黒の剣士と紺の浮浪児   作:gobrin

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どうもです。

カイとキリトのユニークスキルが発覚し、発生不可避な決闘です。

サブタイを付けてみました。
今までのも付けました。
これからも付けることにしました。

では、どうぞ。




第十六話 決闘、ヒースクリフ

 

翌日。

 

俺、キリト、シリカの三人は、朝からエギルの店の二階に避難していた。

 

理由は単純、アインクラッド中が昨日の《事件》で持ちきりだからだ。

フロア攻略に新しいゲートの開通。それだけでも大事なのにオマケまで付いてたんだ。騒ぐのもわからなくはない。

 

――だが、俺はどうしても納得できないことがある。

ここに、今日の朝から持ちきりの話題を上げてみよう。

《軍の大部隊を壊滅させた悪魔》。

《それを相手に挑発を繰り返し怒らせるだけ怒らせて後は他人に丸投げした浮浪児改め浮気者》。

《またそれを単独撃破した二刀流使いの五十連撃と、周りでチョロついてた浮浪児改め手品師》。

 

……一つ目はまあ、多少大袈裟だが概ね事実と言っていいだろう。

大部隊ではなかったが危うく全滅だったんだからな。

 

―――問題は、残り二つだ。

内容は、百……いや一万……いや最低でも百万歩くらい譲って大目に見よう。

外から見たことをものすごい恣意的に解釈すればそうなるのかもしれないし。尾ひれが付いただけだし。

だが、だが………!これだけは譲れない!……言うぞ?俺の不満を言うぞ?

 

 

―――な ん だ こ の 名 前 !! 俺 に 恨 み で も あ ん の か !!

 

 

――以上だ。本当に声を大にして言いたい。

この世界に居る奴らは名前で俺を貶めないと気が済まないのか?そうなのか?

 

つーか浮気者て。確かに槍とか色々見せたけども。浮浪児の方が可愛げがあったぞ。不名誉過ぎる。

それに手品師とかもうペテン扱いじゃねーか失礼な。歴としたソードスキルだっての。

 

さらに俺とシリカの家、そしてキリトの家がどうやってか特定された。

早朝からキリトの方には剣士とか情報屋、俺達の家には情報屋と野次馬………。

しかもこっちの情報屋は、多分ネタを主に集めてる奴らだ。

どいつもこいつも本当に失礼だな。

 

というわけで、わざわざ転移結晶まで使ってエギルの店に逃げてきたわけだ。

キリトに訊いたら、同じ方法で脱出してきたらしい。あれを突破するのは無理だよな。だってスクラム組んでたからな。どんだけ逃がしたくねぇんだよって話だ。

 

この店の店主であるエギルは、俺達が持ち込んだアイテムを鑑定してる。

結局LAは俺が取っちまったからな。ま、売上は四人で山分けすることで話がついている。俺が独り占めするのもおかしな話だし。

んで、その山分けの一員であるアスナが時間になっても現れないんだが……すげぇ嫌な予感がする。

 

キリトに確認したところ、昨日は転移門で別れたそうだ。

それから先はどう行動するかしか知らないらしい。

今俺達がここにいることは知らせたらしいから、遅れてるのは何か理由があるんだろうが……。

 

 

「おい、キリト」

 

「ん?なんだ、カイ」

 

「少しは落ち着け。アスナが気になるのもわかるが……あいつなら大丈夫だろ。信じてやれよ」

 

 

キリトは落ち着きなくさっきからエギルに出されたお茶を飲み干しては注ぎ足し、飲み干しては……を繰り返している。

 

 

「う、うぐ……。そ、そうだな。落ち着こう、落ち着こう」

 

「そうだって。お前がそわそわしてもどうにかなるわけじゃないんだから。

なんだったらなんかして時間潰すか?こういう時はゲームがねぇのが不便だな……」

 

「いや、大丈夫だ。ありがとな、カイ」

 

「ん、そっか。いいってことよ」

 

 

キリトが本当に落ち着き、俺達は静かに待っていた。時々エギルが発狂している。そんなにいいもんあったのか。

 

 

 

 

俺達の目の前にある大きなポットが空になり、エギルの鑑定が終わったところで階段を上ってくる足音が聞こえた。

扉を開けたのは、案の定アスナだった。

 

 

「よ、アスナ……」

 

 

キリトは恐らく、遅かったじゃないか、という言葉を続けようとしたのだろうが、その言葉を呑み込んだ。

なぜならアスナは、その整った顔を蒼白にし、瞳を不安で揺らしていたからだ。

そして、二、三度唇を噛み締めた後、アスナが口を開いた。

 

 

「どうしよう、キリト君、カイ………。

大変なことに………なっちゃった………」

 

 

嫌な予感が当たった。

 

 

 

 

アスナの話を纏めるとこうだ。

 

昨日、ボス戦後にKoBのギルド本部に行ったアスナはヒースクリフにあったことを全て報告した。

その時にギルドの活動を休みたい旨も伝え、アスナは今日のギルド例会で承認されると思っていたが……。

ヒースクリフが不思議なことを言いだした。

 

『アスナ君の一時脱退を認めるなら条件がある―――キリト君とカイ君に立ち会わせてもらおう』

 

これは恐らく、奴とデュエルするということなのだろうが――。

 

 

「意味わかんねぇな。なんでアスナの脱退がそれに繋がるんだ?

