ユグドラシル最期の日、自殺するために訪れた、一人のプレイヤ   作:タイタンの掟

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 宝物殿の領域守護者、パンドラズ・アクターは、アクターという設定が持つ、舞台俳優的なオーバーアクションとか好きだったりするのですけど、女性陣にはドン引きみたいなんですね。

 ブクブク茶釜にとっては、仕方ないねという感じでしょうか、ブクブク茶釜を知っていることで、アニメでアルベドの「くだらない」発言以降の流れが、変わっていくことになります。

 パンドラズ・アクターは、アインズ(モモンガ)以上に律儀と筆者は考えているので、ぶくぶく茶釜のことを訊かれない限り応えないとしています。


宝物殿の領域守護者

 

<ぶくぶく茶釜>

 

 宝物殿に向かう、アインズ様に着き従うのは、シャルティア・ブラッドフォールンとアルベドにシズとユリだ。そして、私ことぶくぶく茶釜が、シャルティアの中で一緒に憑いている。私の指輪は、パンドラズ・アクターに預けた。リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンをアインズ君とアルベドが持っていた。シャルティアは、アインズ様にお姫様のように抱っこされて、アルベドのギリギリした歯ぎしりを聞きながら、シズやユリと一緒に、宝物殿に転移した。

 

 ユグドラシル金貨や宝石、武具や装飾品など、様々な宝物が、百メール四方はある巨大なドームいっぱいに、適当にうず高く積み上げられていた。

 

「アインズ様、メイド達を使って、宝物殿の整理を致しますか」

 

 ユリが、アインズに声をかける。

 

「良い。ここは、毒に侵された部屋でもあるから、守護者達やユリやシズならともかく、メイド達では入ることも困難だ。それに、アインズ・ウール・ゴウンの指輪が無ければ、入ることすらできない。それに周囲を見よ」

 

「はい」

 

 ユリは、ホールの壁面に陳列され、周囲の壁面を天井いっぱいまで飾られた棚には、大小様々な宝物が、天空まで続く棚に納められていた。床に置かれている宝物が、ゴミに見えるほど、高価な宝飾品の数々が、変質的なまでにきちんと整理・整頓されて、保管されていた。

 

「もうしわけありませんでした。アインズ様」

 

「ここは、源次郎さんと音改さんが管理していた。彼ら以上に、資産管理に長けた者はいない。

 

 ナザリックが、巨大な墳墓として維持管理できたのは、源次郎さんと音改さんの力だった、余計に消費しようとする、ギルドメンバーを説得することが上手く、私を含めて幾度となく説教されたプレイヤも多かった。でも、本当に必要な時は、湯水のように効率的に資産をつぎ込んで、ナザリックの防衛システムの効率化を図っていた。大規模な侵攻作戦では、蓄積された資産を一気に放出する様にして、各防衛システムを極限までに強化することができるようになっていた。ぷにっと萌さん監修による、グリーン(平時)から警戒(アラート)、戦時体制の予算が規定されて、戦時体制では、全力投入すらも可能となっていた。

 

 1500人のプレイヤによる討伐隊を、8階層で撃退したのは、ヴィクティムや「あれら」の能力だけど、その能力を最大限に発揮できる資金を投入できる、資産のバックアップがあったからに他ならない。普段の冒険は、節約を基本にして、大規模な討伐やイベントには、最大限の安心を、これがナザリックの経理を担当した、音改さんの言葉だ。

 

 源次郎さんは、現役の時は、グローバル企業の総務と経理を担っていて、音改さんは公認会計士だったなぁ。アインズ君(悟君)が、アインズ・ウールゴウンを維持するために、資金を集めていたハズなのよね。ギルドで集めてたお金は、ナザリックの維持程度なら、十年は持つ資金が、ナザリックには蓄積されていた。もう一度、大規模防衛戦闘を敵2千人規模で対応するというのが、ぷにっと萌さんと源次郎さんの目標となって、尋常じゃない規模で資金の蓄積がされたんだった。

