上手く書けているかわかりませんが頑張って書きました。
ちょっと説明が多くなってしまったかもしれません。
カイが活躍するよ!
彼はロリコンでも一応ハイスペックなんだよ!
一応この二次創作の主人公なんだよ!
ロリコンだけど!
まぁ実際はシリカと大して年齢違わないですけどね。
どうでもいいですね。
では、どうぞ。
今の攻略階層は第五十七層。
シリカと付き合うことになって一か月が経った。
関係は良好だ。
あれから何回かはデートしている。
俺は攻略があるからそこまで時間を取れてないんだが、シリカはそれでもいいと言ってくれた。
自分も頑張って強くなって俺の隣で一緒に戦いたいとも。
すげぇ嬉しいことを言ってくれる。
そのため今は純粋なデートと、デートがてらの探索を交互にやっている。
シリカの成長には目を見張るものがあって、今はもうレベルは五十四になった。
さすがにまだボス戦に参加するのは無理だが、それももうすぐだと思う。
一緒にできることになればとても嬉しい。
さらにシリカは料理スキルを上げ始めた。
今はまだ熟練度が低いため叶わないが、探索のときにお弁当を持っていきたいと言っていた。
俺も楽しみにしている。
さて、こんなに長々と近況を報告していた理由は他でもない。
暇だからだ。いま。とてつもなく。
俺がどこにいて何をしているかと言うと―――
「――という方針で行こうと思います。意見のある人はいますか?」
誰も声をあげない。さっきまでさんざん話し合っていたからな。
今は第五十七層フロアボス攻略会議の最中だ。
偵察隊が集めた情報と、ボス情報を得られるクエストで入手した情報。
それらを元に、作戦を立てて死人が出ないようにボスを攻略するための作戦会議。
これが退屈でしょうがない。
真面目にやれよとか思う奴もいるかもしれねぇが、話してることは当たり前のことばかり。
しかも最近はフォーメーションもパターン化してきた。
主に参加するのはKoB――超有名なギルド、《血盟騎士団》の頭文字だ――の団長、ヒースクリフを筆頭にしたパーティーが二つ。
そして超大手ギルド、《聖竜連合》のパーティーが二つ。
クライン率いる《風林火山》、そしてケイタ達の《月夜の黒猫団》。
あとギルドに所属していない、または小さいギルドに参加している者達。
それらでレイドを組み、部隊をわけるんだが……。
基本的にKoBが
風林火山も
そんでもって残りの連中は適当に仕事が割り振られる。
俺やキリトはありがたいことにダメージディーラーを任されることが多い。
俺は攻めたいタイプだから普通に嬉しい限りだ。
まぁとにかく、そんな感じでパターン化してきてるもんだから、真面目に聞かなくても済む。
なんつうか『聞く』んじゃなくて『聞こえてくる』で十分っていうか。
その聞こえてきた情報によると、
今回のボスは《ザ・ジェネラルキング・オブ・デストロイ》とかいう戦士型のモンスターらしい。
大振りの両手剣を使うそうだ。
名前が酷い。どこがジェネラルだよ。まるっきり嘘だろ。
周りにはMobの《ジェネラルナイト・オブ・デストロイ》がいるそうだ。
さっきからどんだけ破壊したいんだよこいつら。
ナイトは最初は二体いて、一分毎に二体ずつ湧き続けるらしい。
これはかなりえぐい。
二つの小隊が一体ずつ受け持ったとしても、一分で倒せなかった場合ジリ貧だ。
偵察隊は万全のパーティーではなかったため、討伐できなかったらしい。
八体まで増えちまったって言ってたな。
よく撤退できたと思うよ。
今回はKoBの一パーティーが一体を、黒猫団がパーティーに
最初はあいつらも新たに一人入れるのに戸惑っていたが、もう慣れたみたいだ。最近は上手くやっている。
―――お、会議が終わったな。
「――では、明日は十七時に集合してください。
これで攻略会議を終わります。お疲れ様でした」
言い忘れていたが司会進行はKoB副団長の《閃光》アスナ様だ。
アスナはかなり前にヒースクリフに誘われてKoBに入団した。
そして強さと攻撃の鋭さ、正確さのために《閃光》の二つ名がついた。
―――なんで皆二つ名がカッコいいの?