しかも、奴がそんな条件を出してくることも意外だ」

 

「わたしにもわかんない……」

 

 

アスナは力なく首を振った。

ちなみに、エギルはアスナの話が始まる前に一階に突き落としている。

 

 

「それに、条件の方もそう。団長は、普段はボス攻略の作戦とかもわたし達に一任するくらいなのに……。なんでか今回に限って……」

 

 

まあ、もしかしたら『こいつを奪うなら俺を倒して行け』的なことをするつもりなのかもしれないが……しかし奴に限ってそんな……いやでもあいつ時々壊れるからな……。

 

俺もキリトも首を捻っていたが、キリトが言葉を発した。

 

 

「……ともかく、一度グランサムまで行くよ。俺が直接談判してみる」

 

 

グランサムは、KoBのギルド本部がある街だ。……俺はあの街は嫌いだけどな。

 

 

「まあ、呼ばれたなら行くのはいいけどよ……俺は基本的に口出ししねぇぞ」

 

「ん……。ごめんね、迷惑ばかりかけちゃうね……」

 

「なんでもするさ。大事な……」

 

 

と、そこで言葉を選び始めたキリトに、俺達三人の視線が突き刺さる。

 

 

「……攻略パートナーのためだからな」

 

「はぁ………」

 

「あはは……」

 

「もうっ」

 

 

俺は盛大にため息を吐き、シリカは思わずといった感じで苦笑いをする。

アスナは唇を尖らせながらも、ようやく今日初めて笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

ヒースクリフの逸話は色々あるが、特筆すべきはその防御力だ。

十字を象った一対の剣と盾も見た目からして凄そうなのだが。

俺ですら短剣装備では攻撃を耐えきれないと判断した五十七層のボス、ジェネラルキングの両手持ちの攻撃を無傷で耐えきったことからもわかるように、奴の防御力は異常だ。

あいつとデュエルすることになったら、嫌だなぁ………でも叶わない願いだろうなぁ……。

 

俺達は今、五十五層の主街区グランサムを歩いている。

この街は、《鉄の都》とも呼ばれている。

鍛冶や彫金が盛んなこの街は、街の全てが鋼鉄で作られているからだ。しかも建物のほとんどが尖塔だ。

俺は、この街の持つ冷たさがどうも好きになれない。

 

 

 

 

立ち並ぶ尖塔の間を十分ほど歩くと、一際大きな塔が目の前に現れた。

ギルド血盟騎士団の本部だな。

 

至る所――中にある物から居る奴らの行動まで――がキチッとした建物をいつまで歩くの?ってくらい歩いた俺達は、でかい鋼鉄の扉の前で立ち止まった。

 

 

「ここか……?」

 

「うん……」

 

 

キリトの質問に気乗りしない様子で答えたアスナは、意を決して扉をノックし、返事を待たずに開け放った。

 

 

「眩しっ」

 

 

開け放たれた扉から光が漏れだす。

理由は、部屋が全面ガラス張りという迷惑な仕様だったからだ。

一瞬目が眩んだじゃねーかちくしょうめ。

 

 

中央には半円形の机があり、五人の男が腰掛けていた。

左右の四人は見ねぇ顔だが、真ん中の奴はよく知った顔だ。――ヒースクリフ。やっぱ貫禄あるな。

だがなんだろう。こいつはいつもどこか観察してる感じがする。この感覚を得てから、俺の中のある仮説が主張を激しくしている。確証はねぇからまだ誰にも話したことはねぇが。

 

 

アスナは机の前まで行くと、軽く一礼した。

 

 

「お別れの挨拶に来ました」

 

 

その言葉にヒースクリフは苦笑を漏らした。

 

 

「そう結論を急がなくてもいいだろう。彼と話させてくれないか」

 

 

そう言って、こちらに向き直ってくる。

……この発言からすると、こいつはキリトへの興味の方が強そうだな。

 

 

「キリト君。最強ギルドなどと呼ばれてはいるが、うちも戦力的には常にギリギリだよ。

――なのに君は、貴重な主力プレイヤーを引き抜こうとしているわけだ」

 

「貴重なら護衛の人選に気を使った方がいいぞ」

 

「確かにな。あれは酷かった」

 

 

少々怒りを覚えたのか、キリトがぶっきらぼうに言った。

そしてそれには激しく同意する。奴はない。きっと現実世界でもなんかやってたな。

 

俺達の言葉に右端に座っている男が肩をいからせて立ち上がろうとしたのをヒースクリフが手で制した。

 

 

「クラディールは自宅で謹慎させている。迷惑をかけてしまったことは謝罪しよう。

しかし我々もサブリーダーを引き抜かれて、はいそうですかというわけにもいかない。キリト君――」

 

