ポケットモンスターHUNTER アルセウス   作:箱厨

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いよいよディノバルドとバトル!

そして、ヤツが……。


メイン任務:黒曜斬り裂く灼熱の刃~死合~

推奨BGM

【戦闘!伝説のポケモン】~ポケットモンスター LEGENDS アルセウス~

【4つ首の守り神:ランディア】~星のカービィWii~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尻尾を振り上げ、大きく吠えたディノバルドは高く跳躍するとそのまま縦に尻尾を振り下ろしてきた!

 

「躱して!」

 

「ガオッ!!」

 

私の指示で横へ素早く跳ねたベリオロスは斬撃を回避した!尻尾が叩きつけられた衝撃で土煙が舞い、一瞬だが視界が塞がれる。だが、場所は把握できている!

 

「つじぎり!」

 

「ガオガオッ!」

 

「グルッ……!」

 

ベリオロスはディノバルドの位置を正確に察知し、つじぎりを命中させた!僅かに後退するディノバルドだが、すぐに尻尾を振り回してきた!尻尾は銀色に光っている……マズイ、アイアンテールだ!ベリオロスの弱点タイプ!!

 

「バックステップしつつみずのはどう!」

 

「ガオウッ!」

 

振り抜かれたアイアンテールを回避しつつ、みずのはどうで攻撃する!……だが、ディノバルドは即座に尻尾を盾にして攻撃を防いでしまった……反応が早すぎる……!

 

「グルルル……ディイイィィバー!!」

 

「ギャオッ!!」

 

「……!ベリオロス!!」

 

ディノバルドが尻尾を動かすと同時に、かえんほうしゃを放ってきた!僅かに反応が遅れて攻撃が命中してしまった……!ほのおに押し込まれるも、なんとか踏ん張ってほのおを振り切るベリオロス……うん、まだ大丈夫そうだ。

あの尻尾、すごく厄介だ……武器としてだけでなく、ある程度の攻撃なら盾のように防いでしまえるなんて……。攻防一体の、ディノバルド最大の武器……あの尻尾を攻略しないことには、ディノバルドを倒すことなんてできない……!ディノバルドが苦手で、ベリオロスが使えるみず技を確実に当てていく!

ディノバルドが、尻尾を地面に擦っている……擦るたびに尻尾の表面が燃えるように赤くなっている!マズイ、尻尾が赤熱化する前に止めないと!

 

「こごえるかぜ!」

 

「ガオフゥー!」

 

「ディバースッ!!」

 

「……!ガッ、ウッ……!」

 

「なっ!」

 

動きを封じるためにこごえるかぜを指示したけど、ディノバルドはこごえるかぜをサイコカッターで突破してきた!氷の風を切り裂いて迫り来る念力の刃は、ベリオロスに小さくないダメージを重ねていく……!

 

「ディッバー!」

 

……!今度は尻尾が紫に光っている!あの光、まさかポイズンテール!?

 

「ディーバ!」

 

「躱して!!」

 

「ガオッ!!」

 

よしっ、回避成功!このヒスイ地方にポイズンテールを覚えるポケモンはいないから、すっかり油断していた……!尻尾の形状も相まって、かなり威力が高くなっていそうだ……!

けど、隙ができたぞ!

 

「力強く、インファイト!!」

 

「ガオガオガオーッ!!」

 

「ディガッ……!!」

 

ベリオロスのインファイトによる連続攻撃!はがねタイプのディノバルドには効果は抜群!!

 

「グググ……ディバー!!」

 

「……!今度はドラゴンテール……!回避!!」

 

「ガオウッ!」

 

次に使ってきたのは、以前オドガロン亜種の時に見た赤黒い雷……龍属性エネルギーを纏った尻尾攻撃だった。ドラゴンタイプの尻尾攻撃といえば、ドラゴンテール!ベリオロスとのタイプ相性は等倍だけど……ただでさえタイプ相性で不利なんだから、被弾は少しでも抑える!ベリオロスも軽快なステップで回避してくれた!!

