前後編位に分けたほうがスッキリするかなと思い……と言いつつ本音はバトルシーンは文字数が勝手に増えるんでね!
アカイさんとシロちゃんをムラに迎え入れ、ヒスイ地方に伝わる伝説ポケモンの調査にウォロさんの協力を取り付けた私は、早速ウォロさんが待つ黒曜の原野の高台ベースへとやってきた。ベースの奥、崖下の壁の前にウォロさんが立っている。
「ウォロさん、お待たせしました」
「ショウさん!!こちらをご覧ください!それはもう、穴が開くほどに!!」
私を迎えてくれたウォロさんはいつもの三倍は高いテンションで壁を指した。……この壁画、ポケモンの姿を模したその絵の壁画は、ヒスイ地方の至るところで目にしたことがある。調査のためにあちらこちらを行ったり来たりしているうちに、目撃したものだ。……当然、ウォロさんが指している壁画に関してもちゃんと見ている。
ウォロさんは象形文字だと推測しているようだ。……文字という発想はなかったなぁ、これもいろんな遺跡を見てきたウォロさんだからこそ考えついたのかな?そしてウォロさんはこの象形文字は「全なる神のかけら、勇気あるものはポケモンと心通わせ、かけらの在処を探し出した」と記しているのではないか、と考えているらしい。ここでいう"全なる神"とは宇宙の創造神……アルセウスを指しており、"かけら"とはプレートのことを指しているのだとか。プレートの裏側に書かれている「うちゅううまれるまえ、そのものひとり、こきゅうする」の「そのもの」こそがアルセウスなんだとか。
……アルセウス。私をこのヒスイ地方へと導いた存在……そして、私に残された唯一の帰還の手掛かり。ウォロさんは私にプレートをすべて集めることを勧めてきた……そこから予測するに、アルセウスに出会うにはプレートの存在が必要不可欠なのかもしれない。だったら、絶対に集めてやる。まだ捕獲できていないポケモンもいるけど、それも数匹程度でプレート探しと並行して捕獲すればいい。ウォロさんはプレートの場所に心当たりがあるらしく、険し林へ向かうことになった。
早速険し林に着いてみると、普段はそこでは絶対に見ないであろうビークインのオヤブン個体がいた。
「ショウさん。ビークインの相手、お願いいたします!」
「わかりました、ライチュウ」
「チュウ!」
「力強く、ボルテッカー!!」
ごめんね、ビークイン。今の私、ちょっとだけ気が立ってるんだ。アルセウスに出会える可能性を前にして、立ちはだかるあなたが悪いんだからね。ビークインはライチュウの力業ボルテッカーの一撃で倒れ伏した。……ウォロさん、なんか顔が引きつってません?私は言われた通りに相手をしただけなので、その結果について貴方にどうこう思われる謂れはございません。
倒れたビークインが何かを落としたので拾い上げてみると、大地のプレートよりも薄い色の明るい茶色……いや、砂のような色のプレートだった。ウォロさん曰く、岩石プレート、とのこと。
そして……ウォロさんの情報は、ここで終わった。……本気で探す気はあるんですか?仕方がないので、プレートに詳しそうな人としてコギトさんをあたってみることにした。
隠れ里にあるコギトさんの庵にお邪魔すると、開口一番に褒められた。せっかくなのでアルセウスのことを聞いてみると……どうやらコギトさんの千年以上も昔になるご先祖様こと古代シンオウ人はアルセウスをヒスイ地方を生み出したポケモンとして崇めていたらしい。そしてバサギリやアヤシシの先祖たちにプレートを渡したとか。……この辺は、「シンオウさまから云々」で事前に聞いていた内容と同じだ。それ以上に目新しい情報はない……というより、より詳細な情報が伝え残っていれば、コンゴウ・シンジュ両団がディアルガとパルキアをアルセウスと勘違いするはずがないとのこと……ごもっともだ。
ただ、私が落ちてきた理由が分かるかも知れないとウォロさんに諭されると、快く協力してくれた。
コギトさんから聞いた話は、五つ。湖の3匹、火山、三日月、神殿の巨人、はじまり……要約すると、エムリットたち三匹のこと、火吹き島、迎月の戦場、キッサキ神殿、始まりの浜のことのようだ。どうやらそれぞれの場所にプレートがあるらしい……なら、行ってみるしかないだろう。
