ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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いよいよクロノとの決戦、始まる!


決戦!ショウVSクロノ!!

クロノから挑戦状を受け取り訪れた天冠の山麓、やりのはしら。そこからさらに高く登った先に超広大なフィールドで、私はクロノと対峙している。

ミラボレアスの目的……ニールさんへの復讐。そのための下準備としてシズカさんたちの世界にある『シュレイド城』という城とその周辺地域を天冠の山麓に上書きして、ポケモンを食べ尽くして自らの力にする計画……絶対に阻止しなければならない!そのためにもクロノを倒して、ミラボレアスを引きずり出さなきゃならない!!

 

「行くぞ、ショウ。俺の一番手は、コイツだ!」

 

「グァオオオオオオッ!」

 

クロノが先発で繰り出してきたのは、やはりイャンガルルガ!敵意をこちらに向けて唸り声を上げるさまは、【黒狼鳥】の名のとおりまるでオオカミのようだ。「早く戦わせろ」と、睨みをきかせている。

 

「私は、この子で!」

 

「ガオオオオン!」

 

みずとドラゴンに弱く、尚且つ鳥竜種でイャンクックに似ていることからひこうタイプと想定、弱点を突きつつ機動力でも負けない飛行可能なベリオロスで挑む!

 

「イャンガルルガ!かえんほうしゃだ!」

 

「避けて!」

 

やはり!弱点を突く速攻戦を仕掛けてきた!けど、それはこっちもかんがえていること。回避は容易だ。

羽ばたきながら火炎を放つイャンガルルガよりも高くジャンプすることで攻撃をかわしつつ、高度のイニシアチブを取る!

 

「ちっ」

 

「れいとうパンチ!」

 

「ポイズンテール!」

 

上空から迫るベリオロスのれいとうパンチを、イャンガルルガはその場でサマーソルトしつつ放ったポイズンテールで迎え撃った!攻撃が逸れたことでお互いに交差し、再びにらみ合いになる。

 

「リオレイアみたいなことを……小型リオレイアって考え、ばっちり合ってる」

 

「ぼやっとしてんな!イャンガルルガ、いわなだれだ!」

 

「ガルルガ!」

 

「ならこっちはつららおとしだ!」

 

「ガオオッ!」

 

大量の岩と氷柱がぶつかり合い、弾幕戦になる。技のタイプ相性はこっちが不利だけど、向こうはタイプ一致じゃないからあまり威力が出ないようだ。次第にではあるが、氷柱の弾幕が押し返し始めた!

 

「ギャンッ」

 

「ちぃ!押し切られたか!」

 

「アイスサイクロン!」

 

「なめんな!イャンガルルガ、ねっぷうだ!」

 

怯んだイャンガルルガにアイスサイクロンを放つも、これはバックステップで躱された。さらにそのまま宙へ舞い上がり、翼の羽ばたきでねっぷうを起こして氷の竜巻を消されてしまった……!

 

「ドラゴンダイブ!」

 

「くっ、サイコカッター!」

 

ドラゴンオーラを纏ったイャンガルルガが突撃してくる!迎撃のためにサイコカッターを選んだけど、念力の刃はイャンガルルガに触れると同時に消滅してしまった!?

 

「なんで……っ!まさか!?」

 

「今更気づいたようだがもう遅い!イャンガルルガはひこう複合のあくタイプだ!!」

 

「ガアアアアッ!!

 

「ベリオロス!」

 

しまった、こちらの予想が外れてしまった!イャンガルルガのタイプはあく・ひこう……エスパー技は効かない!対応を誤ったためにドラゴンダイブがベリオロスに直撃……これはきつい……!

 

「もう一発かましてやれ!」

 

「弱点が付けるのがそっちだけだと思ったら、大間違いよ!」

 

「なに!?」

 

「いけっ、ベリオロス!アクアブレイク!!」

 

「みず技!?」

 

再びドラゴンオーラを纏ったイャンガルルガが反転し、こちらに迫る。だが、今度はベリオロスも水の力を全身に纏ってイャンガルルガに突撃する!

水の力とドラゴンオーラがぶつかり合い、やがて大爆発へと転じた。煙から落下してきた彼らは……!

