ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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ついに、モンハンモンスターがポケットモンスターに牙を剥く時……。

注:ポケモン側が結構残酷な目に遭います!


湖の三試練 兇爪、跳梁蹂躙

目の前のポケモンが、警戒し立ち尽くす私たちに飛びかかってきた、その時だった。

 

「タテトプス、てっぺき」

 

「テプッ!」

 

私たちの背後から繰り出されたタテトプスが、顔の盾を使ってポケモンの攻撃を食い止めた!この声は、アカイさん!

 

「アカイさん!」

 

「ズガイドス、アイアンヘッドだ」

 

「ガッドス!!」

 

「オロッ!?」

 

さらにタテトプスを踏み台にしたズガイドスが、アイアンヘッドで巨大ポケモンを撃退した!

 

「何をしている。兇爪竜を目の前にして立ち尽くすなど、死ぬ気か?」

 

「きょーそーりゅー?」

 

あのポケモンの名前、なのかな……?

 

「……いや、失礼。兇爪竜というのはあのポケモンの別名だ。奴の名は、『オドガロン』」

 

「オドガロン……」

 

「しかし、原種ならいざしらず、亜種個体とはな……まったく、偶然というのは時に必然以上に恐ろしい結果を齎すな」

 

「亜種?」

 

「君らで言うところの、リージョンフォームというやつさ。こちらでは亜種という呼び方を使う」

 

なるほど……つまり、目の前にいるポケモンはオドガロンで、さらにリージョンフォームした亜種個体と……いや、初見さんに対して情報量が多すぎませんか!?

 

「リージョンフォーム……!それで、あのような恐ろしい姿に……?」

 

「いや、原種も大概だがね。そもそもオドガロン科の生物はとても凶暴且つ獰猛な性格の種が大半で、見目の通りに恐ろしいものしかいないのだよ。原種、亜種問わずに、ね」

 

オドガロンは突然現れたタテトプスとズガイドスに対しても容赦なく攻め立てている。対する二匹も、矛と盾の役割を果たすべく盾が前、矛が後ろの隊列を組んでタテトプスがてっぺきで守り、ズガイドスが頭突き技で攻めるというコンビネーションでほぼ互角に渡り合っている。

 

「あの赤い光……なにか、凄まじい力を感じる……」

 

「さすがは一組織の長だな、シンジュの長殿。あの赤い稲妻のような光は龍属性エネルギー……君たちに分かりやすく言うと、ドラゴンパワーだ」

 

「ドラゴン……!」

 

「その凄惨かつ無慈悲に獲物の命を狩り獲る姿……邪悪とも呼ばれる恐怖の象徴。そしてその身に宿す兇暴の証たる龍属性の力。定められた属性は……悪と龍。あくタイプとドラゴンタイプの複合タイプというわけだ」

 

「あく・ドラゴン……」

 

しまったな……もしもそうなら、フェアリータイプのポケモンがいればまだまともに戦えたかもしれない。私の手持ちポケモンでフェアリー技を覚えているのはロズレイドとライチュウくらいだ。けれど、あの身のこなし……確実に素早さは高いと見ていいだろう。するとロズレイドでは戦いにくいかも知れない。けど、オドガロン相手にライチュウに「じゃれつく」を指示するのも、なかなかに抵抗感が……主に絵面が。

4倍弱点を確実に突くためにも、ロズレイドは温存しなければならないだろう。そうなると、幸いにしてあくタイプとドラゴンタイプ単体なら、私のポケモンたちなら全員がそれぞれの弱点を突く技を覚えている。なにより、かくとうタイプのゴウカザルとドラゴンタイプのガブリアスがいる……この二匹と、ロズレイドのマジカルシャインを最高打点として戦うしかない……!