 

「こおりのつぶて!」

 

「ガオガオッ!」

 

「グッ……?」

 

「よしっ……次は素早く、エアスラッシュ!」

 

「ガオーッ!」

 

「ディバ……!」

 

こおりのつぶてをぶつけて気を惹いたあと、エアスラッシュを早業で撃ち込む!こおりのつぶてはほとんどダメージがないが、大して通用しない技を受けたディノバルドは僅かに動きを止めた。その隙を突いて相手が怯みやすいエアスラッシュを素早く放つことで、相手を怯ませつつこちらは連続で行動する!

そして、ここで大本命!!

 

「今だ……!力強く、アクアテール!!」

 

「グオオオ……ガオオオオウッ!!」

 

「ギギャアアアアンッ!?」

 

よしっ、効いてる!大きく仰け反ったディノバルドはかなり苦しそうだ!

 

「畳み掛けて!シャドークロー!!」

 

「ガオッ!ガウガウッ!!」

 

「ギギャアアアアッ!!」

 

シャドークローを構えて突撃するベリオロスに対し、ディノバルドはだいふんげきで迫ってきた!

 

「見極めて!つじぎり!!」

 

「グッ……ガオオッ!!」

 

「ディッ、バッ!?」

 

咄嗟に足を止め、ディノバルドの動きを見切ったベリオロスはすれ違いざまにつじぎりを当てる!足を払った形になったことで、ディノバルドは大きく転倒した!!

 

「力強く、アクアテールッ!!」

 

「ガオオオッ!!」

 

「……!ディノッ!!」

 

「ガッ!?」

 

「……!ベリオロス!」

 

空中からアクアテールで強襲を……というところで素早く立ち上がったディノバルドが尻尾をなぎ払いベリオロスを切り裂いた!今のは……つじぎりの技か!空中で吹っ飛ばされたベリオロスだが、なんなく着地を決めた。

 

「ガブッ!」ギギギギギ

 

ディノバルドは……尻尾を牙で研いでいる。よし、それならこっちも!

 

「はねやすめ!」

 

「フゥー……」

 

「ディノーバアァッ!!」

 

「……!りゅうのはどう!!」

 

「ガオオオウ!!」

 

着地と同時にはねやすめを使うことで動作に無駄なく動くことができる!ディノバルドもりゅうのはどうでこちらの行動を阻害しようとするが、こちらも負けじとりゅうのはどうで迎え撃つ!タイプ一致である分、ベリオロスの方が威力が高い!りゅうのはどう同士のぶつかり合いは、ベリオロスが勝った!そのままディノバルドに命中するが……はがねタイプだから、威力は期待できないだろう。

けど、ディノバルドもだいぶ弱ってきている……そろそろ捕獲できるかな。

 

「サイコカッター!」

 

「ガオッ!ガオッ!」

 

「……!!」

 

ベリオロスのサイコカッターを、ディノバルドは尻尾を盾にして防いだ。ディノバルドが尻尾を元の位置に戻そうとする……ここだ!

 

「今だ!素早く、でんこうせっか!!」

 

「ガオッ!!」

 

「……!?ガッ!」

 

作戦は成功した!尻尾を動かして前を見た時には、既に敵は目の前にいる!突然のことで驚いたディノバルドは硬直してしまい、ベリオロスのでんこうせっかを鼻先にモロに受けたことで怯んだ!

 

「ひょうらんほう!!」

 

「ガオオッ!!」

 

さらに追い打ちで氷嵐砲を撃ち込む!氷の竜巻に囚われたディノバルドは、思わずと行った様子で竜巻から脱出した……今だ!!

 

「ベリオロス!しょうりゅうひょうが!!」

 

「ガァァァァ……オオオオオッ!!」

 

「……ッ!?ギャアアアンッ!!」

 

逃げたディノバルドを追うように、ベリオロスが昇竜氷牙で追撃する!!振り返ったディノバルドはこれを避けられず、技は直撃した!!

