〜光一視点〜
俺は廃れた廃墟のような僻地に来ている。
ここまでくるのが面倒臭いくらいだ。
久遠にギフトゲームの条件を出して本拠から出た後すぐにここに向かっても、辿り着いたのは次の日の昼だ。
この時間なら、もう既に“フォレス・ガロ”とのゲームは終了しているのだろう。
あれだけの才能を持った奴らなんだから、虎が鬼になった程度で負けるわけがないだろう。
まあ、負けてても勝ってても俺たちはレティシアを助け出さなければならないというのは変わらない。
そのためには、エミヤは海にいるクラーケンのゲームを、俺は僻地にいるグライアイのゲームをそれぞれクリアしなければならない。
エミヤならたかが魚介類に負けることはないだろうが、さすがに少ない時間でクラーケンとグライアイのゲームをクリアするのは厳しそうだったため“ペルセウス”のゲームに挑むためのギフトを集めるのは二手に分かれている。
しかしなあ……。
伝説上の魔女たちがこんな所に住んでいていいのか?
なんかガッカリだ。
ほら……魔女と言ったら廃屋寸前のボロい家とか、またはとてつもなく巨大な城とか、お菓子の家とかさぁ。不思議な建物に住んでて欲しいだろう。
それがどうして……。
「どうして魔女がアパートに住んでんだよ!」
2階建てかつ、新築のように綺麗なアパートで更に水道まで通ってやがる。
「人の家に文句をつけるものでもないじゃろうが。ルイオス並に失礼なやつじゃのう」
「いや、自分たちのボスを失礼とか言っていいのかよ」
「ふぉっふぉっふぉ。あんなガキなぞに敬意など払っては自分の価値を下げるだけじゃな」
俺と自然に会話をしているのは両目のあるべき場所が凹んでいる老婆だった。
畜生。
こっちの姿は伝説の存在感バッチリの姿なのに!
むしろ若返っててもいいのに!
「魔女なんだからもっと雰囲気があって入りづらい外観にしておけよ!」
「いや、このアパートを舐めてはイカンぞ? 五年前に立て替えてからギフトゲームを挑んでくるものが三十分の一にまで減ったんじゃぞ?」
「そりゃ、こんな一般家庭みたいな所に魔女がいるとは思えねえだろ! もし知ってても、『あれ? 来る場所間違えたか?』ってなっちまうだろうが!」
なんか口調ははっきりしててもボケ老人と話しているような気がしてくる!
「ちなみにじゃが、今の所属は商業コミュニティの“サウザンドアイズ”じゃからギフトゲームの参加料で金をとっておって、収入が減ってしまったんじゃ」
「ダメだろそれ!」
「だって、昔の家だと暮らしにくかったんじゃもん」
「だってとか言うな! もんとか言うな! 年を考えてくれ!」
老婆のぶりっ子は致死級すぎる!
「そんで? お主はここにギフトゲームをしに来たんじゃろう?」
「ああ、そうだが? ここでやるのか?」
「そうじゃな。正確にはわし等の家に踏み入れた瞬間じゃがな」
「それじゃあよろしく頼む」
さて伝説の魔女を三人とゲームをして勝たなければいけないのか。どうなるんだろうな。
「さて、この扉をくぐったらお主はゲームに参加することとなる。その前にルールを確認しておくがよいじゃろ」
グライアーはそう言って
『ギフトゲーム名“魔女達からの簒奪”
・プレイヤー一覧
・佐藤 光一
・ゲームルール
・魔女を殺害することは出来ない。
・プレイヤーのギフトは使用出来ない。
・魔女に質問できるのは三回のみ。
・クリア条件
・宝玉を手に入れる。
・敗北条件
・上記のクリア条件を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“佐藤 光一”はギフトゲームに参加します。
“ペルセウス”印』