 

「……もしや、オドガロンと戦う気か?」

 

「もちろんです。……やはり、何かあるんですか」

 

「無論。あの爪に切り裂かれれば惨たらしい傷を刻み込むこととなり、生き延びたとしても断続的な出血と激痛で長時間に渡りポケモンを苦しめることになる……そんな覚悟が、君にあるのか?」

 

「……!?それほどまでに、オドガロンの爪は危険なのか!」

 

「あぁ。我が故郷では『裂傷状態』と呼んでいるが、こうなっては下手に動き回れば被害が広がるばかり……大人しくしゃがみ込みじっとしているか、食肉用の肉を食らうか、活力剤と呼ばれる特殊な薬を飲む他ない。我が故郷でも、オドガロンと相対した際にはこれらの対策を徹底していたからな。私が故郷から持ち込んだ薬品類の中に、活力剤がある。一応、こちらでの調合方法を参考に塗り薬として改良した。強力な薬故、患部に直接塗らずとも効果を発する代物だ。都合五つしかないが……ないよりはマシだ、使いたまえ」

 

ショウは かつりょくざいを 手に入れた!▼

 

 

『かつりょくざい』

塗って使う薬に改良された元飲み薬。

戦闘中のポケモンが行動するたびにHPを1/16回復する。

ポケモン1匹の裂傷状態を回復する。

 

 

「ありがとうございます!」

 

アカイさん……何から何まで本当に……!

 

「その活力剤は、あくまで保険だ。そもそも喰らわないなら、それに越したことはないが……オドガロンは原種・亜種ともに全身が強靭な筋肉に覆われている。私が知る限りあの亜種個体は12m弱の最小サイズだが、獣のように俊敏で滑らかな身のこなしを可能としている。戦闘中に使える余裕は、あまりないだろうな」

 

「じゅ、12m弱で最小……一応聞くが、最大サイズになると?」

 

「あれよりも5mは大きい」

 

「5mも変わるのか……」

 

カイさんはもはや驚きを通り越したなにかを感じているらしい。私は……あまりサイズ差に驚きはない。たしかイワークは最小と最大の差が3.5mほど、ハガネールだって最小と最大の差は3.3mほどはあったはず。それより約1.7倍程度大きいだけなら、まぁ……。ただ、17mの巨体は流石に無視できないけど、今回は最小サイズらしい。

 

「さあ、少女よ。兇爪竜の爪牙を乗り越え、見事試練に望む権利を手に出来るか?何度も言うが、オドガロンの爪だけは十分に気をつけたまえ」

 

「了解です……!ガブリアス!!」

 

「ガブアァッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM

【荒ぶる乱入者】 ~モンスターハンターポータブル3rd~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オドロロッ!」

 

オドガロンは爪を展開すると、ターゲットをガブリアスに変更して襲いかかってきた。どうやら「狩り易い小柄な獲物」よりも「わかりやすく脅威となりうる外敵」を優先したみたい!

 

「ガブリアス!オドガロンの爪に気をつけて!じならし!!」

 

「ガブガブゥ!」

 

「……!」

 

ガブリアスがじならしの為に地面を踏み鳴らそうとした、その時だ!オドガロンは壁に向かって走るとそのまま壁を登り、壁蹴りをしてそのまま空中から飛びかかってきた!?

 

「嘘っ!?こっちの動きを読んだ!?ドラゴンクロー!!」

 

「ガ、ガブッ!!」

 

こっちの指示も間に合った!ガブリアスのドラゴンクローと、オドガロンの、アレは……ドラゴンクローか!ドラゴンクロー同士が交差し、再び互いににらみ合う……っ!

 

「ガブリアス……!」

 

「ガブッ……」

 

「オロルル」

 

ガブリアスの脇腹を、爪が掠めたのか血が流れている……!対してオドガロンは……。……!?確かに当たったはずなのに、大してダメージがない……!?

