~エミヤ視点~
ペルセウスとの戦いから一日後。
逆廻 十六夜は佐藤 光一に敗北し、正体不明のギフト『
そして自体は収束を見せた。
だが。忘れてはいないだろうか。
一対誰がペルセウスに敗北を認めさせたのだ?
十六夜が敗北を認めた瞬間、ルールに抵触せずに戦える人間は満身創痍の光一と春日部嬢、そしてジン君だけだ。
経験の足りない春日部嬢とジン君では満身創痍とはいえ、星霊・アルゴールと、英雄の末裔ルイオスを倒すにはいたらないだろう。
将来的には分からないが、現状では難しいだろう。
そこで十六夜は光一に聞いた。
「俺は倒せる気がしないんだが、オマエに何か考えはあるんだろうな?」
「あ」
この問答だけで光一の判決は決まった。
……お前仲間の邪魔をしただけだろう?
※※※
光一の失態は思ったより簡単に終結を迎えることができた。
十六夜と光一の戦いの後、ルイオスが降参したのだ。
ルイオスは強がるように、
「敵に守られるってだけでも屈辱的なのに、これ以上屈辱的なことが出来るか」
といって、そのままたたきの後処理をしていた。
今後、ペルセウスは五桁の階層から、六桁にまで落ちることになりそうだと白夜叉が行っていたが、この敗北を機により良い組織になってもらいたいものだな。
まあ、だからといって、光一が何も考えずに十六夜からギフトを奪ったことは許されることではないという結論が出た。
罪状 馬鹿。
刑罰 十六夜の能力の復元。
及びにノーネームの子供達の教育係。
及びに拳骨だ。
わたしの拳骨によって、光一は三日間ほど頭を抑えていたがな。
こうして自体は完全に収束した。
※※※
「十六夜、いるか?」
私は書斎にこもっている十六夜を呼びに来ていた。
やはり、光一に負けたのが悔しいのか、前にも増して伝書についての書物をあさる様になった。
だが、それは成長しなければ倒せない敵を見つけることが出来たということだ。
目標を持つ成長ほど早いものはない。今回のことは十六夜にとってもいい薬だったのだろう。
「十六夜。お前が最後だ。さっさと外にでて来い」
「ん? もう準備終わってんのか。これはすぐに逃げださねえと」
ふむ。減らず口を叩くのは変わらずだな。
「私が逃がすと思えるのなら試してみてもいいんじゃないか?」
だからといって、逃がすわけではないがな。
「いや、流石に今の状態でオマエと打ち合うには無理そうだな」
まあ、十六夜も冗談のようで、肩をすくめながら言った。
「そうか。なら降りて来い。主賓がいなきゃ始まらないだろう」
「ヤハハ! 了解」
こうは言ったものの、十六夜の立場は現在少し微妙だ。
本来、コミュニティを存続させるための働き手として呼ばれたが、現在の十六夜は、少々運動神経がよくて、頭が良くて、才能あふれるだけの一般人だ。
正直どこら辺が一般人かは分からなくなるが、現実世界にいても優秀な奴としか思われないようなレベルだ。
嵐は払えないし、山河は砕けないし、恩恵の破壊などできない。
“
つまり働き手が働けなくなったらどうなるか。
そう――NEETだ。
というのは置いといてだ。
十六夜は今、働き手にも属さず、支える側にも属していない。
微妙な立場でしかないのである。
この現状に対して光一はこういった。
『お前にゲームを仕掛ける。ルールは簡単だ。お前には必要なギフトを手に入れてきてもらうことだ。報酬はお前のギフト。期限は無しだ。お前なら出来るだろう?』
つまり光一は十六夜自身の性能の底上げを図っているのだろう。
「おい、エミヤ。あんまりぼさっとしてると置いてくぞ?」
「ああ、すまない。すぐに行く」
十六夜は私を催促しながら言う。
そして私の近くまで来るとこういった。
「あー。お前が考えてることは分かるが、少し待ってろ。これは俺のゲームだ。すぐにクリアしてやるから心配すんな」
とだけ言って二階の窓から飛び降りた。
見透かされていたか。
でもまあ、あの調子ならすぐにクリアしそうだな。
私はそう思いながら、問題児三人が騒いでいる会場に向かうのだった。
~エミヤ視点終了~
光一「なあ、誰も突っ込んでないけど十六夜一般人の身体能力だからな? よい子は飛び出しちゃいけません!」
エミヤ「まあいいんじゃないか? 無傷だしな」
光一「まあ、確かに二階くらいなら無傷かもしれないが……。普通はもう少しなんか……なあ?」
エミヤ「気にするな。まあ、そんなことは置いておいてだ」
光一「おう。おいといてだ」
エミヤ・光一「「ようやく一巻の内容が終わったな!」」
光一「いや時間かけすぎだろこれ! 何年かけてんだよ!」
エミヤ「知らん。だが、問題児シリーズの小説の二巻が出るか出ないカだろう。少なくとも二年だ」
光一「おせえ! いや、マジでおせえ!」
エミヤ「まあ、今後も遅いだろうが、読んでくれると助かる」
光一「ああ、俺たちの冒険はまだまだこれからだ!」
エミヤ「それは違う」