MFG(ウマ娘部門)   作:狸より狐派 ハル

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キタサンとマチタン、初日の無料10連で出ますた。


第1話 アメリカンホースガール

《昼の某空港》

 

 

ここには多数のメディア関係者が、あるウマ娘をカメラで撮影していた。

 

『インパルスブラッド』、黒人系の彼女は全米競争ウマ娘のグランプリ受賞者であり、数々の成績を出したウマ娘である。

 

そんな彼女がこの日本に、ある目的を持ってやって来たのだ。

 

その名は『MFG』。このレースは本来、内燃機関を搭載したスポーツカーを用い、公道をクローズドコースとして行われるカーレースであり、ウマ娘が自らの脚のみで走るレースはなかった。

 

しかし、去年にある重大発表が主催側から出た。

 

それが再来年度のMFGには『ウマ娘部門』を立ち上げると言うことだった。

 

従来のMFGは『モータースポーツ』部門と呼ばれ、スポーツカーに乗るなら人種は問われなかったが、ウマ娘の参加者自体多くなく、また、予選と決勝とで別れているが、今までに決勝まで行けたウマ娘は存在しなかった。

 

そのためか出たのがクルマではなく、自らの脚のみで勝ち上がるこの『ウマ娘部門』なのだ。

 

 

インパルスブラッド、彼女についてだが実は元々貧しい家系の出だった。だがウマ娘である彼女もまた走るのが大好きである。そのため近所の峠で行われていた、地元の名声だけが賞品のストリートレースにでさえ積極的に参加し、その時点で190cmと言う身長も相まって、化け物と恐れられるほどの実力を持っていた。

 

そんなある日、同じ黒人で彼女を上回る背丈のアメリカ支部トレセン学園トレーナーにスカウトされたのが切っ掛けで、今のようなアメリカンドリームを掴み取った、まさに実力だけで成り上がった存在が彼女なのだ。

 

「インパルスブラッド選手!!MFGの頂点について、掴める自信はありますでしょうか!?」

 

「オウヨ!!アタシはそのためにここに来たんだゼ!!それ以外にナニをつかめってンダ!?」

 

「素晴らしいです!!遥々(はるばる)この日本にやって来たのはMFGの頂点を掴む為だけに来て、そして自身こそが公道最速の存在だと全世界に知らしめるためにわざわざ来てくださったと言うことですね!!」

 

「そう言うこ「そういうこったぜジャパニーズレポーター!!コイツはまさに、その為に産まれてきたようなヤツだからな!!意外にもアメリカにそう言うのが無かったからやっとコイツが本当に輝ける場所のために、ここまで来たんだよ!!なぁ!?ブラッド!!?」

 

「ウルセェヨ『ドマン』っ!!今アタシが喋ってンだろうガ!!!」

 

明らかな筋肉質の大男、本名『グッドマン・ブラウン』が、ブラックの肩に腕を乗せながら喋り、そしてブラックはキレながら叫んだ。

 

すると別の記者が質問をかける。

 

「インパルスブラッド選手!今回このMFGについてですが、()()()()()()()()()()()()()()()()件について、どう思われますか!?」

 

そんなことを言うと、ブラッドは更に不機嫌な表情になる。

 

「アァ、なんかシラネーがニホンのホース(ウマ娘)が出れねぇッテ聞いて、意味わかんネーって思ったゼ。こんなスゲーレースはここ以外にねーのにヨォ!」

 

「しかし、整地の出来ない公道でレースするのは、大変危険と言う声も上がっています。これについてはいかがですか?」

 

そう、この記者の言うとおり、URAと呼ばれる本来のウマ娘レース、並びにトレセン学園を運営する日本支部の組織はこのMFGの参加について、URAに属する中央、地方トレセン学園の生徒、また、登録された選手は参加の禁止がされていた。

 

理由は先程のとおり危険だと言うこと。ゆえにこの大会はMFG独自で開催されるものとなっている。

 

インパルスブラッドはアメリカ支部のトレセンウマ娘、彼女の母国ではそう言った規制がないため、日本トレセン学園への『留学』と言う形でやって来た。

 

「ハァン、危険だァ・・・?なに言ってるんダ」

 

そう言ってうつ向きながら、不敵に笑うブラッド。そして顔を上げるとこう言った。

 

「どんなことをヤルにも危険(リスク)ってのはツキモノだろーがヨ!!そして何より高いホドそれを超えれたときの見返り(リターン)もデケェ!!アタシはズットそんなリスクに立ち向かって戦ってキタ!!今さら恐いものなんてネェンダヨ!!」

 

「「「おおおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

「コイツの言うとおりだぜジャパニーズレポーターズ!!!オレたちは必ず頂点(テッペン)を目指す!!競走場(ターフ)でも!!公道(ストリート)でもな!!!」

 

 

 

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《同日、夜、晴れ、定峰峠》

 

静かで、明かりがほとんど無い森の中の峠道。

 

昼間の空港とは180度違うこの環境にて、一人のウマ娘が走っていた。

 

彼女の特徴は一言で言えば、普通に尽きる。学年はもうすぐ中学3年生、体格も、顔つきも普通な彼女は、体につけたサーチライトのみを頼りに、しんとした峠道を下っていた。

 

カツッ カツッ カツッ カツッ カツッ・・・

 

 

ガガガガガガガガ!!!

 

ペースをカーブでも出来るだけ落とさず走る。唯一普通ではないところを上げれば、彼女は法定速度を遥かに超えるスピードで走っていることだろうか。

 

この夜、そんな彼女を見たものは特にいなかった。

 

 

 

 




自分もウマ娘だったら、峠を全力で走ってみたい。
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