ここからは、かなり長くなるのである程度割愛しながら話すとする。プレートを持つポケモンたちのこと……勝負になる可能性は大いにあるので、私は一先ずコトブキムラへ戻って諸々道具の準備をすることにした。ウォロさんはプレートの裏にある内容について心当たりがあるらしく、そちらを当たることにするらしい。……今後、ウォロさんとどこかでばったりと出会う可能性もあるだろう……移動手段はジンオウガに限定しよう。
ムラに戻った私は門の前でデンボク団長と出くわした。……なんでも、コギトさんから事情を聴いて私が戻ってくるのを待っていたらしい。それから、始まりの浜へ来るように伝えた団長は先にそちらへ向かってしまった。……正直、あの一件以来デンボク団長との間に蟠りは残り続けている。私がずっと根に持っているだけなので、私の気持ち次第なのだが。
始まりの浜に着いた私は、そこで待っていたデンボク団長とポケモン勝負をすることとなった。なんか、来て早々に立ち会えと言われたので、そうしただけなんだけど。デンボク団長の手持ちポケモンはテンガン山で戦った時よりも強くなっていて、尚且つ新たにヘラクロスが手持ちに加わっていた。初手にゴローニャを繰り出した団長に対して、同時に繰り出した私の初手はロズレイド。放たれたストーンエッジを軽やかに回避したロズレイドは、反撃のエナジーボールで一撃でゴローニャを下した。続いて繰り出されたウォーグルとはオーラウイングとシャドーボールの撃ち合いになり、ここは引き分けとなった。
続けて同時に繰り出されたのは団長がヘラクロス、私がルカリオ。早業バレットパンチに合わせられてインファイトで迎撃されたけど、お返しにしねんのずつきをしっかりと喰らわせられた。そのあとは力業はどうだんでヘラクロスを倒したものの、後出しで出てきたピクシーのサイコキネシスでルカリオは戦闘不能になってしまった。私は敢えてピクシーに対してガブリアスを繰り出した。ドレインキッスに対してアイアンヘッドを顔面にぶち当てて、ストーンエッジで宙に浮かせたあとにアクアテールで吹っ飛ばして戦闘不能にした。団長の最後のポケモンであるカビゴンとは、力と力の殴り合いに発展した。しねんのずつきとアイアンヘッド、10まんばりきとアクアテール、ギガインパクトとドラゴンクローと、純粋な力のぶつけ合いの末にカビゴンを下してガブリアスが勝利した。
無事に勝利を収めた私は、デンボク団長から橙色のプレート「こぶしのプレート」を受け取った。このプレートはデンボク団長やムベさんがヒスイ地方に来た際に、始まりの浜で見つけた物なんだそうだ。始まりの浜で発見されたプレートが、始まりの浜に落ちてきた私のもとへ……まるで、シンオウさまに導かれているようだ、と語る団長……そうなのかもしれない。あと、名をヒスイ地方からシンオウ地方と称するべきかもしれないという考えには賛同しておいた。
「わたしに言う資格はないが……おまえのように才ある者が調査隊員でよかったと思っておる。でなければテンガン山で敗れ、わたしたちの場はもちろん、未来もなかった」
「団長……」
「……さあ、もっと調査せよ。おまえが得た知識は、わたしたちの行く先を照らす光となる!」
「……無論です」
光か……私の光はロウソク式だから、そのうち勝手に消えてしまうけど、勘弁してくださいね。
「……それと、おまえにとって重要な話がある」
「話……?それはいったい……」
「いや……急ぎの話ではないゆえ、プレートをすべて集めてからでも良い。おまえの周りが落ち着いたら、連絡をくれ」
「はぁ……わかりました」
重要な話……一体何のことだろう?まぁ、プレートを集め終わってからでもいいと言ったので、その通りにさせてもらう。プレートをすべて集めれば、私は帰ることが出来るはずだから。
こぶしのプレートを回収した私が次に向かったのは群青の海岸。火吹き島にプレートがあるというコギトさんの情報を頼りに向かえば、ベースでガラナさんとカイさんが私を待っていた。ガラナさん曰く、「火吹き島で気になることがあるから調べて欲しい」とのことだけど……カイさんも一緒に行くの?暑いの苦手なのに、ガラナさんにあっさりと言いくるめられて火吹き島に向かうことが決定したカイさん……ガラナさん、身内には割とS?