 

――迷惑かけられたのは俺達よりもアスナだがな。謝罪ならアスナにしろ。

 

という俺の心の声が聞こえるわけもなく、ヒースクリフの双眸がキリトを捉える。

………こいつ、俺のことも呼び出しておいて今までちらりとも見てこねぇんだがどういうつもりだ。

ちなみに、シリカもついてきている。雰囲気に押されて俺の背中に隠れ気味だが。

 

 

「ほしければ、剣で――《二刀流》で奪いたまえ。私と戦い、勝てばアスナ君を連れていくといい。だが、負ければ君が血盟騎士団に入るのだ」

 

 

こいつの目にふざけている感じは一切ない。

―――なるほど。こいつは俺達の戦い方が見たいわけか。

俺達の戦い方を見ることがアスナが一時的にでも脱退することと釣り合うくらいの価値がある――?

 

 

ただ勝つ自信があるだけという可能性もなくはないが……こいつはそういう人間には見えない。

そうなると、俺の仮説がどんどん現実味を帯びてくると言うか、それしか考えられないと言うか。

やはり、ユニークスキルの取得には何かしらの条件があるな?

どのクエストをクリアしたとかのシステム的な話ではなく、もっと俺達自身に関わる条件が。

そして、俺達のユニークスキル獲得に値するその条件を自身の目で見たい。

 

―――どうしよう。理由として申し分無いものができたぞ。こいつの性格にも合っている気がする。

仮説通りだと俺達が勝てる可能性が減る。というかむしろ無い。となればアスナを手放す可能性も低いわけか。

 

 

並列思考を切って思考に没頭していたらキリトの声が聞こえた。

 

 

「いいだろう、剣で語れというのなら望むところだ。デュエルで決着をつけよう」

 

 

………口を挟むつもりはなかったが、俺の仮説が正しいのかどうかの確認もできるかもしれないしな。

 

 

「ヒースクリフ、一つ訊きたい」

 

「カイ君か、なにかね?」

 

 

初めてこいつが俺の方を向いた。

…………マジでド突き回してやろうか。

 

 

「その条件、俺かキリトのどちらかがお前に勝てばアスナの一時脱退を認める、って解釈でいいのか?」

 

「君も私とのデュエルを受けてくれるならそうなるな」

 

「いいぜ、受けてやるよ。………お前も、その方が好都合だろ?」

 

 

俺は、確信を持って訊いた―――ようにヒースクリフには見えてくれたかな?

 

はたして、ヒースクリフは――。

 

 

「………そうだな。なら、君も負けたら血盟騎士団に入ってもらうぞ」

 

 

その静かな双眸に一瞬驚愕の色を浮かべ、瞬時にそれを消して宣告してきた。

俺は仮説をほぼ事実のレベルまで引き上げられたことに満足感を得ながら、それを隠して答えた。

 

 

「オッケー、了解だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド本部から出た俺はキリトとアスナと別れ、シリカを連れてある場所に来ていた。

 

扉を開けて、中に入る。

 

 

「おーい、来たぞー!」

 

 

あらかじめメッセージを出しておいたから俺が来ることは知っていると思うが……。

 

 

「はいはーい!よく来たわね!」

 

「よっす、リズ。ちょっと頼み事があってな」

 

 

そう、俺の目的地はリズベット武具店だ。

 

 

 

 

「あははははっ!あんた達は本当に面白いことに巻き込まれるわね!」

 

 

リズが腹を抱えて爆笑している。

事情を説明したらこうなった。

 

 

「前聞いたインゴット入手の強制クエストの話もそうだけど………はー、お腹痛い」

 

「俺達だって巻き込まれたくて巻き込まれてるわけじゃねぇよ。

それに、あのワイバーンは本当にヤバかったんだからな。俺でも気を抜けば死んでた。

しかも、あれ一回だけのクエだったみたいで嘘つき呼ばわりされるし……」

 

 

……あのクエは危険だと思ったから、一応報告したんだ。

そしたら、俺達以降に行った奴らは誰もクエストが発生しなくて、俺が嘘つき呼ばわりされた。納得いかねぇ。

 

 

「まあまあ、上質なインゴット入手できたんだからよかったじゃない。

それで?依頼はなに?」

 

 

笑うだけ笑って、やっとリズが仕事の顔になった。もう少し早く戻ってほしかった。

 

 

「ああ。研ぎの依頼と、投擲用のピックとスローイングダガーを見せてくれ」

 

「研ぎの依頼ね、わかった。てかあんた、投剣スキルも持ってるの?色々できんのねぇ」

 

「あれ?俺、リズに言ってなかったっけか?」

 

 

俺は《ヴァイヴァンタル》を渡して、残りの武器も渡すためにシステムウィンドウを操作しながらリズに尋ねる。

 

 

「言ってなかった?なにを?」

 

「俺が全種類の武器を使えること」

 

「…………は?」

 

 

ガシャン。リズが《ヴァイヴァンタル》を落とした。

 

 

