誕生ッ!鉄パイプの男!
「な、一体何もんだテメェ!ゴハァ!!」
「こいつ、不死身kげばぁ!」
「や、やめろ!!!うわぁ!!!!」
ブォン!!!
ある有名な都市伝説が存在する。 『鉄パイプの男』
鉄パイプを持ったその男は、魔法、そして物理攻撃が一切意味を成さず。その男にロックオンされたものは、気がすむまで永遠と鉄パイプで殴打される。その男の正体は、悪魔、神、死神、地獄の番人など謎に包まれている。
一部の噂によると、鉄パイプの男に出会った者は皆、今日が自分の命日だと悟るほどの威圧感を感じるとも言われている。
解析出来ない不明の怪物。脅威の存在。たった1人で世界情勢すら変える怪人。科学者が変われば呼び名も変わる。言わずと知れた謎の男。それが鉄パイプの男なのである。
長々と語ったが、なんともまあ嘘っぱちであろう都市伝説。興味をそそられれば、少しでも楽しめれば、それだけでいい様な与太話。
ただ、どんな物事においても、火のないところに煙は立たないのである。
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西暦2092年8月4日 沖縄
雲ひとつない空、燦々と光る太陽が照りつける中、1人の男がスマホを見て仰天していた。
「なーにが鉄パイプの男やぁ!!!オレの名前は村山幸生やぞ!?幸せって字が入ってんるんやぞ!?いやそんな事はいい、ふざけてんじゃあないぜ!!あれは正当防衛やろが!(過剰防衛)何で身を守っただけで都市伝説扱い受けるんですかねぇ!」
今現在。情緒不安定気味に独り言を言っているヤッベェ男は、
彼は転移させられた直後に、暴徒に襲われた。身を守るため、咄嗟に近くに落ちていた鉄パイプを使って、何とか事なきを得た。それだけなら良かったものの、原因不明の能力か、はたまた転移させた神様のいたずらか、暴徒たちの放った攻撃が意味を成さなかったのである。
放ってきた魔法の様なものは、体に当たると砕け散り、ナイフの様なものはへし曲がる。
その一部始終を誰かが見ていたのか、瞬く間に都市伝説として広まった。フードで顔が見えなかったのが不幸中の幸いだろう。
「どうなっちまったんだ。オレの体はぁ!!・・あんの愉悦神がぁ!」
ここに来るまで紆余曲折あったが、今は心を癒すために沖縄旅行に来ている。急に転移させられ、右も左も分からなかった男が、この沖縄旅行に行く為にどれほど頑張ってきたかは想像に難くはないだろう。
ああ、後、これは話しておこう。この男は十中八九、現在進行形で厨二病だろう。少し前、ただの鉄パイプを黒の聖剣と名付けようとしたところである。
「と、取り敢えずホテルに戻ろう。・・・でもなんだかなぁ〜今日に限ってすごいお偉いさんみたいな方達が大勢いたんだよ。気が引けるというかなんというか」
続けて申すが、彼が沖縄に来た理由は心身共にリフレッシュするためである。そこを履き違えてはいけない。ただ、今日に限ってお偉いさんの様な方々が、大勢沖縄に来ていたのである。
「おい!おい!痛ぇな。どこ見て歩いてんだ?」
村山幸生。長いのでサッチーと呼ぶが、サッチーはホテルに帰る為に歩いていたところ、謎の大声にびっくりして、歩みを止める。そしてこのサッチー、こと邪悪においては人一倍敏感なのである。
警戒しながら声のした方へ歩みを進めると、あろうことか大柄の男3人が年端もいかない二人の少年少女に突っかかっていた。
おっと・・・サッチーがフードを被りました。これからどうするか決めたみたいですよ。
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司波深雪は、散歩のために外に出ていた。しかし、考え事をしていた為か、はたまた相手の故意によるものか、大柄の男性にぶつかってしまった。申し訳ないと謝罪しようとしたのも束の間、すごい気迫で絡まれ、尻込みしてしまう。
目の前に居るのは、恐らく旧在日米軍遺児の第二世代。素行不良者が多いので注意せよと、沖縄の観光ガイドに書かれていた。何故考え事をしながら歩いてしまったのかと自分の行動を悔いる。
すると、ガーディアンでもあり、苦手な兄でもある彼が、自分を庇う様に前に出る。
「ああ?ガキに用はないぜ?」
「びびって声も出せないか?」
「ハッ!チキン野郎が!カッコつけてんじゃねぇぞ!」
3人の男達が、自分の兄に対し罵声を帯びせている。
(CADがあれば・・・こんな人達に勝手なこと言わせないのに・・)
「詫びを求めるつもりはないから、来た道を引き返せ。それがお互いのためだ」
暴言をものともせず、兄は強い目をしながらそう言った。
「ケッ!土下座して詫びれば勘弁してやるよ。その度胸に免じてな!!」
大柄の男の1人がそう言った瞬間。鋭いパンチを放ったかと思うと、凄まじい速度で兄が両手を使い、受け止めた。
(速い!ま、魔法使った!?いえそんな兆候はなかった)
「おもしれぇじゃねぇかクソガキ。単なる悪ふざけのつもりだったんだがなぁ」
「それでいいのか?ここからは洒落じゃ済まなくなるぞ」
そして、兄と大柄の男がファイティングポーズを取ったところで・・・
何かを引き摺る奇怪な音が聞こえてきた。
全員がその異様なオーラを感じ取ったのか、一斉にその方向を見る。
そこには、フードを深く被り、鉄パイプを地面に引きずりながら、ゆっくりこちらに歩いてくる。長身で筋骨隆々の男がみえた。
「おいおい!この暑い中フードだぁ?ハハ!テメェ感覚狂ってるんじゃないのか?」
先程、兄にパンチを放った男がバカにする様に鉄パイプを持った男に近づいた。
「お、おいジョー。に、逃げろ!!め、目の前のやつはまさか・・・!!」
「ああ?目の前のやつがなんだよ?」
ブォン!!!
リフレッシュとは一体なんだったのか。
新しい都市伝説の始まりである。
なんやぁ。このワイの厨二病が再発した様な小説は・・・