ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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猛り爆ぜる拳VS極み照らす雷

クロノから送られた果たし状から始まったこのバトル。クロノはこれまでイャンガルルガ、ガランゴルム、ディアブロス、ブラキディオス、ルナガロンを繰り出してきた。対する私は全てのモンスターを繰り出していて、このうちクロノはイャンガルルガとディアブロスを、私はベリオロス、ラギアクルス、グラビモスの三体を失い状況は三対四で私の数的不利。

けど、勝負はまだまだこれからだ。ここからが後半戦、気を抜かずに最後まで全力でぶつかるのみ!

 

「やっば……ジンオウガとルナガロンの縄張り争い、生で見ると迫力がダンチだ。おまけにポケモンの技まで加わって、一層激しさが増してる」

 

「かくとうに弱いこおりタイプのルナガロン、肉質の関係でこおりタイプが弱点であるジンオウガ……相性という点では互角か」

 

「けど、プレッシャーがかかってるのはショウの方じゃないかな。ジンオウガはショウの切り札……ここで体力を削られると、後々に影響が出そうだし」

 

さて……相手はジンオウガが苦手なこおりタイプのルナガロン。さっきのウォーミングアップを見ても、油断すればやられるのはこっちのほうだ。

 

「(叔父さん、どう攻める?)」

 

「(氷衣状態になられると、ちと面倒だな。向こうは二足だが、こっちは四足……人間の構造を見ればわかるが、腕の有無は結構でかい。ほのお技であるほのおのキバやニトロチャージをうまく当てていくしかないが、それは向こうだって百も承知だろう)」

 

「(接近戦で弱点を突くのは露骨すぎて、かえって危険かな……。よし、明確な隙が見つかるまで牽制に徹して、ここぞというところで)」

 

「( ̄ー ̄)bグッ!」

 

作戦は決まった。なるべく被弾を減らして、残りのモンスターへの対策に当てないといけない。そういう意味では、でんきが効かないディアブロスを倒せたのはよかった。

 

「作戦会議は終わりか?一気に行くぜ!ルナガロン、スタッドスノウ!」

 

「ウオォン!」

 

「……!ジンオウガ、ハイパーボイス!」

 

「ワオオォォォォォン!!」

 

ルナガロンが足元から直線上に雪のようなブレスを吐いてきた!ハイパーボイスの指示出しは正解だった……ジンオウガの音波がブレスを吹き飛ばし、そのままルナガロンに襲いかかる!

 

「よし、きりさく攻撃!!」

 

「舐めんな!サイコカッター!!」

 

「……っ!シャドークローで迎撃!」

 

ジンオウガが飛び出すように駆け出すと、それまで通常状態だったルナガロンがあっという間に氷衣状態へと移行した。腕となった前足をクロスさせると、そのままサイコカッターを放ってきた。でも、こっちだって迎撃のシャドークローが間に合ったので、そのまま一気に距離を詰める!

 

「メタルクロー!」

 

「れいとうビームだ!」

 

向こうからの反撃のれいとうビームを右のメタルクローで受け流しつつ接近し、懐に潜り込むと左のメタルクローで土手っ腹をぶん殴る!ただ、ルナガロンも負けじとれいとうビームを撃ち返してきて、弱点のこおり技をモロに受けた……!

 

「(叔父さん、大丈夫!?)」

 

「ワオン!(平気だ!思ったよりダメージはない……ルナガロンは特攻が低いみたいだな、種族値の低さに救われた)」

 

「(種族値……?と、とにかく無事でよかったです)」

 

種族値、というのはよくわからないけど、ポケモンやモンスターの能力のことかな?ルナガロンは特殊攻撃力が高くなかったようで、弱点のれいとうビームが直撃しても問題はなさそうだった。

 

「ジンオウガ、しんそく!」

 

「ルナガロン、れいとうパンチだ!」

 

ジンオウガが縦横無尽に駆け回り、ルナガロンへ攻撃を加えていく。対するルナガロンもすれ違いざまにれいとうパンチを繰り出してきて、何度か危ない場面があった。ここで直線コース、まっすぐ正面から突撃を仕掛けるジンオウガ。

 

「正面から!?何か企んでんだろうが、受けて立つ!!ビーストスライス!」

 

「ウオオオオォォォオン!!」

 

両前足を交差させ、ルナガロンが突撃してくる。まだ、まだだ……まだまだ……。

 

「ウオォォン!!」

 

「ワオォォン!!」

 

……今っ!