「ちょ、おい!短剣落とすなよ!」

 

「え?……あ!ご、ごめん!」

 

 

リズが慌てて短剣を拾い、深呼吸してから訊いてくる。

 

 

「えーっと。もう一回言ってもらえる?」

 

「俺が全種類の武器を扱える」

 

「聞いてないわよ!」

 

「言ってなかったっけ?」

 

 

隣にいるシリカに訊いてみる。

 

 

「あたしの記憶ではありませんね。

カイさんがあたしと一緒に来たとき以外にここに来たことがなければ、ですけど」

 

「ならねぇな。わり、伝え忘れてたわ。そーゆーわけだから」

 

 

俺は使っている全武器をオブジェクト化する。

 

 

「これ全部頼むわ」

 

「ちょ、多っ!?」

 

 

リズが叫び声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

「……お、終わったわよ………」

 

 

気持ち草臥れた表情のリズが工房から出てきた。

 

 

「お疲れ。リズ、これ全部リズの自作か?」

 

「本当に疲れたわよ……。そうだけど、それがどうかした?」

 

 

俺はリズから武器を受け取り、その出来に満足して上機嫌で答える。

 

 

「いや、だとするとリズは投擲用の武器は結構いいもん置いてあるんだな」

 

「んなっ、失礼な!」

 

「カイさん、それは流石に失礼では………」

 

 

シリカにまで嗜められた。

 

 

「いや、褒めてんだって。そこらに置いてある武器一応見たけど、出来っていう面ならこいつらが一番だぞ?」

 

「〜〜〜〜!!それは!あんたの基準がおかしいのよ!!そもそもあたしの武器はちゃんと人気もある………」

 

 

………リズの怒りによるシャウトは、一時間以上続いた。

 

 

 

 

 

 

 

先日開通になった七十五層の主街区は古代ローマ風の造りだった。名前は《コリニア》。

開通直後の街はいつも賑わうが、今日は一大イベントがあるせいかいつもより喧騒が凄まじい。

 

街は四角く切り出したブロックを積んで造られていた。白い石壁が美しい光沢を放っている。

神殿のような建物や広い水路と並んでこの街の名物になりそうなものが、今俺達の目の前にあるコロシアムだ。

うってつけってことで、俺達のデュエルはそこで行われることになったのだが―――。

 

 

「………おい、アスナ」

 

「…………………」

 

「………なんだこれは」

 

「さ、さあ………」

 

 

俺達の視界内では、入り口付近で商人プレイヤーが、長蛇の列を作る見物客に怪しげなものを売っていた。

俺が聞き取れたのは、火噴きコーンと黒エール。火噴きコーンってなんだ。

 

俺の怒りの混じった声に、アスナは冷や汗を流しながら答える。

そして、キリトも気づいたようで声を上げた。

 

 

「おい、あそこで入場チケット売ってるのKoBの人間じゃないか!?

なんでこんなイベントになってるんだ!?」

 

「さ、さあ………」

 

 

そう。KoBは明らかに見世物にしていた。

 

 

「はぁ……。ま、広まったもんはしょうがねぇ。この怒りはヒースクリフに叩き込むわ」

 

「そ、その意気です、カイさん!」

 

「でもこれ、誰の仕業だ?」

 

「あ、多分経理のダイゼンさん……あの人しっかりしてるから」

 

 

俺の呟きを聞きつけたアスナが答えをくれた。でもよ――。

 

 

「これはしっかりじゃなくてちゃっかりだろ」

 

「あはは、かもね。……あ、ダイゼンさん」

 

 

顔を上げると、左右の幅が前後の幅とほぼ一緒の男が歩いてきた。

―――端的に言うと、デブだ。

 

 

「いやー、おおきにおおきに!」

 

 

そのデブが笑みを浮かべて腹を揺らしながら声をかけてきた。

 

 

「キリトはんとカイはんのおかげでえろう儲けさせてもろてます!

あれですなぁ、毎月一回くらいやってくれはると助かりますなぁ!」

 

「ざけんな!!」

 

「誰がやるか!!」

 

「ささ、控え室はこっちですわ。どうぞどうぞ」

 

 

俺達の叫びを完璧に無視して、のしのしと歩いて行く。

俺達は脱力しながらついて行った―――。

 

 

 

 

控え室は闘技場に面した小さな部屋だった。

キリトは別の部屋だ。

 

俺は立ち去ろうとしているダイゼンを呼び止める。

 

 

「おい、デブ」

 

「こらまたデブとは直球ですなぁ。どないしました?」

 

「お前みたいな抜け目ない奴、デブで十分だろ。

ヒースクリフの控え室はどこだ?」

 

「カイはんやと不思議と嫌な気持ちになりまへんなぁ。

ここの三つ隣ですわ。なにしに行かれるんで?」

 

「ちょっと訊いておきたいことがあるんだよ。

助かった、もういいぜ。オッズの調整しに行くんだろ?」

 

「おお、そうでしたそうでした。ほな」

 

「ああ」

 

 