 

「ふむ……これは、オドガロン亜種の肉質もタイプ相性に影響しているのか……」

 

「肉質……?」

 

「まあ、わかりやすく言うと体質だな。オドガロン亜種は龍属性……君らで言うドラゴンタイプに対して耐性を持っているのだ。反面、炎、水、雷、氷の四属性には分が悪いが……むしだのかくとうだのフェアリーだのと、その他のタイプ相性は我が故郷では把握しきれていなくてな……相性に関しては、あまり力になれそうにない」

 

「いえ、それだけわかれば十分です……!」

 

カイさんとアカイさんの会話で、やっぱりオドガロンにも体質的タイプ相性が存在することを知ることができた!それは、ゴシャハギとホロロホルルにも言えることだ。

オドガロン亜種のタイプはあくとドラゴン。あくはむし、かくとう、フェアリーに弱く、ドラゴンはこおりとドラゴンとフェアリーに弱い。そして、オドガロンの体質はドラゴンに強く、ほのお、みず、でんき、こおりに弱い……。つまり、ドラゴンタイプは相性としては等倍だが、ドラゴンが得意なほのお、みず、でんきも等倍、さらにこおりタイプには滅法弱い。そしてあくとドラゴンという複合タイプはフェアリーにめちゃくちゃ弱い!

ドラゴンが耐性を持つほのお、みず、でんきが等倍というのは単純にありがたい。私の手持ちでこおり技を覚えているのはミミロップのれいとうパンチだけ……フェアリー技もロズレイドとライチュウの二匹だけ……ただ、高い戦闘能力をもつガブリアスがドラゴン同士の殴り合いで打ち負けてしまうのは非常に痛い。

今も、ガブリアスの体に大きな傷ができて、そこから血が流れている……多分、あれが裂傷状態!痛みを堪えるガブリアスはかなり戦いづらそうだ……!

 

「ガブリアス、戻って!」

 

ドラゴンが等倍なら、これ以上ガブリアスで戦うのは愚の骨頂!ここはミミロップで……!

 

「……!オガロロー!!」

 

「……ッ!?」

 

オ、オドガロンがこっちに来て――!?

 

「ナエトル、エナジーボールだ!」

 

「エットォ!!」

 

アカイさんのナエトルが、こっちに向かってくるオドガロンを牽制した!

 

「タテトプス、ズガイドス。れいとうビーム」

 

「テトォ!」

 

「ガドォ!」

 

「オロガァ!?」

 

さらにタテトプス、ズガイドスのれいとうビームが命中し、意識外からの奇襲にオドガロンが悲鳴を上げた!

 

「何をしている、早くポケモンを出したまえ。この程度、牽制にもなりはしないぞ」

 

「は、はいっ!行って、ミミロップ!!」

 

「ミッミー!!」

 

……ふぅ、一瞬だけど死んだかと思った。いや、アカイさんの横槍がなければ普通に死んでいた。オドガロン……判断が早い。目の前の獲物がいなくなれば、すぐに別の獲物を探して襲いかかる……それも、強い個体ではない弱い存在から……ポケモン交代も、やり方を考えないと戻した瞬間に殺されかねない……!

 

「行くよ、ミミロップ……!」

 

「ミミ……!!」

 

「グルルル……オガロロー!!」

 

「来るよ!れいとうパンチ!!」

 

「ミミロー!!」

 

オドガロンが右へ左へと体を振ってから、一気に飛びかかってきた!ミミロップは持ち前の軽快さでオドガロンの牙や爪を回避して、攻撃直後の胴体にれいとうパンチを叩きつけた!

 

「グルッ……」

 

「そのままれいとうパンチで畳み掛けて!」

 

「ミミー!!」

 

オドガロンは薙ぎ払うように前脚を振るうが、ミミロップはそれを跳躍して回避!背中にもう一発れいとうパンチを叩き込む!オドガロンが体を振り回すように回転してミミロップを振り落とそうとするも、それよりも早くミミロップがオドガロンから飛び降りた。

 

「素早く、ドレインパンチ!」

 

「ミッミ!」

 

「グゥ……!」

 

オドガロンの周囲を素早く移動しながら、ミミロップは早業ドレインパンチを繰り出す。攻撃は絶えず命中し続けており、オドガロンに対して確実にダメージを蓄積できている……行けるっ……このままスピードで攪乱すれば……!