 

「ニトロチャージ!!」

 

「ワオン!!」

 

「なにっ、ほのおタイプだと!?」

 

攻撃同士がぶつかり合う二拍前、技変更の指示。ジンオウガ……叔父さんなら絶対に反応できると信じていた。全身に炎を纏ったジンオウガはルナガロンの氷衣を突き破り、ビーストスライスを打ち破ってダメージを与えた!まだだ!

 

「ほのおのキバ!」

 

「ワン!」

 

「ギャヒンッ!」

 

「ルナガロン!!」

 

体勢を崩したルナガロンの首元にほのおのキバが炸裂!コレは効いてるぞ!そのままジンオウガは大きく体を動かしてルナガロンを宙に放り投げた。止めだ!

 

「アイアンテール!」

 

「ワオゥン!!」

 

ジンオウガも飛び上がり、一回転しながらアイアンテールを放ってルナガロンを地面に叩きつけた!

 

「しまった……ショウとジンオウガの阿吽の呼吸、すっかり忘れていたぜ……」

 

「これでルナガロンは戦闘不能……数は互角だよ」

 

「追いつかれたか……だが、これからだ」

 

ルナガロンを戻しつつも、冷静に振舞うクロノ。次に出してくるのは……。

 

「行くぜ、ガランゴルム!」

 

「戻って、ジンオウガ!行って、ラ・ロ!」

 

「ゴルルルムーア!」

 

「グアオオォン!」

 

再び対面するラ・ロとガランゴルム。お互い、体力がかなり削られている……ここで確実に仕留めなきゃ!

 

「ストーンエッジだ!」

 

「ラ・ロ、ぼうふう!」

 

ガランゴルムが大地を叩きつけてストーンエッジを放ち、ラ・ロがぼうふうを起こす。迫り来る岩の刃は暴風に巻き上げられるとそのままガランゴルムを巻き込み飲み込んだ。

 

「決まった!」

 

「クソッ!ガランゴルム……!」

 

暴風が晴れると、ガランゴルムが目を回して倒れている……よしっ、戦闘不能だ!

 

「よしっ、逆転した!」

 

「……だが、クロノのやつはまだ余裕を残しているようだ。未だ残している一体に自信があるのか、あるいは……」

 

これで三対二……ひとまずは逆転した!

 

「……ちっ、コイツを出さないでおくに越したことはなかったんだが……しょうがない。行けよっ、俺の六体目!!」

 

クロノがボールを投げ、六体目のモンスターが姿を現した。

 

緑色の外殻と全身に生えた硬く鋭く毒々しい赤い棘

鼻先に角のようにそびえる特に大きな棘

見るからに頑強さと剛強さを感じさせる尻尾

 

そんな力強さと堅牢さを感じさせる飛竜が――

 

「……寝てる」

 

「寝てるね」

 

「寝てるな」

 

「ど゛う゛し゛て゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!!」○| ̄|_

 

見ているこっちが感心するくらい、がっつりと眠りこけていた。

 

「……えーっと……これ、どうしたらいいんですか?」

 

「……!ショウ、起こすなら気を付けて!そいつの名前はエスピナス……全身の刺による攻撃性と頑強な外殻による防御性に加えて、『禁忌の邪毒』と称されるほどの猛毒を持ってる!そいつ自体は争いを好まない温厚な性格だけど……一度キレたら手に負えないほど危険だよ。あのクシャルダオラさえ退けたと言われているんだから」