ダイゼンが出て行ったのを見届けて、シリカに向き直る。

 

 

「さて、俺はこれからヒースクリフのとこに行ってくるけど、シリカはどうする?」

 

「あたしはここで待ってます。そんなに時間かかりませんよね?」

 

「ああ、すぐ終わる。なら待っててくれ」

 

「はい。いってらっしゃい」

 

「おう、行ってくる」

 

 

俺は控え室を後にした。

 

 

 

 

 

 

「ヒースクリフ、ちょっといいか?」

 

 

俺は控え室の扉を開け放つや否やそう言った。

 

 

「………君はノックという言葉を知っているかね?」

 

「ヒースクリフ、ちょっといいか?」

 

「………何の用かな?」

 

 

よし。選択肢を間違えると永遠に繰り返される質問攻撃が効いた。

これにはさすがのヒースクリフも太刀打ちできないか。

 

 

「あの時のじゃんけんで、戦う順番は決まったが、他の取り決めをしてなかったと思ってな」

 

「ふむ。なにかあったか?」

 

「ああ。俺はお前達のデュエルを見ていていいのか?」

 

「…………それは」

 

「それは………?」

 

「それはできれば〜☆やめてほしいって言うかぁ〜☆」

 

「…………お前、時々壊れるよな」

 

「何のことかな?」

 

「いやだから、お前時々壊れ――」

 

「何のことかな?」

 

「………いや、いい」

 

 

くそっ、さっきのをやり返された。やるな、こいつ。

 

 

「やっぱり観戦しないほうがいいか?」

 

「私の手の内が知られてしまうことになるからな。それでは面白くない」

 

「わかった。闘技場の入り口付近で待機しているが、お前達のデュエルは見ないことを約束する」

 

「そうしてもらえるとありがたい」

 

 

そこで、試合開始のアナウンスが聞こえてきた。

 

 

「おっと、もうか。早いな。試合前の時間を奪っちまって悪かったな。行ってくれ」

 

「うむ。君とのデュエルを楽しみにしている」

 

「キリトに勝つのは前提か?それは傲慢ってもんだぜ」

 

「貴重な人材を手放す気はないのでね」

 

 

そう言い残し、ヒースクリフは控え室を出て行く。

俺もシリカと合流してから行くか。

 

 

 

 

 

「お、アスナ。キリトはどうだ?」

 

「あ、カイ。うん、互角に見える」

 

「へぇ、流石キリトだな。あの聖騎士と互角か」

 

 

聖騎士ってのはヒースクリフの数ある二つ名の一つだ。

 

 

「え?カイは見ないの?」

 

「ああ、さっきヒースクリフと約束してきた。俺は観戦はしない」

 

 

シリカと手を繋いで和んでよう。

 

壁際に座り、シリカと手を繋いでくつろぐ。

 

 

「カイさん……」

 

「ん、どうした?」

 

 

目を閉じてのんびりしているとシリカが話しかけてきた。

 

 

「無理はしないでくださいね」

 

「……ああ、あんな化け物相手に無理するほど頑張るつもりはねぇよ。

実際、この勝負の意味は無くなりかけてるしな」

 

「え?それはどういう―――」

 

 

その瞬間、ワアアアアアーッ!という歓声が聞こえてきた。勝負が着いたようだ。

 

アスナが駆け出して行った。

 

 

「――終わったみてぇだな。しかもアスナのあの慌てよう、キリトが負けたか。

シリカ、この勝負はアスナが一時脱退したいってことを発端に始まってる。でもこの勝負、キリトはあっさり受けたよな?俺は、キリトが無意識の内にアスナと一緒にいたいと思ったからだと思ってる。

ということは、勝っても負けてもキリトの目的はある意味すでに達成してるんだ。だから、俺が無理することはねぇよ」

 

 

そう言うと、シリカは安心してくれたのか笑顔を向けてきた。

 

 

「安心できたか。なら、行ってくる」

 

「はい」

 

 

俺はシリカに手を振り、闘技場へと歩き出す。

 

 

 

 

 

「よ、キリト。どうだった?」

 

「………勝てなくはない。というか、俺は最後に『抜けた』と思った」

 

 

途中すれ違うキリトに声をかけてみたが……『抜けた』と思った?キリトが?なら――。

 

 

「なんで負けてんの?」

 

「最後、ヒースクリフの動きが速くなった。あれはプレイヤーには無理な気がするけど……」

 

 

……それって。

 

 

「キリト、それが起きたタイミングは?」

 

「本当に勝った、攻撃が抜けたと思った瞬間だ。

もう少しで五割になるって時に決まりそうになって……止められた」

 

 

……そうか。やっぱりそうだったか。

 

 

「そうか。あと、あいつ試合中になんか言ってたか?」

 

「………素晴らしい反応速度だなって言われたな」

 

「……そうか、反応速度か……」

 

「カイ?」

 

「ん、了解。後は俺に任せてゆっくり休んどけ。勝てるかはわかんねぇけど」

 

「ああ。気をつけろよ」

 

「おう」

 

