炎のヒーローアカデミア   作:りっぽーたい

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第5話

 Q.オールマイトの授業はどんな感じです? 

 A.めっちゃ強くてユーモラスなのはわかってたんですけど、やっぱりオールマイトも人なんだなぁって思いました。あ、時間結構ギリギリなんで行きます。担任の先生その辺しっかりしてるので。

 

 報道陣が学校の門前に押し寄せていて質問攻めにあったが、時間ギリギリに登校したからか押しがそこまで強くなかった。多分もう少し前に登校してたらグイグイ来ただろう。

 友人に挨拶しつつ少し早歩きで教室に向かうとクラスのほぼ全員が登校済みであり、挨拶をしつつチャイムまで時間もないので寄り道せずに席に向かった。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪、おまえもうガキみてぇなマネするな。能力あるんだから」

 

「……わかってる」

 

 あれ? 今までのイメージだともっとキレながら返事すると思ってたんだけど……何か心境の変化でもあったんかね。

 

「……で、緑谷は腕ブッ壊して一件落着か。"個性"の制御……いつまでも出来ないから仕方ない、じゃ通させねぇぞ。それさえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷」

 

「っはい!」

 

 確かに自傷ダメージが無ければ超強い増強系だな。まぁアクセルベタ踏み状態による怪我とあの威力だろうから、制御した状態で放つと流石にちょっと弱まるだろうな。

 

「さて、HRの本題だ……急で悪いが今日は君らに……」

 

 入学式のテスト以降、酷いことする人、辛口先生、ロクな知らせを持ってこない人といった認識が薄らとだが確実に出来てきている相澤先生。その人からの急なお知らせにクラス皆が息を呑む……

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

「「「「学校っぽいの来た──!!!」」」」

 

「委員長! やりたいですソレ俺!」

 

「ウチもやりたいス」

 

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30cm!」

 

「ボクのためにあるやつ☆」

 

 ビビってたところに待ってたヤツ。みんなテンション上がってる。俺も結構テンション上がってる。ヒーロー科なら雑務よりもリーダーといった、トップヒーローを目指すものには必要な素地を鍛えられる役職。峰田はそんなこと考えてない気がするが。

 

「静粛にしたまえ! "多"を牽引する責任重大な仕事だぞ……! 『やりたい者』がやれるモノではないだろう! 周囲からの信頼あってこそ務まる聖務……! 民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案!」

 

 手を誰よりも高々と、真っ直ぐと挙げとるやないかい。

 

「そびえ立ってんじゃねーか! なぜ発案した!」

 

 やっぱりツッコミが入る。このクラスの中で最も意欲があると思わせるほどの綺麗な挙手だったもんね。

 その後自分に投票するヤツしかいないという反対意見もあったが、そのまま投票で決めることに。俺も委員長やりたいから自薦。

 そして開票してみると……

 

 緑谷二票、八百万二票、そして俺が二票。他が一票とゼロ票だった。まさか俺に投票してくれる奴がいるとは! 

 

「同票……!」

 

「決選投票でも致しますか?」

 

「時間も無いしジャンケンしよう! なんか今なら勝てる気がする!」

 

 時間も押してたし、ジャンケンで委員長と副委員長が決まることになった。

 

「「「ジャーンケーン」」」

 

「ポン!」

 

 出たのはグーとグーとパー。俺と八百万がグーで緑谷がパー。1抜けで委員長の座を獲得したのは緑谷だった。

 

「ぼ、僕──!?」

 

「くあぁぁぁぁ!」

 

「むぅ……悔しい……」

 

「時間も推してるし、早よ副委員長決めろ」

 

 急かされるまま、もう一度。これで負けると副委員長でもない、言わば平社員。そんな感じ。

 

「「ジャーンケーン」」

 

「ポン!」

 

 チョキとパー。

 

「ああああああああぁぁぁ!」

 

「まぁ……!」

 

 わかると思うが俺がパーで八百万がチョキ。八百万が副委員長に決定した。

 

「ジャンケンにしなければ良かった……」

 

 項垂れながら席に戻ると峰田がドンマイと背中をポンと叩いてくれた。ありがとう峰田。でも俺をスカート膝上30cm党所属にするのはやめてくれ。確かにちょっと見たい気もするが、俺は見えないくらいがいいんだ。

 

 

 

 そんなことがあってお昼休憩。今日は仕送りいっぱい貰った米やらハムやらを使ったお弁当だから、教室で食べることにした。そのため今日は砂藤と峰田と一緒に食べている。

 

「お、操の弁当は手作りか?」

 

「ん? おう。仕送りいっぱい貰ったからさ。久しぶりに作ろうと思って」

 

「料理出来るとモテんのかな?」

 

「出来ないよりはいいんじゃね?」

 

「ならオイラもやってみるか」

 

「てか砂藤も峰田も弁当だったんだな」

 