 

「こ、古龍を退けたんですか!?」

 

なるほど……つまりコイツ、カビゴンだな!?寝てばかりだけどキレたらヤバいといえば、まずカビゴンが思い浮かんだ……そうなると。

 

「最初の一撃はなるべく高い威力の技を打ち込むべきだね……ラ・ロ、めいそう。いっぱい」

 

「グアン」

 

「おいっ、コラァ!これ見よがしに積んでるんじゃねえよお前ェー!!」

 

限界までめいそうで能力を上昇させて、最高火力で一撃をぶち込む。これだね。ラ・ロが限界まで能力を高めたのか、こちらへ振り向き頷いた。よしっ!

 

「H・D・D!」

 

「グァオオオオオ!!」

 

シロちゃんとのバトルで見せた、あの極太ビームをぶっぱなす!オーラの咆哮を使ってないから威力はちょっと低いけど、それでもめいそうでさんざん能力を上げまくっているんだ、これなら……。

 

「…………」

 

煙が晴れていく……。

 

「(`・皿・´#)」

 

「さすがエスピナスだ、なんともないぜ!」

 

「嘘でしょ……?」

 

あ、あの高火力をまともに食らってピンピンしてる!?しかも心なしかかなりお怒りの様子……。

 

「さて、気付けの一撃は十分だな!今度はこっちの番だ!エスピナス、ドラゴンダイブ!!」

 

「スピナァァァァァァァ!!」

 

「りゅ、りゅうのはどう!!」

 

「グァオン!!」

 

猛烈な勢いで突撃してくるエスピナスにりゅうのはどうをぶつける……が、全然勢いが止まらない!?

 

「グアアアアンッ!!」

 

「ラ・ロ!!」

 

ドラゴンダイブが直撃し、ラ・ロはそのまま倒されてしまった!な、なんてフィジカル……古龍に勝ったのも頷ける、凄まじいタフネスだ!

 

「戻って、ラ・ロ。お願い、ゼルレウス!」

 

「グオオォォォン!!」

 

私はゼルレウスを繰り出す。……あまり余裕を持って戦えそうにないな、それじゃあ初っ端から全力で!

 

「ゼルレウス!輝装天鎧(きそうてんがい)!!」

 

「グオオオオオオオオオオオ!!」

 

ゼルレウスの全身が光り輝き、部位にそれぞれ変化が起こる。ミラーコートを使った時に見せた、あの姿になる。

ゼルレウスは戦闘中に切断属性・打撃属性・弾属性という向こうの世界におけるハンターの攻撃が持つ属性に対して耐性を得る形態へとフォルムチェンジが出来る。本来なら一つの姿にしかフォルムチェンジできないが、ゼルレウス……焔さんはこの技を編み出して、一度にすべての形態を併せ持った『輝装形態』へとフォルムチェンジすることができるようになったのだ!

これにより、足回りと尻尾は「切る技」に、頭部は「切る技以外の接触技」に、翼は「非接触技」にそれぞれ防御性能が大きく向上する。ゼルレウスの決戦形態といってもいい。

 

「ほぉ~、エスピナスに対して危機感を覚えたか」

 

「まぁね」

 

「ショウ!エスピナスはどく・ドラゴンの複合タイプ!さらにみずとでんきに強く、こおりとドラゴンに弱く、ほのおが一切効かない体質をしている!」

 

「ありがとうございます、アカイさん!」

 

静香さんも邪毒って言ってたし、やっぱりどくタイプか。タイプと肉質が両方ともドラゴンタイプに弱いこおりとドラゴンに弱いのはありがたい。……H・D・Dってドラゴン技な上にめいそうガン積みしてたのに、ほとんどびくともしなかったんだけど。

 

「ショウ、エスピナスを怒らせるんだ。怒りに飲まれたエスピナスは全身に血液を回すため攻撃力は高まるが、その反面防御力が極端に下がる。そこが奴の隙になる、上手く戦うんだ」

 

「このっ、好き勝手にベラベラと喋りやがって!」

 

なるほど、怒り……それなら、この手が使える。

 

「ゼルレウス……いばる」

 

「グオン!……( ´・∀・` )ドヤ

 

「(#^ω^)ピキピキ」

 

「よし、次はちょうはつ」

 

「m9(^Д^)プギャー」

 

「ピナァァァァァァスッ!!」(#゚Д゚)!!