ディノバルドは膝を付き、息も絶え絶えといった様子……今なら……!!

 

「よしっ……モンスター――」

 

「……!待てっ、ショウ!時空の歪みが!!」

 

「――え?」

 

モンスターボールを投げようと取り出した直後、テル先輩に声をかけられた私は咄嗟に空を見上げた。そこでは、時空の歪みの中心にある小さな裂け目から、なにやら光が伸びてきていた……!?

 

「あ、あの光は……?」

 

「グルルル……」

 

ベリオロスも、光の線に警戒している。光の線は四本ほどで、その光はディノバルドの胸元まで伸びてくると一瞬にして色が変わった。そして――。

 

「……!!ガッ!?ギッ、ガアアアアアアッ!!」

 

ディノバルドが光に包まれると、急激に様子が変わり始めた……!?

 

「な、なにあれ……!?」

 

「……!ショウくん、気をつけてください!!あれは――」

 

ラベン博士が何か言っている間に、ディノバルドの変化は終わっていた。光が弾けとんだことで顕になったディノバルドは、その姿が大きく変化していた。

 

 

 

 

31m弱だった体長は、およそ3mほど伸びた34mに。

禍々しく朱く輝く双眸。

より鋭利に発達した全身の甲殻。

なにより目を引くのが、先程よりもより巨大化した剣の尾。

臨界間際を思わせるような、赤熱化した喉と尾。

 

 

 

 

「――メガシンカですっ!!」

 

「ギャオ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ン"ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM

【灼熱の刃】~モンスターハンターX~

【決意を胸に灯して】~モンスターハンターX~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、メガシンカ……!!な、なんて威圧感なの……先程までとは全然違う!

 

「ギャア"ア"ア"ア"ッ!!」

 

「……!避け――」

 

早っ――

 

「ガアアアアッ!?」

 

「ベリオロスッ!!」

 

ディノバルドは先程よりもケタ違いの速さで動き、燃え盛る炎の剣でベリオロスを一閃した!切り裂かれたベリオロスは大きく吹き飛び、崖に突っ込んでいった。それでもなおディノバルドは止まらず、だいふんげきで再びベリオロスに迫っていく!

追い打ちのだいふんげきも直撃……これ以上はマズイッ!!

 

「ガウウウウッ!!」

 

「ベリオロス!素早く、みずのはどう!!」

 

「……!ガオオッ!!」

 

「ギッ……!」

 

「力強く、はねやすめ!!」

 

「フゥー、フゥー……」

 

よしっ、咄嗟の判断が間に合った!流石にみず技は効くらしく、ディノバルドは苦しげな顔でベリオロスから距離を取った。はねやすめも指示したけど……明らかにダメージ量が回復量を上回っている……!

 

「ショウ!あまり近づきすぎるな!」

 

「けど、先輩!ベリオロスが!」

 

あのダメージは、力業はねやすめでも回復しきれない……!ここは直接かいふくのくすりを、ベリオロスに与えるしか……!

 

「ひとりで行くな!おれも行く!!ガチグマ!!」

 

「グーマ!」

 

「おれたちを乗せて、ベリオロスのところへ!!」

 

「……!!ショウくん、テルくん、危険すぎます!!戻ってきてください!」

 

先輩は私の意を汲んでくれ、自身のオヤブンガチグマを繰り出すとその背に乗り込み、同時に私も乗せてくれた。ラベン博士が制止を呼びかけてくれるけど……。

 

「ごめんなさい!」

 

一言だけ謝って、先輩に合図を送る。それと同時にガチグマが走り出し、ディノバルドを避けるように大きく迂回しながらベリオロスの下まで走る!

 

「ディバア"ア"ァ"ッ!!」

 

「ベリオロス!かみくだく!!」

 

「ガオオウッ!!」

 

ディノバルドはほのおのキバで向かってくるのに対し、こちらはかみくだくで対抗する!まだベリオロスの方が身軽なようで、ギリギリまで引きつけてから素早く横ステップを踏んで攻撃を回避!逆にかみくだくでディノバルドの背中に噛み付いた!

