英雄の箱庭生活   作:英雄好きの馬鹿

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なんかエミヤさん活躍会は一巻の内には来なさそうですね……

まあ、あせらずじっくりとやっていきます!

……そういえばきんようびに更新できたのなんて久しぶりの気がしますね。


決着

 〜光一視点〜

 

 さてと。

 

 ノリで任せろなんていっちまったけどどうするか。

 

 俺が今使える能力の中で遠距離まで攻撃できるものは驚くほど少ない。

 

 ただ遠くまで届くというだけならある。

 

 だが、グリフォンを倒せるほどの威力の高さの能力なんて持っていない。というか持っていたら苦労していない。

 

 だからまず俺がやらなければいけないことはグリフォンの制空権を奪う事だ。

 

 今グリフォンが優位な点は空を飛んでいるという点だけ。

 

 もし地上に落ちればエミヤが肉弾戦で片付ける事も出来る。

 

 更に春日部の動物と話す事が出来、なおかつ友達になった動物の性能を手に入れるギフトは、虎の身体能力とゴリラの腕力を同時に振るう事も出来る。

 

 確実に勝てるとは言わないが善戦できる。

 

 それに俺だって少しは役に立てる。…………多分。

 

 だから俺がやらなければならないことはグリフォンを落とす事だ。

 

 他のグリフォンは『無能箱庭(アルカトラズ)』で作った異能無効化空間で捕らえているから平気だ。

 

 だから今はあいつの事だけを倒せばいい。

 

「なあ、エミヤ。後何発矢を打てる?」

 

「ん? ああ。あと一発くらいならぎりぎりだな。しかしあれを倒す事は不可能なくらいだがな」

 

 やれやれと肩をすぼめるエミヤ。しかしエミヤは簡単にいうものの額に汗が浮かんでいるので間違いはないだろう。

 

 額の汗には気づかないふりをしながら話を先に進める。

 

 エミヤはおそらく俺が気づいたことに気付いているだろうが、それでも春日部や久遠に不信感を与えるよりはいい。

 

「それでいい。試したい事があるんだ」

 

「何をすればいい?」

 

 エミヤがこっちを見据えて聞いてくる。久遠もこっちに注目しているし、春日部もいつもの我関せずといったものではなく、聞き入るようにこっちを見ている。

 

「あのグリフォンの足にへろへろの矢を一発打ってくれ」

 

「了解した。――投影開始(トレース・オン)

 

 エミヤは一切の躊躇をすることなく矢を作り出して注文どおりの一撃を放つ。

 

 こいつもそれなりに信用してくれているようで少し嬉しい。

 

 へろへろの矢はグリフォンに飛んでいって足元で軌道を変えて見当違いの方向へ飛んでいく。

 

 ――思ったとおりだ。

 

 やっぱり『空気を固定してそこを翔けて飛ぶ』というギフトではなく『風を操る』というギフトで飛んでいる。

 

 だったら手の打ちようはある。

 

「春日部。そのギフト貰うぞ?」

 

 春日部は口を開かずにうなずく。

 

 それを確認して指を弾く。

 

 ぱちん! という音と共に春日部のギフトを発動する。

 

 春日部は先ほどギフトを使ってグリフォンと会話をしていた。

 

 それをコピーしたのだ。

 

 まあもっとも全ての動物と話せるであろう春日部のギフトだが、俺はそんな事はできない。

 

 だから『付け焼刃(イカロスブレイブ)』のコピーした異能の性能をひとつだけ伸ばすという性能を使って、グリフォンとだけ話せるようにした。

 

 その代わり他の動物との意思の疎通は出来ないが今は十分だ。

 

『なあ、そこの飛んでるグリフォン。お前は逃げ回ってるだけだが鷲と獅子の王として恥ずかしくないのか?』

 

『何! そこの小娘だけでなく小僧までわし等と言葉を交わすか!』

 

 グリフォンが激高しながら暴風を放ってくる。それを隠れて発動させ、体重を十倍にする劣化版『超越者(ギガ)』を使ってなんでもないように振る舞う。

 

『フッ、当たり前だ。この俺を誰だと思っている。動物とぐらい会話出来るに決まっているだろう? まあ、それに比べて鷲と獅子の王の割に空を逃げまわることと、俺一人吹き飛ばせないくらいの微風しか起こせない奴ができないのか…… 王なんて言葉が聞いてあきれるぜ』

 

『はっ! 私を空から引きおろそうとしているようだが無駄だぞ! そんな手には乗るか!』

 

 その言葉と共にさっきより強い爆風が襲い掛かってくる。

 

 それをかがんで耐える。

 

 グリフォンは飛び続けることを選んだようだ。ならもう遠慮はしない。

 

『ならせいぜい落ちたときの事でも考えときな!』

 

 そう言って会話は終わる。警告の期間はとうに過ぎた。

 

 ここからは俺の独壇場。

 

 鷲獅子なんかに負けはしないと確信する。

 

「こんなに早く使う予定は無かったんだけどなぁ」

 

 俺は一人ぼやくように言う。

 

 そこに居る全員が何の事か分らない、みたいな表情をしている。だが、俺に期待の視線は向けてきてくれている。

 

 さあ。

 

 想像するのは空を翔け、風を操るグリフォンの姿。

 

 先ほどの攻撃で攻撃範囲も五百メートルはあることが分った。

 

 なら後は使うだけだ。

 

 指を弾く体制を整え、腕を高く上げ、グリフォン()を右目でにらみつける。

 

 左目は自分の想像を強く思い描く。

 

 強く強く。

 

 決してイメージだけは劣化させないように。

 

 全てをの想像を能力に込めてして指を弾く。

 

 ぱちんっ!

