長のバンブーメモリーだ。毎朝、正門前に立ちバクシンオーは生徒の模範として元気いっぱいの挨拶を…バンブーは朝から風紀が乱れていないかチェックしているのだ。

 

「まったく、朝は生徒たちの服装が乱れがちッス…しっかりと自分が注意しなければッス!」

 

「さすがはバンブー先輩です!私も同じく学級委員長として誰よりも大きな声で挨拶を行い、皆さんの模範になりましょう!」

 

この二人と風紀委員たちによって今日もトレセン学園の秩序と風紀は今日も守られている。そんな時、多くの生徒たちに混じって登校するドゥンケルストームとマサキコスモスの姿があった。

 

「ふぁ~あ…寝不足やで…ううぅ…最悪やぁ…今日小テストやのに」

 

「…だから早く寝ろと言っただろ。見直しをするのは悪くないが徹夜でする必要はないだろ。…寝不足では本番で実力を発揮できないぞ」

 

「だ、だって心配やったんやさかいしゃあないやん!今回の小テストで赤点取ったらうち間違いのう追試やで!?」

 

「…普段から授業をちゃんと聞いてないあんたの自己責任だ。まあ、どうしても不安なら小テスト前に私のところへ来い。最後のチェックぐらいなら手伝おう」

 

「…うぇぇん!!ほんまにおおきになぁ!!あんたと友達でほんまによかったで!」

 

「…ああ。…まあ、退学にならないよう頑張れ」

 

「え、縁起でもあらへんこと言わんといてやぁ!!」

 

そんな何気ない会話しながら登校する二人にバクシンオーが元気いっぱいに大声で挨拶をかける。

 

「おはようございますッ!!今日も一日、学級委員長の私と共に頑張りましょう!」

 

「おはようございますぅ、バクシンオー先輩はいつも元気どすなぁ」

 

「…おはようございます」

 

二人は軽く会釈すると正門を抜け校舎へと去って行った。ところがそんな二人をバンブーメモリーが険しい表情で見つめていた。

 

「……むむ」

 

「バンブー先輩?どうされたのですか?」

 

「今日も隙なしッス…やはり手強いッスね」

 

「はて?どういうことでしょうか?」

 

するとバンブーは真剣な表情で理由を話し始めたのだが、その理由はなんとストームに関することだった。

 

「あのドゥンケルストームという一年生が他の生徒を脅しているのを見たと報告があったッス」

 

「なんとッ!それは由々しき事態です!私、これから彼女に注意しに行って来ます!」

 

「待つッス、あくまでただの噂ッスからなんの根拠もなくあの子だと決めつけるのは良くないッス!だから数週間前からずっとあの子を監視してるッスけど…」

 

「けど?」

 

「制服も乱れてないし、風紀を乱すような行為もまったくしないッス!一度声をかけてみたッスけど…すごく礼儀正しくていい子だったッス」

 

「ホントですかッ!?いかにも不良生徒のような外見をしているのに!?」

 

「…でも、火のない所に煙は立たぬとも言うッス。慎重に彼女を見極める必要があると思うッス!」

 

「むむ、仰る通りですね…では!先輩!私と一緒に彼女がどんな学園生活を送っているのか確かめてみましょう!」

 

こうして不良生徒だとバクシンオーとバンブーに勘違いされたストームは数日間、二人によって監視される日々を過ごすことになった。

 

(…何か悪寒が…気のせいか?)

 

 

・数日後 トレセン学園 教室前廊下

 

 

あれから数日後、二人は空いた時間にこっそりとストームを追跡し彼女が風紀を乱す行為をしていないか監視する毎日を送っていた。しかし、バンブーの言った通りストームは風紀を乱すような行為は一切せず特に問題がある生徒にはとても思えなかったのだ。やはり、ただの噂だったのではないかと監視をやめようと思っていた時、教室前の廊下を歩いている二人の前にある光景が目に入った。

 

「なっ…!?あれは…!」

 

「な、なんとッ!!」

 

そこにはストームが涙目になった生徒の前でノートを取り上げているような光景だった。物陰からそれを見た二人は同時に走り出しストームを止めようとする。

 

(…やっぱり、噂は本当だったッスね!!きっとあの子のノートを無理矢理取り上げて楽に勉強しようと企んでるッスよ!!)