……だが、これはディノバルドが激しく暴れたせいですぐに振り落とされてしまった。やっぱり、さっきよりもずっと戦いづらい……!

 

「ガギッ、ギギギ……」ギギギギギ

 

……!また、ディノバルドが尻尾を研いでいる!……しかも、さっきとは違って黒い粉塵のようなものが付着している!なに、あれは……。

 

「ギガアアアァッ!!」

 

「回避!!」

 

「ガオッ!」

 

と、その時だ!ディノバルドはまるで居合い切りのように、研いでいる姿勢から尻尾を振り抜いてきたのだ!すぐに回避を指示したおかげでベリオロスは飛び上がった。よしっ、間に合っ――

 

「ガブッ!」ガチンッ!

 

「なっ――」

 

ディノバルドが、振り回した尻尾を咥え直して――

 

「ベリオ――」

 

「ディバアァァァァァッ!!」

 

「ガッ!?」

 

さっきとは逆回転で、もう一度振り抜いてきた!着地狩りをされる形となったことで、この大回転攻撃がベリオロスに直撃することとなってしまった……!さらに、そのまま尻尾を振り回し、ベリオロスを尻尾ごと崖に向けて叩きつけた!!

 

「ガ、ウ……!」

 

「ベリオロスッ!!」

 

「あっ!ショウッ!!」

 

あと一撃でも貰ったら、ベリオロスが瀕死になってしまう!!私は先輩に止められるのも無視してガチグマから飛び降りると、急いでベリオロスの下まで駆けていった。

 

「ディノ……」

 

「……あ」

 

あと少しでベリオロスに薬が届く……という距離まで近づいたところで、ディノバルドに察知されてしまった……!ディノバルドは一歩、また一歩と私にゆっくり近づいて来る……。

 

「……!!ガ、ガオウ……!」

 

ベリオロスが「逃げろ……!」と言うように吠えている。後ろからは、先輩のガチグマが必死にこっちに向かってくる足音が聞こえる。ディノバルドが大きく尾を振り上げ、私を……獲物をしっかりと捉えている。

 

「ショウーーーーッ!逃げろおおおおっ!!」

 

「ディノバアアアアアアッ!!」

 

一息に尾が振り下ろされ、刃が私に迫って――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカアアアアァァァンッ!!

 

「ショーーーーーウッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死を予感し、思わず目を閉じた私は……なぜか今、浮遊感を覚えている。なぜ……?そう思って、恐る恐る目を開けると……。

 

「……え?」

 

まず、視界に飛び込んできたのは見知った明るいクリーム色の体毛。そして苺大福を想起させるピンク色の毛並み。そして、見慣れない赤い色のリボンだった。

やがて地上に着地すると、すぐにラベン博士やアカイさん、シロちゃんが駆け寄ってきた。……どうやら、彼らの下まで戻ってきたらしい。

 

「ショウくんっ!!なんて無茶なことを!!」

 

「やれやれ……事前知識もなしに今のディノバルドに近づくなど、自殺行為だぞ」

 

「お姉ちゃん、大丈夫?」

 

「あ、うん。……えっと」

 

私が困惑していると、そっと地上に下ろされた。しっかり両足でたった私はゆっくりと振り返り、私をここまで運んだ正体を見据えた。

 

「……ミミ、ロップ……?」

 

「ミミィ」

 

私を運んだのは……オドガロン亜種によって耳を負傷し、片耳を失聴したことで戦線離脱したはずのミミロップだった。ど、どうしてここに……?それに……。

 

「ミミロップ、それ……」

 

「ミ?」

 

ミミロップは、なぜか両耳を畳んだ状態で赤いリボンで耳を結んでいる状態だった。……いや、健全な方の耳まで結んでしまって……これじゃあ、何も聞こえないんじゃ……?