「あ、ショウさま。その……ラギアクルス様は息災ですか?」
「ラギアクルスですか?はい、大変元気にやってますよ」
「ふふ、ガラナちゃんって本当にラギアクルスが好きだよね。たまに会って話をするときだっていっつもススキさん、島キング、ラギアクルスだもん」
「か、カイ!その話は内緒にしてと……いえ、その前に!人前でそのように呼ぶのはやめなさいと言っているでしょう!」
「あ、ごめんなさい。ついつい……」
「あはは……。あ、カイさん。実はアカイさんがコトブキムラに滞在してくれることになったんですよ。おかげでラギアクルスたちの調査が凄く捗っています」
「そうなんだ!ますます図鑑の完成が楽しみだなぁ!」
そう言ったカイさんに同意するようにガラナさんも頷いている。……とりあえず、当たり障りない返事をするだけに留めておいた。図鑑の完成が先か、私の帰還が先か……どちらになるかなんて、予測がつかないから。
火吹き島に着いた私は、火山の麓にある祠の前で待つススキさんとカイさんに合流した。早速中へ入ってみると、ポケモンが一匹……!?
「ごごぼっ、ごぼぼぼ!ドラァーン!!」
「なにかいるよ、ショウさん!」
「……ヒードラン」
「ひ、ヒードラン?ショウさんは、あのポケモンを知っているんですか……?」
「……時空の裂け目の向こうの世界で、聞いたことがあるだけです……!」
嘘だ、ヒードランはお母さんが愛用していたポケモンの一匹で、バトルタワーのシングルバトルルールで強かった印象がある。持ち物で浮いたヒードランがステロを撒いて守ったりマグマストームでとっ捕まえてだいちのちからで吹っ飛ばす様は、見ていて凄まじいものがあった……。
そのヒードランが、目の前にいる。一瞬、お母さんの姿を幻視するも、すぐに見えなくなった……いけない、思い出深いポケモンに出会ったせいで少しセンチになってるみたいだ。
ヒードランはほのお・はがねの複合タイプ……相手が得意なタイプを、両方受けられるポケモンを使うのが正解だ!
「ダイケンキ!」
「…………」
繰り出されたダイケンキはヒードランを見据えると、静かにアシガタナを抜いた。極みダイケンキの特徴を活かせば、技に対して耐性を持つポケモンだろうと押し切れる!
「ドラララ!」
早速来た、マグマストーム!ほのおのうずの超強化技……けど、ダイケンキなら!
「断ち斬れ、ダイケンキ!!」
「……!」
「ドランッ!?」
迫り来る豪火の渦を、ダイケンキはアシガタナの一振りでかき消した!ヒードランは十八番の技をあっさりと打ち破られたことに驚愕して、動きを止めている!
「つばめがえし!」
「!」
「ごばっ!?」
「続けてシザークロス!」
「!!」
「ごぼばっ!!」
立て続けに繰り出された連続攻撃に、ヒードランはなすすべなくやられていく……全ての技が急所にあたる極みダイケンキだからこそできる戦い方!タイプ相性なんて関係ない!
「ひけん・ちえなみ!」
「……!」
「ごっば……!」
よしっ……!