 

「こらーー!!待ちなさいッ!!恐喝は許し…」

 

しかし、涙目の生徒から予想外の言葉が出てきたのだ。

 

「うぇぇぇん!!お願いですぅ…!ストームさんのノートを写させてくださいぃ!!」

 

「…別に構わないが、あんた今回で何度目だ?…ちゃんと頭に入れなければノートを写しても意味はないぞ。…理由によっては拒否させてもらう」

 

「す、すみませんッ!ストームさんのノート、とても分かりやすく書いてあるのですっごく勉強しやすいんです…!だ、だから…」

 

「…ならばよし、ほら、持っていけ。次の休み時間までには返せよ?」

 

「あ、ありがとうございます!やっぱりストームさんって優しいですね…!」

 

どうやら生徒にノートを写させてほしいとせがまれていたようで、ストームからノートを受け取った生徒は嬉しそうに走っていった。ストームが振り返るとそこにはバンブーとバクシンオーが唖然とした表情で立ちつくしていた。

 

「…ん?…どうも先輩方、何か私に御用ですか?」

 

「え、えっと…何でも…ないッス」

 

「す、すみません…私の勘違いでした。あ、あはは…」

 

「……?…そうだ、少し先輩方にお伺いしたいことがあるのですが」

 

「「へっ!?」」

 

「…この数日間、ずっと私を監視するように見ていたましたが…本当に何も用件は無いのですか…?」

 

この一週間尾行されていたことにも気づかれておりストームは気になって尋ねているだけなのだが二人にはストームがまるで鬼の形相のように見えているのか血の気が引いたような表情をしていた。まだ一年生の後輩であるはずの彼女からは言葉では言い現わせない威厳のような何かを感じられたのだ。

 

(こ、怖い…!怖いですッ!!で、ですが…勘違いとは言え何の非もない生徒を叱ろうとしたのは学級委員長として許せない失態ですッ!!)

 

(…や、ヤバい…めっちゃ怒ってるッス…!で、でも…今回はアタシらに非があるから怒られても仕方ないッス…ここは素直に誠心誠意で謝るッス!!)

 

(…私、何か悪いことでもしたか?この間もバンブー先輩に声をかけられたしな…)

 

すると二人は同時にストームに向かって深々と頭を下げた。しかし、何故頭を下げられたのかまったく分からないストームは思わず首を傾げた。

 

「「すみませんでしたッ(ッス)!!」」

 

「…?…??」

 

「本当に申し訳なかったッス…実は他の生徒からアンタが同級生を脅してるって噂を聞いたから、それを確かめようとしてたッス…」

 

「なので、バンブー先輩と一緒にあなたが風紀を乱すような行為をしていないか監視していたのですが…」

 

「でも、はっきり言ってアンタは風紀を乱すどころか模範生と言ってもいいぐらいの素晴らしい生徒だったッス!!」

 

「…は、はぁ…」

 

「本当に申し訳ありませんでした…あなたは学級委員長であるこの私も認めざるを得ないほどの生徒だったのです!これであなたへの疑いは晴れました。先輩!もう監視は必要ありませんね!」

 

「うん、改めて謝罪させてほしいッス!あ!風紀を乱してる生徒がいたら教えてほしいッス!よろしく頼むッスよ!」

 

こうして何度もストームに頭を下げて二人は去っていた。そんな一人残されたストームの元へ涙目になりながらテスト用紙を持ったコスモスがやって来た。

 

「スト〜ム〜!!おったおった!ホンマにおおきに〜!!見て見て、アホのうちがこないなええ点取れて…って、どないしたん?」

 

「…いや、なんでもない…よかったな、追試にならなくて」

 

(…いったいなんだったんだ?)

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

○ヒーロー好きは良い奴!

 

 

・トレセン学園 中庭

 

 

「よーし!今日も怪しいヤツはいないな!」

 

晴れやかな笑顔で頷いていたウマ娘の名はビコーペガサスだ。ストームと同じく今年からトレセン学園に入学してきた同級生であり、正義のヒーローに憧れる彼女はいつも自主的に学園内を見回り怪しい不審者などがいないかパトロールしているのだ。

 

いつものように学園内をパトロールしていたビコーだったが、彼女の視界にある一人のウマ娘が目に入った。

 

(あ!あ、アイツは…!!)

 

中庭を歩いていたのは小さな小説本を片手に持ったドゥンケルストームだった。そんなストームを物陰から警戒するようにビコーが睨めつける。

 

(またあの不良みたいなヤツだ…!そういえばバクシンオー先輩もアイツが他の生徒を脅してるって言ってたよな…?悪は許さないッ!!ヒーローのアタシがアイツをやっつけてやる!!)