 

「……おーい!!」

 

「え?」

 

と、今度は遠くから声がして振り返ると……なぜか、ヒナツさんがこっちに向かって走ってきていた。ヒナツさんが合流すると同時に、テル先輩も戻ってきた。

 

「ショウ!無事か!?」

 

「……なんとか。ミミロップが助けてくれました」

 

「そうか、ミミロップが……え、ミミロップ?なんでここに!?」

 

「はぁ、はぁ……それは、あたしが説明するよ」

 

「ヒナツさん?」

 

一瞬、ベリオロスの方を気にする。ディノバルドは私を見失ったのか、あちこちをキョロキョロと探しているようだ。ベリオロスは……動けないふりをして、隙を伺っている。早く戻ってあげたほうが良さそうだ……けど、その前にどうしてもミミロップのことを聞いておかないと……!

 

「ヒナツさん、どうしてミミロップが……」

 

「……ミミロップのこと、あたしも聞いてたんだよ。耳を怪我して聴こえなくなったせいで、戦えなくなったって。だから、あたし、心配で……時間が空いた時に、ミミロップの様子を見に行ってたんだ。

ミミロップ……ショウの力になれないって、影でずっと泣いてたんだ。それで……あたしはダメ元で、ショウのポケモンたちに相談したんだよ。そしたらさ、リオルやルカリオたちが協力してくれたんだ!」

 

「……!!」

 

そうか!放牧場でリオルやルカリオたちの姿が見えなかったのは……!

 

「……けど、彼らの教え方って、こう……感覚的なものだから、ミミロップが理解するには難しくて……。どうしようって悩んでたんだけど……実はあたし、思い出したことがあったんだ!ギンガ団の畑作隊に、ルカリオを相棒にしている人がいたなぁ、って!それでその人……ハクさんにも協力してもらったんだ!

そしたらさ、そしたらさ……!なんと!ミミロップが波導を使えるようになったんだ!!」

 

「……!?ほ、本当に……?」

 

「ミミ!」

 

私がミミロップに尋ねると、ミミロップは肯定するようにその手に青い光……波導の光を灯した。

 

「凄い……凄いよ、ミミロップ!!」

 

「波導の力が使えるようになったことで耳が聞こえなくても周りの様子を感知できるようになったし……なにより、直接声で指示しなくてもミミロップがショウの波導から言いたいこととか全部わかるようになったから、すごく便利になったよ!だから、耳が使えなくても大丈夫!ついでに両耳とも折りたたんじゃえって思って、あたしが髪結いの技術を駆使して耳を結わえたんだ」

 

「ミッミィ♪」

 

それで、耳の赤いリボン……ミミロップは「どう?」と言いたげに耳を持ち上げている。

……うん、可愛いよミミロップ。すごく可愛い。私の考えを、波導を読み取ったのかミミロップは嬉しそうに笑った。

 

「凄いですよ……ミミロップは本来、波導を使えないはずなのに……!」

 

「……相棒となる人間の想いに答えようとする気概……その気概が、ミミロップを新たな境地へと導いたのだろう。素晴らしい……あぁ、素晴らしいな!我が地方にいるライダーたちを思い出すよ」

 

アカイさんの言葉に、私はしっかりと頷いた。ミミロップが、私の力になるために得た、新しい力……その力を、存分に活かす時だ!

 

「ギギャアアアアン!!」

 

……!ディノバルドがこっちに気がついた……すごい勢いで走ってくる……!!

 

「……行ける?ミミロップ」

 

「ミッ!」

 

「気をつけろ、ショウ。今のディノバルドは普通ではない。

メガディノバルド……またの名を『燼滅刃ディノバルド』!黒い粉塵には爆破する特性がある!奴の間合いに気をつけるんだ!」

 

「わかりました、アカイさん!行こう、ミミロップ!!」

 

「ミッミィッ!!」

 

ミミロップへの指示は、心の中で念じるだけでいい。ミミロップが波導を通して、私の思考を読んでくれる……だったら、こういうことだってできるはずだ!!