「これで!!」
だいぶ弱ったように見えるヒードラン……私は迷うことなくボールを投げた。モンスターボールはしっかりとヒードランを格納し……無事に捕獲することに成功した。……直前までヒードランが居た場所に、プレートが落ちている。鋼色のプレート……「こうてつプレート」だ。
「捕獲完了、と」
「ふう……暑さもちょっとはましになったよ……」
「ウインディとヒードラン、2匹のほのおを吐くポケモンが火山のある島にいれば……それはもう暑い……いえ、熱うございますよね」
無事にヒードランを捕獲したことで、カイさんとススキさんもこちらに来てくれた。……カイさん、今にも死にそうな顔になってるけど、大丈夫……?
カイさんは自分がここに来る意味があったのか疑問視してるけど……まぁ、あったといえばあったけど、なかったといえばなかったというか……。ススキさんが言うには愛のムチ、とのことだけど……。
カイさんとススキさんの二人が先に戻る前に、カイさんがこちらに振り返った。……なんとなく、ダイケンキを見ているような?
「……ショウさん。ダイケンキ、どうしちゃったの?オドガロンに角を折られてから、ちょっと心配だったんだけど……なんだか、妙に強くなってない?今は別の意味で心配なくらいなんだけど……」
「アカイさんが言うには、今のダイケンキは"極み"と呼ばれる強い個体に成長しているらしいです。力の象徴を失ってでも、私に勝利を齎したいという強い決意が、ダイケンキを"極み個体"へと成長させたようです」
「へぇ、"極み個体"かぁ……。わたしのグレイシアも、いつかそんな強いポケモンになれるかな?」
「条件が複雑すぎて、厳密にどうすればいいのかはわかりませんが……」
そうして"極み個体"について少しだけ話をしてから、二人は火吹き島から帰っていった。……グレイシアの"極み個体"かぁ……。アカイさん曰く、"極み個体"はポケモンによっては姿が大きく変わるものもいるみたいだし……全身が霜でびっしりになって、サンダースみたいになったらちょっと面白そうだな。
群青の海岸を離れて、次に私が向かった先は天冠の山麓だ。三日月……月といえば迎月、迎月といえば天冠の山麓……そんな連想ゲームでたどり着いた迎月の戦場に、ツバキさんの他にユウガオさんもいた。
どうやら迎月の戦場にクレセリアというポケモンが居座ったせいでマルマインが隠れてしまったそうで……ツバキさんはこれを何とかしてくれ、と頼んできた。なるほど、クレセリアか、クレセリア……。
……やめてお母さんサイコシフトなんてああああまたこっちがやけど状態にばかばかなんでめいそう積んでるのよムーンフォースの威力おかしくなってるんだけどっていつの間につきのひかりで回復してやめてこっちはやけどで物理攻撃下がってそっちはめいそうで特防上がってるんだけど私の手持ち誰もからげんき覚えていないんだってばホントに勘弁してくださいお父さん助けてグライオンギロチンお願いします!!
「……ショウさん?」
「そうだギロチンだ、ギロチン当てればこっちのもの……」
「ぎ、ギロチン!?ポケモン相手に何をしようとしているんだ!?」
……はっ!い、いけない……小さい頃にお母さんに植えつけられたトラウマが蘇ってしまった……。落ち着け、落ち着け……相手は野生のクレセリア、そんな初心者殺しの害悪戦法を使ってくるはずがない……ないよね?
「行きます」
「……いや、だいぶ顔色悪いけど大丈夫なのかい?」
「イキマス」
「アッハイ」
ツバキさんの心配など他所に、私は迎月の戦場へと足を踏み入れた。戦場の奥の方に、クレセリアがいる……。
「るなーん、レーセァ」
クレセリアが一声鳴くと、突然こちらの方向感覚がおかしくなった……!この感じ、まるでアカイさんから聞いたホロロホルルの鱗粉の効果に似てる……!?