 

「ガ、オオ……」

 

「ガ……アァ~……」

 

「ベリオロス、イャンガルルガ、ともに戦闘不能!」

 

「引き分けか……戻れ、ガルルガ」

 

「(お疲れ様、剣介さん)ベリオロス、ゆっくり休んでね」

 

早くも引き分けとは……なんてこと。クロノのモンスター、本気の本気で強い!

 

「行け!グラビモス!」

 

「ガランゴルム!」

 

「ヴルアアアアアア!」

 

「グォラアアアア!!」

 

クロノが続いて繰り出してきたのは、神域で見せた緑の甲殻のゴリラ!上体を持ち上げて、胸の前で両腕を打ち合っている。

ガランゴルムの特徴は静香さんから聞いたとおり……強化前の纏ってない状態だとタイプ相性的に強いだけど、一度纏うと攻撃能力が上がる代わりにタイプ相性が変動して防御面が脆くなる。つまり、向こうが攻勢に出た時こそ、逆にチャンスだ!

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ヴラァ!」

 

「ストーンエッジで守れ!」

 

「ゴルム!」

 

まずは先制攻撃!かえんほうしゃを放つけど、ストーンエッジによる岩の壁で防がれた!判断にも迷いがなく、守勢に転じることも厭わないとは……成長している、確実に!

 

「どくガス攻撃!」

 

「ぶんまわして振り払え!」

 

続けてどくガス攻撃で視界を奪う&状態異常狙いの二段構え攻撃!これはぶんまわすの動作や威力を利用した腕のひとふりでガスを消し飛ばされてしまった……けど!

 

「今なら!すてみタックル!!」

 

「ヴラアアァァァ!」

 

「グウウゥゥゥゥ!」

 

「踏ん張れガランゴルム!押し返せ!!」

 

「ガ、ランゴオォォォム!」

 

クロノの指示で気勢を取り戻したガランゴルムは両腕でグラビモスの体を抑え、足と尻尾で地面に踏ん張り勢いを抑えにかかった!徐々にグラビモスの勢いが弱くなり始めると、片腕で技の構えに入った……まずい!

 

「この距離なら外れねぇ!ばくれつパンチだ!!」

 

「ゴルーム!!」

 

「ヴァッ……!?」

 

「グラビモス!!」

 

あ、あのグラビモスの巨体が宙を舞った!?しかもばくれつパンチは直撃すればこんらん状態になるかくとう技……今のはかなり効いた!

 

「くっ……グラビモス、戻って!」

 

「ふむ……賢明な判断だ」

 

「あのまま戦ってたら、ショウの方が圧倒的に不利だった……ナイス判断だよ、ショウ」

 

効果抜群技を喰らい、なおこんらん状態とあってはまともに戦うことなんてできない!……纏った後のことを考えれば、ここはこの子で!

 

「お願い、ラ・ロ!」

 

「グアオオオオオオン!」

 

「刻竜……UNKNOWNまで従えていたとはな。……いや、待て。そのUNKNOWN、まさかあのリオレイアか!?」

 

「そう、進化したんだ。もう今までのリオレイアだと思わないでね」

 

「ちぃ……祖龍のババアめ、余計な真似を……!!」

 

クロノがなにやら小声でブツブツ呟いている……それから、何か悪寒を感じたのか体を一瞬だけ震わせると、すぐにバトルに戻った。

 

「はっ!それがどうした、関係ねぇ……!ぶっつぶせガランゴルム!ぶちかましだ!」

 

「ゴルルル!」

 

「飛べ、ラ・ロ!」

 

「グアオン!」

 

ガランゴルムが突撃を仕掛けるも、ラ・ロは素早く空を飛び攻撃を避ける!