 

「ベリオロス!みずのはどう!!(ミミロップ!素早く、マッハパンチ!!)」

 

「……!ガオオン!!」

 

「ミッ……ミィッ!!」

 

「!?!?!?!?」

 

口頭でベリオロスに、思考でミミロップに同時に指示を出す!!動けないふりをしていたベリオロスも素早く立ち上がり、みずのはどうを放つ……それと同時に、ミミロップが早業マッハパンチでディノバルドへ一気に肉薄した!

突然の二匹同時攻撃に、ディノバルドは混乱しているようだ!ミミロップのマッハパンチが鼻先に命中し怯むと同時に、背後からみずのはどうをぶつけられさらに怯んだ!

 

「ギギャア"ア"ア"ア"ン"ッ!!」

 

「ミッ!ミッ!ミッ!ミッ!」

 

ディノバルドは、眼前で跳ね回るミミロップに尻尾を振り回すが、波導の力を得たミミロップは単調になり始めたディノバルドの斬撃を軽快に、まるで踊るようにして回避している!!

 

「ほぅ……見事な動きだ。まるで舞い踊るかのように攻撃を避けるとは……極み個体ほどではないが、力を得て強くなったようだな。

今のミミロップは、【(まい)(うさぎ)】と呼ぶに相応しい」

 

「【舞兎】?」

 

「いわゆる二つ名さ。我が地方には、極み個体の他に強化個体への呼称として、【二つ名】というものが存在する。それに肖っただけのことだ」

 

「……いえ、素敵な名前だなと思ったんです。ありがとうございます」

 

「……そうか」

 

舞兎ミミロップ】……うん、今のミミロップに似合う素敵な名前だ。今のミミロップなら、波導技だって使いこなせる!!

 

「ベリオロス!ふぶき!!(ミミロップ!みずのはどう!!)」

 

「ガオオオオンッ!!」

 

「ミッミー……ロォッ!!」

 

「ディバッ……!ギャオウッ!?」

 

ベリオロスのふぶきで動きを止め、さらにふぶきが止んだ直後にミミロップのみずのはどうが直撃!……うん、やっぱりそうだ!ミミロップのみずのはどう、明らかに威力が上がっている!!

 

「ギギャア"ア"ア"ア"ッ!!」

 

「ガウッ……!

 

ディノバルドは再び灼熱に燃える尻尾を振りかざし、ベリオロスへと一気に振り下ろす。ベリオロスは斬撃は回避したけれど、斬撃の衝撃で発生した爆破は避けきれずに被弾した……!

さらにそのままの勢いで大回転し、ミミロップにも刃を向けてくる!だが……!

 

「ミイィッ!!」

 

「ディバッ!?」

 

なんと!ミミロップは攻撃を回避するばかりか、赤熱化している尻尾の上に乗ってしまった!手や足先から波導の力を出すことで、熱を遮断しているのか……!

ディノバルドは思いもよらない回避法に驚き、動きを止めた……今だ!!

 

「ベリオロス!力強く、ひょうらんほう!!(ミミロップ!力強く、はどうだん!!)」

 

「ガオオオオオオオンッ!!」

 

「ミッミィーーーーッ!!」

 

ミミロップがディノバルドの尻尾から跳躍すると同時に、ベリオロスが力業氷嵐砲を放って動きを止めた!ミミロップは両手に波導の力を集めてはどうだんを形成すると、それをオーバーヘッドキックの要領で蹴飛ばして打ち出した!

 

「ギギャアアアアアンッ!?」

 

激しい大爆発が起こり、ディノバルドの悲鳴が木霊する。やがて煙が晴れると……ディノバルドが倒れている!目を回して倒れるディノバルドが再び光に包まれると、元の姿に戻った……よしっ!!

 

「モンスターボール!!」

 

私は倒れたディノバルドに向かってボールを投げた!!ボールはディノバルドをしっかりと格納すると、僅かな抵抗の後に花火を打ち上げた。……やった!