「オイラは母ちゃんに作ってもらってるぜ。1品はオイラが作ってる」

 

「俺は個性の都合上、学食だと金がかかりすぎるからな。自分で作ってんだよ。その方が大分安くつくしな」

 

 砂藤の弁当を見ると複数のタッパにおかずと米を分けていれるタイプの弁当で、唐揚げや卵焼き、たこさんウィンナー、ポテトサラダといった定番のおかずから、ローストビーフやラタトゥイユといった小洒落たおかずもチラホラと。野菜もしっかりと入っていて栄養バランスも完璧。そして極めつけは、タッパに詰められた大量のマカロン。

 

「それ、全部手作り?」

 

「ああ、同じ料理だと飽きちまうからな。つい凝っちまうんだ」

 

「……峰田、モテるにはこのレベルがいるかもしれんぞ」

 

「てめぇ抜け駆けしようってのかよぉ!」

 

「いや、そんなつもりは無いが……」

 

「峰田、ステイだ! あ、マカロンちょっとくれない?」

 

「おう、ぜひ食べて味の感想教えてくれ!」

 

「あ、これ美味い! 見た目もいいし、これ店出せるぞ!」

 

「クソ! 何でこんなに美味ぇんだよ!」

 

 峰田のモテ要素の僻みすら突破する美味さだ。これはモテる。違いない。

 そんなことを言いながらマカロンに舌鼓をうっていると、突然……

 

 ウウ────! 

 

 と、警報が鳴り響き、『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに避難してください』と放送された。

 

「なんだなんだ?」

 

「警報か!」

 

「セキュリティ3ってなんなんだよ──!」

 

 クラスに残った生徒たちを見ても困惑しているようだし、廊下を見ても戸惑った様子の生徒ばかり。

 

「と、とりあえず屋外……グラウンドに出るか」

 

「そ、そうだな!」

 

「オ、オイラもそうするぜ!」

 

 パニックにはなっていないものの、何がなんだかわからず、とりあえず誘導に従おうといった感じだ。

 あ、B組からも人がでてきた。

 

「ちょっと聞いてくるわ! あ、B組の人、今の何かわかる?」

 

「おやぁ? 君はA組の! ……正直何もわからないよ。拳藤が纏めてくれてるからみんな落ち着いてるが、それが無ければパニック寸前、最悪パニックになってただろうね」

 

「おお、B組の委員長か? こんな時にも冷静なのはすげぇな。あ、遅れて悪い。俺は操る炎って書いてみさおえん。よろしく」

 

「ああ、僕は物間寧人。よろしく」

 

『ただ今の警報ですが、報道陣が敷地内に侵入したことによるものです。先生方が対応しておりますので屋外に出ることを控え、教室内で待機をお願いします』

 

「ん、大丈夫そうだな」

 

「そうだね。じゃあ僕はここで」

 

「おう、またな! ……悪い、ちょっと話弾んじゃって」

 

「気にすんな。何ともなかったみたいだしな!」

 

「それよりさっさと教室戻って飯食い直そうぜ? オイラが楽しみにしてた最後のイチゴが残ってんだ」

 

「そうだな。あ、流石にB組にもさっきの放送について知ってる人いないらしい」

 

 そんなふうな話をしながら教室に戻って昼食を再開する。ちなみに砂藤印のマカロンは美味かったが、それを食べた後にイチゴを食べた峰田は酸っぱさが際立って悶絶していた。

 

 

 

 そして午後の授業でほかの委員決めの時間。

 そこで緑谷がまさかの提案をした。

 

「委員長は、やっぱり飯田くんが良いと……思います! あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。僕は……飯田くんがやるのが正しいと思うよ」

 

「あ! 良いんじゃね! 飯田、食堂でも超活躍してたし! 緑谷でも別にいいけどさ!」

 

「非常口の標識みてぇになってたよな」

 

 どうやら昼の混乱の際、食堂で飯田が何かしらの活躍をしたようだ。切島や上鳴を始めとして、食堂に行っていたクラスのみんながそれに賛成する。非常口みたいになってたか……見てみたいな。

 最初はいきなり何を言うとんのかと思ったがそういう事なら、正直不満はちょっぴりあるがまぁいいだろう。

 

「委員長の指名ならば仕方あるまい!」

 

 飯田は嬉しそうに、手をピシッと挙げてそう宣言した。やっぱり八百万も不満そうだが、この流れを止めるのも無粋だとわかっているのだろう。

 

 そして帰る際に隠されてはいたが、雄英バリアーが壊されている様子がチラと見えた。

 雄英バリアーをぶっ壊すなんてマスコミやべぇなと思いながらも、はたしてこんな事をやる奴がマスコミに居るのかと心に一抹の不安を抱えることとなった。




入学して間もない頃は、きっと物間くんもマトモだった。
……そうだよね?
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