すごく悲しくなってきたんだが。
《浮浪児》なんて印象の悪い二つ名俺だけだぞ?
まぁいいけどさ。
さてと、ケイタ達のとこに行くかな。
「よぉ、ケイタ。前の層のボス戦以来だな。元気してたか?」
「あ、カイ。うん、こっちは皆元気だったよ。カイは?」
「俺もだ。おい、ダッカー。またトラップに引っかかったりしてないよな?」
ダッカーはシーフタイプの奴だ。
こいつらが攻略組に入ったときから毎回いじるようにしてる。
「それがよ、聞いてくれよカイ。こいつまたトラップ踏んだんだよ」
「あ、おい!ばらすなよササマル〜」
「マジかよ」
つい真顔になっちまった。
いま俺に結構重大なカミングアウトをしたのはササマル。槍使いだな。
「ああ。また懲りずに踏みやがったんだ、コイツ」
「だ、だってよぅ。気になるじゃんか」
「そういうのはトラップ解除が出来るようになってから言うんだな」
ササマルは中々厳しい。まぁダッカーにはいい薬だろ。効いてねぇのが難点だが。
一応俺も忠告しとくか。
「ササマルの言う通りだぞ、ダッカー。お前ら今は結構上で探索してるじゃねぇか。
下手したら死ぬぞ。いくらお前らの連携がよくてもな」
黒猫団は攻略組の中でもレベルが高くはない。丁度平均くらいだな。
だが、持ち前のコンビネーションで、戦闘中はかなり上手く立ち回る。
こいつらレベルで息が合ったパーティーを俺は他に知らない。
「もっと言ってやって、カイ。ダッカーったら私達の言葉、全然聞かないし」
「いやいやサチ。お前らももっと言えよ……。
ま、ともかくダッカーはもっと用心しろ」
「う……わかったよ」
「じゃ、また明日な。頑張ろうぜ」
「ああ。また明日」
ケイタ達に挨拶して別れる。
さーて、今日はもう帰ると―――
「ねえ、ちょっと」
「ん?」
アスナだ。
「何か用か?」
「カイ、さっきの話ちゃんと聞いてた?」
「ああ。なんでだ?」
「何か考え事してるみたいだったから」
ホント周りよく見てるなコイツ。
正確に言うと、一部を特によく、だが。
「大丈夫だ。話はちゃんと聞いてた。それに、考え事なら他にもしてる奴いただろ?」
「え?誰のことよ?」
「キリトだよ。アスナ、チラチラとあいつのこと見てただろ?気づかなかったとは言わせねぇぞ」
「えっ、ちょ、何で知って……じゃなくて!
そ、そうなの?全然気がつかなかったわ」
「嘘つけ。お前、キリトのこと見てたから隣にいた俺が考え事してたのに気づいたんだろ?」
「そ、そんなことないわよ!」
なんかアスナのやつ、キリトのことが好きみたいなんだよな。
見てていらいらする。さっさとくっつけ。
という思いを伝える。
「さっさと告れば?」
「なっ、だ、だから、違うって言ってるでしょ!?
話を聞いてたのならいいわ!また明日!ちゃんと遅れずに来なさいよ!」
「俺今まで遅れたことねぇだろ。ま、了解だ」
アスナは怒って去っていってしまった。
うーん、俺も帰るか。
――次の日。
いよいよ今日はボス戦だ。
何が起こるかわからねぇから、気を引き締めていかねぇとな。
シリカからは昨日頑張ってメールをもらった。
俄然やる気が出た。
そっこーで殲滅して帰ってやる。
「では、これよりボス部屋に突入します!」
アスナの声が響き渡る。
俺は近くにいる仲のいい奴に話しかける。
「ケイタ、サチ。ナイトは任せた。頼むぞ」
「うん。僕らに任せてよ」
「カイも気を付けて頑張ってね」
「おう」
「クラインもがんばれよ」
「お前ェも頑張るんだよ」
クラインが笑いながら言ってくる。
その通りだな。
最後にキリトに話しかける。
「キリト。今日もやるぞ」
「おう。必ず生きて帰ろうな」
「当然!」
そのときボス部屋の扉が開ききり、ボスの姿が見えた。
中々でかい。
ヒースクリフが剣を掲げ、高らかに宣言する。
「戦闘、開始!」
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
プレイヤー達が雄叫びを上げながら部屋に突入する。
――さぁ、戦いの始まりだ――
戦いは順調だった。
俺やキリト、KoBの連中といったダメージディーラーが次々とジェネラルキングにダメージを与えていく。
片やキングの攻撃はこちらの
ジェネラルナイトの方もきっちり四十秒ほどで倒している。
周囲の回復POTローテも特に問題は生じていない。
この流れのままなら、余裕があるが……。
順調すぎて不気味なほどに順調だった流れが案の定崩れたのは、キングのHPバーが二本目の半分を割ったときだった。
「オオオォォォォォォオオオーーーー!!」
キングが雄叫びを上げて剣を構える。
が、俺はそこで違和感を覚えた。
――――キングの構えがさっきまでと違う!