 

「……ッ!!」

 

……っ!?オドガロンの目が、一瞬赤く――

 

「ゴアアアァ!!」

 

「ミッ!?」

 

ミミロップが目の前を横切った直後、オドガロンは首を素早く動かした!それと同時に動きを止めるミミロップ……!ミミロップの長い耳が、オドガロンに咥えられて……捕まった!?

 

「オドロガガ!!」

 

「ミミィ!!」

 

「ミミロップ!!」

 

オドガロンは頭を激しく振り回し、何度もミミロップを地面に叩きつけたあと、右足でミミロップの胴体を押さえつけた!さらにオドガロンが顎に力を……!や、やめてっ!?

 

ブチブチブチィ!

 

「ミ"イ"イ"イ"ィ"ィ"イ"ィ"イ"ィ"ッ!!」

 

「ミミロップゥッ!?」

 

ミミロップの耳に、オドガロンの牙が深く食い込んで、血が――!!

 

「グレイシア!力強く、ふぶきっ!!」

 

「レィ!シャアアア!!」

 

「ギャウッ!?」

 

その直後だ。カイさんの大声とともに、カイさんのグレイシアがふぶきを放っていた。力業で放たれたふぶきはオドガロンとミミロップを引き剥がし、大きく距離をあけた!

 

「氷壁だ」

 

「……!わかった、グレイシア!」

 

「ズガイドス、タテトプス」

 

「「れいとうビーム!」」

 

「レイシャア!」

 

「ズッガァ!」

 

「テトォ!」

 

グレイシアと、さらにアカイさんのズガイドスとタテトプスも加わって放たれたれいとうビームは一瞬で氷の壁を作り出し、一時的にオドガロンを隔離できた!氷壁の向こうからは、何度も打ち付けるような音がする……今のうちに、ミミロップを!!

 

「ミミロップ!!」

 

「ミィ……」

 

あぁ……ミミロップの、耳が……!激しい力で噛み付かれたせいか、歯が食い込んだような傷跡がたくさん付いて、その上出血までしている……。わ、私のせいだ、私が……!

 

「少女よ、感傷も反省も、全て後回しにしたまえ。ここでは治療もままならない……ひとまず、そのポケモンはボールに戻しておくべきだろう」

 

「は、はい……。ごめんね、ミミロップ……少しの間だけ、我慢して……」

 

「ミ……」

 

ミミロップをボールに戻して、ボールをポーチにしまう。私の手には、ミミロップの耳から流れた血がついている……こんな、こんな傷が出来てしまうなんて……。

 

「次のポケモンを出すなら、早くしたまえ。あの氷壁も所詮は即席、そう長くは持たない」

 

「……!!アカイ殿!ショウさんはたった今、目の前でポケモンが信じられない大怪我を負ったばかりだというのに……!」

 

「嘆き悲しみ悔やめば、そのポケモンは癒されるのか?むしろここで我々が尻尾を巻いて逃げるか全滅した後のことを考えたまえ。オドガロンはこの洞窟を抜け出し、ヒスイ地方に解き放たれることとなる……そうなれば、どれだけの命が犠牲になることやら」

 

「あなたは……!!」

 

「ここへ足を踏み入れたその時から、我々に退路などないのだよ。生きるか、死ぬか……弱肉強食、それもまた世の真理よ。少なくとも、我が故郷ではそれが当たり前故な」

 

弱肉強食……弱者は淘汰され、強者のみが生きる世界……。アカイさんの故郷では、それが当たり前……。ポケモンが人間を襲い、人間がポケモンを撃退する……。

私は、なんとか立ち上がることができた。正直、今も感じているこの恐怖は、リオレウスに襲われた時の比ではない。殺される可能性……それは私たち人間だけでなく、ポケモンたちにだって言えること……それを、まざまざと見せつけられたようで私の心は荒れていた。落ち着こうと深呼吸をしても、ちっとも落ち着いてくれない……。

 