 

キリトはアスナに軽く支えられて闘技場を後にした。

俺はそれを見届けてから、ヒースクリフの待つ中央に向かう。

 

 

――それにしても、反応速度、ね。

 

 

 

 

 

「よっす。大分追いつめられたらしいな」

 

「………不覚だ」

 

「俺も似たようなことする気満々だからその前に倒せるように頑張ってくれ」

 

「………速攻で倒してみせる」

 

「頑張れ。つーか、あれはいいのか?」

 

 

そう言って俺が指差した先には、「斬れー」「ぶっ殺せー」「潰しちゃえー」などと物騒なことを口走る侍風のオッサンと、濃い色の肌の巨漢ハゲ、ピンクの髪の女子が居た。

最前列という目立つ位置で何言ってんだあいつら。

 

 

「気にしたら、負けだよん♪」

 

「……………お前の口調もな」

 

 

その言葉を最後に、俺達は十数メートル離れる。

 

奴がウィンドウを操作し、俺の目の前にデュエル申請が現れる。

初撃決着モード。もちろん受諾。

カウントが始まる。俺は短剣を引き抜いた。

 

 

――さあ、ほぼ確信してるが、見せてもらおうか、お前が()()なのかどうか――!

 

 

雑音は聞こえなくなり、目の前の相手に極限まで集中する。

 

こいつ相手には()()で行こうか。

 

 

 

 

 

見ずともわかるカウントが零になった瞬間に俺は飛び出した。

ヒースクリフも同タイミングで突っ込んでくる。

 

俺の攻撃は、恐らく奴にはほとんど通らない。

そもそも、リーチが違いすぎる。

なら、俺が取るべき行動は―――。

 

 

「ぬんっ!」

 

 

奴が突き出してきた十字の鍔を持つ長剣が、俺のいた空間を通過する。

俺は長剣の下に深く潜り込み、ヒースクリフの脇腹を斬り裂こうとする。

この位置関係と相手の体勢なら、盾で防御することはできない。

 

 

「はっ!」

 

「ふんっ!」

 

「ちいっ!」

 

 

俺は左手を地に添えて全力で突き出し、横っ飛びで回避する。

こいつ、無理矢理長剣を引き戻して斬りつけてきやがった。やむを得ず攻撃を中断する。

 

 

「なんだお前、あの体勢から剣引き戻せるのかよ」

 

「今のは危なかったがな」

 

「はっ、そんな澄ました顔した奴に言われても、な!」

 

 

俺は飛び出して短剣スキルを使う。

俺の相棒とも言えるソードスキル、《アーマーピアス》。

奴の盾の十字目掛けて短剣を突き出す。

さあ、その盾の強さを見せてみろ――!

 

 

「ッ!堅すぎんだろ!」

 

 

ガァァァンッ!と音を響かせ、《ヴァイヴァンタル》が弾き返される。

 

マジ堅ぇ。ダメージが少ししか抜けなかった。

 

 

「君の方こそ、威力が凄まじいがねっ!」

 

 

ヒースクリフがソードスキルの輝きを纏った長剣を突き出してくる。

ギリギリで《アーマーピアス》の硬直が解け、身を屈めて回避する。

瞬時に体勢を立て直し、連撃を捌き続ける。

 

―――うーん、キリトに比べると少し遅いか?長剣でしか攻撃してきてないし、対処できなくはないな。

 

奴の長剣から輝きが消えると同時に踏み込み、攻撃までのラグと直後の硬直が一番短い技を使う。

 

 

「チェンジ!《ショート》・トゥー・《ボウス》!」

 

 

《ヴァイヴァンタル》が紺色の輝きを纏い、ヒースクリフの剣を真上に弾く。

大きく開いた右脇腹に、紺色に輝く両手剣が襲いかかる!

 

 

「ぬおっ!」

 

 

硬直が解けたらしいヒースクリフが、軌道上に無理矢理盾を捩じ込む。

体勢を崩してまで防御に回ったせいで、ヒースクリフは大きく吹き飛ばされた。

 

俺はその隙に、ウィンドウを操作。

武器を《クイックチェンジ》の対象に設定しておいた《ヴァイヴァンタル》に変える。

 

 

そういえば、クイックチェンジの説明は簡単にしかしてなかったな。

装備変更ってのは、結構面倒なんだ。

ウィンドウを開き、装備フィギュアの右手or左手セルをタップ、表示されるオプションから《装備変更》を選択、さらに表示されるストレージ窓から目的の武器を探し出し、選択してOKボタンを押すという五工程を経る必要がある。

さらに俺の場合は、選択している武器スキルも変更しなくちゃいけない。

それを合わせると六工程だ。

 

しかし、クイックチェンジなら、ウィンドウを開き、ショートカットボタンを押す、の二工程で終了する。

武器スキルの変更なんて一秒もあれば終わるので、大した問題はない。

この三工程の差は大きい。

 