 

しかし、ストームに向かって走り出そうとするが震えて足が前に出ない。

 

(…で、でも…アイツ、めっちゃ怖そうだし…アタシで勝てるかな…ううん、怖がっちゃダメだ!どんなに強いヤツが相手でもヒーローは負けないんだ…!)

 

自身の心にそう言い聞かせ勇気を出したビコーはこっそりとストームの後を追跡していった。

 

 

・トレセン学園 学園裏

 

 

ストームの後を追ってくるとそこはあまり生徒たちも訪れない学園の校舎裏だった。見つからないように追っていたせいで途中ストームを見失ってしまったビコーは警戒しながらストームを探していた。

 

(アイツ、どこに行ったんだ?こんな人気のない場所で何するつもりなんだ?)

 

周りを見渡しながら建物の角を曲がった瞬間、壁にもたれ掛かって座っていたストームとビコーの目が重なった。

 

「…あ…」

 

「……ん?」

 

ビコーを見たストームは読んでいた小説を閉じ、立ち上がると彼女の前にゆっくり歩いてくる。一方のビコーは蛇に睨まれた蛙の如く足が震えて動けなくなっていた。

 

「…あんたは…たしか、別のクラスのビコーペガサスだったか?…私に何か用か?」

 

「…う…うぅ…」

 

「…なッ!?…お、おい!どうした!?」

 

ビコーからはストームが凄まじい形相で自分を睨めつけているように見えているのか恐怖のあまり半泣き状態になっている。だが、意を決した彼女が大声で叫んだ。

 

「ほ、他の生徒を虐めるな!弱い者いじめをするヤツはアタシが許さないッ!アタシの必殺技でアンタを倒す!!」

 

「……はぁ…?」

 

「ど、どうした!!かかってこいッ!!」

 

「…いや…待ってくれ、話がまったく読めないんだが」

 

「アンタが他の生徒を虐めてるってバクシンオー先輩が言ってたんだぞ!」

 

「…ああ…そのことか、はぁ〜…まいったな…」

 

ストームはビコーに数日前の出来事の顛末を詳しく説明する。無事に誤解が解けたビコーはストームに慌てて頭を下げて謝罪していた。

 

「ホントにゴメンな、てっきりアンタが他の生徒を虐めてると思って…」

 

「…別に構わないさ、…こういうのには慣れてる」

 

「じゃあ、ストームは何でこんな人気のない所にいたんだ?」

 

「…あ〜…実はな」

 

少し頬を赤くして頭を掻きながらストームは読んでいた小説のカバーを外してビコーに見せるとその表紙を見たビコーの目が輝いていた。

 

「ああ!!これ…『ホースライダー』の小説じゃんか!」

 

「…昨日、新刊が発売されてな。こっそり読もうと思ってたんだ」

 

「アタシもこれ好きなんだ!キャロットマンと一緒によく見てるぞ!」

 

「…おぉ!あんたも好きなのか…渋くてイカすよな?…キャロットマンか、私もよく子供の頃に見ていたな」

 

実はストームが子供の頃から見ている特撮ヒーロー番組『ホースライダー』が好きなのだ。子供向けでありながら一昔前の泥臭い戦闘シーンと深い人間ドラマといった子供には少し難解だが万人でも楽しめる作品なのだ。

 

「…一応、子供向けの作品だからな。昔から私がこういうのを読んでいるといろんな奴から奇異な目で見られる。だから、人気のない場所でこっそり読むようにしている」

 

「そうだったのか…でも、別に気にすることないと思うぞ!もしストームさんのこと悪く言うヤツがいたらアタシがやっつけてやる!」

 

「…ふふ、あんたはいい奴だな…ビコー」

 

「へへ、そういうストームもな!…でも、ストームがヒーロー好きだったなんて意外だったなぁ」

 

「…まあな、そういうあんたはキャロットマンが好きなのか…あの必殺技がカッコいいよな、あのキレのある動きと炎をまとったジャンプキックは迫力があっていい」

 

「そうだよな!他の必殺技もすげーカッコいいよな!」

 

その後、ヒーロー談義で盛り上がった二人は同級生で趣味も合うことからすっかり友人となり、共に目標に向かって切磋琢磨する仲になったのだ。ちなみあれからストームが買ったヒーロー小説はビコーも読むようになりストームの元へしょっちゅう借りに来るようになったそうだ。  

 

 

ーーーーーーーーー

 

○おまけ

 

※アプリ版におけるストームのボイスを考えてみました!