それは本当に微妙な違いだった。
多数の武器を扱う俺だからこそわかるレベルの。
だから俺以外誰も気づかないんだろう。
もしかしたらあのヒースクリフでさえも。
――マズイ!戦線が崩壊する!
俺は指揮役じゃねぇから本来は口出ししちゃいけねぇが、んなこと言ってる場合じゃねぇ!
俺は声を張り上げる。
「気をつけろ!それは片手剣スキル《スラント》だ!さっきまでとは軌道が違ぇぞ!」
だがしかし、俺の声は少し遅かった。
「「「ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」
適切な防御が出来てない。
今ので全員が五割くらいのダメージを受けたみてぇだ。
硬直に入るキングに攻撃を仕掛けようと
だが、それはダメだ!
「ダメだ、止まれ!ソードスキルが来るぞ!」
再び声を張る。
しかし今回もほとんどの奴を止められなかった。
キリトとアスナは俺の声に反応し、何とか止まることが出来たが―――
キングは硬直には入らずに、
今キングがやったのは、俺達が以前検証したことだ。
同じ武器のソードスキルは一瞬の隙もなく連発することは出来ないが、
今のもそうだ。
キングは左手も握ってるようにみせて実際は添えるだけにとどめ、片手剣スキルを発動。
その直後左手も柄を握り、両手剣スキルを発動した、ということらしい。
さすがにそこから片手剣、とは出来ないようだ。それが可能ならスキルを切らさず撃ち続けることもできかねないのでされたら困るけどな。
だが、今のは武器の面からシステム的にプレイヤーには出来ない芸当だ。
だからこそ皆攻撃を予想できなかったんだろう。
「全員直撃はもらうな!もらったら死ぬぞ!!」
もうキングの射程圏内だ。今から逃げても間に合わねぇ。
今度はギリギリ間に合ったようで、突貫していた奴らが武器を盾にする。
キングの両手剣が振り回された。
「「「うわああぁあぁぁ!!」」」
武器を盾にしたとしても
全員三、四割持っていかれる。
――このままじゃやられる!
状況を頭の中で整理した俺はやるべきことを定める。
「ヒースクリフ!あんたはキングのソードスキルを見切れるか!?」
「無論だ」
「さすが!なら、キリトとアスナで――」
そこでさらに予想外のことが起きた。
「うわっ!ナイトが三体出てきた!!」
――――――はああぁぁぁぁぁぁ!?
んだそれ!ふざけてんのか茅場の野郎!!どんな鬼畜設計だよ、ったく!
でもそれに気を取られたらホントに全滅する!
俺は茅場への怒りを一度押さえ込み、新しい状況を整理し、打開策を考える。
今動けるのはキング側に俺、キリト、アスナ、ヒースクリフ。
ナイト側にKoBのパーティーと、黒猫団。
人が足りねぇかもしれねぇが…………何とかなるか?いや、何とかするしかない!
「俺とヒースクリフがキングを抑える!
KoBはそのままナイト一体抑えてろ!」
矢継ぎ早に指示を飛ばす。
「キリトとアスナがナイト一体受け持て!
黒猫団は全員そのまま……いや、ダッカー!聞こえるか!?」
「お、おう!なんだ!?」
「お前は遊撃をやれ!キリト達の一体と黒猫団の一体、両方とも必ず一分以内に仕留めろ!いいな!?
ダメージ食らった奴は全員迅速に回復!!」
大声を出し続けて喉が痛くなってきた。気持ち的に。システム的にはそんなのないからな。
もう何かを長々と話す時間の猶予はない。
声を振り絞る。
「今の陣形で何が何でも戦線を支えろ!回復した奴から余裕のないとこに参加!