「くっ……!」
前後不覚になりながらも、私はなんとかクレセリアの攻撃を回避しつつねばりだまを何回かぶつけることに成功した。クレセリアが怯んだ隙を突いて、私は背後に回り込むと身を翻しながらボールを投げた!背後からボールに格納されたクレセリアは、直前まで怯んでいたこともあってあっという間に捕獲することに成功した。
「よぉし、よぉーし……!」
内心、トラウマを刺激されまくってメンタルが死にかけていたので簡単に捕獲することに成功したのは本当に嬉しかった。拾い上げたのは黒い色の「こわもてプレート」だった。
……みかづきのはねじゃないのかぁ(´・ω・`)
次に向かったのは、三つの湖だ。キッサキ神殿の件もあるので、あかいくさりの材料集めの時とは逆の順番で湖を訪ねていき、それぞれエムリット、アグノム、ユクシーの三匹を捕まえることにした……のだけど。
「きゃううん♪」
「きゅううん♪」
「きょううん♪」
……と、なぜか三匹は出会った段階でめちゃくちゃ懐いていた。懐かれるようなこと、なにかしたっけな……?一応尋ねてみると、それぞれからテレパシーで「守護者を排し、我が物顔で居座る異形のケモノを駆逐してくれてありがとう」と、お礼を言われた。
どうやらゴシャハギ、ホロロホルル、オドガロン亜種を捕獲して洞穴から連れ出したことに強く感謝してくれていたようだ。それで、もしまた会う事があればその時は私についていくつもりでいたらしい。……まぁ、バトルしたりねばりだまをぶん投げる手間が省けたと思えば、得をしたと判断していいのだろう。私はそれぞれをモンスターボールに収めて、ユクシー捕獲時に発見した「りゅうのプレート」をその場から持ち出した。
エイチ湖を出た私は、その足で直ぐにキッサキ神殿へと向かった。……ワサビちゃんと鬼ごっこをしたとき、入れなかった扉があったと思うけど……多分、あれかな。その扉の前まで来ると、ワサビちゃんとセキさんが現れた。どうやらワサビちゃんの千里眼に、キッサキ神殿を訪れる私の姿を見たらしい。
「久しぶり、ワサビちゃん」
「久しぶりだね、ショウさん。ベリオロスは元気?」
「うん、元気にしてるよ。最近、ベリオロスに詳しい人に会えてね、その人がムラに滞在してくれるおかげでベリオロスの調査がすごく進んでるの」
「そうなの?……わぁ、本当だ!全身真っ赤っか!」
「そうそう、アカイって言うんだよ」
千里眼でアカイさんを見たのだろうか、ワサビちゃんがちょっと面白そうにしている。……まぁ、アカイさんって傍から見たら全身真っ赤の不審者さんだしなぁ……本人には絶対に言わないけど。
開かずの扉を開くにはどうすれば……と、悩んでいると、私が持っているがんせきプレート、こうてつプレート、つららのプレートが突然反応を示した!すると、まったく開く気配のなかった扉が、あっさりと開かれてしまった……。
そのまま奥へ進んでいくと……一匹のポケモンが佇んでいる……あ、あのポケモンは!
「なんだなんだ、あのでっけえのは!?」
「滑り台……」
「なんて?」
「いえ何でもないです忘れてください」
あっぶなぁ……これも幼い頃の記憶が刺激されるポケモン……レジギガス。よく座り込んだ彼の腕を滑り台代わりにして遊んでいた記憶が蘇る……私も幼心に「滑り台さん」なんて呼んでたっけ……。
さて、ワサビちゃんの千里眼で動く姿が見えたそうなので、早速捕獲に乗り出した。……どうしよう、ジンオウガたちで見慣れちゃってるせいか、レジギガスが小さく見えるような……。
「ズッ……ズッ……」
「あ」
「……れ、れれ……レレレレジジギガガガガガ……」
うわぁ……なんだか壊れた機械みたいな鳴き声……お母さんのレジギガスは「レージガー」って鳴いてたから、すっごい違和感しかない……。
「ルカリオ!」
「クオアァ!」
レジギガスはたしかノーマルってお母さんが言ってたはず!確かめるためにも、ルカリオをぶつける!