 

技の解説に「相手を怒らせる」と明記されていた技を二つとも使えば、いくら温厚といえど我慢の限界はある。案の定、ブチギレたエスピナスは全身が真っ赤になるほどの怒りを顕にし、こんらん状態も相まってしきりに頭を地面に打ち付けている。

 

「うわっ、やべぇ!?おい、エスピナス!落ち着け!!」

 

「よし、ドラゴンクロー!!」

 

「グオオン!」

 

「クソッタレが!どくづきだ!!」

 

ゼルレウスが空高く舞い上がり、高所から足の爪に展開したドラゴンクローでエスピナスに飛びかかる。エスピナスは未だこんらん状態が解けず、何度も自傷行為に走っている……が、ゼルレウスが眼前に迫ったタイミングでどくづきを繰り出してきた!こんらんが解けちゃったか……。

 

「よぉし、そのままぶんまわせ!」

 

「スピァ!!」

 

「グオッ!?」

 

「なっ、ゼルレウス!?」

 

ゼルレウスのドラゴンクローがエスピナスのどくづきを受け止め、ガッチリと掴んでいる状態で思い切り頭を振り回してきた!下手に離すと吹き飛ばされかねないほどの勢いに、ゼルレウスは必死になって耐えている。

 

「ゼルレウス……!」

 

「さぁ、どうする?」

 

「くっ……ゼルレウス、ぼうふうだ!」

 

ゼルレウスが翼を羽ばたき始め、暴風を起こす。その強烈な風にエスピナスの動きが鈍った!その瞬間を逃さず、ゼルレウスは足を離して離脱する。

 

「「ドラゴンダイブ!」」

 

ゼルレウスは空から、エスピナスは地上からドラゴンダイブで相手めがけて突撃する!今、ゼルレウスの頭部は輝装天鎧の効果で接触技に耐性がある……とはいえ、エスピナスのフィジカルはラ・ロで証明済みだ。ダメージは抑えられても、それがフィジカル差を埋めることにはならない……現に、ゼルレウスのドラゴンダイブがわずかに弾かれ、逸れたことでお互いに交差していった。

 

「やるな……!」

 

「そっちこそ……!」

 

「ならば、ギガインパクトだ!!」

 

「アサルトバース!!」

 

ありったけの力を込めて突撃してくるエスピナスに、ゼルレウスのアサルトバースが浴びせられる。だが、エスピナスはそれすらものともしない勢いで突撃を繰り返し、ついには眼前にまで迫った。だが、そこで大爆発が起こり、ゼルレウスとエスピナスを飲み込んだ!

……煙が晴れた先では、ゼルレウスとエスピナスがそろってひっくり返っている……。

 

「引き分け……」

 

「ちっ……本当に強いな、お前」

 

お互いにボールに戻し、最後の一体を繰り出す!

 

「ジンオウガ!」

 

「ワオオオオン!」

 

「ブラキディオス!」

 

「グギャアアァァァンッ!!」

 

いよいよ最後の一体……ここが、勝負の決め所だ!

 

「終わらせてやる……ブラキディオス、メガシンカ行くぞ!」

 

「グギャ"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ン"ッ!!」

 

「ジンオウガ!こっちも行くよ!」

 

「ワン!」

 

「「うおおおおっ!!/ウオオオオッ!!」」

 

ブラキディオスのメガシンカ……メガブラキディオスこと【猛り爆ぜるブラキディオス】。こっちもきずなへんげで対抗する!!