 

 

 

 

「――五十六億の救いをここに『蝋の翼の救世主(ボーンヘッドブレイバー)』」

 

 

 

 

 俺が指を弾いても何も変わらない。

 

 俺が何をするか注目をしていた全員が俺の周りの変化を捉えようとするがそんなものは無い。

 

「何も起こらないじゃないですか! こんなときに冗談は――――」

 

 黒ウサギが焦ったように叫ぶ。

 

 だけどその場の全員が気づいたのだろう。

 

 ――――グリフォンの動きがおかしい事に。

 

 嵐に舞う大木のように。

 

 海流にのまれるボートのように。

 

 大地震に翻弄される家具のように。

 

 グリフォンは空中で暴れていた。

 

 何もコントロールできないまま墜落していく。

 

「な、何が起きたの?」

 

 いつの間にか目を覚ましていた久遠がお嬢様らしい態度をほうけるような顔で上書きして聞いてくる。

 

「ああ、風を操れなくしただけだ」

 

「劣化コピーの能力ではあのグリフォンの風を操る力を押さえつけるほど風を操れるものでは無いはずだが?」

 

 エミヤも不思議そうに眉をひそめながら聞いてくる。

 

「ああ、そうだな。俺の『付け焼刃(イカロスブレイブ)』じゃあんな遠くまで届かないし、風の制御なんて出来てお祭りで売ってる扇風機より弱いだろうな」

 

「じゃあ、何をしたの?」

 

 今度は春日部が目を大きく開きながら聞いてくる。

 

「性能を反転させたんだ。風を操る異能の反対は風を暴走させる異能になるからな」

 

「もったいぶらずに教えろよ。オマエは一体そんなことをどんな手段でやったんだ?」

 

 今度は十六夜がなぞなぞの答えがたわからずにやきもきする純粋な少年のように聞いてくる。

 

 俺はそれらに向かってニヒルな笑みを向けて答える。

 

「フッ。男には秘密の一つ二つあるものさ」

 

 そう言った瞬間に青筋を浮かべた久遠とエミヤの強力プレイでシャイニングウィザードをくらった。

 

~光一視点続く~




光一「見たか俺の活躍を! かっこよかっただろ!」

エミヤ「……その自画自賛がなければ少しは恰好も付いたものだがな。もはや一種の才能かと思えてしまうほどだな」

光一「あと、少し前の感想で喜助伊洋さんが言ってた『蝋の翼の救世主(ボーンヘッドブレイバー)』が使えるかってのは本編の通り使えるぜ! ……ただ、もう少しだけ隠しておきたかったんだが、白夜叉とグリフォン達以外は仲間しかいないから大丈夫かと思ってな」

エミヤ「つまり隠し玉をもうすでに使ってしまって光一に隠された能力なんてもうほとんどない状態なわけか」

光一「仕方がないだろ! ……この中で俺だけ基本スペックが低いんだぞ! 異世界からやってきた三人なんて支配能力、動物の能力を手に入れる能力、挙句の果てにはチートみたいな馬鹿力だぞ! 他にもエミヤなんてドラ○もんだし、黒ウサギもさらっと強そうだし! ま、俺の隠し玉はこれで全部じゃないけどな。千五百万年生きてれば少しくらい裏技も出来るが、まあ、それは追々出ていくと思うぞ」

エミヤ「さすがに全能力はさらして無い様で安心したが、今までのとは違ってやたらと使い勝手のいい能力だな」

光一「まあな。『付け焼刃(イカロスブレイブ)』は『蝋の翼の救世主(ボーンヘッドブレイバー)』の下位互換みたいなもんだし、今はなくなったけどその分代償も少ない低燃費、最低性能のギフトだからな」

エミヤ「性能はどのくらいまで上がっているんだ? この話では分らないのだが」

光一「ああ、それは次の話で話す予定だ」

エミヤ「ちなみに今光一は鼻を押さえて悶絶している原因のシャイニングウィザードとは、相手が片膝を立てた状態の時に、相手の膝を駆け上がりながら顔面にひざ蹴りを放つという大変危険な技だ。まあ、相手が片膝をついてなくても駆け上がりながら使える技でもあるから、今回私と久遠嬢が使ったのはそちらだな。大変危険なので光一以外にはやらないように」

光一「俺相手にもやるなよ! マジで痛いんだぞ!」

エミヤ「ということで今回は長くなったが、これで絞めとしよう」

光一「あれ? 閉めの字が間違ってないか?」

エミヤ「いや、これから絞め落とす予定だから問題はない。このコーナーは誰かがしゃべれなくならないと終わらないみたいなのでな。こんなに長く続いてしまっているしな」

光一「た、確かに、本編の三分の一を、超えてるがッ! っというか別に俺を絞める必要は……ない……」

エミヤ「ようやく落ちたか。それでは次の投稿の時にまた会おう!」
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