英雄の箱庭生活   作:英雄好きの馬鹿

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おくれてすいませんっ!


愚者

~光一視点~

 

 昨日の収益はすばらしかった!

 

 まさか、本拠地に帰る分のお金だけじゃなくて、向こう一月分の生活費まで確保できたんだからな!

 

 まあ、黒ウサギの知り合いが次から次へと来たせいで、黒ウサギがダウンしたから昨日で店を閉めることになったんだけどな。

 

 まあ、他の奴もある程度稼いでくるだろうし、黒ウサギに何かプレゼントするのも悪くない。

 

 そんなことを考えながら、祭りで賑わう大通りを歩く。

 

「ん? 手紙か」

 

 ふと上を見ると、白い手紙が降りてくる。

 

 それを右手を払うように振いキャッチする。

 

 フフ、決まったな。だが、まだ終わりじゃない。

 

 パチン!

 

 肩の高さで指を弾くと、右手にお洒落なペーパーナイフガ握られている。

 

 言うまでもなく、エミヤの投影魔術の劣化コピーで作り出した物だが、ダークでクールなデザインではなく、落ち着いてシックなデザインのものだ。

 

 手紙の封を、作り出したペーパーナイフで開けて手紙を取り出す。

 

 

『 佐藤 光一殿へ。

 

  おぬしに頼みたいことがある。

 

  “サウザンドアイズ”の支店に来て欲しい。

 

  P.S. 格好付けているところ悪いが、その

 

  通りに人はいないぞ?

 

        “サウザンドアイズ”白夜叉より』 

 

 辺りを見渡すと、手紙が降って来る前にはそれなりにいた人達も、全員いつの間にか消えている。

 

 あの人数が一度に別の用事でいなくなるとは思えない。

 

 つまりは何らかのギフトだろう。

 

 そして、それをやって得するのは一人。

 

「……ふむ。太陽神に効くギフトってあったかなあ、近くに丹弓でもあれば見に行ってから向かうとするんだが」

 

 丹弓とは中国神話で九つの太陽を落とした弓だ。劣化コピーだとしても白夜叉にとても良いお灸をすえてくれるだろう。

 

 

 

 

 

     ※※※

 

 

 

 

 

 

「ぜー、流石に、対太陽の、ギフト、まで使って、ぜー、くるのは反則だろう!」

 

 畳の部屋に倒れ伏しながらきっとにらみつけながら言う。

 

 やはり、シェイクスピアのの原稿の一部のギフトがあってよかった。

 

 『明けない夜はない』というギフトの反転コピーで白夜叉をここまで弱らせることが出来るなんて。

 

 白夜叉にかけたギフトの効果が切れて少し経ち、息を整える。

 

 

 やっぱり凄い体力だな。

 

「全く! 白夜の星霊なのだぞ私は! 少し間違っておれば霊核ごと破壊されていたわ!」

 

「予想外に酷いダメージだったんだな」

 

「当たり前だ! 存在の全否定されたレベルのギフトなんだぞ!?」

 

「俺の格好付け(アイデンティティ)を奪っておいて何を言っている!」

 

「馬鹿か? 馬鹿なのかおぬし!」

 

「フッ! 馬鹿は俺にとって褒め言葉だ!」

 

「もはやおんしには何が効くのじゃろうな!」

 

「俺を倒せるのは愛だけさ……」

 

「なるほど、つまりペストに倒れたおぬしにとってペストとは愛だったのじゃな?」

 

「ウィルスが愛って、俺はどんな化け物だよ!?」

 

「化け物ではなく馬鹿者だろうに!」

 

 

 

 

 

 

 

     ※※※

 

 

 

 

「依頼に入るとしよう。馬鹿者」

 

「そうだな白夜の星霊(笑)」

 

 互いに青筋を浮かべながら返事をする。

 

 まさか三十分も言い争うとは思わなかった。

 

「……依頼の内容は、千三百年前の幽霊を見つけることの出来るギフトの作成および譲渡だ」

 

「ん? 何だそれは?」

 

「そこから先は私からお話します」

 

 襖を開けて入ってきたのは銀髪の片腕が義手の男だった。

 

「呼びつけてしまい申し訳ありません。私の名前はベディヴィエール。どうぞよろしくお願いします」

 