 

「気をつけろよ、ショウ。メガシンカしたコイツの粘液は即起爆する危険物だ。テメェもろとも、ジンオウガを爆炎に沈めてやるよ」

 

「そっちこそ、完成した私たちの絆の力に、度肝を抜かれないでよ?」

 

「抜かせ!ブラキディオス、ばくれつパンチだ!」

 

「ジンオウガ、きりさく!」

 

ブラキディオスが殴りかかってきて、私はジンオウガの目線でその攻撃をしっかりと回避していく。ブラキディオスの拳が穿った地面が、凄まじい爆発を繰り返す。これが、粘液が活性化した状態……喰らったらタダじゃ済まない……!

こっちもブラキディオスの攻撃の隙を突いて、きりさくを繰り出す。ただ、ブラキディオスはイビルジョーと同じ獣竜種とは思えないフットワークでこちらの攻撃を躱してくる!

くそ、本当に強いな……!

 

「くっ……一旦、距離を――」

 

「逃がさねぇ!マッハパンチだ!!」

 

「ディア!」

 

「ガウッ……!」

 

「ぐあっ……!」

 

ジンオウガがバックステップで後退した……瞬間に、先制技で一気に距離を詰められた!そのまま胸に拳が叩き込まれ、爆発の衝撃や痛みがこちらにまで伝わってくる……!

 

「捕まえたぜ。ほのおのパンチ!」

 

「「ぐうっ!/グウッ!」」

 

「グロウパンチコメットパンチシャドーパンチドレインパンチピヨピヨパンチメガトンパンチばくれつパンチれんぞくパンチアームハンマーアイスハンマー!」

 

こ、こっちが怯んでいるのをいいことに連続で拳が飛んでくる。殴られるたびに爆発が起こって、悶絶するレベルの激痛が体中を駆け巡る……!

 

「止めだ……バレットパンチ!」

 

「なめ……るなぁ!!」

 

「ワオオオオン!!」

 

ブラキディオスが拳を振り上げた直後、一瞬で懐に飛び込んだジンオウガがブラキディオスに一撃を見舞った!その一撃で怯んだのか、ブラキディオスは攻撃に出られず動きを止めていた。

 

「い、今のは……」

 

「はやてがえしだよ、ショウ!相手の先制攻撃技に反応して、こっちから先制攻撃を繰り出すんだ。この攻撃を受けた相手は怯んで行動ができなくなる!」

 

「新技だと!?」

 

すごい、この土壇場で新技を覚えるなんて!流石だよ、光輝叔父さん!

 

「(`・ω・´)」

 

「さぁ、さっきはよくもやってくれたな……今度はこっちの番だ!シャドークロー!」

 

「ワオン!」

 

「グギャ!?」

 

「まだまだ!しねんのずつき!続けてライジングテール!!」

 

シャドークローで頭をぶっ叩き、しねんのずつきで顎を勝ち上げ、ライジングテールで頬を張り倒す!よろよろと後退するメガブラキディオス……真骨頂を発揮される前に、このまま仕留める!!

 

「(叔父さん、『アレ』を使うわ)」

 

「(ええ、よくってよ)」

 

「「うわあああああ!!/ウオオオオオン!!」」

 

私の合図と同時に、ジンオウガが思い切り地面を殴りつけた。その衝撃で大岩が浮かび上がり、さらにその岩を伝ってジンオウガが高く高く上昇する。

 

「な、なんだ!?何をする気だ!?」

 

「あ、あれは、まさか!!」

 

「……ん?シズカ、知ってるのか?」

 

「間違いない……あれこそは究極最強、超ド級の必殺技にして完全無欠の最終奥義!」

 

「え」

 

空高く舞い上がったジンオウガが、右前脚に電力を集中させる。その結果、纏われた電撃が大きく、さらに大きくなっていく!

