美篶とオーリス   作:miyashiro

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出会う

「美篶様ッ…いきなり抱きつかれても困ります…」

「だーかーらー、様って付けないでよー。貴女より年下なんだから〜…」

…美篶様に隠された秘密を私だけが知っている。

「そ、それは貴女の身体だけですっ。……本当の貴女は___」

「リーナ、私は永遠の17歳だよ?」

…六瀬 美篶。…彼女は17歳を繰り返している。

「リーナが7歳の頃一緒に遊んであげたの覚えてる?」

「いや、貴女に記憶消されてますし……」

彼女は術式で学園内外の人の記憶から自分の存在を消してしまった。

曰く、かつての災厄の時に古代魔法を鎮めた術師の1人だったというが。…

「ヴィクトリア家のオーリスって居たでしょ?あれ私の同級生だったんだよ?」

「お,オーリス様と!?」

オーリス・ヴィクトリア。我がヴィクトリア家の誇りにしてこの国の高位術師。

「オーリスは最強の術師で、剣士で、…私が一番尊敬していたよ。…何度彼女にボコボコにされて泣いたか分からない。…」

「お,オーリス様に…!?」

すると彼女は手元からアルバムを召喚した。

「…あったあった。これ、」

「ッ___」

…間違いない。オーリス様の写真。

横にいるのは笑顔のオーリス様、美篶は涙袋を腫らしている。

「…懐かしいなぁ。…みんな死んじゃった。」

「………なぜ、貴女は不死になったんですか?そんな辛い思いをするなら___」

「望んで不死になったわけじゃないよ。…そんなことできてもしたくないかな………うん…昔話していい?」

「……この後の予定はありませんから、存分に。」

「…災厄って知ってるでしょ?…あの頃の話なんだけどね〜…」

『勝者!六瀬美篶ッ!』

「はいお疲れ。…私のが強かったね。」

『……なんで…ッ!』

「…勝者が敗者に命ずる。…もっと強い人を呼んできて。」

…あの頃の私は尖ってた。

上級生相手に聖遺物を使った決闘を挑んで討ち倒す。そんなことを繰り返していたら案の定友人は居なくなるわ、いろんな人から目を付けられるわで常に誰かに殺されるんじゃないかって少し心配するぐらいに。

『あれが2年の六瀬 美篶…』

『4年のコトブキもあいつにやられたって…』

『…なんか雰囲気怖い…近寄りたくないなぁ…』

…周りの批判なんて知らない。私はこの魔術学園に上級生への礼儀がを知りに来たわけでもなければ、同学年と仲良く遊びに来たわけでもない。

…この国イチの術師になって、禁書を解いて最も美しい聖遺物を精錬する。

それが私の為すこと。___

 

「わッと……」

「ッ__」

…そんなことばかり考えていたら出会い頭で生徒とぶつかってしまった。

「すまない、今教科書を拾う。」

「い,いや,私がよそ見してたから……」

…相手は,ヴィクトリア家の女だった。

代々金髪だった血筋に反した銀髪の女。

「……って、キミはミスズと言ったかい?」

「……オーリス、ヴィクトリア…!」

オーリス・ヴィクトリア。由緒正しきヴィクトリア家の女。2年にして数々の剣術大会を総なめにした女。…学年中の男女をその美顔でオトしてきた女。

『お、おいアレ…オーリス様と六瀬美篶が…』

『一触即発ってヤツ…!?』

外野がざわつく中,オーリスは胸ポケットから封筒を出し、私に差し出した。

「…いずれキミには挑戦してみたかったんだよ。ジャイアントキリングのミスズ。…」

「…別に私は___」

「おっと、断るとは言わせないよ?今まで私の友人やら先輩やらがキミには討ち取られてきたんだ。…キミの全力に応えてあげよう。それとも___私が怖いかい?」

「______ッ!」

馬鹿にするな。…例え相手がヴィクトリア家の女だろうと私は負けるわけにはいかない。

「…お前を討って、私の名を上げてみせる___!」

・.

「っぐ!」

『勝者!オーリス・ヴィクトリア!』

…結論から言うと、私は惨敗だった。

1ゲームも取れず、全ての的を突かれて。

「クソ…ッ、私は…私はこんなんじゃ___」

「…どうだい?今まで下に見ていた者に討ち取られる気分は。」

私が相手して来た生徒など所詮は雑魚だった。

本物と相手して初めて知った。自分がひどく小さな者であると。

「…………ッ…」

「さて、と。…確かキミは敗者に何か命令をしていたね。…」

…報いなら受けるつもりだ。それがどんな辱めであろうと。

「……どうだい?私の友になってくれないか?」

 

「…は?」

…私とオーリスの奇妙な友人関係はここから始まった。

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