「……少女よ」

 

「アカイ、さん……?」

 

「少女よ、恐怖することはいけないことではない。恐怖心を知らぬ心はいつしか慢心を生み、慢心は滅びを齎す。我が故郷でも、敵と相対した時、敵を恐れなかった者は一人もいなかった。それどころか、敵に対して恐れるとともに敬意を払う者もいた。まだ見ぬ姿に想いを馳せ、その影を追う者もいた。

オドガロンはこの場においては敵であることに変わりはないが……我々にとっては恐ろしくも尊いもの……自然そのものなのだよ。そして、人類は自然を時には恐れ、時には尊ぶ……ポケモンとて、この世に生きる自然の一部だ。ほら、何も変わりはないだろう?」

 

「……!!」

 

恐れ、尊ぶ……それが、自然……それが、弱肉強食……。

氷の壁に、ひび割れが出来始めた……もうしばらくすれば、オドガロンは氷壁を突破してくるだろう……。

 

「恐れるな、などとは言わない。だが、恐れに屈してはいけない。恐れに抗するは勇気にある。だが、蛮勇と履き違えてはならない。特別な理由がなければ、皆で力を合わせればいい。我が故郷の戦士たち……狩人(ハンター)も、そうして力を合わせて怪物(モンスター)たちに対抗してきた。

……こんな言葉がある。

真の狩人(ハンター)とは力ではない、強い装備でもない、ましてや狩ったモンスターの数でもない。すべてを自然の一員とみなし、それを調え、制する者を指す。すべての命を受け入れて、生も死をも見つめ続ける最高の狩人……人はそれを、伝説の狩人(モンスターハンター)と呼ぶ」

 

「モンスター……ハンター……」

 

「君たち携帯獣の繰り手(ポケモントレーナー)とはやや異なりはするが、完全に異とするものとは思っていないよ。君たちもまたポケモンという命と、自然と触れ合い、生を見守り死を見送ってきた……この戦いも、その一過程に過ぎない。

さあ、前を向け。君のポケットの中には、まだまだたくさんの仲間が居るだろう?」

 

「……!はい……!!」

 

ガブリアスとミミロップの負傷で、私はだいぶ精神的に追い込まれていたらしい……まして、それが普通のポケモンバトルでなら絶対に負わないような重症なら尚更のこと。でも、まだだ。ここで折れてはいけない、折れるわけには行かない……私にはまだ、仲間が居るのだから!

 

「ゴウカザル!!」

 

「ウッキィ!!」

 

私が繰り出したのは、あくタイプに有利が取れるゴウカザル。……けど、タイプ相性だけで勝てるほど甘くはない……さんざん痛感したことだ、油断はできない……!!

 

ガッシャーン!!

 

「ウオォォロロロンッ!!」

 

氷壁を粉砕し、オドガロンが飛び出してきた!

 

「ゴウカザル!かみなりパンチ!!」

 

「ウッキャア!!」

 

まずは状態異常を狙う!ゴウカザルは迫り来るオドガロンの攻撃をしっかりと躱しながら、着実にかみなりパンチを当てていく!……!オドガロンが距離をとった……!

 

「オガロロン!!」

 

あれは、りゅうのはどうか!

 

「フレアドライブ!!」

 

「ウッキャキャアッ!!」

 

ゴウカザルのフレアドライブで、強引にだがりゅうのはどうを突破する!!……よしっ、押し切れる!オドガロンは特殊はあまり高くないみたい!

 

「インファイト!!」

 

「ウウゥゥゥキャキャキャキャキャキャッ!!」

 

「ガッ!グウゥ……!!」

 

よしっ、効いてる!!このまま一気に――

 

「……!グオロロン!!」

 

「ウキッ……!

 

……!オドガロンが勢いよく体を旋回させてゴウカザルを吹っ飛ばした!よく見ると尻尾に鋼の力が……アイアンテールか!

 

「オドガロー!!」

 

あの毒々しい紫の爪……まさか、フェイタルクロー!?