最初に組んだパーティーメンバーが全員回復したら最初に割り振られていた役割を遂行しろ!行くぞ!」
「「「おお!!」」」
周りから力強い声が返ってくる。
俺は周りがやってくれることを信じてキングに向き直る。
「行くぞ、ヒースクリフ!」
「うむ!」
「俺が片手持ちを受ける!あんたは両手持ちを受けてくれ!」
「承知した!」
俺の武器は短剣だ。今は装備を変える時間がない。
だが短剣でこのサイズの両手剣を受けきるのは不可能だ。
でも、片手持ちなら威力が少しは落ちる。
そこに全力で打ち込めれば何とか…………うん、無理だな!
「ヒースクリフ、悪い!一発だけ両方受けてくれ!
俺は武器を変える!」
「おっけー♪」
なんか今裏声で返された気がするが無視!
下がって座り込み、装備を片手剣に変える。
「ふんっ」
ヒースクリフがキングの片手持ち攻撃を受けきる。
選択している武器スキルを短剣スキルから片手剣スキルに変えて立ち上がる。
「そーれっ♪」
ヒースクリフがキングの両手持ち攻撃を受けきった。
あいつふざけてんのか?
キングが硬直する。
――今なら行ける!
俺は身体を地面スレスレまで倒してから右足を踏み出す。
片手剣ソードスキル、突進技《レイジスパイク》。
キングと俺の間にあった距離を一瞬で潰し、キングの足を貫く。
「悪ぃ、助かった」
「いや、こちらも状況を立て直してもらった。
お互い様だということにしておこう」
キングが硬直から立ち直り、ソードスキルの構えを取る。
――片手だ。
「先に攻撃を受けた方が二発目の後の硬直で殴る、でいいか?」
「賛成だ。―――来るぞ」
「おう、任せとけ!」
キングが《スラント》を打ってくる。それに合わせて《ホリゾンタル》で迎撃する。
俺達は互いの剣技を相殺し、仰け反る。
が、キングはいつだったかの俺のように、その体勢を次のソードスキルに繋げる。
キングは両手剣スキル《テンペスト》を打ってくる。
単発技だ。
ヒースクリフはソードスキルを使わずに普通に受けきる。
ノーダメージのようだ。どんだけ堅いんだよ。
ノックバックから立ち直っていた俺は、片手剣ソードスキル四連撃技《バーチカル・スクエア》をキングに叩き込む。
一応このスキルは《麻痺付与》を持ってるんだが、相手はボスだ。はなから期待していない。
俺達は安定した。
――キリト達はどうだ?
KoBはあまり心配していない。
数が増えたということは恐らく、一体一体の能力はさほど上がってないだろう。
――問題はキリト達だ。二人+αで行けるのか?
「おおぉぉぉ!!」
「はああぁぁぁ!!!」
―――何の心配もいらなかった。
完璧なコンビネーションでスイッチしながらどんどんナイトのHPを削っている。
ダッカーがいらないくらいだ。
そのダッカーはというと、黒猫団の方で攻撃しつつも、常にキリト達が視界に入るような位置に動いている。
しっかり状況把握が出来ている証拠だ。
その成長に、こんな状況なのに嬉しくなった。
――いや、今は目の前の敵に集中しねぇとな。
安定してる時こそ慎重に、だ。
キングが再び硬直から回復し、剣を構えた。
――――そして、ついに。
「これで、終わりだぁ!!」
俺は片手剣ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》を放つ。
剣が血色の輝きを帯び、キングの身体を切り裂いた。
キングは身体を震わせると、身体をポリゴン片にして爆散する。
そして俺の目の前に【You got the Last Attack!!】というシステムメッセージと、獲得経験値やコルが表示された。
「―――終わった」
誰かの呟きのあと、ボス部屋が歓声に包まれる。
「ご苦労だった」
俺はヒースクリフの声に振り返る。
「君の的確な指示のおかげで場をすぐに立て直せた。改めて礼を言おう」
「それを言うならこっちもだ。
あんたが一人で両手剣を受けきってくれたからこの作戦が使えたんだ。さんきゅな」
「うむ」
ヒースクリフと握手を交わす。
「んじゃ、俺あいつらんとこ行くわ」