 

 

○朝にログイン

 

…おはよう、よく眠れたか?今日も一日、お互いに励むとしよう

 

○昼にログイン

 

…もう昼か、この時間帯の食堂はまるで戦場だな。まあ、みんなで楽しく昼飯を食うのも悪くはないか

 

○夜にログイン

 

…一日が終わるのは早いものだな。…あんたも仕事熱心なのは感心するが明日に疲労を残すのはよくないぞ?…と言っても、私も人のことは言えないがな…

 

○親密度が一定以上

 

・…世界にはまだ見ぬ強者が大勢いるはずだ、早く戦ってみたいな。…強者との戦の駆け引き…想像するだけで胸が高鳴るぞ…!

 

・…あんたと出会ってもう随分経つ…時が過ぎるのはあっという間だな…これからも戦友として…相棒として共に歩んで行こうじゃないか。

 

・…実はいい焼き鳥屋を見つけたんだ。…あのブライアンもイチオシの味だぞ?…トレーニング終わりに一緒に食べに行かないか?

 

○通常会話

 

・…はぁ、昨夜はうまく走れなかったな。ん?ああ…実は戦場を走る夢を見たんだ。…いや、レース場じゃない…矢弾が飛び交う本物の戦場を走る夢だ。…といっても信じられないか

 

・…この学園には面白い奴が大勢いるな…退屈しなくていい。…まあ、たまについツッコミたくなる時もあるが…

 

・…こっそり練習していた笑顔をコスモスに披露したんだが、ドン引きされてしまった…何故だ…?

 

・…さっき、ブライアンとハヤヒデ先輩が楽しそうに話していた…ふふ、姉妹とはいいものだな。…私もハヤヒデ先輩のような姉が欲しかったな…

 

○着せ替え(制服)

 

…動きやすい上に着心地もいい…悪くないな…

 

○着せ替え(レース服凡庸)

 

…お洒落な服装だが…私が着ても似合わないだろう…

 

○着せ替え(勝負服)

 

…走り易さを重視した私だけの特注服だ…!

 

 

・育成時

 

 

○絶好調

 

…調子がいいな、今ならいいトレーニングができそうだ。…さあ、早く指示を頼む。

 

…なあ、まだ走っちゃ駄目なのか?…早く走りたくてウズウズしている。焦らさないで指示をくれ

 

○好調

 

…今日は気分がいいな…早速、メニューを教えてくれ

 

…脚の調子も好調だ、今日はいい記録を出せそうだな

 

○普通

 

…今日はどうする?トレーナー

 

…私はいつでもいいぞ…さあ、始めよう

 

○不調

 

…何でもない…さあ、やるか…

 

……まいったな…今日は調子が悪い…すまない…

 

○絶不調

 

………

 

…くっ…!己の感情すらコントロールできないとは…情けない…!

 

 

・レース出走前

 

 

○絶好調

 

…心配するな、いつも通り…走るだけだ

 

…さて、どんな強者がいるのか…楽しみだ…!

 

○好調

 

…戦の準備は整った…さあ、いくぞ…!

 

…任せておけ、勝ってくるさ…!

 

○普通

 

…戦場の空気…やはり落ち着くな…

 

…どんな戦なるのか…楽しみだ…

 

○不調

 

…最善は尽くす…見ていろ…

 

…どんな状態であれ…全力で走るだけだ…

 

○絶好調

 

…不覚だ…こんな状態で戦をすることになるとは…

 

…何処で何を間違えた…?…くそっ…不甲斐ない…!

 

○レース出走

 

…さあ、出陣(で)るぞ!!

 

○レース勝利(G1以外)

 

…もう終わりか…次の戦場が楽しみだな…

 

○レース勝利(G1)

 

…戦はやはり、こうでなくてはな…!

 

○レース連続出走(3連続)

 

…ちょうど走り足りないと思っていたところだ…当然、強い奴はいるんだろうな?

 

○レース連続出走(4連続)

 

…ふふ、いいぞ!!いくらでも走ってやる!…だが、"慢心に隙あり"という言葉もある。油断せずにいくぞトレーナー!

 





もう一話日常パートを書こうかな…?と考えてます! 
本編も同じく執筆中ですので、気長にお待ちください!
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