 

「エアスラッシュ!」

 

「グアオオォン!」

 

「ゴラアァァァ!?」

 

「ちっ……ガランゴルムのタイプがくさとかくとうの複合だって気づいてやがったか」

 

ひこう技であるエアスラッシュを受けたガランゴルムはかなり苦しそうだ!クロノもしっかり自白してくれたことで、くさ・かくとうだとはっきりわかった。静香さんの予想的中だ。

 

「これで決める……!ブレイブバード!!」

 

「グアァオオオォォン!」

 

「なめんじゃねえ!ガランゴルム、お前の力を見せてみろ!」

 

「ゴルルルム!」

 

ラ・ロが高度を稼いでいる間、ガランゴルムは両腕を地面に突っ込んでいた。引き抜かれた腕は、右腕に溶岩石、左腕に多量の苔岩を付着させている……あれが、静香さんが言っていた纏い状態か!ひこうタイプで戦えばいいとはいえ右腕がほのおとでんき、左腕がみずとこおりに対する盾の役割を持つのは厄介だ。

それに加えて、顔面にも付着物を纏っている……これが、ガランゴルムの本気モード!

 

「ゴルーム!!」

 

「……ッ!!」

 

ガランゴルムは両腕を伸ばすと、ラ・ロの翼を掴んでブレイブバードを正面から受け止めた!しばらくは押し込み続けていたけど、それよりも早くガランゴルムがラ・ロを持ち上げ、地面に叩きつけた!

さらに持ち上げ、もう一度叩きつけつつラ・ロを放り投げた。ガランゴルムは右腕を地面に叩きつけた爆発で跳躍し、地面を滑りながら飛んでいくラ・ロを追撃。その背中に左腕の苔岩を叩きつけた!

 

「どうだ!効果抜群の属性を受けると発動できる『しぜんのよろい』という技だ!……まぁ、要するに付着物纏いなんだけどな。防御能力を高めつつ、相手の攻撃を防ぐぜ!」

 

「一度きりのまもるみたいな技か……!」

 

「ガランゴルム!ラ・ロを振り回せ!!」

 

「ゴルルルムゥー!」

 

ガランゴルムはラ・ロの尻尾を掴むとそのままジャイアントスイングを始めた!何度も振り回した後に放り投げ、再び跳躍して追撃!体を押さえつけに来た!

 

「ぶちかませ!スチームブレイク!!」

 

ガランゴルムがラ・ロの真下の地面に腕を突っ込むと、土の地面が盛り上がった!?打ち上げられたラ・ロを抑えつつ溶岩石の腕で殴りつけると、隆起した地面までもが溶岩質に変化していく……!その地面をラ・ロごと、左腕の苔岩で殴りつけてとんでもない大爆発を引き起こした!?

 

「ラ・ロ!!」

 

「……グアオォ!」

 

爆煙の中から飛び出してきたラ・ロ……かなりダメージを負ったけど、何とか無事だったようだ。

 

「……今ので仕留められりゃ、御の字だったのにな」

 

「……戻って、ラ・ロ。……よしっ、ラギアクルス!」

 

「グルオアァ!」

 

私はラ・ロを戻してラギアクルスを繰り出した。

 

「ガランゴルム!ぶちかましだ!!」

 

「ひきつけて!」

 

ガランゴルムが巨体を揺らして走ってくる……まだ、まだだ……。

 

「ゴルルーア!!」

 

「……今っ!ドラゴンテール!!」

 

「グルオラァ!!」

 

ラギアクルスのドラゴンテールが、巨体を突き出して突っ込んできた直後!振るわれたラギアクルスの尻尾がガランゴルムの顔面を打ち付け、ガランゴルムはボールに戻っていく!

 

「やべっ、交代技か!?」

 

「グギャアアァァァンッ!!」

 

ガランゴルムと入れ替わりで出てきたのは、私の知らないモンスターだ。

黒曜石に似た輝きを放つ群青色の外殻と大きく発達した前脚、そして角のように突き出た頭……頭や腕には緑色のよくわからない物体がくっついている……あれは?