 

「ディノバルド!捕獲完了!!」

 

捕獲できた!!ディノバルドのボールを拾いに近づくと、ボールのすぐそばに何かが落ちていた。

 

「……これ、メガストーン?」

 

模様が濃赤色、周りが蒼色のメガストーン……色合い的にどう考えてもディノバルドのメガストーンだ。私がボールとメガストーンを持ったまま突っ立っていると、みんなが一斉に集まってきた。

 

「やったな!ショウ!!」

 

「凄い凄い!凄いですよ!さすがはショウくんなのです!!」

 

「あぁ、見事だった。途中、危ない点もあったが……まぁ、今はそれも抜きにしていいだろう」

 

「お姉ちゃん、おめでとう!」

 

「やったね、ショウ!ミミロップ!」

 

「みんな……ありがとう!」

 

私がみんなにお礼を言うと同時に、時空の歪みが消滅した……。

 

「やはり、巨大ポケモンが時空の歪みに対する楔になっているのだろう。彼らを捕獲するなり始末するなりして時空の歪み内部から排除しなければ、今回の異変は解決しないようだな」

 

「……大丈夫です。全てのポケモンを捕まえてみせますよ。ですから、始末なんて物騒なことは言わないでくださいね」

 

「……フッ。あぁ、わかったよ」

 

アカイさんは肩をすくめながら小さく笑った。それから、アカイさんとシロちゃんは他の地域の歪みを見てくると言って、そのまま立ち去っていった。

 

「ミミロップ、ありがとう。あなたが来てくれたおかげで、無事に勝てたよ」

 

「ミミィ」

 

「……改めて宜しくね、ミミロップ!」

 

「ミッミィ~♪」

 

「ガオオンッ!」

 

ベリオロスも、嬉しそうに声を上げている。私たちは次の目的地を定めるべく、一路コトブキムラを目指して歩いて――

 

「……ガオ?」

 

「……?ベリオロス?」

 

ベリオロスをボールに戻そうとしたところ、何かに気づいたかのように踵を返して歩いて行った。ベリオロスが立ち止まったのを見てその場に近づくと……人が倒れている……!?

なんというか、変わった格好の人だ……全体的に茶と黒の色の鋼鉄製の鎧を纏っていて、アクセントなのか所々に赤い線が走っている。すぐそばには身の丈を優に超えるでっかい刀まで落ちている……。

 

「ショウくん、どうしたのですか?」

 

「あ、博士……いえ、人が倒れていて……」

 

「うわ、なんだこの人……団長みたいな鎧を着ているぞ」

 

「うーん……もしかすると、時空の歪みが原因かもしれませんね……。本人から話を聞いてみないことにはなんとも……」

 

「……とりあえず、連れて帰りますね。お願い、ベリオロス」

 

「ガオガオ」

 

ベリオロスは器用に人と刀の両方を咥えると、そのまま歩き始めた。……あの長い牙を避けながら、普通に咥えて行っちゃった。ベリオロスって器用なんだね。

私たちは改めて、コトブキムラヘ帰還していった。

 

 

 

 

▼ミミロップは 【舞兎】へと 成長した!

 

 

 

 




そう!ヤツ(ミミロップ)が帰ってくる!!

ディノバルドの詳細はこちら

ディノバルド
ほのお/はがね
弱点 火:× 水:◎ 雷:△ 氷:○ 龍:△
四倍:みず、じめん
二倍:かくとう
半減以下:ノーマル、でんき、くさ、こおり、ひこう、エスパー、むし、ドラゴン、はがね、フェアリー
効果なし:ほのお、どく
等倍:上記以外全て

モンハンパゥワーで耐性が一個増えてる……こおりも苦手だけどほのおとはがねの二タイプで強引に半減しているし。
その代わり二倍弱点のみずが四倍に。結構バランス取れてるのかな。

二つ名ミミロップの詳細はまた次回の前書きにでも書きます!
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