 

「ガロロロロ!!」

 

「ウギッ!」

 

まずい、フェイタルクローを食らってしまった!フェイタルクローは確率で毒か麻痺、眠気に襲われる厄介な攻撃……状態異常は……!?

 

「キキッ……!」

 

ゴウカザルの動きが鈍い……まさか、麻痺!?……ッ!!オドガロンの爪が、再び十本に変化した!裂傷状態の攻撃が来る……!!

 

「ゴウカザル!!避けて!!」

 

「オロロロンッ!!」

 

「ウギャアッ!?」

 

「ゴウカザルッ!!」

 

ゴウカザルは体が痺れて動けない!そこへオドガロンの兇爪が襲い掛かり、ゴウカザルを深く切り裂いた!!ゴウカザルの体から、夥しい量の血が……!

 

「ゴウカザル!もど――!!」

 

「ゴォウカアアアアアッ!!」

 

私はゴウカザルをボールに戻そうとした……けど、ゴウカザルはしっかりと両足で立ち上がると私の方を見てきた。ゴウカザルは……引き下がるつもりはない、と言いたそうにしている……。

私は……私は、ゴウカザルを、信じる!!

 

「力強く、インファイトォッ!!」

 

「ウウウキャアアアアアアッ!!」

 

ゴウカザルの決死の乱打が、次々とオドガロンに浴びせられる!その激しい攻撃に、オドガロンは一歩、二歩と後退していく……!ゴウカザルの攻撃が、オドガロンの顔面に叩き込まれようとした……その時だ!突然、オドガロンの頭部が黒煙のようなエネルギーに包まれ、両眼も煌々と輝く赤色に染まった。さらに上半身には赤い紋様のような筋が表れ、一層不気味で恐ろしい形相と化した!?

オドガロンは驚異的な反射神経で顔面に迫るゴウカザルの拳をその口に咥え込んだ!!

 

「まずい……!あれじゃあ、ミミロップの二の舞に……!!」

 

後ろでカイさんがそう言った直後、オドガロンは再び頭を激しく振って何度も何度もゴウカザルを地面に叩きつけるとそのまま勢いよく放り投げた!上に放られたゴウカザル目掛けて、オドガロンが強烈な頭突きを繰り出してさらに吹っ飛ばした!あれは、もろはのずつき!!ダメだ、ゴウカザルじゃ耐えられない!!

 

「ゴウカザル!!」

 

なんとかボールを使って、ゴウカザルが壁に叩きつけられる前に戻すことができた……。ガブリアス、ミミロップ、そしてゴウカザル……みんな、私の自慢のポケモンなのに、オドガロン一匹に継戦が難しいほどに追い詰められた。まして、ミミロップとゴウカザルは戦闘不能……オドガロンはまだまだ健在だ、ロズレイドを出すには危険すぎる。なら、私は次に出すのは……!

 

「ダイケンキ!!」

 

「ルシャア!」

 

私の最高のパートナーで、さらにダメージを稼ぐ!!

 

「気をつけろ、少女よ。オドガロンのあの状態……所謂『強暴化状態』と呼ばれる特殊形態だ。君らはフォルムチェンジ、というのだったな。あれはオドガロン種が獲物を喰らい、多量のエネルギーを一気に摂りこむ事で変化する。……おそらく、ミミロップの耳を食い潰した際に、その血肉をわずかでも摂り込んだのだろう……ああなれば、歴戦の猛者といえど苦戦は必至、ポケモンだけでどこまで戦えるか……」

 

「大丈夫……ショウさんなら、きっと勝てる……!!」

 

カイさん……私のことを信じてくれる人が、私の後ろにいる。ならば、私はどんなことがあっても、引き下がるわけには行かないんだ!!

 

「行くぞ、ダイケンキ!!」

 

「ルシア!」

 

「どくづき!」

 

「ルッシャア!!」

 

ダイケンキが駆け出し、同時にオドガロンも向かってきた……!速い、明らかにさっきとは動きが違う!!一気に距離を詰めたオドガロンは容赦なく爪の攻撃を繰り出してくる。だが、ダイケンキはその攻撃を避けたりどくづきで迎撃したりと、上手いこと躱している……!ここだ!

