あれはウソだ。
「まさかオーロラカーテンがいるとはな・・・もういい年だろうに」
「なんだドマン、知ってんのカ?そのオーロラカーテンってノ」
「あぁ、ちょうど12年前にオレが日本に研修してたときにな、天皇賞(春)って言う最高クラスのレースがあったんだよ。
まぁそれ以前に良い走りしてたから、ちょっとオーロラとその当時のトレーナーに声をかけたのが切っ掛けでな。
現にオレが教えた走りを今でもやりやがってたよ」
「ほーン、つまりこのアタシの実質センパイってわけカ。だったらしっかりと応えてアゲネーとナ!!」
「そうだな。ちなみにだが、今までのウマ娘を見てきてどう思った?ブラッド」
「そうだナ。まっ、なかなかとは言っといてヤルヨ。けどな、この程度チョイっと超えてやるゼ。見てろヨ!」
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《MFG予選4日目》
この日は一段とネット配信を見る者がとても多かった。
アメリカのグランプリウマ娘を受賞した『インパルスブラッド』、このウマ娘の走りを見るためだけに、会員登録したと言っても過言ではない者も少なくなく、最近ついにMFG登録者数は有料サイトであるにも関わらず、なんと5000万人を突破した。
腕に付けているゼッケン番号『777』、彼女が好きな数字である7をこれでもかと見せつけ、スタートラインにつこうとする。
彼女の顔は既に獰猛的な笑みを浮かべて、臨戦態勢を整えている。
直前のランナーはあと半分でゴールにたどり着く。彼女だけではない、世界中の好き者達がスタートを待ちかねていた。
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《東京都 日本ウマ娘トレーニングセンター学園 生徒会室》
この学園の生徒会長、シンボリルドルフはパソコンにてMFGの中継を見ていた。もちろん、留学生のインパルスブラッドの走りを見るために。
だが見る理由はもうひとつあった。
「MFG・・・ある意味この世のウマ娘、全てに与えられるチャンスが具現化したようなレースだ」
彼女の夢は、この世のウマ娘全てを幸福に出来る世を作ること。
1人のウマ娘として彼女はその理想のために、このトレセン学園へ入学し、数々の重賞を手に入れ、そして多くの人たちに希望を与え続け、そしてこれからもそのために生きる、若き偉大なる存在。
ゆえに彼女は、このMFGを
(私は・・・ウマ娘にとっての夢を掴むために必要な存在は、このトレセン学園が1番だと思っていた・・・
だがこれは一体どう言うことだろうか、日本に限らず世界中から集まったウマ娘たちが、立場も素性も関係なく集まっている)
モニターに映るインパルスブラッドが走り出した。勢い良く、アスファルトがえぐれるのではないかと言うほどのスタートダッシュ、実況の声が一段と盛り上がる。
(それだけじゃない、この国のトレセン学園の者・・・日本URA関係者の者が1人も出場していないにも関わらず、競争ウマ娘ではない者達がこんなにも多く存在している。
走り屋ウマ娘・・・初めからその道をたどっている者。トレセンで夢を叶えられず1度道をそれ、再び走り始めた者。なんて多いことか・・・)
コーナーをオーバースピードと言わんばかりに曲がる。とても気持ち良さそうに、笑顔で駆けている。
(
だが実際は・・・こんなにも走りに生きるウマ娘がいるとは・・・)
あっという間に終盤に入ったブラッド、普通ならこの時点で疲れを見せるのが普通だと言うのに、彼女はそんな顔色をみせない。
(このレースに参加する速いウマ娘は彼女以外にも多くいる。現段階で個人的に代表的な者はアンノウンラック、彼女はトレセンに入学せず、走り屋として生き続けている・・・
彼女ほどの実力があればG3、G2も固いな。もっとも、既に社会人であるために、トゥインクルシリーズで走れないのは残念だが・・・)
ブラッドがゴールに到達した。記録されたそのタイムは、暫定1位のカラスマエイティンより、バ身で言えば5バ身差離して先に通過。文句なしの結果だった。
(だからこそ・・・だからこそこのレースは素晴らしいと思うと同時に、自由度が高いゆえに危険だ。
タイムを確認し、映像に映る彼女は自慢げにカメラ目線で自身を指差し、自慢げに叫んでいた。
(叶うならば・・・誰も事故を起こさず、全選手が無事に走りきることを願おう。今の私には、それしか出来ない。
いずれ・・・トレセン学園も参加できるなら、もっと安全に走れるコースを作ってみたいものだ。そして私も、まだ見ぬウマ娘達と競い合ってみたい)
シンボリルドルフは席を立ち、窓に体を向ける。
(だが理由がどうあれ、もし余りにも危険が過ぎるのであれば・・・その時は何か行動を起こす必要があるだろう。
ウマ娘の幸せを叶えるため・・・このレースで何かあった者にはどうにかして手を差しのべたい。
そして救うことが、私の夢を叶えるための一歩になるのだから)
外を見ればターフの上でトレーニングに励むトレセンのウマ娘たち。彼女たちのためにも、ルドルフもまた今できることを全力で取り組む。
予選は残り半分を切った。この先どんなウマ娘が現れるかは、まだ誰にもわからない。
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≪埼玉県 定峰峠≫
「おっ、きたわね。待ってたわ」
「こんにちはカラスマ先輩、スマホで何見てるんですか?」
「何ってMFG以外なにを見るってのよ。あんたもちゃんと見てる?」
「まぁちょっとは・・・」
「ちょっとはないでしょ。ただでさえ色んな所からやって来てるんだから、見て参考にしなきゃ足下
「それってどのくらい速いんですか?」
「あー・・・頼むからそれくらい覚えてた方がいいわよ・・・はぁー・・・
まっいっか。≪ソウ≫、早速並走始めよ。今のうちに準備しておかないとね」
「はーい」
カラスマエイティンと、ソウと呼ばれる少女。最近中学3年生になったこのウマ娘も、MFGのために走り始めた。
トレセンキャラもっと増やしたい。
けどあんまり増やしたらごちゃごちゃになっちゃう・・・どうしよ。