 

「……!気をつけて、ショウ!ソイツがブラキディオスだ!!」

 

静香さんからの警告が聞こえる……あれが、ブラキディオス!向こうの世界で龍歴院の皆さんと話し合った時に、ブラキディオスの名前が挙がっていた!タイプはほのお・かくとうタイプ!!それじゃあ、あの緑色の物体が爆発性の粘液?……接近させるわけには行かないね。

 

「ちっ、出てきちまったならしょうがない。せめて一匹は捻り潰さないとな!」

 

「ディアァスッ!!」

 

ブラキディオスはみずに弱い!肉質の関係でこおりタイプも通りが良いけど……初手でベリオロスを落とされたのは痛かったな。

 

「ラギアクルス、ウェーブタックル!」

 

「ブラキディオス、バレットパンチだ!」

 

「先制技!?」

 

ウェーブタックルを構えるラギアクルスだが、一瞬で懐に入ったブラキディオスに顎をかち上げられた!ラギアクルスの顎に、あの粘液が付着した……やばい!

 

「おらおらぁ!逃すわけにはいかねぇぜ!ブラキディオス、れんぞくパンチだ!」

 

「うっ……ラギアクルス、まもる!」

 

ラギアクルスが咄嗟にまもるを発動すると、ブラキディオスはそのまま殴りかかってきた。殴るたびに粘液が飛び散り、辺り一面にばらまかれていく……受けるのは失敗だったか!

もうすぐまもるが終わる中、ブラキディオスが拳を押し付けてくる……終わる前に!

 

「ラギアクルス、下がって!」

 

「グラァ!」

 

ラギアクルスが交代すると同時に、まもるの効果が切れる。すると、まもるの壁に拳を押し付けていたブラキディオスは力の行き場を失って前につんのめっている……今だ!!

 

「ハイドロポンプ!!」

 

「グルオォラアァァァァァ!!」

 

「ギギャアアアァァァッ!?」

 

「ブラキディオス!」

 

ハイドロポンプがどんどんブラキディオスを押し返す!このまま押し切れば――

 

「グオラッ!?」

 

「しまった……っ!」

 

だが、ハイドロポンプ照射中に、ラギアクルスの顎に付着した粘液が爆発を起こした!しまった、時間差で爆発するのは聞いていたけど、位置が悪くて粘液の状態が見えなかった!!ラギアクルスも突然顎に感じた衝撃でハイドロポンプを中断してしまった……!

 

「よっしゃ、気合入れていけよブラキディオス!きあいパンチ!!」

 

「ディオオォン!」

 

「くっ……阻止して!なみのり!!」

 

「グルラァ!」

 

ラギアクルスが波を起こし、ブラキディオスに襲いかかる……だが、そのなみのりを遮るように次々と爆発が起こった!

 

「これは……れんぞくパンチの時の!?」

 

「ステンバーイ……ステンバーイ……ゴー!!」

 

れんぞくパンチ中にばらまかれていた粘液が一斉に爆発、それによりラギアクルスが乗る波の動きが大きくブレた。バランスを崩したラギアクルスに、高く飛び上がったブラキディオスが頭上から襲いかかる!!

 

「ラギアクルス!!」

 

「グラ~……」

 

「ラギアクルス、戦闘不能。ブラキディオスの勝ち」

 

beautiful(バッチリだ)、よくやったなブラキディオス」

 

「くぅ……流静さん、戻って……」

 

きあいパンチの一撃はラギアクルスを叩き伏せ、波を割った。ラギアクルスは戦闘不能……な、なんて強さなの!?

 

「どうだい?砕竜の一撃の重さは。こいつは粘液の能力を特性として獲得した。接触攻撃を仕掛けた対象に爆破粘液を塗りつけて、時間差でドカーン!……だ」

 

「(接触するとみらいよち状態ってわけか……厄介な!)」

 

接近戦だと粘液を塗られ、離れても先制技のバレットパンチで接近&接触……なんだこいつ面倒くさすぎる!

 

「戻れ、ブラキディオス」

 

「お願い、グラビモス!」

 

「ディアブロス!!」

 

「ヴルァアアアア!!」

 

「ギシャアアアアアアアアアン!!」

 

クロノが繰り出したのはディアブロス!砂色の甲殻やハンマーあるいは両刃の斧のような見た目の尻尾……なにより目を引くのは頭に生えた二本の大きな角だ。まるで悪魔のような見た目の捻じれ角……モノブロスと鳴き声がそっくりだけど、まったく別物だとわかる!