 恭しく頭を下げてくる。

 

「ああ、ここに来たのはいいんだが、俺の間違いじゃなければ、ベディヴィエールと言ったら円卓の騎士のうち一人なのか?」

 

「はい。円卓の騎士の末席に身を置いています」

 

 ああ、まさか円卓の騎士と話すことが出来るとは思わなかった。

 

「それが何でまた幽霊を見つけるギフトなんてものを?」

 

 ベディヴィエールは少し目を伏せた。

 

「言いにくいことか。言いたくないなら言わなくていい」

 

「いえ、これは私の罪ですから……。目を逸らしてはいけないのですから」

 

 きつく握り締めた右手が目にはいる。

 

 もはや何も言えることはないだろう。

 

「これを見てください」

 

 ベディヴィエールはそう言って鞘から剣を抜く。

 

 とても青い柄と、黄金の意匠の美しい西洋剣だ。

 

「銘を約束された勝利の剣(エクスカリバー)と言います」

 

「エクスカリバー!? 聖剣といったら一番最初に出てくるような剣だろう!」

 

「ええ、アーサー王の愛剣にして最強の聖剣です」

 

「なんでこんなものを? 湖に投げ込んでなくなったはず……」

 

 ふとそこで気づいた。

 

 エクスカリバーを、湖に投げ込んだのは誰だったのか。

 

「まさか、隠れてその剣を持っていたのか? いや違う。それならばアーサー王を探す意味がない」

 

「つまり、お前は」

 

 俺はもう気づいてしまった。

 

 この、優しそうな男が何を考えてこの剣を所持していたのかを。

 

 円卓の騎士の中でも最古参にして、アーサー王の世話役。

 

「貴方の予想通りだと思います。私は王に死んで欲しくなど無かった。自分のために生きて欲しかった。民を守り続けたあの方だけが笑うことなく死に絶えることなど許せないと浅はかにも思ってしまったのです」

 

「ふざけるな」

 

 この男に怒りしかわかなかった。

 

 強く睨み付けたまま近づく。

 

「そう……ですよね。余りにも愚かな間違いでした。王の考えを疑い、あまつさえその命に、浅ましい考えで背くなど」

 

 拳を振りかぶって殴り、よけるそぶりも無く当った。

 

 吹き飛ぶ気配さえないのは俺が貧弱なのと、コイツが重ねてきた研鑽の証だろう。

 

「誰かに生きて欲しいと言う願い浅ましい! がんばった奴が笑えない未来なんてくそだと思ってやったんだろう! それのどこを恥じているんだ!」

 

「私のせいで王は死ぬ事も出来ずに千三百年以上も彷徨うことに……」

 

「それは確かに間違いだったんだろう! 貴様のせいなのは間違いでは無いだろう! だが、誰かに死んで欲しくないと言う願いが浅はかなどと口が裂けてでも言うなと言っている!」

 

 ベディヴィエールは目を見開く。

 

 そして、ふっと笑みをこぼして言った。

 

「そうですね。私の間違えでした。私は……王にご自分のために生きていて欲しかった。その願いが間違いだったとは言えませんね」

 

「そうだ」 

 

「では依頼の話をしましょう、王に聖剣を返すための手伝いを依頼したいのです」

 

「ではアーサー王を探すとしよう。一つだけ心当たりがあるから、探しに行こう」

 

「やはりおんしなら知っておるか。正直脱帽物だな」

 

 白夜叉があきれたように言う。

 

「まあ、俺だけじゃ無理だから一人探しに行く」

 

「それは誰なのだ?」

 

「エミヤシロウだ」

 

~光一視点終了~




エミヤ「我がカルデアに新しい仲間がやってきたぞ」

光一「脱獄をがんばったら最終的に時間からも脱獄してしまった、頑張り過ぎ系復習者! 巌窟王だ!」

エミヤ「まさか、彼もこんな紹介をされるとは思ってもいなかっただろうに。しかもその為に予備で来るとは」

光一「しかも伝承結晶が四個しかない状況で一つ持っていったからな」

エミヤ「ああ、残りの結晶はマーリンが持っていきそうなんだ」

光一「だからスキルマまでは次のイベントが来るまで」

エミヤ・光一「「待て、しかして希望せよ」」
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