ご了承ください。
《神奈川県 箱根ターンパイク(MFG予選2日目)》
MFGウマ娘部門には、主に2種類のウマ娘が挑戦している。元々競争ウマ娘だった者、初めから今まで走り屋を続けている者。
個人的に言えば峠を走るのに、有利なウマ娘は後者だろう。
今撮影用の多目的ドローンが追跡しているウマ娘が、まさにそんなウマ娘だ。
(楽しい・・・!こんな体験初めて・・・!)
地元から地方のトレセン学園でさえ遠い位置で暮らす彼女は、学生の頃から峠を走っていた。トレセンに興味を示さなかった訳ではないが、地元が大好きな彼女にとって離れるのはイヤだった。
今では既に21歳、社会人になってからも走り続けている。
そしてこのMFGには、色んな所からやって来たウマ娘達と走りたいために出場した。
(私は会ってみたい。速くて、素敵なウマ娘達に・・・!)
まさに子供のような感情を持ちながら、驚異的なスピードで峠を下る彼女。
名前は《アンノウンラック》。少し長めの金髪をなびかせながら走っていく。
ゴールを通りすぎた際、暫定一位のカラスマエイティンよりも、ほんの少しだけ遅い記録が発表された。
彼女は一切悔しがらずに満足していた。
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《3日目》
(まさかこんな風にまた競いたくなったなんてね・・・私も良い年してるのに、中身は子供のままね)
冒頭で書いた2種類について、今走っているのは前者のウマ娘だ。
年齢は既に30もあり、二児の母親でもある彼女はどうしても居ても立ってもいられず、このMFGに出場した。
特に今の暮らしが苦しいわけではない。家族との関係も良好で大した問題があるわけでもない。
かつて彼女は、競争ウマ娘として
そしてその年度を節目に引退し、地元で暮らしていた。そこで今の夫となる走り屋の男性と出会った。
走ることが好きな二人は今でも、たまに峠を走っている。
夫について、実はMFGのモータースポーツ部門に何回か出場したことがあったが、いずれも予選で落ちている。
彼女も参加したいと思っているのだが、あいにくと自分のクルマを持っておらず、自分の脚だけで走れることが出来ないことに、若干嘆いていた。
もっとも既に子供もいるため、手が回らないだろうと思っていたのだが、なんとウマ娘部門が開催されることを知ったときは、血が騒がずにはいられなかった。
だからこの一年間、峠を速く走る為に家事をしながら費やしてきた。
夫も、そのご夫妻も協力的で、かつて自分を担当してくれたトレーナーまでも手を貸してくれた。
(私はとても恵まれている・・・夫が、子供たちが、トレーナーが私に力を貸してくれる。そして今の体も十分耐えてくれている)
彼女、《オーロラカーテン》は家族とトレーナーの為に走る。あのときのような、若き自分のように。
結果として暫定3位を獲得した。携帯からは家族達からの激励が届いた。
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《東京 六本木 MFG本部》
『先程、本日最後の走者が完走しました。』
「了解。事故ってしまった子はいるかい?」
『いいえ、本日も無事故、無棄権です。順調に走ってくれました』
「それは良かった。ウマ娘はただでさえ生身で走らなければならないからね・・・報告ご苦労」
耳につけていた小型インカムの通信を切って一息つく男性。彼の名は
(ウマ娘部門・・・元々MFGが初めて開催するときから計画していたものだ。
しかし、X年前に起こった富士山の大爆発による火山性のガスが計画していた場所に立ち込めており、解禁するのは無理だった。
その後気象が安定してきたことを切っ掛けに、この部門がやっと解放された。
オレが若い頃のまだ赤城レッドサンズができる前、涼介が気まぐれにウマ娘へ峠の走り方を教えていたのが懐かしいよ。
実際今でも、トレセン学園に入れなかったりして、峠に生きる走り屋ウマ娘は少なくない。このレースはそんな娘たちのためのモノでもある。
このMFGに参加するのに理由も条件も自由だ。日本トレセンのウマ娘が出れないのはちょっと残念だが、それでもこんなに多く集まった。
・・・今回、初のウマ娘部門にして、
登場は最終日の7日目、楽しみだなぁ、涼介・・・)
イスの背もたれに寄りかかり、1人の少女の顔を思い浮かべる上有。
予選残り日数は4日、走るのを待つウマ娘はまだまだ多い。果たして、いったいどんなウマ娘が登場するのやら・・・
やっとMFゴーストの原作キャラ出てきた。
カナタくん(MFG主人公)はまだまだ先です。