 

「跳べ、ダイケンキ!!」

 

「ルルシャア!」

 

「……!」

 

「シザークロス!!」

 

「ルッシャアア!!」

 

爪の攻撃を跳躍で躱し、見上げたオドガロンにシザークロスを叩き込む!あくタイプのオドガロンに、むし技は効果は抜群!かなり効いたはずだ!

 

「ウオロロロ!」

 

「アクアテール!!」

 

「ルシ!!」

 

「ウロッ!?」

 

再びオドガロンが噛み付いてこようとしたけど、アクアテールを鼻先に当てたことで怯ませることができた!

 

「ひけん・ちえなみ!!」

 

「ルルッシャ!!」

 

「グッ……!

 

よっし!ひけん・ちえなみも命中!散らばった貝殻がオドガロンの体にいくつも突き刺さり、継続ダメージを与える!

 

「オドガアーッ!!」

 

「ルジャッ……!!」

 

オドガロンのアイアンテールで、ダイケンキが吹っ飛ばされた!さらに、オドガロンは私の方へと素早く振り返った……!

 

「オドロロロ!!」

 

「グレイシア!」

 

「レイシャ!」

 

カイさんの声に応じ、グレイシアがれいとうビームを放つが、回避されてしまった!オドガロンが大きく口を開けて、私を――

 

ガチンッ!

 

――とは、ならなかった。直前で、ダイケンキが間に角を差し込んでオドガロンの牙を抑えてくれたからだ!けど、そのせいでダイケンキまでもがオドガロンに捕まってしまった……!

 

「逃げて!ダイケンキ!!」

 

「オガロロ!」

 

「ルッ……!!」

 

オドガロンはダイケンキを咥えたまま走り出し、柱に向けてダイケンキをぶつけていった!さらに前脚でダイケンキを押さえつけ、そのまま圧をかけていく……!!

 

「ル、シャア……!」

 

「ダ、ダイケンキ……」

 

ダイケンキ、一体、何を……オドガロンの口元から、ミシミシと音が……まさか!?

 

「ダイケンキッ!!だめぇ!!」

 

「ルジャア"ア"ア"ア"ッ!!」

 

 

バキリッ。

 

 

「あ――」

 

ダイケンキが……角を、折った……それも、自分の意思で……!!

 

「ルシャ、ルシャア!!」

 

「……!ダイケンキ!力強く、シザークロス!!」

 

「ルルッシャアアアア!!」

 

角が折れたことで抑えがなくなり、前につんのめったオドガロンの足から一瞬で脱出したダイケンキに叱咤され、すぐさま力業シザークロスを指示した。ゼロ距離からの斬撃を避けられず、オドガロンはまともに食らって吹っ飛んだ!

 

「ここしかない!戻ってダイケンキ!お願い、ロズレイド!!」

 

「ローゼー!!」

 

「ロオオオガアアアッ!!」

 

ロズレイドを繰り出すと同時に、オドガロンがげきりんの技で突撃してくる。ここで確実に、ぶち当ててやる!!

 

「ロズレイド!力強く、マジカルシャイン!!」

 

「ローズレーッ!!」

 

「ガッ、ギッ……ロガアアッ!!」

 

技同士のタイプ相性もあって、力業マジカルシャインはオドガロンを吹っ飛ばして壁に叩きつけた!そのまま地面に倒れるオドガロン……今だ!!

 

「モンスターボール!!」

 

私はすぐにモンスターボールをオドガロンに向かって投げた!モンスターボールはオドガロンを確実に格納した……一度、二度、三度と揺れて……捕獲の花火が打ち上げられた!