しかも俺にとっては、《簡易変更》の制限にも使えるとなっちゃあ、最高の使い勝手だ。

これで、俺はほぼ常に自分の最強装備である《ヴァイヴァンタル》で戦うことが可能になったわけだ。

《簡易変更》の行き先を《ショート》にした場合は《キリング・デストロイ》が出てくるが、まあいい。

いつでも《ヴァイヴァンタル》を引き出せる方がいいからな。

 

 

 

「さて、仕切り直しだな」

 

 

俺は武器スキルを変更してヒースクリフに話しかける。

奴は、険しい顔をしていた。

 

 

「どうしたよ?」

 

 

油断なく構えながら訊いてみる。

向こうも油断なく構えながら訊き返してきた。

 

 

「うむ……。カイ君、先ほどのソードスキルは《アーマーピアス》で合っているかな?」

 

「あってるぞ。それがどうかしたか?」

 

「いやなに、威力が想像以上だったものでね。あれは短剣スキルの基本スキルだろう?それにしてはもの凄い威力だった」

 

「かの聖騎士様にお褒め頂けるとは。あの技は俺が一番使ってる技だ。ブーストもこれ以上ないってくらい掛けれる」

 

「……なるほどな。短剣一本で私とあんな攻防をできるのは君くらいのものだよ」

 

「だろうな。俺以上の奴がいるなら会ってみたいもんだ。じゃあ、行くぞッ!」

 

 

様子見は終わりだ。

 

俺が駆け出すのと同時に奴も駆け出してきた。

盾を前面に構えて、剣の様子を俺に見せない。

仕方ない。少なくとも、右に回り込めば剣の初動が見えなくても対処できるだろう。

 

俺が右に移動しようとした時―――奴が盾を動かした。

その行動に俺の警戒が一気に高まり、横移動を止める。

 

ヒースクリフは盾を水平に構えて突き出してきた。

その先端は、純白のライトエフェクトを纏っている。

まさかと思ったけど、やっぱりか――!

 

 

「うらぁっ!」

 

 

俺は、短剣スキル四連撃技《リターン・クロス》を使う。

下からの鋭い斬り上げがヒースクリフの盾を跳ね上げ、全く同じ軌道で斬り下ろされた短剣が盾を弾いて押し込む。

さらにシステムに動かされる右手を自分でも手伝い、規定の倍近い速度で右に構えられた短剣が左に向かって奔る。

それを突き出そうとしていた長剣を立てることで辛うじてヒースクリフが受ける。

翻って右に戻る短剣の一撃にもしっかり耐えきり、硬直するはずの俺に対して攻撃に移ろうとするヒースクリフの顔が、俺の言葉を聞いて引き攣った。

 

 

「チェンジ。《ショート》・トゥー・《ロング》」

 

「くっ!」

 

 

俺の《ヴァイヴァンタル》が再び紺のライトエフェクトを纏い、ヒースクリフに迫る。

 

――どうだ?このタイミングなら絶対に回避不可能だ。お前の盾は頭の上にあって、長剣は右に開こうとしている。先ほどのスピードから考えると、こちらの攻撃速度的にギリギリ間に合わない。

しかも、俺の狙いは顔。急所だ。この一撃が通れば、お前のHPは五割を下回る。使うなら、今しかないぞ――――

 

 

 

―――その時、()()()()()()

 

ほんの一瞬、奴を除いた世界が止まる。

そして、奴の頭上にあった盾が眼前に構えられ、再び時が動き出す。

 

 

ギャァァン!と、今までで一番激しい音を響かせて短剣が止められる。

俺の攻撃はまだ続くが、それはほとんど意味を成さないだろう。

短剣が掻き消え、俺の手に片手剣が現れて鋭く振り下ろされる。

しかしその一撃は、どっしり構えられた盾に阻まれ、完璧に防御されたために長い硬直に陥る。

 

いつもの《簡易変更》より長い硬直で動けない俺に、ヒースクリフの長剣が突き入れられた。

 

 

 

デュエル終了のウィンドウが開き、周りの歓声が聞こえてくる。

 

俺の身体から険しい表情で長剣を引き抜くヒースクリフに、俺は話しかけた。

 

 

「おい、後でお前の部屋に行くから居てくれよ。話がある。

どうせ、俺達にこれからのこと伝える必要があるだろ?その後にでも」

 

「………了承した。それにしても、よく私の盾の攻撃がわかったな。

初見の者は、何もできずに攻撃を受けるか、先ほどのキリト君の様にギリギリ反応して受けとめるか、回避するかなのだが。

反撃までされたのは初めてだよ」

 

「へぇ、キリトはそうやって対処したのか。

俺はあんたの一挙一動まで見てたからな。盾が動き始めた瞬間に、警戒してたよ。

武器防御スキルなんてものがあるんだ。ユニークスキルなら盾で攻撃できても不思議じゃない」

 

「……見事だ。それに最初の攻防も見事なものだった。

私の攻撃をしっかり見極め懐に入り込むだけでなく、私の反撃も見て負けると瞬時に判断し回避した。

さらに言えば、最初の変更で両手剣を選択したのは私に距離を取らせるためだったのだろう?