「そうか。私はこれから団員を集めて上層をアクティベートしてこよう」
「ああ、よろしく」
ならヒースクリフに呼ばれる前にアスナと少し話しとくか。
「おい、アスナ」
「え?ああ、カイじゃない。どうしたの?」
アスナが振り返る。
栗色の髪がボス部屋の明かりを受けてキラキラと輝く。
コイツマジで整った容姿してんな。
「いや、お疲れってな。キリトと息ピッタリだったな」
「え!?そ、そうだったかしら」
「ああ、文句なしだ。
レベルが高いのもあるだろうが、ナイトを二人で圧倒するとは思わなかった。
もしかしたらやってくれるかな、とは思ってたけどな」
「あ、えと、その、そ、そうよ!レベルが高かったからよ!」
アスナはキリトの話題となるとテンぱるな。
キリトと話すのは大丈夫そうなのに。
「落ち着け。もう俺の前で無理してごまかさなくていいから。
別に誰にも言ったりしねぇし。
と、そうだ。ヒースクリフが団員集めて上行くって言ってたぞ」
「え、団長が?わかった。
わたし、もう行くわね。教えてくれてありがと」
「おう。またな」
アスナがヒースクリフの下へ走っていく。
次は黒猫団かなぁ。
「よ、ケイタ。お疲れ」
「あ、カイ。お疲れ、すごかったね。KoBの団長と二人でキング抑えてさ。
周りの
その光景を思い出したのか、ケイタが苦笑いを浮かべる。
「あー、あれな。俺達でリズム掴んじまったから、あの方がやりやすかったんだよなぁ。
二人で抑えれんのにわざわざ
「まぁね。それにしてもわかりやすい指示だったね」
「一刻の猶予もなかったからな、つい。
あ、アスナに出しゃばって悪かったって言うの忘れてた」
そこでサチが会話に入ってきた。
「大丈夫じゃないかな?カイのおかげで皆助かったわけだし」
「ならいいんだが」
おっと、そうだ。あいつにも礼言わねぇと。
「おーい、ダッカー」
「ん?おお、カイじゃん!どした?」
「いや、お前にも礼言っとこうと思ってな。
遊撃やれなんて無茶ぶり聞いてくれてさんきゅな」
素直に思っていることを伝える。
ダッカーは頭を掻きながら少し照れくさそうに言った。
「いやいや、俺なんもしてねえから。
やっぱキリトすげえや」
謙遜するなぁ、コイツ。
「んなことねぇよ。ちゃんとキリト達が視界に入るように動いて気にかけてたろ?
ああいうぱっと見は見えないサポートが大事なんだよ。成長したな」
「お、やったー!カイに褒めてもらえた!
……そういえばなんか厳しいことしか言われたことなかった気がするのは気のせいか?」
「全く気のせいじゃないな」
ササマルの追撃。
「ぐふぅ。何だろう、嬉しいのに心が痛い」
ダッカーのリアクションに笑いが起こる。
やっぱり黒猫団は雰囲気がいいな。
「ま、今日は助かった。皆お疲れ。またな」
「うん、またな、カイ」
代表してケイタが返してくれた。
手を振って黒猫団と別れる。
さて、キリトんとこ行くか。
なんか忘れてる気がしないでもねぇけど。
キリトのところに行くと、クラインと話をしていた。
あ、忘れてたのクラインじゃん。
「よ、クライン。お疲れ」
「おお、カイ!お前ェさんこそな!」
「そうだな。お前はでかい一撃食らって、後半ほとんど寝てたもんな」
軽く笑いながらクラインをからかう。
「だってよぉ、あんなのがくるとは思わねぇだろ?……待てよ?おい、カイ。
なんでお前ェ、あそこからソードスキルが続くってわかったんだ?」
クラインが真面目な顔をして聞いてきた。
────ふむ、ならこっちも真面目に答えるか。
「クラインは俺のスタイル知ってるよな?」
「ああ、お前ェさんは短剣、片手剣、曲刀を状況に応じて使いわけるって奴だろ?知ってるぜ」
「あれ?カイ、言うのか?」
「ああ、まぁクラインなら大丈夫だろ」
キリトが不思議そうに聞いてくる。
そりゃそうだろうな。俺は情報を出したがらねぇし。
「……?何の話だ?」
「クライン、これは言いふらしてほしくねぇんだけど、実は俺全部の武器使えるんだわ」
………あれ?クラインから反応がな――
「はああぁぁぁぁ!?」
と、思ったら大音量で返ってきた。
「ちょ、ちょいと待ってくれ。そうすると何か?