 

「はぁ……はぁ……!や、やった……オドガロン、捕獲……!」

 

「やった、ショウさん……!」

 

「ふむ……辛くも勝利、といったところか。いや、なんにせよ勝てたのならばよかった」

 

私はオドガロンを捕獲したボールを手に取る。……苦戦、した。ポケモンたちもたくさん傷つきながら、私のためにみんなのために、一生懸命に戦ってくれた……みんなには、本当に感謝しないと……。

 

「……ふむ、試練の時のようだ」

 

「……!」

 

アカイさんの言葉に反応して顔を上げると、四つのピンク色の房のような頭のポケモンが姿を現した。そのポケモンは私の感情を求めているそうなので、素直に応じることにした。そのポケモンが私に尋ねたことは複数個あった。ヒスイ地方に初めて訪れた時の気持ち、ポケモンを仲間にしてともに行動することをどう感じたか、コンゴウ団やシンジュ団と関わってみて何を思ったか、ギンガ団を追放されて路頭に迷ったとき何を感じたか。そして……

 

《この世ならざる 異形の獣と触れ合い混じり合い

時に力を合わせ 時に刃を交えて 何を感じたか》

 

そして、ジンオウガたちとの出会いやバトルを通じて、何を感じたのか。

 

「……ジンオウガたちと出会った時は、いつも不思議な気分だった。ずっと、彼らのことを知りたいという気持ちが胸の奥から湧き出てきていた。バトルをしてみて、彼らが普通のポケモンよりも一線を画す力を持ち、恐ろしい存在だと感じた……けど、そんな彼らが力を貸してくれると思うと、すごく嬉しかったよ」

 

私の答えに満足したのか、最後の質問の後にそのポケモンはニッコリと微笑んだ。……結構可愛い。そして、そのポケモンの一部である羽を受け取った。……前の私の予想、半分が当たっちゃったな。

三つの道具が全て揃った……早速コギトさんのもとへ……行く前に。

 

「ひとまず、原野ベースに急ぎましょう。ポケモンたちの手当をしないと……!」

 

「そうだね……ウォロさんには、わたしから事情を話しておく。だから、ショウさんは一足先にベースキャンプに行って!」

 

「ありがとう、カイさん!アカイさん、活力剤はしっかりと有効活用させていただきます!」

 

「そのために渡したのだ、遠慮はいらんよ。君たちは先を急ぎたまえ」

 

「はい!」

 

アカイさんをその場に残して、私とカイさんは急いで洞窟の外へ出る。カイさんがウォロさんに話をしている間に、私はライドポケモンたちを乗り継いで原野ベースまで急行する。

 

この時、私は全く予想すらできなかった。まさか、あの子が――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まったく。狩人でもない少女一人に、いささか荷が勝ちすぎたのでは?」

 

「…………。まぁ、貴女の言わんとすることもわからんでもない。この地で彼の龍と相対するならば、むしろこれくらいは乗り越えてもらわねば」

 

「それにしても……雷狼竜、鎧竜、海竜、火竜、氷牙竜……これらのモンスターを従える異界人、その人となりを知るべくこの世界の混乱に乗じるその強かさ、大したものです」

 

「…………。フッフッ、私は……えぇ、それなりには気に入っていますよ。いつしかこの世界のルールで戦ってみたいと思えるくらいには。彼女は……ショウは、可能性を秘めている。それこそ、我々の世界における伝説の狩人と同じか、あるいは……」

 

「なんにせよ、私はもう少し彼女を見守ろうと思います。まずは、この世界の異常を解決しないことにはお話にもなりませんしね」

 

「えぇ、えぇ……フフッ、貴女もなんだかんだ、相見える日を楽しみにしている、と」

 

「それは重畳。では、本日はこの辺で。それでは、また」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我らがよ」

 

 

 

 




対オドガロン戦……決して無傷での攻略とはいきませんでした。
ショウちゃんのポケモンたちの安否やいかに……




そして





祖龍さんが見てる

極み化するなら……?

  • 極み迸るライチュウ
  • 極み咲き乱れるロズレイド
  • 極み蹂躙するガブリアス
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