今日は風邪気味という免罪符でもってベットの上に一日いられる!
執筆場所が主にベットの上の私としてはありがたい限りです!
明後日からテストだろうが風邪気味という最強のカードでねじ伏せるのみ!
あぁ体長は悪くても気分は最高です!
~エミヤ視点~
穏やかな朝だ。
ふかふかのベットに朝特有の穏やかな空気。
私が衛宮邸を出るまでは当たり前のように持っていた幸せだ。
英霊の座には朝も昼も布団も無い。
そのせいだろうか。
生前は六時には自然に起きているという特技があったのだが、今は布団から出るなんて考えられない。
私は私の幸せを天秤にかけられない欠陥品だ。
だから再び肉体を得て変わる事の出来る今は、そのリハビリをしても良いのではないのか?
手始めにこの羽毛布団という私の幸せを逃さないところから始めよう。
そう思い私はまた布団の中に入る。
ああ、平和な朝に、暖かい布団。
春先の朝の少し涼しい時の布団は戦争を終わらせる事が出来る気がする。
ん?
外から音がするな。
小さい子達の声のようだ。朝ごはんを作ろうとしているらしい。
どれ、私も手伝うか。
布団の中に居るのもいいが、人助けも悪くないだろう。
だから別に料理が好きなわけではないからな。
ただ、子供達が可哀想って言うのと、私の料理を食べて笑顔になってくれたときの顔が好きなだけだ。
ふむ。否定できていない気がするが、それはまだ寝ぼけているのだろうという事にしておく。
私が炊事場まで来ると子供達が大きな給食を作るような鍋や、たくさんの具材を使ってっ頑張って調理をしていた。その指揮を執っているのは黒ウサギだ。
「ああ、そっちの野菜はもう少し薄く切ってください! それとこっちのきり方の方が美味しく見えますよ。…………あ、スープはたまにかき混ぜてください。焦げてしまうので。……うーん。初めての朝なのですから、もう少し豪華にしましょうか。じゃあ、もう一品追加を…………」
「おはよう。大変そうに見えるが手伝うか? 私はコレでも料理はそこそこ出来る自負があるんだが」
せわしなく動いている黒ウサギに声をかける。
「おはようございますエミヤさん。まだ寝て無くてもよろしいのですか?」
「目が覚めてしまってな」
「では一品お任せしてもらってもよろしいでしょうか? 備蓄庫にある材料は使っていいので」
「了解した。任されよう」
そういって黒ウサギはまたせわしなく動き出す。
私も何か作り始めるか。
えーっと。
おそらくコミュニティ存続の危機になっていたくらいだ。安く済ませるに越した事はないだろう。
黒ウサギが作ろうとしているのは…………
そうして私も調理に没頭して言った。
「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」」
「あ、これ美味いな。黒ウサギが作ったのか?」
「YES! そうですよ! あ、そのおかずはエミヤさんが作ったんですよ!」
「そうなの? あなた見た目より器用なのね」
「む、久遠城その言い分は少し酷いのではないかね?」
「……でもその体格で料理上手というのは意外」
「春日部もそう思うよな? 俺もエミヤがこんなに料理上手いとは思わなかったしな」
「ほう。なら食わなくてもいいんだぞ光一?」
「なんか俺だけ酷くないか?」
「気のせいだ」
思い思いに会話をしながら朝ごはんを食べる。
これが衛宮邸での日常的な光景だった。
しかしこの“ノーネーム”のコミュニティではみんなで食事を取るわけではなく、各々の部屋に食事を運ぶつもりだったらしいのだが、それでは私は味気がないように感じる。
衛宮邸での誰一人血の繋がっていない一家団欒はいつも楽しかった。
それが無いのは少し寂しい。
なので私は投影で机と椅子を全員がまとめて座れるように作り上げた。
百人を裕に超す人数の座れる場所が懸念されたが、もともとかなり大きい組織だった“ノーネーム”には心配は要らないようだった。
しかし、そのせいで私の魔力はすっからかんだ。
魔力を込めていないものとはいえ、剣ならまだしも長い机と、椅子を人数分作ったのだ。
敵に備えて魔力を貯めておく事と、この椅子と机を作る事の二択で迷わなかったといえば嘘になる。
今の私に投影出来る宝具など、使い慣れた干将・莫耶位の物だろう。
それでも後悔はない。生前なら考えられない事だ。
精神が磨耗したおかげなのか、遠坂との約束のおかげなのか。
どちらによってもたらされたものかは分らない。
まあ、そのどちらでも構わない。
どちらの結果が正しいかは、一目瞭然だからな。
~エミヤ視点終了~