「はどうだん!」
「クルオォアッ!」
「ギ、ギギガガ」
その巨体故か、はどうだんはあっさりと命中した……けど、耐えている!
「ギ、ガガガガー!」
レジギガスが腕を伸ばしてくる……!にぎりつぶす攻撃かもしれない!
「回避して!」
「クォン!」
逆にルカリオはレジギガスの腕に飛び乗った!そのまま腕を駆け上がり、ルカリオはレジギガスの真上を取った!
「力強く、はどうだん!」
「クオオオアァ!!」
頭上からの一撃!この直撃はかなり効いたはず……いや、待て!
「レレレジギガガガ!!」
「グォッ!?」
「ルカリオ!」
やはり、まだ動けるか!レジギガスが使った技はしねんのずつき……ルカリオには等倍とはいえあまりダメージがない……?そういえば、お母さんが「レジギガスは戦闘開始からしばらくは調子が上がらなくって」ってよくお父さんに相談していたような……なら、本気になる前に終わらせるしかない!
ここはルカリオの必殺コンボ……早業バレパンしねん力技はどうだんの三連コンボで!
「ルカリオ!素早く、バレットパンチ!!
「クオッ!」
「ガ……」
「続けてしねんのずつき!」
「クルォア!」
「レ、ギ……」
「トドメの、力強く、はどうだん!!」
「クオオオアァ!!」
「レレ、ギ、ギ……!」
よし、全部命中した!レジギガスはだいぶ弱っている……捕まえるなら、今!
「いけぇ!」
私は勢いよくモンスターボールを投げ、レジギガスを格納する。しばらくの抵抗の後、レジギガスは無事に捕獲された!
「よっし!」
レジギガスの捕獲と同時に、真っ白な「まっさらプレート」を入手した。……コギトさんから聞いたプレートはこれで全部だけど……あと何枚あるんだろう?
「大地の巨人って感じのごっついポケモンだったよなあ!まぁ、デカさだけで言えばグラビモスやベリオロスの方がずっとでけえけどな」
「調査隊の仕事だね!ショウさんが捕まえたポケモン、どんなポケモンなのかな?図鑑の完成が楽しみ!」
「ああ、オレも学者先生の文章を楽しみにしているからよ」
「うん、待っててね二人とも」
その後、二人とはその場で別れた。ついでとばかりに、今度純白の凍土に来た時にはベリオロスと一緒に遊ぶ約束まで取り付けて。……また、来れられたら、ね。
コギトさんからの情報で知り得たプレートはすべて集めた……一旦庵に戻ってコギトさんに話を聞いてみることにした。ウォロさんもちょうど戻ってきたようで、コギトさんに次なるプレートの居場所を聞き出そうとしている。……え、木材三つ?いや、ちょうど手元にありますけど……?コギトさんが木材を三つ欲しがっているので、ささっと渡す。……まな板の新調ですか、そうですか……そして私は木材を集めた駄賃としてプレートを貰った……はい?
「プレートじゃねえか!!」
……びっくりした。ウォロさん、あんな大声で叫ぶんですね……。
思わぬところでプレート……「せいれいプレート」を入手できた私は、ウォロさんの提案でカミナギ神殿跡へと向かうことにした。……これをまな板代わりにするってコギトさんも相当変わってますね……。
山頂ベースからカミナギ寺院跡へ向かう途中、壊れた石像の前にウォロさんはいた。なんでもこの壊れた石像はディアルガ、パルキアに並ぶ第三の神……ギラティナというポケモンの像なんだとか。暴れ者ゆえにアルセウスによって異界へ追放されているそうだが……ディアルガとパルキアが現れたシンオウ神殿に、ギラティナが現れるかも知れない、というのがウォロさんの予測だ。その予測は正しいかも知れない……私たちは直ぐにシンオウ神殿へと向かった。
そこで私は……全てを知ることとなるなど、まったく予想だにしなかった……。
シンオウ神殿……いや、今は壊れてしまっているのでそう呼んでいいのかは定かではないが……。奥の祭壇までたどり着くと、先に到着していたウォロさんがいた。
「神殿も壊れ……まるで槍の柱ですね。ギラティナですが、どうやらいないようです……」
「……ウォロさん……?」
なんだ、この……なんだろう、いつもと様子がおかしい……?妙に昂ぶっているというか、ウォロさんの様子が変だ……。
「ンン?どうかしましたか?」
「あ、いえ……その……」
「いや、失礼!どうかしているのはワタクシですね」
「え?」
「ワタクシ、ウォロの本当の目的を話しすべきですか」
「え?」
ワタクシ?そんな一人称、今まで……それに、本当の目的って……?