 

 源次郎さんと音改さんは、引退するときに、平時体制で10年維持できるように、資金確保していた。ただ、数年でなんとかしないと、徐々に資金が厳しくなるけど、どうなのかなアインズ君(悟君)。少しづつ、音改さんの手伝いしながら、会計の勉強してたんだよね、役にたてるかなぁ。

 

 フライで飛び、遥か山となった金銀財宝を乗り越えて、扉の前までたどり着く。

 

「武器庫か」

 

「武器、ほかのアイテムは、別の場所にあるのですか」

 

「ん。あぁ、アルベドも知らなかったか、周囲の壁で柱の間に棚が無い所は、すべて扉であり、ホールに飾られた宝物の数十倍の価値があるモノを、宝物や武器や防具といった系統に分けて、源次郎さんが整理・保管していた」

 

「エントマをつくられた方ですね」

 

「そうだ、ユリ。

 源次郎さんは、希少なデータクリスタルや、宝飾品も装身具や指輪といった分類をしていた。

 ただまぁ、本人は価値の低いモノは扱いが悪くて、源次郎さんの鑑定結果で価値が低かったアイテムとかが、ホールにうずたかく積み上げられている」

 

「それでも、凄い価値と思いますが」

 

「そうだな、資金集めについては、音改さんと源次郎さんが一緒になって、対応してくれていた。源次郎さんは、引退するときに、システム化してできる限り省力化して、活動資金の調整ができるように、誰でも理解できるようにマニュアルを作ってくれたんだ。

 

 ギルドメンバーが減っていく中で、ナザリックが十大ギルドの地位を保てたのは、膨大な資金に支えられた、防衛システムにあった。

 

 仲間が集めたアイテムや道具を転売して、稼ぎを出してもいたんだ。

 ホールの棚にある宝飾品は、転売用のアイテムで、ぺロロンチーノさんとタブラさんが、怪しげなモノを持ち込んでは、源次郎さんに怒られてたな」

 

(久しぶりだけど、実際に見ると圧巻ね。タブラの怪しげなアイテムって、碌なアイテムじゃないわね。倫理規定を、一時的に成人用に解除したり、覗き用の隠しアイテムとかもあったわね。クズ弟と一緒に、色々と弄繰り回していたわよね)

 

 倫理規定って確か、あたしやアインズ君(悟君)みたいに、完全な異形種は、倫理規定が緩い。「堕落の香料」みたいな、24h限定「堕落の種子」を、あのエロバカ達は、作っては流してたよね。堕落の香料は、人間種が悪魔に成るためのアイテムで、異業種へアバターを変更できる「堕落の種子」から、油を抽出して造った香料だった。香料を呑んで使用すると、ステータスが10%下がる程度で、24h悪魔になるけど、24h経過後には元の姿に戻る。人間種にも人気があった、隠しアイテムで、錬金術で作成可能、結構人気があったアイテムのひとつだ。

 

 堕落の種子って、一般的なドロップアイテムだから、私の部屋に置いたアイテムボックスにも大量にあったハズ。“王の居室”が使えなかったら、考えないとダメか、ん、期待してるなぁ私。

 

 懐かしそうに語るアインズ君(悟君)は、楽しそうで、周囲の女性陣が、口を挟むのをためらうくらいだった。ひとしきり話をすると、恥ずかしそうに、アインズ君(悟君)が扉に言葉を放つ。

 

「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ」

 

 扉に浮かび上がった文字を、アインズ様は、思い出すようにして読み上げる。

 

「確か、かくて汝、全世界の栄光を、我が物とし、昏きモノはすべて、汝より離れ去るだろう。だったか」

 

 読み上げると、扉が消えて、廊下が現れた。かなり長い廊下には、先ほどのドームの武具とは異なる、遥かに価値の高い武具が、綺麗に整理され、壁面いっぱいに展示されるように、厳重に保管されていた。