 

「砂漠の魔王、ディアブロス……コイツも強いぜ、ビビんなよ?」

 

「くっ……グラビモス、ストーンエッジ!」

 

「ディアブロス、つのドリルだ!!」

 

「んなっ!?」

 

グラビモスがストーンエッジによる岩の刃を突き立てるが、ディアブロスは一撃必殺技の勢いで強引に突破し、その両角をグラビモスに突き立てた!!

 

「っしゃあっ!どうだぁ!!」

 

「いや、特性がんじょうだから効かないけど」

 

「ヴァー」

 

「なにいぃぃぃぃ!?」

 

「ディアァ!?」

 

残念でした!私のグラビモスの特性は『がんじょう』!一撃必殺技は効かないよ!……ただ、元々の耐久力が高すぎてきあいのタスキと同じ役割は期待できないんだけど。

 

「だったらドリルライナーだ!」

 

「ディイィアッ!」

 

「ヴァ!ヴヴァー!!」

 

「……!わかったよ、グラビモス!」

 

ディアブロスが全速力で突撃してくる……多分、グラビモスはここで倒されてしまうだろう。それを察しているからこそ、グラビモスは決意の篭った目でこっちを見た。ならば、私もその心意気に答えよう!!

 

「ぶち込め!ディアブロス!!」

 

「グラビモス!ギリギリ限界までひきつけて……力強く、だいばくはつぅ!!」

 

「じ、自爆技だとぉ!?」

 

久々の力業、全力全開でのだいばくはつだ!突撃してきたディアブロスをも包み込む爆発が起こり、グラビモスが爆破したせいか体から飛び散ったと思しき鉱石があちらこちらに降り注ぐ。いくつかは静香さん達の足元に転がっている。

 

「ギギャアアアァァァァンッ!!」

 

ディアブロスの咆哮が響き渡る……そのさなか、私の眼前に何かが降ってきて思い切り地面に突き立った。

 

「わあぁ!?……え、なにこれ」

 

「あーあー、角が折れたじゃねぇか。どうしてくれんだ」

 

「え、あ!?」

 

煙が晴れると、片方の角が根元から折れてしまったディアブロスの姿が……あ、これ、ディアブロスの角だ!?どうしよう、折れちゃった!!

 

「あわわわ……!ど、どうしよう……!!」

 

「大丈夫だ、こっちの世界でなら充分休めばしっかり再生できる。まぁ、その代わり年単位は時間が必要だけどな」

 

「うぅ……なんか、ものすごい罪悪感が……。戻って、剛太さん」

 

とりあえず角は邪魔なのでガブリアスとゴウカザルに運んでもらって……一旦、静香さん達の近くに置いておいた。あとで持ち帰るためらしい。

 

「さぁて、ショウ。お前は既にベリオロス、ラギアクルス、グラビモスの三体を失った。対するこちらはイャンガルルガが倒れ、ガランゴルムとブラキディオスにディアブロスがダメージを負ったものの、五体が健在だ。命乞いくらいは聞いてやるぞ?生かすかどうかはさておきな」

 

「……ハッ。何をもう勝った気になってるわけ?そういうセリフは、私の手持ちを全滅してから言うべきよ。手持ちが残ってる状態で煽ったって、こっちの闘争心を掻き立てるだけ……よ!」

 

「グオオオオオオン!!」

 

私の四番手はゼルレウス!まだまだ勝負はここから!そうやすやすと、勝利を譲ってなんてやらないから!

 

「ゼルレウス!りゅうのはどう!!」

 

「やべぇ!地中に逃げろ!」

 

ゼルレウスのりゅうのはどうが放たれると、ディアブロスは身を翻して地面に潜った。

 

「……この地面、攻撃や行動に対応できるんだね」

 

「ん?おう、だからダイビングもあなをほるも自由自在だぞ。……さて、突撃だァ!」

 

「甘いわぁ!!」

 

その行動は読めていた!ゼルレウスの足元から奇襲をかけてきたディアブロスだが、それよりも早くゼルレウスは飛び上がっていた!地面から飛び出した直後のディアブロスに掴みかかり、後頭部の傘のような形状部を両足でしっかりと掴み上げる!!