「ワタクシはアルセウスの存在を確信した時から、どうすればアルセウスに会えるのか……それだけを考えておりました。アルセウスに挑もうとしたギラティナを探し出し、時空の裂け目を開けさせたのも、その一つ」
「は?」
「壁画に残されていたように全なる神の欠片をアナタに集めさせるのも、その一つ」
「は?」
時空の裂け目を開けさせた……?何を、言ってるんだ、あなたは……?
「神の欠片たるプレートは18枚……アナタが持っているのは17枚、ではあと1枚は……?」
ウォロさんが徐に何かを取り出した……あれは……!
「ここに在る!」
黒紫のプレート……!どうしてウォロさんがそれを……!!
ウォロさんがイチョウ商会の衣装を脱ぎ捨てると……まるで民族衣装のような、神聖さを思わせるような服装と……めっちゃ変な髪型になった。
「さあ、集めたプレートをよこしなさい。ワタクシがすべてのプレートを揃えます。ワタクシはアルセウスに会いたいという好奇心を抑えることなどできない!アルセウスと会うことができ、さらには従えることができたならば、よりよい世界を創造できるか試す!もっとも……世界を改めて創造するなら、ヒスイ地方は一瞬にして無となる……アナタも、アナタの知る人やポケモンも、存在しなかったことになるでしょう!」
……なるほど……。
「世界が消えるのを止めるなら、ワタクシと戦え!もっとも、アナタにその気がなくてもプレートを奪うため挑みますがね」
……よく、わかったよ……。
「……いい」
「ンン?何か言いましたか?」
「……こと……いい……」
「……なんですって?」
「そ ん な こ と は ど う で も い い」
「……なに?」
どうでもいい、どうでもいい。ああ、本当にどうでもいい。
「お前の言い分なんてどうでもいい。世界が消えるだとかアルセウスに会えるだとか、そんなことはどうでもいい。私にとって大切なことはたった一つ……お前がギラティナと時空の裂け目を開いたことだ!
あんなものがあったせいで、私はこんなところに来た!お前の好奇心に巻き込まれて故郷から時間も空間も引き離された私はどうなる!?生きるために、信頼を得るために働いて、勝手な言い分で追放されて裏切られて……!この上また!私を自分の都合のために利用する気か!!
……許さない。思えば、今日に至るまでに私はずっとケチが付いてばかりだ……誰に当たるでもなく、ずっとずっと我慢し続けてきたけど……もう、無理。お前だけは絶対に許さない。元よりお前が始めたことだ……因果応報で、ここでぶっ飛ばされても文句なんて言わせない……!!」
「……何を言い出すかと思えば、そんなことですか」
「……ッ!!」
「それこそ、八つ当たりされても迷惑千万。ワタクシとて、アナタが時空の裂け目から落ちてきた理由なんて知りませんよ。ただ、アナタという存在がワタクシにとって都合が良かった……それだけですが、なにか?」
許さん……許さない……ここでブチノメシテヤル。
「いけ、ミカルゲ!」
「トゲキッス!!」
叩き潰してやる……ウォロッ!!
次回、ショウ、キレる
殺意の波動に目覚めた少女はどうなるのか……
次の調査地について
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メイン任務:紅蓮に咲く妖艶なる舞
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メイン任務:翠玉の閃電、群青を断つ
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メイン任務:純白を往く峨々たる巨獣