 

(いけないいけない、私も悪い妄想に囚われてたわ)

 

 堕落の香料を、頭から追い払う。

 

 毒耐性がなければ入れず、宝物殿の管理は、源次郎さんや音改さんがしていたので、あまり出入りしたことがなかったな。稼いだアイテムとかは、宝物殿に放り込んでいおけば、いつのまにか源次郎さんが整理してくれていたし。

 

 ただなぁ、エロ弟とエロ莫迦は、あまりにも酷い使い方をし過ぎて、垢BANされたのよね。源次郎さんや音改さんは、とばっちりで一年間イン禁止されてた。ユグドラシルの最終日は、源次郎さんや音改さんと一緒にBAN解除されてたけど、エロ弟もエロ莫迦も戻ってなかったわね。

 

 アルベドは、アインズ君(悟君)に視線があって、あまり他は目に入ってない感じね、ほんとに余裕が無いんだよねぇ。しかし、アルベドの様子は訝しいのよね、とてもじゃないけど、エロ莫迦の設定と、私の記憶だと、こんな態度になるハズはないんだけどな。エロ莫迦は、エロ弟よりも重症の変態で、アイテムを使って、淫魔であるアルベドの倫理規定を解除して、色々なシチュエーションを創っては、覗くというのを繰り返していた。だけど今のアルベドは、アインズ君(悟君)一筋って感じだし、乙女よねぇ、もう少し余裕があれば、私よりもアインズ君(悟君)の理想を体現した女だから、上手くいくと思うんだよねぇ、彼女。

 

 私は、童顔だったから、エロゲキャラとしては、ロリ系やロリBABA系が多く、私自身は格好いいお姉ちゃん役が好きだったけど、そういう仕事はなかなか回ってこなかった。仕事をこなしていくことで、格好いい系も少し増えて、仕事が楽しくなって、ユグドラシルからは少しづつ、離れて行って病気になったのよね。おかげで、入るのに敷居が高くなりすぎだよ。

 

 武具の回廊を抜けると、一つの部屋が顕れて、中央に豪奢なソファーセットが置かれて、一人と言うか、ブレインイーター、タブラ・スマラグディナの姿をしていた。

 

 アルベドが、アインズ君(悟君)の前にでて、相手に誰何する。

 

「タブラ・スマラグディナ様、いや、違う。何者。たとえ、至高の御方に、その身を映そうと、あたし自身の創造主を間違えたりはしないッ」

 

 ユリがアルベドの前に出て、ファイティングポーズを取り、シズがアインズ様の傍で銃を構える。シャルティアがユリを庇うように前に出る。一瞬に連携が完成したのを、アインズ君(悟君)は満足そうに見て、命令する。あらあら、本当にアルベドは変わったわね、以前なら敵対まではできなかったハズ。

 

「もうよい。パンドラズ・アクター、元に戻れ」

 

 アインズ君(悟君)の声が響くと、タブラ・スマラグディナの姿が崩れ、軍服を身に纏った、ドッペルゲンガーが顕れる。宝物殿の領域守護者、パンドラズ・アクターだ。そういえば、私の時は、エロ弟の姿だったな、皆の、姿がとれるのかな。まいったなぁ、罪悪感が次から次へと私を襲うよ、アインズ君(悟君)

 

 





 女性陣にとって、男性のハーレムルートは、あり得ないという方が多いとは思いますが、ぶくぶく茶釜の場合、書いていくうちに、逆ハーレム嗜好もあると考えて、アインズ・ウール・ゴウンを名乗る人の思考をハーレムルートへ誘導しようとします。

 ここら辺は、筆者の多夫多妻思考という、個人的な感覚もあるのと、数千年を生きる生き物が持つ男女関係も考えてみました。

アインズ様のハーレムルートは、ぶくぶく茶釜、アルベド、シャルティアは確定、アウラとマーレは百年先予定。ほかは、希望などありますでしょうか?

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