 

「くらえ!必殺、ちきゅうなげ!!」

 

「いや、ゼルレウスがディアブロスを持ち上げられるわけ――」

 

「グオオオォォォォォンッ!!」

 

「ディアアアァァァッ!?」

 

「――わけ、あるんかい……」

 

ゼルレウスはそのまま空へ舞い上がり、ディアブロスを引き上げていく。そのまま二回、三回と宙返りの後、ディアブロスを頭から地面に叩きつけた。

煙が舞い上がり、徐々に晴れていく。ディアブロスは……目を回して倒れこんでいる!

 

「ディアブロス、戦闘不能。ゼルレウスの勝ち」

 

「やった!ゼルレウス!」

 

「グオグオ!」

 

「ちぃっ……やってくれたな。もどれ、ディアブロス」

 

ディアブロスがボールに戻っていく。……特に何のアクションもなかったってことは、本命はブラキディオスの方か。メガシンカ……しっかり警戒しておかないと。

 

「それじゃあ、俺の五体目は……んー、よし。コイツで行くぜ!!」

 

「ウオォォォォン!!」

 

クロノが繰り出したのは、狼だった。瑠璃色の外殻に覆われた体躯に先端が三つ又に分かれた鋭利な尻尾、そして四肢に備わる朱色の鋭い爪……なによりその顔つきは紛うことなき狼!

 

「ルナガロン!」

 

「こおり・かくとうの狼モンスター!」

 

「やっぱその辺はバレてるか……いや、牙竜種の特徴から推測も容易か」

 

「ならば、ここはやはり……戻って、ゼルレウス!行け!ジンオウガ!!」

 

「ワオォォォォン!!」

 

ここはやはり狼対決!ジンオウガも繰り出されてすぐに相手をみやり、即座に間合いを計りながらにらみ合いを始めた。ルナガロンも同様に睨みつけ、同じように動き始める。円を描くように移動を続ける両者……今なら!

 

「ジンオウガ、かわらわり!」

 

「ワオン!」

 

「ッ!」

 

だが、これはルナガロンに反応されて回避された。その直後、ルナガロンの全身が氷に覆われ、尻尾が肥大化し二本足で立ち上がった!あれが、龍歴院の人から聞いた氷衣状態!ジンオウガもすかさず超帯電状態へ移行し、一気に突撃をした。

ルナガロンは懐に飛び込んで前足二本でジンオウガを抱えると、そのまま投げ飛ばしてしまった!投げ飛ばされて超帯電状態が解除されたジンオウガに追撃を仕掛けるルナガロン……そうはさせない!

 

「ライジングテール!」

 

私の指示が届き、再び超帯電状態になったジンオウガのライジングテールが炸裂!ルナガロンを吹っ飛ばし、氷衣状態を解除した!

 

「行け!ジンオウガ!」

 

「負けんな!ルナガロン!」

 

起き上がったジンオウガは轟雷跳弾で押しつぶそうとするも、ルナガロンは素早くその場を転がって回避しつつ、仰向けになったジンオウガに思い切り組み付いた!ジンオウガが前足で蹴飛ばして距離を取ると、ルナガロンはひょうざんおろしをフィールド全体の空中に展開し、ジンオウガもワイルドボルトの構えを取る。

 

「ワイルドボルト!」

 

「ビーストスライス!」

 

両者一斉に駆け出し、ルナガロンは氷衣状態になりつつ空中の氷塊を足場に、ジンオウガは持ち前の瞬発力で連続攻撃を仕掛け、お互いに何度もぶつかり合う。その度に氷塊が砕け雷電が飛び散り、戦闘の激しさを物語る。最後はお互いに距離をあけ、ジンオウガがかみなり、ルナガロンはふぶきを放ちながら両者ともに距離を詰めていき……やがて爆発が起きて再び距離が空いた。

 

「ふんっ、ウォーミングアップは終わったようだな」

 

「だね。さぁて、本格的に仕合おうか!」

 

勝負はこれから後半戦。まだまだ、これからだよ!

 

 

 

 




ブラキディオス技巧種……戦いたくないなぁ……。
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