素晴らしい状況判断能力だ」

 

「お、そこまでバレてたのか。ま、そうだな。それも狙ったな。

――そろそろ戻るか。じゃ、後でな」

 

「――うむ。団長室で待っている」

 

 

そう言葉を残して、ヒースクリフは控え室へ消えて行った。

 

 

 

「カイさん!」

 

「お、シリカ。悪いな、負けちまったよ」

 

「そんなことはどうでもいいんです!それより、大丈夫ですか!?」

 

 

闘技場を出ると、心配そうな瞳をしたシリカが待っていた。

手を引いて歩きながら、質問に答えることにする。

 

 

「ああ。大丈夫だ。これからヒースクリフに会いに行ってくるから、どっかで待っててもらうことになるけど……」

 

「心配なので、一緒について行きます。と言っても、部屋には入れないでしょうけど……」

 

「そうか、わかった。なら、キリト達と合流して、さっさと行ってさっさと帰ろうか」

 

「はい。……あたしも血盟騎士団に入れないのかな……」

 

「んー、入りたいなら俺が訊いておこうか?どうせ団長様に会いに行くんだし」

 

「あ、ぜひお願いします!」

 

「あいよ。ダメだったら、ごめんな。でも、できたらいいな。そうすれば一緒に居られる」

 

「はい、そうですね!」

 

 

シリカの顔が笑顔に戻った。

うん、可愛い子は笑ってるのが一番だ。

 

 

「じゃあ、行こうか」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

キリトと合流して場所は団長室。

 

そこで、俺達はヒースクリフと向かい合っていた。

シリカとアスナは部屋の外で待ってる。

 

 

「さて、私は君達二人に勝利したわけだが……」

 

 

……うわ、やべぇ。この言い方ムカつく。

 

 

「君達には約束通り、血盟騎士団に入ってもらう。

だが、いきなり今からというのも大変だろう。二日の準備期間を与える。

それで準備を終え、三日後から攻略に参加してくれ。以上だ」

 

「話は終わりか?」

 

「うむ」

 

 

ヒースクリフに確認を取る。

―――ここからは、別の話だ。

 

 

「そうか。なら、キリトは先に戻っててくれ。俺はちょっとこいつに話がある」

 

「話?話ってなんだ?」

 

「シリカが血盟騎士団に入りたいって言ってくれてな。

嬉しいし無碍にするわけにもいかないから、ちょうどいいからこいつに訊いておこうと思って。

どうだ、すぐ終わりそうか?」

 

 

俺の意思を読み取れと言わんばかりの眼力でヒースクリフを睨みつける。

それが伝わったのか、

 

 

「――うむ、長くなるな。少なくとも待っている人間がいれば手持ち無沙汰にはなるだろう。

なら、キリト君は退室したまえ」

 

「うーん、そういうことならわかった。じゃあな、カイ。お疲れ」

 

「おう、お疲れ。悪かったな、勝てなくて」

 

「それは俺もだ」

 

 

苦笑いを残して、キリトは部屋を出て行った。

 

 

「さて、と。シリカの血盟騎士団入りは可能なのか?」

 

「いや、難しいだろう。システム的には簡単だが、ここは手順が面倒だ」

 

「おいおい、団長。それは言うなよ」

 

「事実だ。さっさと本題に入りたまえ」

 

「はいはい、了解しましたっと。んじゃあ、本題だが――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、カイさん。長かったですね」

 

「ああ、シリカ。悪い、待たせちゃったな」

 

「いえ。それで、どうでした?」

 

「話を聞いた限りだと、かなり面倒だな。ここの入団試験が厄介だ。

シリカの実力なら入るのは簡単だと思うが、如何せん時間がかかる。その間拘束されるのも嬉しくないな。

どうしても入りたいならやってもいいと思うが……一緒の家に住んでるし、俺達の攻略パーティーを俺、キリト、アスナの三人で組ませることを了承させてきた。そこに混じって一緒に攻略できるようにはした。

俺的にはこうなっちまった以上、それがベストだと思うんだが………どうだ?」

 

 

シリカは数秒考え込んで、ニッコリ笑って言った。

 

 

「…………そうですね。決まりです、そうしましょう!」

 

「おし、そうと決まれば帰るか」

 

「はい、帰りましょう!」

 

 

俺達は手を繋いで、ホームに帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――その日の夜。

 

何となしに自分のウィンドウを見た俺は、驚愕した。

 

 

「なんだ、この()()()は―――!?」

 

 

 

 

 

―――《()()()》スキル。

 

そんなものが、俺のソードスキル欄に出現していた。

 

 

 





というわけで、決闘はヒースクリフの勝利!
流石、血盟騎士団団長は違うね(棒)

カイの話とは何なのか(棒)

そしてカイに宿った新しいソードスキル、《双短剣》スキルとは一体―――!?(迫真)
まあ、しばらくは明かされませんが。

次回は原作に則って、奴が動く!
乞うご期待!

感想等ありましたら、どんどんくださいね。
お願いしまーす。


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