お前ェは俺が持ってるカタナも使えると?」
「ああ、さすがにまだ熟練度が低いから実戦レベルじゃねぇけどな」
「……お前ェはホントに規格外だな」
――また言われてしまった。これ人に言われんの何回目だ?
現実も合わせたら大変なことになるぞ。俺なんかまだまだだと思うんだけどなぁ……。
「一応褒め言葉として受け取っとく。
そんで、俺両手剣スキルはそこそこなんだよ。片手剣もかなりのもんだし……。
で、キングの構えに違和感を感じたんだが。その次に来るってわかったのは勘だったんだよな。
なぁ、クライン。お前、武器カテゴリが違うソードスキルって繋げれるって知ってるか?」
「いや、知らねぇな。確かな情報なのか?」
「俺とキリトが検証して実証した。それが信じられなきゃダメだけどな」
「検証だぁ?何と何を繋げようとしたんだよ?」
ん、ちょっとうろ覚えだ。
キリトもいるし確認するか。
「キリト、あれって第二層の時だっけ?」
「ああ、アスナの強化素材集めの時だ」
「そういえばそうだったか。
ともかく第二層で俺達三人である賭けをしてな。
そんときキリトが片手剣スキルに体術スキルを繋げたんだよ」
「体術ぅ?エクストラスキルか?」
あ、クラインは知らないんだっけ。
「ああ、そうだ。んで、そのときわかったんだよ。
その経験があって、連続で飛んでくるかなと思ったんだ」
「そーいうことだったのか……。納得だぜ。
ま、お前ェさん達の検証なら正しいだろ。
よし、俺は今日は帰るかな。
またな、キリト、カイ」
クラインが手を振ってくる。
俺達も振り返した。
「おう、じゃあな」
とキリト。
「またな。今日はマジでお疲れ」
と俺。
クラインはそのまま後ろ手に手を振りながら帰っていった。
「さて、と。俺達も帰るか」
「そうだな。さすがに疲れた」
「そういえば、お前とアスナ、息ピッタリだったな」
「そ、そうか?そんなことないと思うけど」
「いやいや完璧だった。まるで夫婦かってくらい完璧だった」
「ふ、夫婦ぅ!?」
キリトもアスナのこと意識してるんだよな………。
ホントにさっさとくっつけよこいつら。
他人の口から伝えられんのも嫌だろうし、そんなことするつもりもないから言わないけどよ。
「夫婦は冗談だ。
ま、帰ろうぜ」
「ああ、そうだな……」
俺達はホームがある第五十層に戻った。
シリカに今日のボス戦のことをメッセージで伝えた。
心配させちまっただろうからな。こればっかりはしょうがないとは言っても。
シリカから返信が返ってきた。
『心配しました。でも、さすがカイさん!カッコいい!
あたしも早くレベルを上げてカイさんと一緒に戦いたいです。頑張ります。
今日はお疲れ様でした。ちゃんと休んで疲れを取ってくださいね。お休みなさい』
―――なんてできた彼女なんだろうか。
すげぇ嬉しいんだが。
とりあえず返信だな。
『心配させてごめんな。でも、こればっかりはしょうがねぇからよ。
必ず生きて帰ってくるから安心してくれ。
そうだな。俺もシリカと一緒に戦いたい。でも、焦りは禁物だ。
無理せず着実にレベルを上げていこう。俺も手伝うからすぐだよ。
ありがとな。しっかり休むよ。シリカも疲れは残すなよ?じゃ、お休み』
と、こんなとこか。
送信、っと。
さて、今日はもう寝るかな。
デスゲーム開始から約一年半。
現在の攻略状況は第五十七層まで攻略完了。
残る階層は四十三層。
俺達は、明日も攻略を続ける。
読んでいただきありがとうございます。
gobrinです。
シリカとのいちゃいちゃは書けるとしてももう少し先になります。
さて、今回は完全オリジナルストーリーということでしたが、いかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけていれば幸いです。
感想、意見、質問その他、お待ちしております。