 

「スーパー!!」

 

「「イナズマ!!/(イナズマ!!)」」

 

「「キッッッーーク!!!/(キッッッーーク!!!)」」

 

「ええい、ブラキディオス!ブラキブラストブロー!!」

 

「ディオオオオオオオオオッ!!」

 

超巨大化した電撃の前足を、超高度から全速力でメガブラキディオスに叩き込む!!メガブラキディオスも大技で対抗してくる!!爆炎と雷撃とがぶつかり合い、激しく火花を散らす!!

 

「いっけェェェェ!!」

 

「ワオォォォォン!!」

 

次の瞬間、炎と雷を伴った爆発が起こり、周囲一帯があっという間に包み込まれた。これじゃあ、状況がよくわからない……!

 

「……キック?」

 

「キックですよ、足ですから」

 

「いや、前足……うん、足ならたしかにキックだな、うん……(それでいいのか……?)」

 

少しずつ、煙が晴れていく……立っているのは……!

 

「……キュ~……」

 

「ワオオオォォォォォォン!!」

 

勝った!ジンオウガが、私達が勝った!!

 

「……悔いはない」

 

ブラキディオスをボールに戻し、歩み寄ってきたクロノが呟く。どこかスッキリとした表情で、本当に悔いがない様子だ。

 

「流石だよ、言うことねぇ……大したものだ、お前ってやつは」

 

「クロノ」

 

「絆の力、見せてもらったぜ。……約束通り、黒龍へのお目通りを許してやろう。

 

さあ、こいっ!!」

 

クロノが片腕を上に突き上げると、時空の裂け目に変化が起きた!なんと、時空の裂け目の向こう側にうっすらと廃墟と化している城の風景が逆さに写って見えたのだ!

 

「あ、あれは……」

 

「シュレイド城!」

 

「え!?あれが、シュレイド城……」

 

いつの間にかそばに来てくれた静香さんが、同じく見上げながらそう言った。あれがシュレイド……向こうの世界で栄華を誇りながら、ミラボレアスに滅ぼされた国……。

 

「ククク……」

 

いつの間にか、クロノの周囲を黒い靄が包み込んでいた。完全に見えなくなったクロノの姿……それと同時に靄が物凄い速度で空高く登っていく。

 

 

――ハーっハッハッハ!見さらせ、ショウ!!これこそが最強の生物!――

 

――ありとあらゆる森羅万象を超越せし、究極龍の姿だぁ!!――

 

 

どこかから木霊するクロノの声……それと同時に靄が次第に巨大化していき、そこから尻尾、翼、手足の順に靄から姿を見せていく。そして、最後に見せたその顔は――

 

 

 

 

推奨BGM

【舞い降りる伝説】~モンスターハンターシリーズ~

 

 

 

 

あの時、アルセウスとともに見た、黒き龍……!!

 

「ミラ……ボレアス……」

 

「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!」

 

か、体が震える……心胆寒からしめるとはこのことか……。後退りをする足が止まらない……「今すぐ逃げろ」と全神経が訴えてきている……死のイメージが、こうも濃密に叩きつけられる……!

 

「ショウ、しっかり!!」

 

「し、静香さ……わ、わた……私……!!」

 

明確な殺意を持って呪いをかけてきた存在……わかっていても、恐怖を抑えきれない……!今だって、静香さんが声をかけてくれなければ、足がもつれて腰が抜けるところだった……!

 

「……くっ!ショウ、ここは逃げるよ!!光輝さん達も満身創痍だし、なにより戦力が足りない!!」

 

「それには激しく同意する!ショウ、ひとまずは体勢を立て直すぞ!!」

 

「は、はいっ……!」

 

「光輝さん!バトル後で悪いんだけど、足になって!!」

 

「ワン!!」

 

光輝さんの背に乗せられ、私たちは一目散に撤退する。……これが、ミラボレアス……私達、本当にアレに勝てるの……?

一抹の不安を抱きながら、私たちはコトブキムラまで退却した。

 

 

 




もはや語るまい……
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